第二章 第二回進級試験 その二
所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。
特訓開始から一ヶ月が過ぎた頃、俺の体は闇の魔力に対して驚異的な適応を見せ始めていた。 だが、俺の成長とは裏腹に、聖騎士本部エリシオン支部の空気は日を追うごとに重苦しくなっていた。
「……また、本部との連絡が途絶えたって?」
昼食時、食堂の隅でカイトが驚いた声で言った。 カイトは熱血漢でありながら、戦況を冷静に分析できる頭脳も持ち合わせているのは、アヴァンを助けたときに気づいたことだ。その彼が、眉間に深い皺を刻んでいるということは、また何かを考えているということだろう。
「ああ。魔力通信の石が故障したわけじゃない。何者かが意図的に、結界の術式を書き換えた形跡があるらしいんだ。」
俺はリアリンさんから密かに聞いた情報を小声で返した。 リアリンさんは、「本部の結界が、内側から少しずつ『削られている』ような感覚だと言っていた。理由のわからない不気味な静けさが、逆に俺の不安を煽る。
「イリス。俺の指導聖騎士のアルバートさん……最近、夜中にどこかへ出かけてるみたいなんだ。俺が自主練で訓練場に残ってると、裏門の方へ消えていくのを何度も見た。最近は、自習ばっかだったから、どこか怪しいと思ってたんだよな。」
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午後の訓練場。 リアリンさんは、俺の前に三つの巨大な魔導石を並べた。
「今日は『皐月水流撃』の再構築、仕上げに入ります。父君・モワ氏が唯一成功させたこの技に、闇を融合させます。今のあなたは闇を光で包み込むことはできている。ですが、それはまだ『静』の融合。次は『動』の融合、つまり、放出する瞬間に闇の出力を最大化させ、光の回転でそれを一点に収束させるのです。」
リアリンさんの要求は、日が経つにつれ高度になっていく。 俺は神器・月光刀を構え、体内の闇を限界まで活性化させた。心臓が早鐘を打ち、全身の血管が黒く浮き上がる。
「負けるか……! 皐月水流撃!」
放たれたのは、漆黒の水流。だが、それは以前のような広範囲への奔流ではない。 闇の力が光の螺旋によって限界まで圧縮され、一本の「槍」のような、鋭利な一撃となって魔導石を貫いた。
ドォォォォン!!
轟音と共に、一瞬で道場の壁が粉々に砕け散り、周りに深い亀裂が入る。
「……やりましたね。これが闇を纏った名月流の、真の破壊力です」
リアリンさんが満足げに微笑んだ、その時だった。
「報告します! リアリン聖騎士!」
訓練場に、アルバート聖騎士が血相を変えて飛び込んできた。
「どうしました? 訓練中ですよ」
「……学園から緊急連絡です! 進級試験を行っていたアヴァン・ローラン第一候補生とエルド・ボルデ・リバーテン第一候補生が、演習場に出現した『想定外の魔物』と交戦! 現在、行方不明とのことです!」
「なっ……!?」
俺の心臓が、凍りついたような感覚に襲われた。 アヴァンとエルドが。デモニオの罠だった「風の巫女の里」を乗り越え、やっと強くなり始めたアヴァン、大魔法使いになるために頑張っていたエルド、一体二人は何かに巻き込まれたのか?
(なぜ今なんだ……! まるで、俺たちの成長を待っていたかのようなタイミングじゃないか!)
俺は月光刀を強く握りしめた。手のひらからは、制御を失いかけた闇のオーラが、黒い煙となって立ち昇っていた。
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