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転生したら大魔族でした 〜才能溢れる大魔族に転生して悠々と貴族生活を謳歌する!〜

作者: 東陽 西紀
掲載日:2026/03/27


 ん? 俺は帰宅途中、トラックにはねられた、よな?


 ん、意識がまだあるのか? でも体が動かない、、。

 話し声がする…救急隊の人かな? でもそれにしては落ち着いているような…。


 目をうっすら開けると、そこは見知らぬ天井、両目を開けるとそこには見知らぬ部屋。


 うぅ、、まさか、生きているのか…? あんなに大怪我だったのに…。


 てっきり死んだと思っていた。


 死んでないのなら、きっとここは病院だろうな。

 助かったのか、俺は…。


 もう一度体を動かそうとした時だった。

 手足は動くのにまるで自分じゃないかのような違和感が働いた。

 手は動く、足も腰も頭も全部動く、なのに自分の体ではないような、どこか不思議な感覚だった。


「ーーー・・ーーー・・ーー」

「ーーお、ー起きーーーきーーる」


 視界の奥、扉から姿を現した謎の男性。

 謎の男性はこちらへ来て俺の容体を確認した?

 後に近くにあった椅子に座り、こちらを見つめてきた。


 するとまた扉が開いた。


 だれ…だ? 女性、ナースさんか?でもナーフ服を着ていない…。


 また扉を開けて人がやってきた。

 今度は女性だ。

 女性もまたこちらを一度見た後、椅子に座った。

 男性と同じ動きをしている。


「ーーこの子、立派になるかしら?」

「ー大丈夫だよ、なにせ““大魔族”“である僕と君の間に産まれた子なんだから!」

 

 ん……?


 聞き慣れない単語が聞こえた。

 すぐそのことについて問おうとしたがやはり体を動かせず、声も出せないことに気がついた。

 いや、正確には出せてはいるが双方へ届いていないのか。


 もしや、この違和感、そして今の発言、もしかして俺は…。

 ”“赤ん坊になってる!?”“ しかも大魔族の!?

 え、、嘘だろ…どう言うことだ、まさか偶にネットニュースとかで聞く転生…とか言うものなのか!?


 いやいや、流石に違うだろ…。

 でも見た感じこの体は俺じゃない。てことはやっぱりそういうことなのか?


