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夏へ行く
大荒れの天気。
破天荒
横殴りの雨
南西の風強し
竿を持つ手に自然と力がこもる
眼前の川は
波がたちここは思わず海かと見まごうばかり
唸りをたてて疾風舞う
白霧雨一瞬浮かんで消える
のち突風吹きすさぶ
思わず溜息がもれる
願わくば
少しの天候回復と
風よおさまれ
きっと空を見つめ
こぎだす舟
揺れる柳が大きくしなる
風鳴りの音止まぬ
荒天の先には
きっと夏が待っている
歯を食いしばり
竿をさし続けろ
早く速くもっと
風に抗い
進む舟
暗雲に覆われた白き世界を
行くのだ
でも、その先には夏が待っている。