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笑う彼には月光る  作者: かくかくしかじか
オレンジの夕焼け

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第二章  第二回進級試験  その八

所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。

「……アヴァン、カイト、エルド……お前ら、なんで……」


俺は震える足で立ち上がり、月光刀を握り直した。学園の危機を乗り越え、満身創痍のはずの仲間たちが、今、俺の盾となるように並び立っている。


「話は後だ、イリス! 今はこのデカブツを追い返すぞ!」


カイトが力強く宣言し、これまでの彼とは違う、独特の構えを取った。重心を極限まで低くし、全身のバネを溜めるような姿勢。


「ほう。その構え……聖騎士から『超剣流ちょうけんりゅう』を叩き込まれたか。だが、見習い風情が扱える代物ではなかろう」


グラファイトが不敵に笑い、黒剣を振り上げる。


「やってみなきゃ分からねえだろ! 超剣流・ピーコックラッシュ!!」


カイトが爆発的な踏み込みで地を砕き、敵に向かい突進した。アルバート直伝の、肉体のリミッターを一時的に外す力任せではない剣技。


ギィィィィン!!


重厚な衝撃音が響き、なんとグラファイトの巨体を数センチ後退させた。


「今だ、二人とも!」 


 カイトが叫んだ。


「分かってる! 風よ拘束せよ、アネモス・チェイン!」


「計算完了……重力倍加、グラビティ・プレス!」


アヴァンの風がグラファイトの四肢を縛り、エルドの魔法がその巨体に数倍の重圧をかける。


「……ハァ、ハァ……っ! 行くぞ……!!名月流!!水無月大回転みなづきだいかいてん!!」


俺は特訓で磨いた「動」の融合技を放つ。闇を纏った漆黒の旋風がグラファイトを飲み込んだ。だが……


「……ふむ。連携は見事だが、重みが足りんな」


ドォォォン!!


グラファイトが咆哮と共に魔力を爆発させ、拘束と旋風を力技で吹き飛ばした。カイトは弾き飛ばされ、アヴァンとエルドも魔圧に圧されて膝をつく。


「終わりだ。まとめて消え失せろ」


グラファイトが黒剣を掲げ、またしても死を覚悟した時だった。


「―闇を照らし、希望を増幅せよ! ルミナス・レイ・バースト!!」


空から降り注いだのは、夜の闇を白昼のように塗り替える圧倒的な光の粒子だった。


「な、何だこの光は!?」


グラファイトが思わず腕で目を覆う。光の中から現れたのは、長い杖を掲げ、美しい魔術師の礼装を纏った少女だった。


「遅くなってごめんなさい、大魔法使い見習い、 リリィ・カラミラム、ただいま参上しました!」


魔術師学園で特訓中のリリィが、光を背負って舞い降りた。


「リリィ! その魔法……」


「ふふ、驚くのはまだ早いよ。私の光は、仲間の力を『増幅』させる。特に……イリスくんの闇を!」


リリィが杖を向けると、俺の体内の闇の魔力が、彼女の光に共鳴して爆発的に膨れ上がった。痛いくらいのエネルギーが、月光刀に凝縮されていく。


「イリス、今のあなたならできるはず。あの特訓の成果を、今!!」


リアリンさんの叫びが遠くで聞こえた気がした。 神無月一掃はまだ出せない。だが、今の俺にはみんなの想いがある。リリィの光、アヴァンの風、エルドの策、そしてカイトの勇気。


「……食らえ! 名月流・皐月水流撃さつきすいりゅうげき!!」


リリィの光で極限まで増幅された闇の水流。それはもはや水流などではなく、巨大な黒龍のような威容を誇り、グラファイトへと牙を剥いた。


「ぬ、ぉおおおお!? この威力、ただの融合技ではない……!」


グラファイトは黒剣を盾にするが、四人の連携と増幅された一撃に、ついにその片膝を地に突いた。


「うおおおおおおおお!!!!!」


ズガァァァァァァッ!!


正門前の広場が激しい光と闇の爆発に包まれる。


煙が晴れた時、そこには肩を貸し合う俺たちの姿と、甲冑の一部を破損させたグラファイトが立っていた。


「……フン。これほどの力を出すとはな。だが、『神無月一掃』にすら至らぬ剣で、我を倒せるとは思うなよ。」


グラファイトは、まだ余力を残しているようだった。だが、彼は深追いせずに剣を収めた。


「『宴』の準備は整った。次に会う時は、このエリシオンごと貴様らを飲み込んでやろう。」


グラファイトは黒い霧に消えていった瞬間、爽やかな、しかし威圧感のある女性の声が聞こえた。


「超剣流・クロースラッシュ!」


剣から放たれた光の斬撃が、グラファイトを完全に消滅させた。代わりに、もともとグラファイトがいた場所には、リアリンさんが立っていた。


俺はその場に座り込んだ。 神無月一掃は、習得できなかった。自分一人の力では、まだ何も成し遂げられていない。 だが、隣で笑うカイトやアヴァン、リリィ、エルドを見て、俺は不思議と絶望してはいなかった。


「……、もっと早く強くなってやる。……みんなで一緒に、な」


俺の言葉に、仲間たちが力強く頷いた。

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