第二章 第二回進級試験 その七
初めての投稿で不慣れの部分もありますが、どうかよろしくお願いします。また、所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。
光のゲートを突き抜け、カイトたちが学園の演習場に転がり込んだ瞬間、そこには地獄のような光景が広がっていた。
「……遅かったか」
アルバートが苦々しく呟く。 空は、不自然な漆黒の雲に覆われていた。それは学園の上空だけではない。遥か彼方、中都の中心にそびえる『聖騎士本部』に向かって、巨大な魔力の奔流が雷鳴のように降り注いでいた。
「リアリンさん!」
カイトが叫ぶと、空間をこじ開けていたリアリンが、真っ青な顔で駆け寄ってきた。その手にある通信石は、ひっきりなしに警告音を発している。
「カイト、アヴァン! 無事で良かったです……。でも、喜んでいる暇はありません。アルバート、あなたが本部を離れた瞬間に、予想通り内部に潜伏していた工作員が動きました。北の結界、西の結界、南の基結界の三箇所が破壊され、防衛網の二割が完全に消失しています!」
「二割……イリスはどうした!?」
カイトの問いに、リアリンは唇を噛んだ。
「彼は……警護任務の最中、本部の正門前、東の結界を守っています。ですが、相手はこれまでとは格が違います。下手したら、魔王軍上級幹部級……」
その名を聞く前に、カイトは弾かれたように本部へと走り出そうとした。だが、魔力を使い果たしたアヴァンがその袖を強く掴む。
「カイト……私、たちも、行く……!」
「馬鹿言うな、お前らは歩くのもやっとだろ! ここはアルバートさんと俺で…」
「いや、カイト。お前たちだけで行け。俺はここで、学園の混乱に乗じて侵入した別動隊を叩く。」
ア
ルバートが剣を構え、学園の影から這い出してきた魔物たちを見据える。
「イリスを信じろ。あいつは闇を斬る剣士だ。……そしてカイト、お前はあいつの相棒だろう。腹筋五千回の前に、死ぬことだけは許さん。」
「……分かった。行こう、アヴァン、エルド! 無理は承知だ、俺の肩を貸せ!」
三人は、黒い煙が立ち昇る本部へと向かって、泥を噛むような思いで駆け出した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
普段は数多の聖騎士が守るこの場所は、今や俺と数人の聖騎士しかいなかった。周りの 結界が消失したことで、空気に混じる魔圧が肌を刺す。
「……ハァ、ハァ……っ」
俺は、月光刀を杖代わりに、膝をついていた。 彼の周囲には、本部を守っていた一般の聖騎士たちが数名倒れている。死んではいないが、全員が「一撃」で意識を刈り取られていた。
俺の目の前には、ゆらりと揺れる人影が一つ。 全身を漆黒の甲冑で包み、背中には身の丈を超える巨大な黒剣を背負った男。
「ほう。我が一撃を受けて、なお意識を保つか。……『闇を斬る剣士』の苗字を持つだけのことはある」
その男の声は、地響きのように重く、冷たかった。 魔王軍下級幹部序列一位、剛毅のグラファイト。
「……お前たちの狙いは、この場所じゃないはずだ。……何を、企んでいる」
俺は口内の血を吐き捨て、震える足で立ち上がった。 体内の闇の魔力が、外にいる幹部の強大な闇に呼応して、暴走しそうになるのを必死で光の意志で抑え込む。
「狙い? 我らの狙いは既に完遂された。本部との連絡を絶ち、恐怖を植え付ける。……そして何より、貴様という『鍵』が、どれほど闇に染まったかを確認することだ。」
グラファイトは巨大な黒剣を抜き放ち、それを軽々と片手で俺に向けた。
「さあ、見せてみろ。リアリンが心血を注いだ『神無月一掃』とやらを。……出せぬのならば、今ここでその首を貰い受ける」
圧倒的なプレッシャー。 イリスは月光刀を正眼に構えるが、まだ奥義の感覚は掴めていない。光と闇が、心の中で激しく反発し、形を成さない。
(クソっ、まだだ。まだ足りない……! アヴァンたちを守るには、こんな力じゃ――!)
「ふむ、できないみたいだな。では、ここで失せてもらおう!」
グラファイトの黒剣が、無慈悲に振り下ろされた。 死を覚悟したその瞬間――。
「竜巻よ、思いっきり暴れろ!サイクロン・ウォール!!」
横から割り込んだ猛烈な突風が、黒剣の軌道をわずかに逸らした。
「……待たせたな、イリス!」
土煙の中から現れたのは、ボロボロになりながらも必死に杖を掲げるアヴァンと、その横で剣を抜くカイト、そして魔法の準備を終えたエルドの姿だった。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。感想やレビュー、どしどし募集してます。時間があればぜひ協力お願いします。ブックマーク、よろしくお願いします!