 ええい、どういうことだ…記憶は受け継がれているのか…まんま転生って感じだな。


 自分の容体、そして事の大きさにようやく気がついた。

 いきなりこんな情報を入れたら脳がパンクしてしまうため絶賛混乱状態なのだが、側から見ればそれは、ただ赤ん坊が寝返りをうったり、体を動かしているだけに見えている。


「うふふ、元気がいいわね」

「そうだな、将来の職業は魔王様直属の近衛隊かな?」


 そこからしばらく時間が経って、俺は確信した。

[何も出来ない]と、赤ん坊の姿では前世の動きなんかできるわけがない。

 ましてやこの体は人ではなく魔族の体。


 人とは肉体と神経のつながり、脳の作りや動きまでも全てが人とは違うだろう。


 体を少し動かす程度なら数日あれば多分体が慣れてきてできるようになると思うが、言葉は話せない。

 それどころかなぜか[あ…]や[バブー]すらも話せないのだ。


 俺はこの先どうなってしまうんだ。

 しかもこの世界はどんな世界なんだ、気になるぅ…けどその前にこの体をどうにかしないと…。

 成長しないとダメか、時間が流れるのを指咥えて待たないといけないのか…。


 悔しさで寝返りをひたすらにうつ。

 そんな姿を見た葵の両親は[凄いわね〜]や[将来の職業は魔王様の暗殺部隊かな?]など適当なことを言っている。

 うちの両親は親バカすぎた。




 * * *




 いくつも四季を繰り返し、3年の月日が流れた。

 俺は3歳の誕生日を迎えた。


 俺の家族は大魔族だけあって家は超広いお屋敷、メイドや執事もたくさん。

 兄や姉もいる大家族だった。


「「お誕生日、おめでとう! リヒト!」」


 クラッカーの音と共に盛大にお祝いがされた。

 そしてお誕生日恒例の、[おめでとう]と、[名前を呼ぶ]コールだ。


 俺の名前は残念ながら葵ではない。

 リヒトという。

 名前の由来は明るく強い子になってほしいと言う意味が込められているらしい。

 名前の付け方は人と変わらないと知った。


 そして今、陰で俺は神童と呼ばれているらしい。

 理由は至極単純で、まだ小さいのに言語の習得が恐ろしいほどに早く、魔法を覚えるのも桁違いに早いからだ。

 まぁ、魔法に関しては扱いきれてないけど。


 前魔法に慣れようとして放ったやつが庭の木に命中してメイドさんに怒られたっけ。


 誕生日の日が終わってから2日後、俺は一人コソコソと中庭へ向かっていた。


 俺の趣味は魔法を知り、極めること!

 人間だった頃じゃ魔法なんて空想上のものだったからな〜。

 そういや今更だが、魔族って言っても容姿は人間とあまり変わらないんだな…。


「おっと…」


 人が来る気がした。

 すぐに身を隠すさてやり過ごす。

 3歳だからな、体が小さいため全身を隠すことは決して難しいことではない。

 屈んで丸まればそこらの壺より小さくなれる。


 よし、行ったな?

 右左、もっかい右を確認してと…。


 屋敷内ではメイドやら執事やら人が多くいるため、俺は人がいなく広ーい庭の端で魔法を扱えるように日々練習をしている。

 何度も魔法を放ち、偶に調整をミスり空高くに魔法が打ち上げられることもあるが、いい頃合いになれば屋敷に戻る為、今はまだ誰にもバレてはいない。


 毎日毎日、試せど試せど、一向に最初に皆が覚える魔法を扱えない。

 基本中の基本である初級魔法の[ヒュムロ]は、直径15センチほどの火を球体に変形し飛ばす魔法だ。

 だが俺がやると飛ばすと形が崩れる、球体じゃない歪な形など、問題が複数ある。


 こうやったら消えるし、こうしたら球体にならないし…。

「あぁもう! 難しいぃ!」


「おや…?」


「リ〜ヒ〜ト〜さ〜ま〜!」


 今、俺が両親の次にバレたくない人はそう、‘“両親に近い役職”の人だ。


 振り返ると声でわかっていた。

 バレたくない人にバレたことを…。


「え…っと! ノ、ノルンさん…!?」

「こんなとこでコソコソと魔法ですか…」

「は…え…えっとぉ…!」


 なんとか言い訳を考えつつも、ノルンさんは頭がいい!

 何を言っても無駄なんだろう。


「この事は、黙っててあげてもいいですよ?」


 口元が緩み、笑みを見せてきた。

 見た目の誠実さと比例して中の心までとは!


 低木から身を出してノルンさんは俺の元へ近づき、ニヤリと笑って指先を俺の唇のを当ててきた。


「その代わり、私がここにいることも黙っててくれませんか?」

「んぅ…?」


 そう言えば、専属のメイドは屋敷内で仕事をしているはず。

 そしてノルンさんともあろうお方が仕事もせずに外で何かをしているとは…。


 ノルンさんは指を唇から離して少し離れ、そばにあったガーデンチェアに座って話をしてくれた。


 ノルンさんがここへきた目的は、俺と同じく隠し事をしているためだった。


「隠し事の内容は流石にリヒト様でもお教えできませんが、、」


 隠し事の内容は教えてはくれなかった。不平等だ、俺はノルンさんにバレたのに俺はノルンさんの隠し事を知る権利はないのか?

