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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
694/746

第146話-6 砂漠へ―…

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 十数分後。

 リガが建物の外から出てくる。

 「許可が取れたわ。代表、二人が中に入って構わないと―…。それと、護衛の者はご苦労さまでした。報酬は隣の庁舎に入って、受付に言ってください。」

と。

 だけど、それを聞いていたものはいなかった。

 空気が……………………、そう、空気が張り付いているのだ。

 緊迫感のある状態なのであるが、戦闘が起こる類のものではないことを理解させられる感じである。

 その理由を理解していないどころか、分かっていないリガは辺りを見回す。原因が何かを探るために―…。

 (何!!! この変な空気にさせてる犯人は―…。)

と、心の中でイラつきの感情を抱きながら―…。

 これから、アルタフらを建物の中へと入れて、長に会わせないといけないのに、その前に変な空気が充満しているなんて―…。

 カルフィーアでは、外からの客に対して、物珍しそうに見る人が多いのは分かっているけど、警戒感がないわけではないし、警戒する気持ち、恐れの気持ちはしっかりと持っており、これらの気持ちが混じっている感じになることは仕方ない。

 自分の知らないものに恐怖し、慎重になることは決して、悪いことではないのだから―…。

 だけど、知らないままでいられることはないので、情報収集というか多面的な考察ができるほどの情報をしっかりと集めないといけない。

 これは自分達が生き残るために必要なことなのである。

 そして、想像というものが必要であることも言える。考えながら、シュミレーションしないといけない。そこに主観性を完全に排除することはできないが、なるべくそのようにならないように自分の今の考えが正しいかどうかを疑うことも大切なことになる。

 疑うことを良くないと認識する人もいるであろうが、そればかりに注目しすぎていて、疑うことを自らが正しいかを確かめることと、慎重になり、自分を見つめなおすという面を見落としており、それらを含めて、しっかりと考えるべきであろうし、その疑うことによって、自分という信念を確固たるものにすることが一時的にできるのだ。

 そういう意味では、疑うこと、悩むことは必要なことであろう。生きていく上では―…。

 そして、話を戻し、リガは今の変な状況になったと思われる原因を見つける。

 その人物は―…。

 「エンゲル、この空気にしたのはあなた?」

と、怒りの感情も込めながら聞く。

 疑問形ではあるが、気持ちの中ではこいつで確定だ、という気持ちを抱いている。

 そして、リガの今の言葉に対して、周囲の人々は肯定という頷きを行動ではなく、心の中でするのだった。

 いや、そういう空気にして、リガに伝えようとしているのだった。

 リガがこの空気を何とかしてくれるという期待を込めて―…。

 そのような期待を込めるのはどうかと思うが、今はそれに縋るしかないという何故か、カルフィーアにやってきた者、その護衛の者、カルフィーアに住んでいる者達の間に同じ感情の空気が流れている。

 その空気がもし、人々の外に出るようになり、誰もが分かるようになり、共有できるのであれば、一緒なんだと思い、お互いに、良い方面での結果がおとずれていただろう。

 でも、それはないが、そのような空気をエンゲルは作り出してしまっていたが、それを評価されることはない。

 「リガ……か。俺は、別に変なことは一切していない。空気が良くなかったからさぁ~、一発小話をやって和ませようとしただけだ。」

と、エンゲルは言う。

 エンゲルのネタは、こういうものだ。


 ―いやぁ~、この砂漠には、昔、昔から大きなサソリが住んでいてなぁ~。そいつは昔、幼い頃に、一人の青年に拾われて育てられるんだが、その青年の両親が………大のサソリ好きで、サソリ愛好家でマジでサソリが愛されて、家の中で飼われていたのだが、このサソリ、人の愛情を受ければ受けるほど大きくなっていって、挙句の果てに、家には収まり切れないサイズになって周囲にバレると…、危険な毒サソリだから討伐しようと周囲のやつらが武器を持ってやってきて、その青年の両親が庇うも、彼らは殺されてしまい、サソリは何とか生き残ることができたそうだ。それ以後、そのサソリは、砂漠に入ってくる人を見ると、自分と愛してくれた青年の両親の仇だと思って襲うようになったのだよ。それが、ラナトールに時々出る、アイビックサソリというモンスターに関して、伝えられている伝説なんだよ。すげぇ~だろ、俺、これを聞いた時感動してさぁ~。マジで泣いたよ。その時の俺がこれ、「グエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエン」……………………………どうだ、笑えただろ!!!―


 …………感想がどういうものであるかは人それぞれであろうが―…。

 リガがこのようなネタを聞かされたとなら、こうツッコむことであろう。

 悲しい話を聞いた人を笑いのネタにするな!!! って感じで―…。

 それを知らないので、リガは―…。

 「そのつまらない空気を読めていないような一発小話をしたせいで、空気をまずくしたのね。ということで、長からこの件に対する裁定をおこなうわ。」

と、リガが言うと、エンゲルの右肩を掴み―…。

 「嫌だぁ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」

 エンゲルが引きずられながら叫ぶのであった。

 その光景を見ながら、カルフィーアにいる者にとっては名物でしかないので、何も驚きもすることなく、いつものことか、ということで済ませるのだった。

 エンゲルを助ける理由はないであろうし、助けたとしてもまたつまらない小話を聞かされるのではないかと思い、誰も助けようとはしない。

 それに、これはエンゲルが馬鹿をやらかしたので、反省させるために必要なことなのだ、ということで、自分自身を無理矢理に納得させるのだった。容易なことであるが―…。

 一方で、カルフィーアに始めてやってきた者にしてみたら、ここはエンゲルに同情すべきかを考えるのであるが、なぜか、ここでエンゲルを庇うのはあまり良くないだろうと思ってしまうし、空気を読む必要があるし、郷に入れては郷に従えという言葉があるように、エンゲルには可哀想だという気持ちを僅かばかりでも抱きながらも、行動しようとは誰もしなかった。

