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どうやら俺の学校は占拠されたらしい

はい、気がつけば前回の投稿から二週間程度空いてしまいました。

いや、自分が悪いのが駄目なのは分かってるですよね。

……はい!ネガティブ終わり!!


出来るだけ皆さんが楽しんでくれるように最善を尽くしていくのでこれからも宜しくお願いします!

「聞け!俺たちは銃士団(じゅうしだん)!この東花高校を占拠した!誰一人逃げられないと思え!」

当たり前の学校風景が目の前で流れ、今日も奈々や理央やクラスメイトと何気ない会話をして珍しい午前授業に浮かれながら変える予定だった。


しかし、その考えはスピーカーから聞こえた突然の言葉にして一変した。


突然のスピーカーから聞こえた言葉に戸惑いを隠せず、一斉に各クラスから戸惑いの声や悲鳴の声が聞こえた。それはここも同じで混乱している者、近くの友達と言い合っている者等がいた。


あまりに情報量のない言葉に戸惑っているみたいだ。俺もさっきの言葉が真実なのかわからないため次の行動が制限されてしまう。


ともかく近くにいる理央と唯は何かあった時は俺が守れるようにしとかないと。


まず理央に声をかけようとした瞬間、スピーカーから一発の銃弾の音が放たれた。その銃弾の音は一瞬の悲鳴と共に直ぐに静寂に変わった。


「いいかガキ共、お前らは俺達の人質だ。此方からは危害は加えねぇつもりだ、けどもし俺達が虫の音を損ねたらすぐに皆殺しにしてやるからその何も詰まってねぇ空っぽの脳みそにねじ込んどけ。」


明らかに俺達の落ち着きのない雰囲気に機嫌を損ねたようで言葉から憤りを感じているのは分かった。


けど、こんな状態で生徒の全員がその言葉を守れる訳がない。現に三階のクラスでは小さいながらも悲鳴を上げている生徒がいた。


その悲鳴に釣られて所々で声が漏れていた。このクラスは東花という統率が取れる奴がいるから全員がまだ安定しているが他のクラスにこの状態で落ち着いて行動出来る生徒は申し訳ないが、いるように見えなかった。


「皆一つに固まっておきましょう。言い争ってるより協力することが今出来ることよ。」


東花の言葉の通りクラスメイトを窓側に固まって座るようにしていた。俺も座ろうとすると東花に肩を掴まれ止められた。


「恭也、貴方運動神経は良い方よね?」


「まあ高い方だと思うが、いきなりどうしたんだ?」


「じゃあ、銃を前にしてもそれは活かせる?」


「……お前、まさか!!」


「そう、そのまさかよ。」


どうやらうちのクラスの委員長は勇敢にも銃士団とやらに対抗するみたいだ。


別に東花一人でやるのは勝手だが……


「事を起こす前から俺をその対抗戦力に入れないでくれ。東花と違って俺は只の一般人なんだぜ。」


「あら、か弱いレディに向かって酷い言い方ね。」


「か弱い……ね」


東花の言葉に目を逸らしながら言うと腹に鋭い一撃を食らった。お、重い!


「さ、流石東花。その鋭さは久し振りに受けたが衰えてないな。逆に強くなってる気がする。」


「私はいつもの運動をしてるだけで何も変わってないわ。貴方が弱くなっただけよ。」


東花の鋭いを食らい意識か飛びながら昔の事を思い出していた。











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー












「もう!貴方達本当に何してたの!」


「「「本当にすいません」」」


入学式の後、遅刻して入ってきた俺たちは呼びに来てくれた女の子にこっぴどく怒られた。しかも教室に入ってからすぐにだ。


確かに俺たちに全責任があるし呼びに来てくれたことにも凄く助かった。チラッと保護者席を見ると親父と美咲さんに飽きられた顔は今でも頭に残ってる。……本当に申し訳ない。


隣の奈々と銀髪の女の子はすでに泣きかけ寸前だった。さ、流石に二人がヤバイ!ついでに俺の足もヤバイ!


