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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
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第41話-1 決まる戦いとそれぞれの動き

前回までのあらすじは、クローナがとどめの一撃をリンガイに喰らわせようとしていた。

今回は、分割となります。理由は、チーム名変更などの内容を追加したら、思いのほか長くなったからです。

 【第41話 決まる戦いとそれぞれの動き】


 「ガァ…!!!!!」

と、クローナの左手に持っている武器に纏われている風がリンガイの腹部から胸の辺りまでの範囲で当たる。そこと横一線となる右、左腕も含めて―…。その威力は絶大。リンガイはその一撃に苦しむ声を、声でないほどに漏らしてしまうのだから―…。

 (どうしてだ、なぜ、こんなにも大きく、強い威力の風をだせるのだ。ありえない。)

と、リンガイは、心の中でそう思う。リンガイにとって、大きな力を引き出すのには、時間もかかれば、体にかかる負担も大きいはずだ。それを両方で扱うことができるクローナという存在は、ありえないのだ。ゆえに、リンガイの頭の中は動揺し、予想外の自体ゆえの冷静を失っているのだ。だから、浮かぶはずもない、どうしてクローナがこんなにもリンガイを倒せるほどの威力を複数回だせることを―…。

 その理由はとても簡単なものだ。ただ単に、クローナが本気を出していなかったこと―…。そして、大きな力をどれだけ行使できるかは、天成獣から使える量の力をどれだけ可能かによる。そう、クローナは、天成獣の力を多く使用することができるのだ。天成獣と実際に話したときに、教えてもらえたのだ、そのことを―…。結果として、クローナは、自らの武器に宿っている天成獣とは話し合いの中で、とても仲良くなれたのだ。いつでも天成獣のいる空間にいけるほどに―…。

 「ぶっ飛べ――――――――――――――――――――――――。」

と、クローナは叫ぶように、力を左手に最大限に入れるために気合いを入れるように言う。

 クローナが横の軌道終える頃になると、リンガイは、クローナの攻撃の威力のせいで、リンガイ自らの後ろへとぶっ飛ばされていく。

 そう、四角いリングの外へと―…。

 このとき、観客の中には、

 「おい、クローナ(あの嬢ちゃん)!! 先週も俺、試合を見たが、今日も相手をフィールドの外へ―…、飛ばしているぞ、どんだけの力をもってんだよ、おい。」

 「あんなダメージを受けたのに、こんなにも力いっぱいに―…。こりゃあ、とんでもねぇなぁ~。」

と、クローナへの感心と力強さを感じる者もいた。

 観客の多くも、クローナの力と、相手にあんなに強い一撃を受けても立って、かつ戦いで勝利させるような少女に感動し、心も動かされたのだ。ゆえに、クローナの勝利は、同時にクローナに対するこれから以後のゲームにおける応援やファンになる人をも、魅了される人も増やしていったのだ。この試合を見て―…。

 そして、リンガイは観客席の中央の舞台を隔てる壁に衝突するのであった。そう、上にある観客席を隔てる壁にぶつけて、リンガイは気絶したのだ。

 リンガイが気絶するのを確認することは、リンガイが観客席と中央の舞台を隔てる壁に衝突したときに発生した煙みたいなもののために、数分の間できなかったのだ。

 しかし、今回のランシュの企画したゲーム勝利条件をクローナは満たすことから、ファーランスは、

 「勝者!!! クローナ!!!!! 以上の試合結果により、第三回戦の勝利チームは―…、神と名乗るバカランシュを倒すため―…、ゴホン……、失礼いたしました。瑠璃チーム!!」

と、勝者と勝利チームを宣言したのだ。

 「えっ!! 私の名前がチーム名になっているんですけど!!」

と、瑠璃は動揺しながら、大きな声でツッコミを入れるように言う。

 「ああ、あれな…、つーかゲームの参加したの瑠璃、お前だから、お前の名前をチーム名にしたほうがわかりやすいしな。それに―…、セルティーのアホなネーミングセンスで決めたチーム名よりはマシだ。俺は、二度と、あんなチーム名で勝利チームの名なんて聞きたくない。だから、ファーランス(審判)にチーム名の変更をしてきた。」

と、アンバイドが瑠璃に近づいて、チーム名を変更した理由を言う。それは、第三回戦がおこなわれる前にアンバイドがファーランスに尋ねたからであり、ファーランスはそれを了承したからである。実際は、チーム名を変更しないと何かされるのではないかと、アンバイドと見て、ファーランスが思ったからである。