 そして、アルタフは、リガの方へと向かうのだった。

 別に、エンゲルを庇おうとしているわけではない。

 郷に入りては郷に従えという言葉にあるように、変なことで対立するようなことはする気にはなれない。

 リガが長に、エンゲルが到着したから、話し合いが可能かの許可を貰いに行き、大丈夫だと判断したので、リガの近くへと行くのであった。

 そして、アルタフのパートナーの方も一緒に向かうのだった。

 「リガ。」

 「ええ、長からは面会の許可をもらっています。一緒に来てください。」

と、リガは返答する。

 そして、アルタフとリガ、アルタフのパートナーは、建物の中に入っていくのだった。

 長のいると思われる―…。


 建物中。

 その中でもかなり奥まった場所に、「長の部屋」と書かれている場所がある。

 アルタフは昔のことを思い出しながら、その部屋に入ったことを思い出すのだった。

 サンバリアの王政最後の王を迎えに行った時に―…。

 あの時と変わっていないことを見ると、自分がサンバリアの公務員でエリートコースにいた時を思い出すのだった。

 あの時にはすでに、サンバリアが何で周辺諸国を征服するような、あんな悲惨な戦いをする必要があるのか、疑問に感じていた。

 あれを称賛していた人々、自分を含め、あまりにもおかしいことに気づいてしまっており、今までの、自分が正しいのかに対して、疑問に強く思っていた。悩んでいたと言っても良いほどに―…。

 そのようなことを思い出すのであれば、今となっては、自分の殻を破るためには必要なことであったのだと理解させられるものであり、今から過去を振り返るとそういうものであると、アルタフは思う。

 心の中の言葉にしないが、それは今のアルタフの雰囲気から察せられるものであるし、その雰囲気から何かしらを気づける人はいるかもしれない。

 (……何を思い出しているかねぇ~。まあ、気にしないで良いか。)

 アルタフのパートナーのように―…。

 そして、「長の部屋」と書かれている場所の前へとリガが辿り着くと、歩みを止め、叫んでいるエンゲルも足を止め、「長の部屋」というのを理解すると―…。

 「嫌だ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」

 より叫び出す。

 その叫ぶを見ながら、周囲の言葉が聞こえるのかと思ってしまうほどであるが、それと同時に、リガはイラつきを感じ、エンゲルを気絶させてやりたいと思うが、そういうわけにもいかず、アイキャッチで会話するしかなかった。

 部屋へお入りくださいということを意味するために、アルタフやそのパートナー側に向かって、「長の部屋」のドアを空いている手で指し示しながら、開けて入ってください、とジェスチャーをするのだった。

 それをすぐに理解したのか、アルタフのパートナーがすぐに「長の部屋」のドアを開け、リガとエンゲルを先に入れるようにジェスチャーをし、リガがエンゲルを無理矢理に「長の部屋」の中に入れる。

 アルタフとアルタフのパートナーの方も一緒に部屋の中に入るのだった。


 「長の部屋」。

 その中は、薄暗くなっており、灯りが灯されているが、それでも、細かいところは上手く見えないという感じである。

 周囲からどうなっているのかを理解させないためのものであろう。

 それに、ここにいる者達は、「長の部屋」に入ったことがない初心者はいないのだから―…。

 そして、奥の方では一人の老人がおり、まだ、体は動かせる感じではあるが、一戦の中に身を投じることができるほどの体力はすでに残されていない。ある魔女とは違って―…。

 それに、この老人の年齢を考えれば、体を動かせるだけでも十分に凄い方であるし、日常生活で困っているようなことはないのだから―…。

 それに付け加えて、この老人は男性であり、多くの者から今、「長」として尊敬されている人物であることは付け加えておこう。

 「数十年ぶりじゃの~う。アルタフ。」

と、老人はアルタフに向かって言う。

 「数十年ぶりです。ランドロさん。いや、今は「長」と言った方が良いでしょうか。」

と、アルタフの方も返答する。

 三人は数十年ぶりに再会するのであった。

第146話-7 砂漠へ―… に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していきたいと思います。


ここから、ランドロさんとの話し合いです。

サンバリアの過去に関しては、イスドラークの章が終了してから、番外編を挟んだ後となります。

かなり内容は重めだと思います。

次回の投稿日は、2025年5月27日頃を予定しています。

では―…。


2025年5月27日 後書きのものを前書きに移していました。ごめんなさい。恥ずかしい失敗をしてしまいました。

このミスは、普段、『この異世界に救済を』の時にやりそうになって、すぐに気づくのですが、今回は『水晶』で気づかないとは―…。恥ずかしい限りです。

次回から気をつけます。

本当に申し訳ございませんでした。

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