「それに!」


「わ、分かった!俺たちが悪かったのは十分に分かった!本当に呼びに来てくれて助かった!な、奈々!」


「え?……う、うん!凄い分かった!ありがとう、えっと……」


「日和よ、東花日和。」


「ありがとう日和ちゃん!」


「ちゃん!?」


東花さんの事をいきなりラフな言い方で奈々が呼びやがった。だから初めての人にちゃんとかあんまり使うなってあれほど言ったのにあの馬鹿。


「えっ?嫌だった?」


「当たり前でしょ!今日初めて会っていきなり馴れ馴れし過ぎよ!」


「え~可愛いと思うよ?」


「可愛いとかの問題じゃない!それに、話はまだ終わって……」


どうやら東花さんと奈々の討論で先程の話が終わったみたいだ。ナイスだ奈々!お前は俺とこの子を助けたんだ!


取り合えず半泣き状態になっている女の子に声を掛けた。


「奈々が東花さんと口論してる内に逃げるぞ。」


「ふぇ?で、でも奈々さんが。」


「あいつは大丈夫だから問題ない。長年あいつと付き合いがある俺が言う言葉だ。」


奈々とは物心ついた時からの幼馴染みだが、今でも奈々を知り尽くせていない。奈々……恐ろしい子!


俺の変な自信の言葉を純心に信じて頷いた。うん、その純心さを持ったまま育ってくれ。


教室の後ろで説教されていたため黒板に貼られている自分の座る机がわからない状況だ。取り合えず近くの机に座っている子に声を掛けた。


「なあ、花園恭也は何処の席なのか教えてくれないか?それと、えっと名前聞いてなかったよな。」


自分から友達になろうって言っておきながら名前を聞き忘れるなんてミスったな。まあ、状況が慌ただしかったのもあったが。


「あっ、うん。神崎理央って言います。宜しくね、花園君。」


「名前で呼んでくれ構わないぜ神崎さん。」


「じゃあ、私も名前で呼んで?」


凄い恥ずかしがりだと思ったけど、意外とちゃんと話してくれる。初対面じゃないからっていうのもあるのか?


「了解、悪いけど理央の分も見てくれないか?」


「あ、ああ。分かった。」


口論をしている二人にバレない程度の声で確認して貰った。どうやら理央とは席が前後しているだけで、近いみたいだ。


その事を理央に伝えたときに眩い程の笑顔を見せられた。……うん、可愛い。


こそこそと理央と席に着くと丁度担任が入ってきた。うん、なんか覇気がない担任だな。担任を見ると男子がため息をついていた。なんだ?そんなに恐いのかあの先生は。


教卓に荷物を置いて顔を上げると奈々と東花さんがまだ言い合っている姿が見えたようで、寝起きのようにその光景を見ていた先生が二人に声を掛けた。


「東花日和さん、白河奈々さん。ホームルームですので席に座ってください。」


腑抜けた声がどうやら二人に聞こえたようで二人とも顔を真っ赤にしながら弁解をしようとしていた。


「先生!これは深い理由がありまして、この三人が……へ?」


「私だけ!?恭君達も……あれ?」


ようやく俺たちがいなくなった事に気付いたようで見付けた瞬間、二人の恥ずかしさと怒りが頂点になったような顔でこちらに走り出そうとしていたが、クラスメイトから見られていたという羞恥心が勝ったようですぐに俯いていた。


こうなることを分かって動いたが、二人とも本当にごめん。俺はその羞恥心を味わいたくなかったんだ。


二人が大人しくなったのを見計らって担任が二人に席に戻るように声をかけると、小さく返事をしてから席に戻っていった。


そういえば、俺の隣の席にまだ誰も座ってないな?今日は休んでるのか?そんな好奇心を心に抱いた瞬間、その好奇心はこれから起こる絶望感に変わった。


どうやら俺の席の隣は東花日和のようで俺の隣で立って身体を震わせていた。や、ヤバイ!俺の中の勘が身体中を通して危険信号を知らせてきた。


「わ、悪かった東花さん!二人を放置にしたことは謝るから!」


「この………馬鹿ぁ!!!!」


「グハッ!!」


「恭(恭也)君!?」


東花さんからの叫びと共に腹に人生にそう食らわないだろう強烈な痛みを感じた。その瞬間、奈々と理央の叫びと共に俺は意識を飛ばした。











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー













東花の久し振りのパンチを食らって10分後が経っていた。東花に起こされてから、あの放送後に占拠したメンバーだと推測出来る顔を隠し、サングラスとバンダナを着けて手には黒光りしている明らかに重みのある拳銃を持っている男が東館を見回りをしているという状況を聞いた。


