はじめ
秘密結社セナトゥス…
思想も何もかも違うさまざまな組織を束ねながら、世界を裏で操っている組織である。
「ハハハ、皆馬鹿ですね。我々の計画にこんなにあっさり引っ掛かるなんて…」
セナトゥスの指導者のロスス・カエルルスは言った。
彼はセナトゥスのとある計画のために作られた人工生命体である。
「仕方ないですよ、奴等は自分たちの生活を守りたいだけなんですから…
ま、僕らは奴等のそこを餌にして生きているんですが…」
セナトゥスの配下の団体のボス、アイアンナイトが同意した。
「僕の配下のレフォルティオーネルも、アイアンナイトさんの配下のマーチャンツも、全てこのセナトゥスの傘下、すなわち実は仲間だというのに…」
同じセナトゥスの配下の団体のレフォルティオーネルのボス、ローテルが笑いながら言った。
「ま、人間はAの反対はBだと思っていて、それが原因で対立することもありますが、実際はA=A、B=Bなんてこともありますから。」
アイアンナイトも笑いながら言った。
会議中は笑い声が絶えず、気味が悪いものであった。
「アイアンナイトさん!ローテルさん!僕に提案があります!!」
ロスス・カエルルスは叫んだ。
「あぁ、あれですね!」
ローテルは返した。
「あれ」とは、この宇宙を形作る暗黒物質を破壊する装置を作るということである。
「あれができれば飢餓や対立、貧困など、世界中の様々な問題を一気に解決することができますからね。」
アイアンナイトは返した。
「人類…いやこの世界の森羅万象は所詮自分達のために生きているもの。だからあれが必要なんですしね。」
ロスス・カエルルスは言った。
「だからこれまで我々セナトゥスが力を使って世界の不均衡を正してきたんですし…」
ローテルは笑いを交えて言った。
そして、「あれ」という計画の決定と、雷のような笑い声で、この会議は締められた。