 そう思った。


「戻りましょうか、そろそろ他のメイドが探しに来てしまいますよ?」

「あの…このことは…」

「わかっていますよ〜」

「二人だけの、秘密にしましょうね♪」


 そう耳元で伝えてきた。正直ゾクゾクした。年齢的に女性に発情するような真似はしないが、こんな綺麗な人に耳元で囁かれるとくるものもある。


 だがそんな邪な気持ちはグッ!っと堪えて俺はノルンさんの手を握って一緒に屋敷へ戻って行った。


 屋敷に戻ってからというもの、まだ半日近く時間があるため、退屈で仕方がなかった。

 そのためなんとかして魔法に触れたいため、何かないかと模索中。


 何かないのか。

 また隠れながらやってもいいが、正直またバレずにあそこまで行けるかどうか…。

 うーむ、悩ましい…。


「…失礼します…」


 一人のメイドが俺の部屋に入ってきた。


「リヒト様、どこへいっていたのですか」

「あはは、ちょっとお散歩してただけだよ」


 中庭に隠れてコソコソと魔法を扱うための練習をしていたなんて口が裂けても言えないからな。

 このメイドは俺の専属メイドだ。

 兄にも姉にもみんなに専属メイドは一人ついている。

 みんな優秀でいい人たちばかりなんだけど…。


「はぁ…困りますよ、、リヒト様の身にもしも何かあれば…」

「あぁ…! 私、どうにかなりそうですぅ…」


 膝から崩れ落ちた。

 俺の専属メイドは優秀だが性格が他の兄や姉たちのメイドと比べるとかなり愛が重いという。


「リヒト様ぁ〜、次からはお散歩するなら、私、フランも同伴しますからねぇ…!」


 泣きながら擦り寄り、俺に訴えてきた。


「わ、わかったよ…」

「絶対ですよ?」

「う、うん」


 思わずOKしてしまった…!

 こんな可愛くて綺麗なのに、愛が重い故かこの残念美人め!


「さてと、リヒト様」

「は、はい」

「リヒト様の学力の上達は目を見張るものがあります」

「そのため私、ご主人と姫様に頼んで、なんと家庭教師を雇ってもらいましたぁ〜パチパチ」

「え、えぇ?!」


 なんと! 知らぬ間にそんなことが取り繕われていたのか!

 ふむ家庭教師か、優しく丁寧に教えてくれる人が来るといいけど。


「家庭教師がくる日は2日後です。 先に家庭教師のお名前だけお伝えしておきますね」

「家庭教師のお名前は、[ネフィラ・エリス]というお方です」


 ネフィラ・エリス、どんな人なんだろうか、2日後が楽しみだ。




 * * *




「…リヒト様、家庭教師がきました…」

「はい、どうぞ」


 扉が開き、姿が見えた、と思ったらいない。フランの姿しかいない。


「こちらが家庭教師のネフィラ・エリスさんです」

「う…うぅ…」


 いないと思ったらフランの後ろに隠れていたのか。

 小さい…背格好に、白色の服に大きな帽子。

 本で見た魔導士か?