 「ですけど―…、私の名前が勝利の時に呼ばれるのは―…、ちょっとアレっていうか、恥ずかしいし。」

と、瑠璃は所々、口ごもりながら、恥ずかしそうに言うのであった。

 「私もそのチーム名で良いと思うよ。」

と、礼奈がアンバイドのチーム名変更に賛成していることと、今の瑠璃チームという名のチーム名が良いと言った。

 「……」

と、瑠璃はしばらくの間考えて、結論だす。

 「アンバイドさんが変更したチーム名にします。」

と、結局瑠璃も賛成したのである。理由は、セルティーの決めた名前よりマシということと、礼奈が賛成してくれたことによって決めたのである。これ以上、駄々をこねても碌なことにならないという予感がしたのが一番であるが―…。


 ちなみにこのチーム名にするという案を出したのは、李章であった。それは、昨日の夜、李章、礼奈、クローナ、アンバイドがたまたま一緒の廊下で出会い、アンバイドが言ったことがきっかけだった。以下ではその時の回想である。

 「李章、礼奈、それにクローナ。ここで何しているんだ。」

と、アンバイドは偶然、李章、礼奈、クローナが廊下の隅で話していたので、何をしているのか気になって話しかけたのだ。

 「アンバイドさん。実は―…、天成獣の話し合いに関してですが―…。」

と、李章が言う。

 「そうか、李章はまだやっていなかったな。怪我でできなかったからな。それに関しては、第三回戦の後の翌日にしようと思う。それでいいか。」

と、アンバイドは李章がまだ術式によって天成獣との会話をするということをやっていなかったのを、李章の言葉を聞いて思い出したので、予定をすぐに決めて伝えたのだ。アンバイドは、天成獣との会話で自分の戦い方を変えてくれればと思うのであった。

 「ありがとうございます。アンバイドさん。」

と、李章はアンバイドに感謝するのであった。

 (これで、天成獣と会話して、刀を使わず力を発揮することもできるかもしれません。これで―…、天成獣の力を十分に発揮させたうえで、自分らしい戦いをすることができます。)

と、李章の心内では、自分の今までの戦い方を捨てられずにいた。それは、天成獣と直接話すことができれば、その内容しだいで可能だと判断したのだった。そう、自身の蹴りという方法による戦いが天成獣の力を十分に発揮させたうえで可能であるということに―…。結局、自らの天成獣の力の宿った武器である刀を使うという昔、師と約束したことを破らなくすむと思うことができたのだ。天成獣との直接会話は、李章にとって、結果として希望になったのだ。

 その後、アンバイドは李章の天成獣との会話ための日程を話した後に、

 「俺からも聞きたいんだが―…。」

と、李章、礼奈、クローナに尋ねようとしたのだ。

 「何ですか。」

 「何でしょうか。」

 「アンバイドも悩みかぁ~。おっさんの悩み―…、それを聞きさえできれば、それでアンバイドの弱みを握って―…、ギャアアアアアアアアアアア、頭を叩くな――――――――――――――――。」

と、礼奈、李章、クローナの順で言うのであった。最後の一人だけは、明らかにアンバイドの弱みを握って、アンバイドよりも優位に立って、アンバイドによる理不尽なことをされないようにしようとしていたのだ。自らが先にアンバイドに仕掛けているというのに―…。

 「クローナ(あの馬鹿)の余計な一言のせいで、話しがぜんぜん進まなくなってしまう。」

と、アンバイドは、呆れた表情で言う。アンバイドにとっては、明日が第三回戦のおこなわれる日であるということを知っているので、なるべく早く終わらせて、ゆっくりと寝て、明日に向けて体力を万全にしておきたいのだ。クローナの余計な一言によって、万全にする時間を必要以上に失いたくなかったのだ。ゆえに、黙らせるためにクローナの頭は痛みが残らない程度の痛みで叩くのであった。結果として、クローナは、大人しくなったが―…。

 クローナが大人しくなったのを確認したアンバイドは、

 「率直に言う、セルティーが勝手につけた俺らのチーム名についてだ。李章、礼奈はどう思っている。」

と、李章、礼奈に尋ねる。

 「う~ん。名前に関しては、意味がわかりやすいと思います。しかし、これをそのままチーム名にするのは、周りの人にどんなチームであることはわかったとしても、幼稚性のあるチームであると見られるかもしれません。特に、バカランシュという部分がプライベートにおける恨みがあり、公のことだと感じさせないと思うので、あのチーム名はなしだと思います。」