それはいいんだが……


「まずは謝ってくれ」


「あら、もう一発欲しいの?」


「すいません!俺が悪かったです!」


駄目だ、とても東花に太刀打ちできるきがしない。男としてどうなんだそれは。小さくため息を着いて現状の情報を貰うことにした。


もう、やけくそだ!面倒な事で東花に目をつけられた時点で、断れるという選択肢は消えてしまうのだ。


どうやら足音はその男しか聞こえないため、一人で見回りをしている確率が高いらしい。しかし、東館の出入り口は二つあるため最低三人はこの東館に配置されてる可能性が高いようだ。


20分後、外からパトカーのサイレンが鳴っている。窓から覗くと東花高校を丸く囲んでいるようだ。助けに来てくれたのか、助かった。これで無駄な事をしなくてすむ。


なんて甘い考えは東花の一言で全て無意味に変わった。


「さて、動くわよ恭也。」


「……は?」


「お父様がこの学校を包囲してくれるから増援はないわ。後は、人質に取られてる生徒を助け出すだけよ。」


どうやらこのパトカーは犯人達を逮捕をする目的ではなく増援をいれないようにするためらしい。てことは校内の生徒の安全確保までは動いてくれないってことだよな。


勘弁してくれよ、さっきの俺の安心感を返してくれ!


「……分かった。けど絶対に危険な真似はするなよ。」


「当たり前よ、それにこのテロは東花グループに対する挑戦状よ。嘗められたままじゃ東花グループの名折れよ!」


人一倍自分の名前を誇りに持っている東花にはこのテロは許せないみたいだ。いや、それだけで銃持ってる奴等に立ち向かおうとするのは間違ってると思うが。


「了解、もう作戦とか決まってるのか?」


「勿論よ、恭也が伸びてる時間に十分できたわ。それでも、携帯からの指示で臨機応変に動いてもらう可能性が高いから今から言うことを頭に叩き込んでなさいよ。」


流石はうちのクラスの委員長(東花日和)だ。


「恭君。」


「ん?なんだ奈々?」


東花の作戦を聞く直前、奈々がこっちにしゃがんでこっちに来た。スカート抑えながら来いよ!見えちゃいけないのが見えるぞ!


ほら、理央と唯が必死に隠してくれてるから!


言いたい気持ちを押さえながら奈々を見る。


「何となく恭君が今からすることは分かるから言っておくけど、怪我だけはしないでね。」


「ああ、俺も怪我したくないしな。心配するな。」


「うん……」


俺を心配してくれたみたいだ。それは嬉しいが小さい頃から奈々の天然っぷりにどれだけ恐ろしいことに首突っ込んだか覚えているのかと小一時間程問いただしくなる。


まあ、例え拳銃を持ってても回りにパトカーが止まって動揺するレベルの相手にそう苦戦するとは思わないけどな。


……って違う!これは普通の学生の考えじゃないって!俺は普通の学生、どこにでもいる一般生徒なんだ。


………よし!


「東花教えてくれ、その作戦ってやつを。」


「言われなくても教えるわよ。」










ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








ガヤガヤガヤガヤ


「ん?何だか騒がしいな。」


「見てこいよ、リーダーの指示で黙らせろって言ってたからな。」


「へいへい」


くそ、あいつ俺を使いやがって。銃の使い方が俺より上手いってだけで偉そうにしやがって。年上を敬えってんだ。


それに、この学校に馬鹿みてぇにサツが来てやがるしどうなってやがる。早めに金を頂いて逃げようぜ!


ここか、2-A。最初は大人しくしてたってのにとうとう我慢が出来なくなったってことか。折角銃なんて持ってるしな、有効活用させて貰おうじゃねぇか。


「おい!うるせぇぞ餓鬼共!」パンッ!


