第二章 第二回進級試験 その三
所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。
「行方不明だと……!? 馬鹿な、学園の演習場は強力な結界で保護されていたはずです!」
リアリンさんの声が、砕け散った道場の壁に鋭く反響した。報告に現れたアルバート聖騎士は、額に汗を浮かべ、苦渋に満ちた表情で首を振った。
「それが……出現した魔物が結界を内側から食い破ったという報告です。現在、学園側とギルドが総出で捜索していますが、アヴァン・ローラン、エルド・ボルデ・リバーテン、その他候補生数名の魔力反応が完全に消失しています……」
「魔力反応が消失……」
俺の目の前が暗転しそうになる。魔力反応が消えるということは、気絶して魔力を一時的に失ったか、あるいは一日の許容量を使い切ったか。……あるいは、考えるのも恐ろしい最悪の事態か。
「イリス、落ち着け!」
いつの間にか訓練場に駆けつけていたカイトが、俺の肩を強く掴んだ。彼の目には、アルバート聖騎士への隠しきれない不信感が宿っている。だが、今はそれ以上に親友の動揺を鎮めることを優先しているようだった。
「……リアリンさん、俺を行かせてください。今すぐ学園へ!」
俺は月光刀を握り直し、リアリンさんに詰め寄った。手のひらから漏れ出す黒い煙が、俺の焦燥を物語っている。
「却下です、イリスくん。今ここを離れるのは魔王軍の思う壺です。」
「でも、アヴァンたちが!」
「冷静になりなさい! あなたはまだ『神無月一掃』を習得していない。例え以前よりは強くなったとしても、今の不完全な状態で飛び出せば、あなたまで失うことになる。それは聖騎士本部にとって、いえ、この世界にとって最大の損失です。」
リアリンさんの言葉は冷徹なまでに正論だった。だが、今の俺にはそれが自由を奪う呪縛のように感じられた。
「アルバート聖騎士、あなたに命じます。即刻、本部から増援の小隊を編成し、学園の捜索に加わってください。ただし、本部の防衛に支障が出ない範囲で。」
「承知いたしました。……カイト、お前も来い。捜索のサポートに回ってもらう」
アルバートさんがカイトを促す。カイトは俺を一瞬見た後、複雑な表情で頷き、アルバートさんの後を追って訓練場を飛び出していった。
訓練場に残されたのは、俺とリアリンさん、そして破壊された壁から吹き込む冷たい風だけだった。
「……納得がいきませんか?」
リアリンさんが静かに問いかけてくる。
「……納得なんてできるわけない! 仲間が消えたのに、ここで石を抱えて闇を流し込んでるなんて!」
「仕方ないですね。なら、あなたに命令します。事態が終息するまでの間、エリシオン本部の防衛部隊に属して、警護に就きなさい。今のあなたなら、防衛くらいはできるでしょう」
リアリンさんの冷ややかな、しかしどこか試すような視線。俺は反論しようとしたが、彼女の瞳にある「聖騎士としての覚悟」に圧され、言葉を飲み込んだ。
「……わかりました。警護任務に就きます。」
俺は月光刀を鞘に収め、訓練場を後にした。背中で、リアリンさんが小さくため息をついたような気がした。
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