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食事の記憶
今回は我がクラスの愛すべき神様より、『郷愁』のお題を貰ったので、こんな詩にしてみました。
せわしない日常
左から流れてくる仕事を
右へ流す日常
辛い日常
上からは怒られ
下からはなめられる日常
そんな日常の中にある
大好きな時間
食事の時間
食事をしていると思い出す
胡座をかく父を
丸まった背を伸ばして必死に食べる祖母を
日本酒を煽る祖父を
そして
食事を作る母の背を
幼い日の思い出
母はクッキーを焼いてくれた
喧嘩した日の思い出
母はアイスクリームを作ってくれた
部活後の思い出
母はレバニラ炒めを作ってくれた
上京した日の思い出
母は大好物のハンバーグを作って送り出してくれた
初めて帰郷した日の思い出
母はケチャップご飯のオムライスを作ってくれた
思い出がつまった
実家の台所の母の背
次は何を作ってくれるのだろう
喧噪に包まれた都会の真ん中で私は一人、心地の良い物思いにふけるのだった。
皆さんはちゃんと思い出を残してますか?
ちゃんと親孝行してますか?
ふと、実家を思い出したとき、一本の電話をしてみて下さい。きっと、あなたの何かが救われますから。