と、李章が最初に答える。

 「私は―…、別にあれでも構わないが、アンバイドさん時みたいに、勝利チームが確定する時にそのチーム名を言われるのはちょっと―…、私の時だけは避けたなるし、恥ずかしい。やっぱり別に構わないと言ったけど、思うだけであのチーム名はなしで―…。」

と、礼奈は結局、セルティーの決めたチーム名に反対するのであった。

 「そうか―…、わかった。お前らが俺と同じように反対してくれて―…。っというわけでチーム名を変更したいんだが、何かあるか。」

と、アンバイドはクローナを無視して、李章と礼奈に尋ねる。

 「そうね、私は何も浮かばないわ。今のところ―…。」

と、礼奈は言う。実際に、礼奈は、新たなチーム名を急に提案するように言われたので、すぐには浮かばなかったのだ。ゆえに、正直に答える。

 「………あの~、こういうチーム名はどうですか?」

と、李章は新たなチームを思い浮かべたということを言う。

 それを聞いた、礼奈とアンバイドは、李章に視線を意識的に向ける。

 「瑠璃チームって。ほら、今回のゲームは、瑠璃さんが受けることから始めたことだし、それに―…、たぶん私の緑の水晶の能力で、たぶん、このゲームは瑠璃さんが大事なところで、活躍すると思うという予測を宣言したいなぁ~、と思いまして―…。」

と、李章が言葉に詰まりながら言っている。

 そこに割り込むように、

 「いいね。その名前。瑠璃ってのが、瑠璃のことを言うんだよね。自分の好きな人の名前を―…。フフ、隅にはおけませんねぇ~。李章は―…。」

と、クローナは、李章を揶揄(からか)うように言うのであった。

 「クローナさんの言っていることは何かは存じませんが、何か瑠璃さんが良い所をもっていきそうな気がしたので―…。」

と、李章は言う。

 「そうなんだね。うん、理由はよくわからないけど、響きが良いから、これしますか、アンバイドさん。」

と、礼奈はアンバイドに新たなチーム名が「瑠璃チーム」でいいかと尋ねる。

 「マシだから構わん。むしろ、はやくチーム名の変更のための名前が決まってよかったぜ。長くなったら明日にひびくしさ。それに、李章、大手柄だぜ。」

と、アンバイドは言った。

 その時、李章「?」を浮かべるのであった。

 アンバイドにとっても、これで、自身が勝利した時のチーム名がダサくて、それを引きずって眠れない日が続かなくなることに安心したのだった。そのために、李章に対して、大手柄なことをやってくれたのだと感謝したのだ。それに、李章は気づかなかったが―…。

 こうして、あやふやな理由でチーム名が決まったという。


 そして、「瑠璃チーム」という名に関して、悲しむ人が一人いた。

 「なぜ、チーム名が変わっている。私があんなに考えて決めたのに―…。」

と、セルティーが悔しそうに、悲しそうにする。心の中で涙を溢れさせながら―…。

 そんなセルティーの状況に対して、他の味方メンバーは気づかなかった。むしろ、瑠璃にチーム名変更の説明をしたアンバイドと、その理由を言う礼奈、李章は何かを考え事していた。ゆえに、気づけということのほうが難しいことであった。

 味方に無視されたセルティーは、ただ、ショックで塞ぎ込んでしまっていた。その場で―…。


 一方、観客席の貴賓席。

 そこには、ランシュがいた。

 (十二の騎士は―…、はやくても投入するのは第七回戦からだろうなぁ~。だが、それよりも前に出る奴がいそうだなぁ~。俺に黙って別のチームの中に混ざって―…。まあ、それでも構わないが―…。そのときは、俺も見逃すこととするか。)

と、ランシュは心の中で呟く。

 「ランシュ様―…、試合も終わりました。お戻りになられますか。」

と、近くにいて、第三回戦を観戦したヒルバスが言う。

 「そうだな、ヒルバス。」

と、ランシュが言う。

 そして、ランシュとヒルバスはリースの競技場から出ていくのであった。


第41話-2 決まる戦いとそれぞれの動き

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


魔術師ローは、第41話で登場すると思います。次回の更新で登場させたいという気持ちだけはあります。

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