第二章 イリスとアヴァン ギルドに呼び出されるその一
初めての投稿で不慣れの部分もありますが、どうかよろしくお願いします。また、所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。
目が覚めて数日が経った。体から力が抜けていくような奇妙な感覚は残っていたが、少なくともベッドから起き上がり、軽い身動きがとれるまでにはなっていた。完全に回復したわけじゃないが、薬師のじいさんは「もう大丈夫じゃろう」と言ってくれた。
隣にはいつもアヴァンがいた。薬師のじいさんが、回復の手助けをしてやってくれと頼んだらしい。別に特別な魔法を使うわけじゃなく、ただ俺のそばにいて、たまに温かいスープを運んでくれたり、薬を飲ませてくれたりするだけだ。だが、あいつがそばにいてくれると、どこか安心できた。そのたびに、妙に胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じる。
村の連中は、俺を英雄みたいに扱った。ゴブリンシャーマンを退治したってことで、妙に持ち上げられてる。意識を失った俺をアヴァンが運び戻したことも知ってるから、アヴァンにも感謝の言葉をかけているが、あいつはどこか居心地が悪そうにしていた。そりゃそうだろう、あの時の俺の剣技は、俺自身も覚えてないくらいだからな。まるで別人の動きだった。
「イリス、本当に覚えてないの? あの時のこと……」
アヴァンが心配そうに尋ねる。俺は首を振った。
「ああ、悪い。全く思い出せねぇんだ。あの瞬間、頭に誰かの声が響いて、体が勝手に動いたのは覚えてるんだが、その後のことは……」
記憶を辿ろうとすればするほど、眉間に皺が寄るばかりで、頭が痛くなる。アヴァンはそれ以上聞くのをやめてくれた。無理に思い出させても仕方ない。
その日の昼過ぎ、村のギルドの職員が診療所にやってきた。年配の男性で、普段は穏やかな人柄だが、今日はどこか厳しい表情をしている。
「イリス、アヴァン。少し話がある。ギルドまで来てくれるか?」
彼の言葉に、俺とアヴァンは顔を見合わせた。何か、問題でもあったのだろうか。少し緊張しながらも、俺たちは診療所を出て、ギルドへと向かった。
ギルドの奥にある、いつもは使われていない会議室に通された。そこには、村のギルドマスターが待ち構えていた。見るからに厳格そうな、がっしりとした体格の男だ。彼が俺たちをここまで呼び出すのは、よほどの事態に違いない。
ギルドマスターは、俺たちが席に着くと、腕を組み、鋭い視線を向けた。
「お前たちが今回のゴブリン討伐で何をしたのか、詳しく聞かせてもらおうか」
その声には、単なる報告以上の、探るような響きがあった。俺はゴクリと唾を飲んだ。一体、何を話せばいいのだろうか。
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