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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
683/748

第144話-2 人に創られし人はこの場に三人いる

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 (これがサンバリアの最後の王政で、王の補佐に活躍した名宰相かよー…。)

と、一人の人物は心の中で今の状況を見ながら呆れる。

 呆れるしかないだろ。

 今、頭を下げてアルタフが自身のパートナーに謝っているのだから―…。

 偉さと自信と、欠点のなさで有名な人がこうも簡単に頭を下げるのだ。

 宣伝されている、噂されている情報などを信じすぎるのも良くないという例を、今、まさに見せつけられているという感じだ。

 欠点がない人の欠点が一つ曝け出されるだけで、失望に近い感情を抱かせるのには十分なことになっているのだ。

 この一人の人物は、「人に創られし人」の一族の中でも青年という年齢であり、若手の部類であり、サンバリアには何度か行ったことはあるが、王城ではなく、商売で中に入ることがメインだったため、アルタフの真の姿というものを知らなかったのだ。

 そうだと思うと、アルタフに関する情報は、もたらされる情報からでしか得られていないので、そこからの判断でしかないということになる。

 アルタフの噂は、優秀で完璧であることがほとんどで、そのことに対する恨み節がばかりなのだから―…。

 そして、この人物はアルタフのことを見ながらも、リガを止めないといけないと考えるが、アルタフのパートナーによって、止まることができているのだから、ここでは―…。

 「はいはい、今は喧嘩や言い合いはしないでくれ。それよりも、俺らの長のいるところへ向かうの先がだろ。」

と、この一人の人物は言う。

 ここで余計な体力と時間を浪費しているだけの暇はない。

 一刻も早く、アルタフの一族とともに、「人に創られし人」の一族のいる場所へと向かわないといけないのだから―…。

 そうだとすると、リガの行動は、意味のないものかデメリットな行動でしかない。

 収拾するなら今、だと思いながら―…。

 リガの方も、この一人の人物が言ってきたことに対して、頭にくるかもしれないが、それでも、自分達がしないといけないことは十分に分かっている。

 「エンゲルー……。言う通りだが、お前のようなお調子者に諭されるとは、私も情けない。」

と、リガは言う。

 リガからしてみたら、こういう場で、一番調子に乗って馬鹿なことをするのは、この一人の人物……エンゲルである。

 エンゲルは、調子に乗りやすい性格があるが、それでも、天成獣の宿っている武器を扱うだけの実力はあり、かつ、そこそこに強かったりするから、こういう任務であったとしても、性格の駄目さを排除しても、加わることができたりするのだ。

 エンゲルはそれだけの実力を持ち合わせているということなのだ。

 そして、エンゲルに諭されるようでは自分もまだまだであり、精進が足りないのだとリガは自覚するのであった。

 「いや、それは酷くない。俺はいつだって、場の空気を読んで行動しているつもりだし、誰もが悲しまないように、笑わせていただけだぞ。それをこんな言い方するなんて、酷くない?」

と、エンゲルは言う。

 エンゲルからしたら、自分は誰かを困った顔にさせないようにしてきたつもりが、調子に乗っていると思われていて、嫌な表情をされたのだから、心の奥底で自分のしてきたことが否定されて、ショックを受けていた。

 それでも、それを表情に出しながらも、ショックを受けるマイナス面というところは見せないようにしながら、コミカルさのような感じをさせ、それを維持し続けることだけは忘れない。

 そういう存在であるのがエンゲルだ。

 「…………………………………………………………。」

 リガはもう()きたのか、エンゲルを無視して、自分のすべきところへ戻るのだった。

 それに気づいたエンゲルは、

 「えっ、無視!!!」

と、驚きながら言う。

 ここにもコミカル感じになっていたが、その後、置いて行かれるわけにはいかないので、エンゲルも会話を止め、「人に創られし人」の一族の長にいるもとへと向かうのだった。


 場所は変わって、クルバト町の周辺。

 実際に、クルバト町から数キロメートル離れている場所と言って良い。

 この場所をうろつく人物が一人―…。

 (ガァ~、どこまで行ってもクルバト町に辿り着かねぇじゃねぇ~かよ~。どうなっていやがる。結界の類で迷わされているのか。)

と、心の中で思う。

 この人物は、アンバイドであり、今、瑠璃たちとは別行動をとっている。

 リースから集めた情報によって、復讐対象であるベルグのいる場所がクルバト町であることを知り、クルバト町を目指しているのだ。

 だけど、クルバト町にまだ、辿り着けていないようだ。

 それがなぜかという理由は何となく推測できているのであるが、それを確定させることができずにいた。

 (そうだとすると厄介だなぁ~。…………さて―…。)

と、アンバイドが思っていると―…。

 「貴様だな!!! ベルグ様のアジト周辺をうろついているのは!!!」

と、どこからか声がするのだった。

 アンバイドはその声を聞き、警戒するのだった。


 一方、アジトの中。

 その中でも、ベルグのいる部屋。

 そこには無数の監視映像が並んでおり、ベルグはゆっくりと見ながら―…。

 「アンバイドかぁ~。今、アババ君がお休み中だから、ヤズドラン君の部下たちで見回っているのか。ヤズドラン君の実力でも、アンバイドを倒すのは難しいだろうけど、彼の部下なら猶更だねぇ~。そうだと思わない。」

と、ベルグは問いかける。

 その近くにいたのは、フードを被った人物で、素顔を見せることなく、ベルグに付き従っているベルグの右腕と言われている存在だ。

 その存在に問いかけながらもベルグは冷静に監視映像を見る。

 そして、フードを被った人物は答える。少し考えた上で―…。

 「アババや私のように裏から奇襲ができるのであれば、アンバイド相手に対しては有効である可能性は高いが、実力が未熟な裏の者であれば、簡単に反撃されて終わるだけだ。まあ、私やアババより下ということになると、ほとんどの裏の者は該当することになるだけだけどな。今、戦っているのはお前の仕込んだものを使えれば、健闘ぐらいはできるんじゃないか。」

