第二章 イリスとアヴァン ギルドに呼び出されるその三
初めての投稿で不慣れの部分もありますが、どうかよろしくお願いします。また、所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。
沈黙が会議室に重くのしかかる。ギルドマスターは腕を組み、鋭い視線をイリスとアヴァンに送っていた。まるで、彼らの深層を探るかのように。ギルドマスターに話をしてから一週間後、もう一度呼び出された。
「……具体的に、監視とは?」
アヴァンが、震える声で尋ねた。彼女の顔には、不安の色が浮かんでいた。無理もない。これまで自由だった冒険者の活動が、突然「監視下」に置かれるというのは、ただ事ではない。
ギルドマスターは、ゆっくりと腕を解き、机の上に分厚い羊皮紙の束を置いた。
「まず、今後君たち二人は、パーティを組んで活動することを義務付ける。アヴァン、君は闇魔法の才能を持ちながら、まだ経験が浅い。そしてイリス、君の力は計り知れない。お互いを補い、監視し合うのが最も適切だろう」
パーティを組む。それは冒険者としてはごく一般的なことだが、義務付けられるというのは異例だ。だが、アヴァンと組むこと自体に異論はなかった。むしろ、あの森での出来事を考えれば、彼女がいてくれるのは心強い。
「そして、今後君たちに与えられる依頼は、ギルドの上層部が吟味したものとなる。小規模な討伐や採取といった依頼は減り、高難度の調査任務や、特定の魔物の追跡などが主になるだろう」
ギルドマスターの言葉に、イリスは思わずゴクリと唾を飲んだ。高難度。それはつまり、危険な任務が増えるということだ。しかし、同時に、あの時の「名月流」の力をもう一度使えるかもしれない、というかすかな期待も胸の奥で芽生える。
「最後に、定期的にギルド本部の担当者が村を訪れ、君たちの活動報告を受ける。もちろん、君たちの身の安全は最大限に考慮するが、君たちの力は、この世界の均衡を揺るがしかねない。理解してくれ」
ギルドマスターはそこで言葉を切った。その目は、有無を言わさない強い意志を宿していた。
イリスはアヴァンと再び顔を見合わせた。彼女もまた、この状況の重大さを理解しているようだった。新人冒険者として、ただ村の平和のために活動するはずだった彼らの日常は、この瞬間、大きく舵を切られたのだ。
「……分かりました」
イリスは絞り出すように答えた。ギルドマスターの要求を拒否できる状況ではない。それに、自分の中に眠る謎の力を知るためにも、ギルドの協力は必要だと感じていた。
「結構。では、最初の任務だが……」
ギルドマスターは、机の上の羊皮紙から一枚を手に取った。その紙には、見慣れない地名と、不穏な報告が記されているのが、イリスの目にも小さく見えた。
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