「「「うわぁ(きゃっ)!」」」


「次騒いだら……どうなるか分かってるだろうな。」


びびって声も出ずに頷いてやがるな。よしよし、もし殺しでもしたら一生サツのお世話になるからな。それだけは御免だ。


「最近の犯罪者は、弾一発で脅せるとでも思ってるのかしら。」


「ああ?てめぇ、俺に喧嘩売ってんのか!」


「脅しだけは一人前みたいね、それぐらいなら私たちにだって出来るわよ。」


この、クソアマ!……良いこと思い付いたぜ。


「おい、今俺はすげぇ機嫌悪いんだ。このクラスの全員をぶち殺してぇぐらいにな。」


「な!?他の生徒は関係ないわ!」


「うるせぇ!てめぇのせいでこいつらは死ぬんだよ!」


おうおう、さっきまでの態度と違って大人しくなってやがるなこいつ。へへ、後ちょっとだ。


「だけどよぉ、俺もあいつらの中でも心が広いからな。お前が今ここで脱ぐってんなら見逃してやるよ。」


「なっ!?」


青ざめたなこのアマ、見せたくもないこいつらの前で裸にされるなんて屈辱だよな~。


「くっ!」


「そうだ、お前の行動で皆が助かるんだよ。」


上着に手を掛け初めやがった。その屈辱のストリップを俺も楽しませてもらおう……


ドンッ!


「グヘッ!」


後ろからの強い衝撃で意識が遠のいていく。完全に落ちる前に見た女の顔は勝ち誇っていた顔をしていた。くそっ、嵌めら……れ……た………









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








「全く、まさか脱げなんていうとは思わなかったわ。これだから無粋な男は嫌なのよ。」


「ま、まあそのお陰で意識も東花の方に向いてたからやり易かったぞ。」


「当たり前よ、成功が絶対条件なんですから。」


服の身なりを整えながら先程の男の愚痴を言っていた。そりゃあ脱げなんて言われたらキレるよな。まあ、普通の女の子の東花や奈々以外はじゃなかったら恐怖心に負けるかもしれないな。


これで第一の徘徊する男の無力化に成功したな。しかし……


「東花から借りたこの棒、俺が思ってより効くな。」


「それはそうよ。それは東花グループが開発した凶悪犯罪者等に機動隊が用いる代物よ。そこら辺の警官が持っている警棒の数倍威力があるわ。」


「……なんて物を俺に渡してんだよ。てか、何故持ってるんだよ。」


「最初は女性狙いの犯罪を減らすという目的で作っていたのもあって、小型で持ち運びやすいし何より他の人からは分かりにくいのよ。」


流石、東花グループのお嬢様。軍に使われてる武器をさっとポケットから出すとは。


「これで、よし。日和ちゃん終わったよ!」


「ナイスよ奈々。」


奈々の声が聞こえる方を見るとさっきの男は教室の隅でロープでぐるぐる巻きされて口にガムテープをされている状態になっていた。うん、奈々鼻までガムテープで隠されてるぞ。


待て、東花!これ以上追い討ちはヤバイ、マジで死ぬから!うわっ、待て!それは男としてダメな所……うわぁ


「ふぅ、スッキリした。」


「ぐっ、見てるだけで痛いな……それで、第二作戦はどうなんだ?」


「一階で見張りをしているのは一人だけみたいよ。どうやら、敵は少人数みたいね。例え学生だとしても扉が二つもあるんだから見張りは二人付けるのが当たり前よ。それとも、計画性もない犯行かの二通りね……」


「ちなみに、その知識は何処で知ったんだ?」


「私に護身術を教えてくれてるボディーガードからよ。お父様からは世界中からスカウトされるような人材と聞いているわ。」


話のスケールが大きすぎて一々考えてたら持たない。まあ、相手は素人ってことだな。


「一人ならやり易いわ。私が注意を引くようにするから、恭也は後ろからお願いするわ。合図は大きな音よ。出来るだけ長く音を流しておくから音が鳴っている間に無力化して頂戴。」