 とりあえずは挨拶だな、最初の挨拶は、その後の印象に大きく左右する。


「初めまして、アークストン家の兄弟が六人目、リヒトと申します。 以後お見知り置きを」

「え、あ……私の名前はネフィラ・エリスと申します…」

「わ、私…人の視線が苦手で、授業に支障がないよう精一杯頑張ります…」


 なるほど、そういうことなのか、となればこれ以上はやめだな。


「では挨拶はこれで、フランさん、ネフィラさんの泊まる場所は…」

「あ、あの…」


 ネフィラさんが何かいいたげな様子。


「お名前、エリスって呼んで欲しい、です」


 こりゃ驚いた。




 * * *




「あなた、どうして家庭教師なんか雇ったんですか?」

「こんな部屋も暗くして…目が悪くなってしまいますよ?」

「ふん、心配はいらないさ、これは雰囲気作りだからな」


 雰囲気作りとは、この人はいくつになっても変わりませんね。


「それで、リヒトの事ですが、どうして家庭教師を雇うことを許可したんですか?」

「他の兄弟には家庭教師なんて雇うことなんてなかったですよね?」

「それはな、リヒトに才能が他の子以上にあるっていうものあるが、、」

「リヒトはな、それ以上に思いがあるんだ」

「思い、ですか」


 まったくこの人は、どんな思いがあるのかわかりませんが、よく思っていることは確かですね。

 だって少し、笑っていますから。


 それにしても、わざわざ自分や兄弟の人を使って教えずに家庭教師を使うとは…。

 本当、よくわからない人ですね。


「さ、さぁ、では授業を始め…ます!」

「よろしくお願いします!」


 今日からエリス家庭教師の授業が始まる。


「勉強しなきゃいけないものはたくさんありますが、私がお教えするのは、魔法学、です」

「魔法には、まず属性というものがあります。 そして属性には、それぞれ相性があります」


 エリスが言うには、属性は基本は5つあり、俺が扱おうとしている火、そして水、雷、風、氷の5つがある。

 火は氷に強く、水に弱い。

 水は火に強く、雷に弱い。

 雷は水に強く、風に弱い。

 風は水に強く、火に弱い。

 氷は雷に強く、火に弱い。

 少し複雑だが、これを覚えると、魔法使い同士の戦闘の時にとても有利になる。

 だがこれは……。


「はい、一つ質問いいですか?」

「は、はい!」

「今のを聞くと、水は他より不利な数が1つ多くて、火は逆に有利な数が1つ多いですが、これはなぜでしょうか?」

「よくお気づきで、よし! 今から説明、しましょう!」


 そこからと言うもの、エリスの熱が入って予定していた学習時間よりもかなりオーバーしてしまった。

 だが有益な情報はたくさん聞けた。

 まず属性の相性だが、相性は魔法ができた当時からそう言われていたらしく、実際その通りなためそれ以外は何もわかっていないらしい。

 そしてその後に話してくれた事、魔法を扱うために必要な事だ。




 * * *




 魔法を扱うには、ま、魔力が必要不可欠です。

 これは人にもありますが、私たち魔族は普通の人よりは魔力量が多いです。

 そのため、魔法を扱える人が多い傾向にあります。

 ですが魔力があれば必ずしも全員ができるわけではありません。


 魔力は言わば歯車!

 動力源が命、その他魔法適性などは部品だとしましょう。


 もちろん動力源がきちんとしていないと歯車すら回りません。

 そして動力源がきちんとしていても、歯車が回らなきゃ部品が動くなんて夢のまた夢。

 そして更に魔法適性などの要素が加わります!


 適性がないと魔法が全然扱えません。

 そのためその部品がさびれてしまっては動けるものも動かないと言う事なのです。

 そしてこれら全てが良い状態であれば問題なく動作するのです。

 説明のためにちょっと訳のわからない話をしてしまいましたが、わかりまし…たでしょうか?


「エリスって、魔法の話になるとすごい饒舌なタイプだね」

「え、あ、そ、そうでしょうか…//」

「あははは! そうだって〜」




 * * *




 家庭教師が来て、よかったかもしれない。

 俺の趣味、魔法を知り、極めることが、より良くなっていきそうな予感がする…!


 「明日は、どんなことを教えてくれるんだろう」


 そういえば、あの人はどのくらいすごい魔法使いなんだろう…。

 結構しっかりとしたいいローブを着ていたし、かなり上の魔法使いなのかな?

 でも年がとても若そうだし、、いやでも才能がすごくて上の方の魔法使いの可能性も全然あるな。


 「明日聞いてみようかな…?」


 今日はもう遅いし、早く寝よう。

 今日のベッドは心なしか、いつもより心地よく感じた。




 * * *




「きょ、今日も魔法学をお教えします…!」

「よろしくお願いします」

「今日は、魔法の歴史とレベルについてを、お教えします…!」


 魔法は、はるか昔の神話の時代からあったとされる。

 魔法の期限は魔族らしく、人は魔族の魔法を真似てきて今に至るという。


 魔法とは、理解できない不思議な何かの現象、力のことを総称して魔法と呼ぶらしく。

 世の中の大半の摩訶不思議なことを魔法といった片付けているらしい。


 聞いててもそこまでだったけど、魔法の期限が魔族からだったのだ驚いたな。


「そして次に、魔法のレベルをお話しします」

「魔法には、1から5までのレベルが存在します」


 そこからの話は少し長かった。

 だがとても有益な情報だった。




 * * *




 レベル1は、基本中の基本です。

 火属性なら火の玉を出す魔法の[ヒュムロ]だったり、水なら同じく水の玉を出す魔法の[アクロア]などです。


 レベル1の魔法は、弱いモンスターなら倒せます。もちろん、生身の人間でも有効なものとな、なります。

 ですが、大体はコンロに火をつけたり、ホース代わりにしたりと、生活する上で使っている人が多いですね。

 一番下の魔法だから威力もないし、消費する魔力の量も少ないですから、ね…!