と。

 このフードを被っている人物からしてみれば、今、アンバイドと対処しようとしている人物は、どう足掻いてもアンバイドに勝つことはできない、と言っている。

 それぐらいにアンバイドの実力が高いものであり、自身やアババが奇襲をして、倒せるのがやっとぐらいであると、判断している。

 そういう判断であったとしても、アババはアンバイドを自身の力で倒せるという気持ちは心の中でしっかりと抱いている。

 そして、フードを被っている人物の分析はしっかりとされているものであることは、自身を過大評価をしていないところで分かることであろう。

 一方で、ベルグはフードを被っている人物の言葉を聞いて、少しだけ考える。

 心の中で言葉にしなかったのであるが、すぐに答えることができるのだった。

 「うん、その判断で間違っていないと思うねぇ~。だけど、私は知っているのだよ。アンバイドは私の復讐のために行動しており、その気持ちで伝説の傭兵と呼ばれるまでの名声を獲得したことを―…。まあ、アンバイドのお手並みを拝見するとしますか。」

と、ベルグは言う。

 ベルグはアンバイドの戦いを見たことはほとんどないので、ここでお手並みという感じで、見ておく必要がある。

 ベルグは表立って動くことはない。

 今、自身の実験が大詰めになっているので、なるべく自身が戦うようなことは避けたい。

 細かい計算の失敗もあるかもしれないので、それがないということを確認する作業もしていかないといけないし、しすぎてもしすぎることはない。

 ゆえに、ベルグからしたら、アンバイドとの対決の可能性がないと思い込むことはできないし、戦う時になった場合に備えることと、実験の準備の方を両方こなさないといけないというベルグからしたら、あまり好ましい状態でない状況になっている。

 フードを被っている人物は何も反応することなく、監視映像を見るのだった。


 話を戻す。

 アンバイドは、

 (さて、どこから声が聞こえたのか。侵入者対策か。)

と、心の中で思いながら、警戒をしながら、相手の位置を探る。

 そして、アンバイドに向かって声を出した存在は、アンバイドの後ろに回る。

 (隙―…あり!!!)

と、心の中で思いながら、剣で攻撃しようとする。

 だけど―…。

 (そこか!!!)

 アンバイドは敵の殺気に気づき、すぐに、後ろへ向きながら、自らの武器である長剣で防御するのだった。

 キーン。

 アンバイドの視界に入る。

 敵の姿が―…。

 見つかってしまえば、奇襲の意味はなくなってしまう。

 アンバイドを殺そうとしたこの人物も、そのことの意味はすぐに分かる。

 この人物の仕事は、ベルグの実験を阻止しようとする存在を排除することだ。

 今、アババが休んでいる以上、侵入者の排除をすることができる可能性が少しだけ低下することは避けられない。

 アババの実力はかなりのものであるし、ヤルドランの部下の全てを合わせたとしても、それ以上の活躍ができるだけの実力である。

 ゆえに、一人であったとしても侵入者をあっさりと排除してこれたのだ。

 そして、暫くの間、お互いがにらみ合いながら―…。

 「よぉ。騎士の恰好をして、暗部のやり方かぁ。」

と、アンバイドは襲ってきた人間を煽る。

 アンバイドからしたら、上手く隠れることができた点に関しては褒められるであろうが、それにしても、殺気を最後まで消すことができなかったので、そういうことを考えると、減点の方が大きい。

 そういうことを考慮すると、アンバイドからしたら敵ではない。

 「チィッ!!!」

と、敵の方は舌打ちをしながら、アンバイドから距離を取る。

 その判断を見て、アンバイドからしてみれば、それは選択ミスでしかない。

 アンバイドは相手を視界を追いながらも、すぐに動くようなことはしない。

 なぜなら、あっさりと倒すことができるが、なるべくベルグに自分の手の内を見せないようにしないといけない。

 襲ってきた人物が「ベルグ様」と言っていたことから、この近くにベルグがいる可能性があるのだということは分かる。

 ゆえに、ベルグがどこかしらで監視しているのではないか、ということを瞬時に理解する。

 そして、アンバイドは言葉を発することはなく、相手側が攻撃してくることに対して、警戒するのだった。

 それは恐れのための警戒ではなく、この場での決着のための準備でもある。

 一方で、アンバイドを襲ってきた側は―…。

 (………………………アンバイド……さすが、伝説の傭兵と言われているだけのことはある。だけど―…、こっちは任務を果たすだけだ!!!)

と、心の中で思いながら、アンバイドの隙を見つけ、一気に攻める。

 その攻めに、何の迷いがないのが感じられる。

 ベルグのいる場所の領域の中に入るのを侵入者を排除する。

 その任務をしっかりと全うする必要がある。

 そして―…。

 (そこか!!!)

 と、アンバイドは心の中で言いながら、すぐに、高速移動を開始する。

 それにアンバイドを襲ってきた人物が気づく。

 「!!!」

 ビックリしている間に―…。

 「ガァッ……。」

 アンバイドは―…。


第144話-3 人に創られし人はこの場に三人いる に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正もしくは加筆していくと思います。


昨日から疲れている感じがありますが、今日の昼からの執筆開始とともにある程度体力を回復させましたが、今週は何とか『水晶』を投稿していきたいです。そうしたら、二週間ほど休ませていただきます。ゴールデンウィークなので―…、いつも通りに―…。

では―…。

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