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一 追憶の唄を
人が死にます。シリアスです。
故郷はとても美しいところだった。
あたしはそれを知っている。
あたしは故郷が大好きだった。
仲の良い仲間たち。
毅然とした母親。
優しすぎる父親。
春は梅と桜の花。藤の花も咲き乱れて。
夏は梨の白い花。川の水が冷たくて気持ち良かった。
秋は紅葉。母の二胡の音が愛しい。
冬は雪化粧の山々。凍える寒空に登る煙。
だからあたしは、決して忘れない。
燃え盛る炎も、煤にまみれた腕も、あの絶望でさえも、覚えていよう。
夜に花の香りを嗅ぐ度に思いだそう。
となりの幼馴染みと繋いだ手が震えていたことを。
大切な人たちの亡骸を、二人だけで埋めたことを。
大地に染み込んだ涙の色も。
ありがとうございました




