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笑う彼には月光る  作者: かくかくしかじか
赤髪の少女

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第三章 異次元からの迷い人 その八

初めての投稿で不慣れの部分もありますが、どうかよろしくお願いします。また、所々にAI(名前や誤字脱字の修正など)を使っているため、完全に自分作の作品ではありません。どうか暖かく見守ってください。

「待て」


俺は、カオルが話すのを遮った。カオルとボロス、そしてアヴァンが不思議そうな顔で俺を見る。


「まずは、これだ」


そう言って、俺は広場に落ちていた革製の袋を指差した。ボロスがハッとした顔でそれを見ると、慌てて拾い上げた。


「これは……! 忘れておったわい。村の外へ偵察に出て、戻ってこなかった者たちの忘れ物じゃった。てっきり魔物にやられたものとばかり思っていたが……」


ボロスは袋の紐を解き、中身を俺たちに見せた。中から出てきたのは、ギルドの紋章が入った依頼書だった。それには、数名の冒険者の名前が記されている。


「やはり……この袋の中身は、以前この村に来て、消息を絶った冒険者たちのものだったんだな」


アヴァンが、依頼書を覗き込みながら呟いた。俺は、その依頼書に書かれた内容を確認した。


『ヴァルガ村近郊の魔の森における、魔物の増加調査』


その依頼書は、俺たちが受けた「異常事態の調査」よりも古い日付のものだった。つまり、この村の異変は、少なくとも数週間前から始まっていたことになる。


「この依頼書が、あの『影の魔物』とやらにやられた冒険者たちのものだとすれば、村が静まり返っている理由もわかる……」


俺がそう言うと、カオルは頷いた。


「はい。あの影の魔物は、生き物の『力』を吸い取るんです。ドワーフのボロスさんが、あの一撃でよろめいたのも、そのせいだと思いました」


カオルの説明に、俺は背筋が寒くなるのを感じた。ゴブリンシャーマンを倒した時も、その魔力は尋常じゃなかった。だが、その時の力は、どこか俺の体に馴染むものだった。しかし、影の魔物の持つ力は、明らかにそれとは違う。


「なるほどな……。村の者たちが姿を現さないのは、その『影』の魔物に襲われるのを恐れているからか」


ボロスは納得したように頷いた。


「そうだとしたら、この村の異変を解決するには、その『影の魔物』の根源を断つ必要がある。だが……」


俺はちらりとカオルを見た。彼女は、まだ手の震えが止まっていない。先ほどの戦いが、彼女にとってどれほど恐ろしいものだったのかが伝わってくる。


「彼女の力は強力だが、まだ不安定なようだ。それに、銃という見たこともない武器を使う……」


ボロスが話したあと、しばらくの間沈黙が流れた。


「おっとまだ自己紹介してなかったな。俺はイリス。こいつはアヴァンだ」


「私はカオル。訳あって、別世界から迷い込んできた者です。そして、こちらはボロスさんです」


自己紹介を終えると、四人の間に、少しだけ和やかな空気が流れた。だが、その背後には、依然として不気味な静寂に包まれた村と、どこから現れるともしれない影の魔物の脅威が迫っている。



俺は、自分の中に眠る「名月流」の力を思い出す。俺も、いまだにその力の制御方法がわからず、無意識に発動するだけだ。目の前の少女も、俺と同じような境遇なのかもしれない。


「あの……」


アヴァンが遠慮がちに口を挟んだ。


「その、カオルさん。私、闇魔法が得意なんです。もしかしたら、その『影の魔物』に、何か対抗できる方法があるかもしれません」


アヴァンは、そう言ってカオルに微笑みかけた。カオルも、少しだけ安心したような表情を浮かべる。


「ありがとう……アヴァンさん」


「まずは、村の状況を詳しく調査しましょう。そして、あの影の魔物をどうやって根絶やしにするか……。この三つの力が、どう噛み合うか試してみる必要がありそうだ」


俺は剣を再び鞘に収め、三人の顔を見渡した。この異世界で出会った、二人の新人冒険者と、一人の異世界からの迷い人。彼らが織りなす物語は、今、ここヴァルガ村で、本格的に始まろうとしていた。

最後まで読んでくれて、ありがとうございました。感想やレビュー、どしどし募集してます。時間があればぜひ協力お願いします。



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