 レベル2では基本的に全ての魔法で威力が向上します。

 火の玉なら[ヒュムロ]から[ホアラム]、水なら[アクロア]から[ウォルター]になります。

 威力が向上したことにより、森に生えてる木とかだと、数発当たれば倒れたりするほど威力が上がり、ます…!


 レベル3は、威力と、範囲が向上、します…!

 [ホアラム]から[ボルタム]へ代わり、火の玉の見た目も変化します。

 森に生えてる木はほとんどの魔法は一撃で倒せます。

 炎魔法の場合は燃えて焦げてしまいますが…。


 レベル4からはかなり上の方の魔法使いじゃないと習得はできても扱うことができません。

 レベル3と同様に、威力と、範囲が向上します。

 火の玉の魔法だと超巨大な火の玉になります。

 ですが大魔族のお方たちは皆さんレベル4の魔法はほぼ全て扱えるようですから、リヒト様もそのうち扱えるようになりますよ…!


 最後にレベル5です。

 レベル5は伝説級の魔法とされています。習得も難しいとされ、扱うのはもっと難しいです。

 大魔族ですら、扱えるものは極少数だと私は、聞いています。

 人間側でも、レベル5の魔法が扱える人は賢者といわれ崇めているらしいです。


 これでレベルの説明も終わりですが、何かご質問はございますか? リヒト様…。


「ん〜」

「ないかな!」




 * * *




「今日もたくさん学べたぞ!」


 そういや今日も、話に熱が入って少しオーバーしてたっけ。

 でもそれのおかげで予定より早く魔法の実習練習をすることになった!

 これで俺も、もしかしたら初めて魔法がうてるように…!


「きょ、今日は、昨日と一昨日お話しした内容を踏まえ、ま、魔法を実際に扱えるようにしてみましょう…! と言う授業です」

「よろしくお願いします!」

「で、ではまず、こちらの杖をお使いください」


 エリスから魔法の杖を渡された。

 とても高そうで、素材がしっかりしているいい杖だ。


「こんな高価そうなもの、いいんでしょうか?」

「だ、大丈夫です。 これは、私が買ったものではないので」


 よく見たら奥にフランがいた、おそらくは彼女がこの杖を持ってきたんだろう。

 ん? 2階にも誰かこちらを見ている人が…。


「さ、さぁでは、リヒト様はどの属性の魔法を扱いたいですか?」


 どれ、か、やはり王道は火属性なのか?

 俺が扱おうとしている魔法も火属性だしな。

 でも他の属性を学べるチャンスだしな…。

 あ、でも他の属性も一緒に教えて貰えばいいのか。


「ではまず、火属性の魔法を教えてください」

「は、はい、火属性ですね…!」


 エリスが俺の前に立ち、杖を前へかかげた。


「攻撃魔法は基本、前へ飛ばすので杖の先端は前向きに、、」

「そして魔力を手先から杖に流すイメージをしてください」

「そして詠唱です。 ヒュムロ」

「このように…なります」


 杖の先が光り始めて、小さな火の玉が出てきた。

 前方へまっすぐ射出され、もう目では見えないくらい彼方へいってしまった。


 なるほど、そうやればよかったのか。

 俺もやってみよう…。


 杖を前に出し、魔力を手先から杖に流すイメージ…。


「おぉ…? おぉ…!」


 よし、光った!

 あとは詠唱を…。


「いけ! ヒュムロ!」


 火の玉が形成され、射出されたがすぐに消滅した。


「あらま…」

「うってからすぐ…消えてしまいましたね」

「これには、いくつか原因があります」


 エリスは、いくつか思い当たる原因を話してくれた。

 一つ目は、うつ時に魔力が拡散してうまく飛ばなかったから。

 二つ目は、うつ時に意識がうまく杖にいかず、魔法の精度が下がったから。

 三つ目は、その属性の適性が低いから。


 正直3つ目の可能性はあって欲しくない。


「もう一度、やってみますか?」

「は、はい!」


 今度はエリスが直接指導してくれるみたいだ。


「杖は前方に、」

「前方に…」

「妙に魔力を流すイメージを、」

「イメージを…」

「そして詠唱! きちんと集中しましょう…!」

「はい!」


 目を瞑ってちゃんと集中しよう…。

 頼む…! ちゃんとできててくれ!