「了解。」


「恭也は南階段で待機しておいて。音を出すから隠し伊達は通じなくなるわ。無力化したらそのまま本館に入っていって待機して。何か問題があったらすぐに電話をして。」


「分かった、じゃあ行ってくる。準備ができたらメールをするから確認しておいてくれ。」


「ええ、了解。」





よし、やっぱり巡回は一人だけか。けど、さっきの発砲で来るかと思ったら来なかったな。血の気の多い奴と仲間から思われてたからなのか。


兎に角、今は到着したことを知らせよう。


……よし、後は一応見張りの様子を見るか。バレないように慎重に行動しないとな。


どうやら渡り廊下の真ん中に待機してるみたいだな。時々動く程度でその場をあまり動かないか。まあ、銃を持ってる訳だしそこまで動く必要もないんだろうな。


さて、後は頼むぞ東花。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









恭也からメールが来たわね。さて、こちらも動きましょう。


「日和ちゃん待って!」


「奈々?それに、理央と咲野さんも?どうしたの?」


「日和ちゃん達の声聞こえてたんだけどもう見回りの人はいないんだよね。」


「ええ、そこの男だけみたいだから。」


「なら、日和ちゃんのすること手伝わせてもらってくれない?」


「奈々!?」


何言い出してるのこの子は!?それに、後ろの二人も決意を固めている顔をしてるけど。


「駄目に決まってるでしょ!何のために二人だけで行動してると思ってるのよ。」


「お願い日和ちゃん!一回だけでも二人の手助けをしたいの!」


「東花さん、私も二人の役に立ちたいの。」


「お願い……」


……も~!何で結局こうなるのよ。あんたの人並外れた運動能力を宛にして選んだけど、まさかこんなオプションがもれなく着いてくるなんて聞いてないわよ。


この三人に何かあったらあんたを呪ってやるわよ恭也!


