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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

地獄へようこそ

作者: 江川 蘭奈

私は、小学2年生になってから引越しをした

学校が近く通いやすくなるからだ

クラスメイトも変わらず楽しい毎日を

送っていた 5年生になるまでは…

今までの担任は、2年交代で女性だった

だから 5年生になってから担任が男性に

なるのは不安だった

初めのうちは、優しくて頼もしくて

面白い芸人みたいな先生で

いつも 笑いが起きていた

あの不安は、薄れた様な気がした

しかし その不安は 的中する事に…

私が授業中に少し、下を向いただけで

昔の先生の様に チョークを投げて来たのだ

私は、思わず泣きそうになった

他の子もその被害に遭っていたが

私の方が 下を向く回数が多く

担任から目を付けられてしまっていた

算数の時間になると毎回の様に私を指名し、

黒板の前に立たせ 答えを書くまで

クラスメイトと 馬鹿にした様に笑い合っていた

私が 算数 苦手なのを知ると担任は、

『 火星ちゃん』と変なあだ名を付け

「火星から来たから 分からないんだな」

みんなの前で言い始めた

私は、何も言い返せず 涙を堪えた

それから 私への いじめが始まった

物を隠され 暴言を吐かれ 物を取られ

時には、菌扱いもされ 散々な目に遭ったが

私は、学校を休まずに 毎日 通学していた

勿論、母にも話せなかった 心配させたくない

と思っていたからだ

だけど 母と兄は、気が付いていた

転校も考えていたらしいが どこに行っても

私が 変わらなければ また、いじめられる

結局、転校は 無しになった

いじめは、中学2年生後半を機に

ぱったりと無くなった

それは、私が 別のクラスに移動したからだ

勉強が追い付かなくなり 担任から 他のクラスを

提案されたので そこで勉強する事に

先輩達 3人と私で 仲良く 楽しく 過ごしていた

いじめをしていた子達からは、謝罪等 なかった

家庭では、いつ頃だったか 母と兄から

暴力を 受けていた

ご飯は、食べさせてくれていたが

2人から 蹴られる事が多かった

必ず 片方がいない時に 行われていた

私は、ただ 涙ながらに 誤っていた

一度、母に反撃をした事があった

しかし、母は 親に逆らったと 喚いていた

それからは 反撃もしないで 大人しく

されるがままだった

兄から 蹴られた時は、息が出来なくなり

このまま 死ぬのかな 死にたい 死なせて

と神様に お願いをしていた

「お前に 生きる権利はねぇからな」

そう言われた時は、何で 私は こんな家に

生まれて来たんだろう 愛されていないんだ

そう思っていた

母に 包丁を向けられた事もある

もう、いじめも暴力も 限界で

毎日、死ぬ事ばかり 考えていた

手当たり次第に 思いつく限り 試してみたが

やはり、死ぬのは怖かった

煙の様に 消えたかった

暴力も 兄が 社会人になってから 無くなった

それからは 母も兄も 優しくなり 落ち着きを

取り戻した 私も 死ぬ事を考えるのは やめにした

高校は、行かないと 社会人になってから 困る事が

多いと 母に言われたので 行く事にした

前の学校の子は いないので 少しは 安心だった

中学の先生からの 勧めで 寮がある所に入学した

私は ここでも いじめられないか 心配だったが

みんな 優しくて 気の合う友達が 多かった為、

すぐに 打ち解けられた

先生は、理不尽な 先生もいた 寮の先生にも

そういう先生が多かった

体育の女の先生は、私の ボールの 投げ方が

悪いと 私の顔目掛けて 投げて来た

寮の 1人の女性の 先生に 何故か 嫌われていて 私が 寮に 入って来なければ良かったと 罵倒された

その学校は、おかしいほど 恋愛関係に

とても 厳しかった

普通に 男友達と 話していても 近いと離され

彼氏と 手を繋ぐ事も許されなかった

他の高校との交流会で じゃんけん列車を

した時に 当時の彼氏と じゃんけんをして

私が 負けたので 後ろに着く事に

後日、学校へ行くと じゃんけん列車の事で

呼び出された それぐらい厳しかったのだ

高校3年生になり 男の担任になった

その先生は、ある教師漫画の 真似をして

クラスメイトから 毛嫌いされていた

高校に 入らなければ 良かったと

思った事もあったが 今でも 仲良くしてくれる

友達が 出来たので 良かったと思う

やっとその変な高校を 卒業し、無事 社会人に

そこでも 理不尽な 上司がいたせいで 私は

気分が 落ち込み 仕事を 休みたくなった

しかし、その上司が 異動になり 少しは

気分も 戻り いつも通りに 仕事を していた

働いて 3年程、気になる人が出来た

同じ職場の 数歳 年上の人だ

その人は、真面目で 背が高くて 優しくて

頼れて 笑わせてくれて とても 素敵な人

私は、まず 挨拶しか していなかったので

会話をする事を始めた

休みの日に 買った物 その日の天気 少しずつだが

相手と近い存在になれた 気がした

ある日、私が いつも通りに 退社しようと

タイムカードを押した時 伊賀さん(仮名)が

食事に誘ってくれた 私は、急いで 帰る支度をして

伊賀さんの 運転する車で レストランに向かった

緊張してしまい あまり、話せなかったが

伊賀さんが 何かと気を使ってくれて 安心した

会計の時、払おうとしたが 伊賀さんが

それを断り、奢ってくれた

食事が終わり 伊賀さんは、家まで 送ってくれた

楽しい夜を過ごした

それから 私は、伊賀さんと お付き合いをしている

結婚は、いずれしたい


いじめや 暴力で 地獄のような日々で

不幸のどん底にいたこんな私が

こんな普通の幸せを 手に入れられるとは

思いもしなかった

あの時、本当に死ななくて良かった


この話は、実話っぽいですが フィクションです






































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― 新着の感想 ―
[一言] タイトルに誘われて読みましたが、一変幸せな日々を過ごしているようでよかったです。私もいじめられたことがありましたが、あの苦悩は本当につらいですよね。
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