「ヒュムロ!」


 火の玉がでて、今度はきちんと射出されまっすぐ飛んでいった。


「……!」

「おぉ…!」

「や、やりました!」


 やった…! できたぞ! 適性がないなんてことがなくて本当に良かった…!


「きちんとできましたね…!」

「はい! エリスのおかげです!」

「リヒト様〜!」


 フランがこちらへウキウキで向かってきている。

 この喜びは、やはり誰かにも共有したいしな。


「リヒト様〜!」

「やった、できたよ! フラン!」

「偉いです〜! 流石です〜!」


 フランと抱き合い、この大きな達成感と喜びを共に共有した。


 そのあと、違う属性の基本魔法も教わった。


 水魔法の[アクロア]。

 魔法をうつ時に出てくる光の色が赤色から水色に変化したのはびっくりした。

 が、これも[ヒュムロ]同様に習得ができた。


 更には雷魔法の[グロルガ]も習得できた。

 出てくる光の色も黄色に変化した。


 雷魔法以外にも、風、氷の基本となる5つ全ての基本魔法を教わり、習得できた。

 今日は俺の転生後の人生の中でかなりの躍進を遂げた日だ。

 まだ3、4年しか生きてないけど…。


「今日の授業はこれで終わり、ます」

「ありがとうございました」

「あの…あ、明日は、属性魔法のレベル2を教えましょうか? それとも、属性魔法以外の魔法を教えましょうか?」


 なんと! レベル2も、属性魔法以外の魔法も教えてくれるのか?!

 レベル2も教えてもらいたいが、、ここは…。


「で、では…! 属性魔法以外の魔法を、教えてください!」

「はい…! わかりました…!」


 よし! 明日が楽しみだ!

 一体どんな魔法を教えてくれるのかな。


「では、また明日お会いしましょう…!」




 * * *




 「そ、それでは、今日も魔法実習の授業を始め、ます…!」

「よろしくお願いします」


「どの魔法を、知りたいのですか?」

「先に、どんな魔法があるのか教えてくれますか?」

「は、はい!」


 「属性魔法以外の魔法は、無数にあります」


 たしかに、属性魔法”以外”だしな。

 回復魔法やら精神魔法、生成魔法とか、色々と便利な魔法もあるらしい。

 他には、可燃性のあるものを即燃やせる魔法とか、朝決まった時間に必ず起きれる魔法とか、聞いただけで、いらないと分かるような魔法もあるらしい。


「どれに、しますか?」

「えぇと…」


 何を選べばいいのか、全然決められない!

 選択肢がありすぎて一つに決めきれないな…。

 回復魔法なんかは戦闘においてはかなり重宝するだろうし、生成魔法なんかは言っちゃえば錬金術みたいなものだろう? 多分…。

 でも俺に何かを作れる技量なんてあるのか…?

 この短い時間じゃ決められないな…。


「すみません、この短い時間じゃどれかに決めることは難しいです」

「ですので1日だけ時間をくれませんか?」


 エリスはニコッと笑い、快く了承してくれた。


 そして俺は授業を終えてからと言うもの、寝る時以外の全ての時間でどの魔法を習うか考えた。


 勉強の時も。

 食事の時も。

 お風呂の時も。


「どこか痒いところはないですか? リヒト様」


 そして寝る前も。


 俺には決められなかった。

 もう寝なければいけないのに、多すぎる選択肢を削ろうと思っても削れないほど習いたい魔法が多すぎるのである。


 そうだ! 一人で悩んでいて答えが決まらなければ、誰かに相談すれば…!


 俺のことをいつも見てるし、きっと何かしたら知恵を貸してくれるだろう。


 よし、そうと決まればさっそく相談しに行こうか。


今年中に長編を出します。

続きが気になる人は、気長に待っていてください(_ _)

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