第四章 聖騎士になるために その十三
所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。
リリィは、深呼吸をすると、まるで固く閉ざされた扉を、自らの手でゆっくりと開けるように、話し始めた。
「私の故郷は、魔法使いの村だったわ。そこは、深い森の奥にあり、外界との交流をほとんど持たない、小さな村だったの。私は、その村で、他の誰よりも、魔法の才能に恵まれていた。周りの大人たちは、私を『神童』と呼んで、もてはやしてくれたわ。でも、その才能が、私の運命を狂わせた……」
リリィの声は、震えていた。俺は、ただ静かに、彼女の言葉に耳を傾けていた。
「ある日のこと、村に、闇の魔物が現れたの。それは、巨大な影のような姿をしていて、村の全てを飲み込もうとしていた。私は、村のみんなを守るために、持てる限りの魔法を使った……。でも、私の魔法は、魔物には、まったく歯が立たなかった。それどころか、私の魔法が、魔物の力を増幅させてしまったの。そして、私の目の前で、村の人たちが、一人、また一人と……」
リリィの目から、涙がこぼれ落ちる。彼女は、自分の魔法が、村の人々を救うどころか、逆に苦しめてしまったという事実を、未だに受け入れられないでいるようだった。
「私は、村が、闇の魔物に飲み込まれていくのを、ただ呆然と見ていることしかできなかったわ……。そして、私は、たった一人、村を逃げ出したの」
リリィは、そう言って、言葉を詰まらせた。
「私は、あてもなく、森の中をさまよっていた。いつしか、私は、疲労と絶望で、意識を失ってしまったの」
「目が覚めた時、私は、見知らぬ場所のベッドに寝かされていた。そこは、首都近辺にある、『星の光』療養施設という場所だったわ。そして、私の隣に、一人の男性が立っていたの。その人は……」
リリィは、俺の顔をじっと見つめ、ゆっくりと、その名を告げた。
「モワ・ミラン・シルバー……。彼の名前は、そう言ったわ」
リリィの言葉に、俺は驚愕した。
「父さん……!?」
俺は、思わずそう叫んだ。十年前、行方不明になってた父さんが、まさかこんなところにいたなんて……リリィは、俺の反応を見て、少し驚いたような表情を見せた。
「あなたの……お父様なのね……。彼は、あなたに、とてもよく似ているわ。彼は、私を助けてくれて、そして、療養施設の職員として、私を保護してくれたの」
リリィは、そう言って、微笑んだ。その微笑みは、悲しみと、安堵が入り混じった、複雑なものだった。
「彼は、私に、闇の魔物を倒すための、聖騎士の道を示してくれた。私の魔法は、闇を払う力ではないと知った今でも、私は、彼の言葉を信じている。彼の言葉を信じて、私は、この学園に入ったの」
リリィは、そう言って、俺の目をじっと見つめた。
俺は、自分の父親が、リリィの命を救い、そして、彼女の道を示したことを知り、胸が熱くなるのを感じた。
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