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四季  作者: ばう
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第一部:はじまり

『僕らは何かを為すために生きている。何かを為すために生まれ、その役割を為してこそそれまで生きてきた又これから生きていく意味があるんじゃないだろうか…。


ある国では出会いは全て神の意思であり、又ある国では出会いは前世の縁だそうだ。

僕と君は出会う運命・縁で、僕は君に何の役割を為すために生まれて来たのだろう…。』


僕はここで物思いにふけることが好きだ。学校の屋上は放課後にはほとんど人が来ないので、物思いにふけるには丁度良い場所なのだ。僕は思い浮かんだ言葉が声に出てしまう質なので尚更丁度良い。


ここで物思いにふける時は決まって反省したい時か落ち込んだ時だ。今日は前者であり、何を反省しているのか察してくれるだろうか…。


僕と彼女が知り合ったのは、高校に入学して最初のロングホームルームで良く言えば譲り合い、悪く言えば擦り付け合いの委員長決めの時だった。


僕は子供の頃から犠牲心が強く自分ではそう思わないし、良かれと思ってやっているだけだ。僕が面倒な役を買って出て、

「皆さんは高校生活を楽しんで下さい。」

といういかにもおこがましいことはこれっぽちも思っていない。


誰も手を挙げないだろうと思い、学級委員長に立候補しようと手を持ち上げた。すると一つ席を挟んで隣の彼女も手を挙げていた。僕はまだ彼女のことを知らなかったし、彼女に恋心を抱くとは思いもよらなかった。


『学級委員長 小笠原 美久』『副学級委員長 犬神 翔太』と書かれた黒板の名前を見て小笠原の名前を知った。それから一年の間、時間的に、空間的に一緒にいることがなぜか多かった。その中で、少なくとも僕は小笠原に親しみを感じたし、毎晩月が出るように自然な関係だったと思う。

一体いつから僕は小笠原に惹かれていたのだろうか、そして、小笠原は僕のことをどう思っているのだろうか…。


今年も運良く小笠原と同じクラスになり、高校生活二年目になって一週間が過ぎた。僕と小笠原は去年一年の間で他人から友達になり、お互いを理解し合えるようになったが、僕はそれだけでは不十分だ。もっと小笠原を知りたい、小笠原の近くにいたい、小笠原に頼ってもらいたい、そして、一回でも良い心の支えになりたい。


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