「…はぁ、分かったわ。この作戦だけ手伝って。その代わり私の指示に従ってもらうわよ。」


「うん!ありがとう日和ちゃん!」


「ありがとうございます!」


「ありがとう……」


「特に奈々、あんたはしっかり守りなさいよ。」


「ええ~!何で私だけなの~!」


「自分の胸に手を当てて聞いてみなさい。」


不思議な顔をして手を当ててる奈々は放っておいておこう。


もし、恭也に何かあったときはあんたがいつもイレギュラーなのよ。あんたの恭也が危ないと分かったときの行動は分からないんだから。


それにしても、恭也にああ言ったものの長く音を流せ且つ相手の注意を引き付ける物か。そんな物東館にあるかしら……


「どうしたの、東花さん。」


「理央?ええ、実は相手の気を引けて長く鳴り続ける物を探してるのよ。けど、東館にその条件に合う物があるか考えていたの。」


「気を引けて長く鳴り続ける物、えっとそれってお米とかでも出来るかな?」


「お米?確かにある程度の量さえあれば音も大きくなるけど、そんな量のお米なんて何処に?」


「えっとね、私料理部に入ってるの。それで今日の放課後に炊き込みご飯を作ることになって各自お米を持ってきてたの。」


それで、米なんて言ったのね!偶然の救いだわ。だけどまだ一つ聞かないと。


「でも、長い間鳴り続ける程の量の米なんて何処から手に入れるの?このクラスにも何人か料理部がいるのは知ってるけど。」


「えっと、実はBクラスの進藤君の家がお米を取り扱ってるお店みたいで。炊き込みご飯作るって聞いて、お米一杯持ってくるって前に言ってからもしかするとって思って。」


もしそれが本当ならその進藤君の持ってきてる量次第で可能になるわ。


「成る程、ならまずはその進藤君がいるBクラスに行く必要があるわね。でも、素直に貸してくれるかしら?」


もしするとおっかない男だったりしたら最終的に物理的ダメージを受けないといけないわね。


「大丈夫だよ。進藤君は少し恐がりだけど優しい男の子だよ。」


「そう、なら良かったわ。」


どうやら話しやすそうな人みたいね。まあ、料理部に想像するような人間なんているわけないわよね。


扉を開けて廊下を確認する。……よし、誰もいないわね。


「後に続いて。」


三人にそう言って足音をなるべく起たせない程度に素早く歩き、隣のクラスの扉を開けて入った。


「失礼するわ、このクラスに進藤君っているかしら?」


「「お邪魔します。」」


「……します。」


「あ、ああいるぞ。進藤呼ばれてるぞ。」


さて、どんな人かしらその進藤って人は。


ドシッドシッドシッ………ジー


……………


「ねぇ、理央」


「何?東花さん。」


「この人が進藤……君?」


「うん、そうだよ。」


……この色黒く、制服の上からでも分かるほど膨張している筋肉にスキンヘッドな彼が進藤君なの!?


「少し臆病だけど、優しいのよね?」


「あ、東花さん。進藤君傷付きやすいので本人の前でそんなこと言っちゃ駄目ですよ!」


ズーン


あっ、凄い落ち込んでるわね。理央、何で私だけ悪いみたいな言い方なの?恐がりだって貴方から聞いたのよ?


それにしても彼、全然喋らないのね。


「ねぇ、何で貴方喋らないの?」


テレテレ


「進藤君、女の子の近くだと喋るのが恥ずかしくて話そうとしないんです。」


「そう、恥ずかしがりであるのね。」


テレテレ


な、何だか見た目とちがって中身の方はかなりタイプが違うのね。でも、こういう人がいるのも悪くないわね。近くにいないタイプね。……アイツには負けちゃうかもしれないけど。


って何で今アイツを思い出しちゃったのよ!


「ん?東花……顔真っ赤。」


「へ?な、何でもないわよ咲野さん!気にしないで!」


「そう?」


「そうそう!」


……はー、後で恭也に一発食らわしておこう。うん。


「話が逸れたわね。実はテロ犯人を止めるために進藤君が持ってきてるお米を貸してほしいの。その代わり謝罪として後日、最高級品の米としてお返しさせて欲しいの。」


ブンブン、ズイッ


「えっ?」


「皆を助けるためなら幾らでも持っていって下さい。お返しなんていらないです!って進藤君が言ってます。」


「でも、貴方これ二キロは入ってるのよ!こんな大量の米なんて使ったら…」


ニヤッ、グッ!


「問題ないです!って言ってます。」


笑ってもその外見と相成って後退りしそうな表情だけど、今の私には優しい笑顔に見えた。


「……ありがとう進藤君。奈々と咲野さん、手伝って。」


「了解!理央は先に教室に戻っててね。行こ、唯ちゃん!」


「うん……」


「うん、分かった。気を付けてね。」


よし、後はこの大量のお米を階段に流すだけ。本当は容器があればその中に入れて触れるなら最小限に済むのだけれど、今回はしょうがないわ!


お父様、食物を緊急時とはいえ粗末な扱いをする私をお許しください!


「奈々、咲野さん。一気に流さず少しずつ流していくわ。三人で同時に。」


「「分かったよ!(了解)」」


「行くわよ。」


「「「せーの!」」」



サラサラサラサラザラザラザラザラザラ!!!!!!



「おい!何してやがる!殺されて………」



ザラザラザラザラザラサラサラサラサラ………


せ、成功したのかしら。


恭也とは違う男の声が微かに聞こえたけど、全て流し終えた時には聞こえなくなっていた。やったの?ここからじゃ現状が分からないわ。


とにかく、今は確認しないと!米を極力踏まないようにしながら階段を降りる。ふと階段の下を見ると恭也の背中が見えた。


何で恭也がまだここに?作戦では相手を無力化したらそのまま本館に行く予定だったはず……今は、恭也に聞いてみるのが得策ね。



その選択は間違っていたというのに気付くのはその直後だった。



「恭也、やったの!」


「馬鹿!こっち来るな!」


「てめぇの仕業か!!」


えっ?見張りがもう一人いたの!?銃をこちらに向けてる、駄目避けれない! ガバッ!


えっ?きょう……や……?


バンッ!


避けようのない現実に咄嗟に目を瞑った瞬間、身体が包まれたような感覚と一発の銃弾の音が聞こえた。


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