第三章 異次元からの迷い人 その十四
初めての投稿で不慣れの部分もありますが、どうかよろしくお願いします。また、所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。
今回は三部作です。間にーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーを入れています
大岩を粉砕した衝撃的な光景の後、俺たちは興奮冷めやらぬまま、特訓を続けた。
「なあカオル、名月流は元々、カオルがいた国の昔の暦なんだよな。他の技も試してみたいから、もう少し教えてくれないか?」
俺がそう問いかけると、カオルは少し考え込むような仕草をした。
「そうですね……。睦月は一月……一年を始める月。つまり、始まりの一発、でしょうか?」
カオルの言葉を受け、俺が剣に力を込める。すると、剣先から放たれた光の玉が、銃弾のように一直線に飛んでいく。
「名月流・睦月一発!」
自分でも知らない技名を、とっさに口にして放った。その速度と威力は、銃弾にも劣らない。
「如月は二月……寒さが最も厳しい月。だから、凍結技なのかな……?」
カオルの推測に、俺は雪と氷の情景を思い浮かべた。剣から放たれた冷気は、瞬く間に川の水を凍らせ、美しい氷の彫刻を作り上げた。
「名月流・如月凍結!」
「そして、水無月は六月……水が豊かになる月。水流技なのかな……?」
俺は剣を回転させ、水面を切り裂くような連撃を放った。
「名月流・水無月大回転!」
カオルが月の呼び方から技を推測し、俺がその「意味」を心で感じる。その繰り返しによって、俺はたった数時間の間に、新たな名月流の技を三つも習得したのだ。
そして、練習を繰り返していく内に、俺の頭の中に、今までになかった感覚が生まれた。
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これまでの俺は、名月流の力を使うと、その間の記憶が曖昧になっていた。たまに練習中に倒れて、ボロスの家まで背負ってもらうこともあった。しかし、今は違う。
「……まるで、自分のものになったみたいだ」
俺は呟く。剣に宿る力が、俺自身の肉体と精神に完全に馴染んでいる。技を繰り出しても、記憶が途切れることはなかった。
「イリスさん……?」
カオルが不思議そうに俺の顔を覗き込む。
「いや、なんでもない。ただ、自分の力が、ようやく俺のものになった気がして」
俺は、今まで以上に強く、自分の剣を握りしめた。
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特訓を始めてから3日がすぎた。特訓の成果を実感していると、アヴァンが息を切らしながら駆け寄ってきた。
「イリス! カオルさん! 大変だよ!」
アヴァンの手に握られていたのは、何枚もの羊皮紙だった。彼女はそれを広げ、俺たちに説明を始める。
「村の図書館で調べたんだ。この世界には、闇魔法を打ち消す、あるいは無効化する伝説の魔物について、いくつかの記述があった。でも、それに対抗するには、闇の性質を打ち消す『超強力な炎』と、『光系の粒子』が必要なんだって!」
「超強力な炎と、光系の粒子……」
俺は、自分の剣と、カオルの銃を交互に見つめた。まさに、俺たちの力のことだ。
「そして、その二つの力が合わさることで、『未知の力』が生まれるって!」
アヴァンの言葉に、俺とカオルは顔を見合わせた。大岩を粉砕したあの巨大な光の弾。あれこそが、アヴァンが言う「未知の力」なのだろう。
「アヴァン、ありがとう。俺たちの特訓は、間違ってなかったみたいだ」
俺は、心からの感謝を込めて言った。
「それで、さらにすごいことが分かったんだ……!」
アヴァンは興奮した様子で、一枚の古びた羊皮紙を指差した。そこには、一つの技の名前が書かれている。
「名月流第三奥義、神無月一掃」
「か、神無月……?」
俺が不思議に思っていると、カオルが由来について教えてくれた。
「神無月は十月……神様がいなくなる月。この世界の暦でいう『神が不在の月』のこと。つまり、神すらも打ち払うような、最強の奥義ってことじゃないかな……」
カオルが考えている間に、アヴァンが付け加えて言った。
「少しだけ、過去に名月流をこの町で使っている人がいたか調べたんだ。今から150年前くらいにこの町が魔物の襲来を受けたときに、偶然通りかけた人物が、「名月流第三奥義神無月一掃」という名月流の技を使っていたって資料に載ってたんだ!」
「名月流第三奥義・神無月一掃……」
俺がそう呟くと、俺の剣が、まるで共鳴するように強く光り始めた。それは、今までにないほどの眩い光だった。そして、俺の頭の中に、今まで使ったどの技よりも強烈な、圧倒的な力のイメージが流れ込んでくる。
「だが、この力……」
俺は、その制御不能な圧倒的な力に、思わず剣を下ろした。
「これを、今の俺が使えるのか……?」
アヴァンの調査と、俺たちの特訓は、思わぬ形で繋がっていた。最強の奥義の存在。そして、その圧倒的な力を、俺はまだ制御できない。だが、それが、影の魔物を倒すための唯一の道なのかもしれない。
俺は、改めてカオルとアヴァンの顔を見た。二人の瞳には、俺と同じように、不安と、しかしそれ以上の強い決意が宿っていた。
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