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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
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第40話 勝利への布石

前回までのあらすじは、リンエン兄弟の兄リンガイの攻撃は、クローナに大ダメージを与えるほどの攻撃力を誇っていた。しかし、クローナはまだ本気をだしていなかった。どうなる、第三回戦第二試合の結果は―…。

今回は、文章量は、話数の関係上、短いものとなりました。

 「次は、最大のパワーの一撃で、クローナ(お主)を倒してやる!!」

と、リンガイは言う。それは、冷静な声で言われている言葉であり、クローナにちょうど聞こえるかどうかのほどの大きさであった。

 そして、リンガイは一歩を踏み出し、クローナに自らの拳の一撃を与えることが可能な範囲の中へと入る。

 今度は、右足で前に踏み込み、目の前にクローナに対して、当てるために、いや、一撃を与え倒さんがするために、右手をグーにして、パンチするかのような軌道で殴る攻撃を放つ。

 そのスピードは、リンガイと今日、戦っているクローナが感じた中で、一番の速さであった。

 そう、クローナは、動揺こそしなかったが、今まで以上の速いパンチであり、殴りであることを感じていた。

 「喰らええええええ――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」

と、リンガイは叫び、この最大の自らの一撃をクローナに与えるがために気をはいていたのだ。

 一方で、クローナは、自らの両手に持っている武器に風を纏わせていた。そう、今度は、さっきよりもより強い風を、である。

 そして、右手に持っている武器を、リンガイの右手の殴る攻撃に対して、防御するために振るう。

 リンガイの右手とクローナの右手に持っている武器同士が当たるのである。双方とも、さっきよりも強い衝撃音をさせながら―…。そして、クローナが武器に纏っている風が、リンガイの右手よって、移動する方向をある程度変えられ、さらに、四角いリングの地面の一部が捲れるようにはげ、風によって粉状になり、それが煙のようなものとなる。そう、四角いリングのリンガイ側を煙のようなもので覆わせるほどに―…。


 【第40話 勝利への布石】


 四角いリングの半分ほどを覆っている煙のようなものが晴れる。

 その中にいたリンガイの姿が現れる。

 リンガイの体は、右腕が、赤く腫れている部分以外は何ともなかったのだ。こう言ってしまっては語弊となってしまうだろう。赤く腫れている部分こそがリンガイにとって動揺を誘うものであったのだ。

 「ぐっ!! ここまでやるとは―…、くっ!!!」

と、リンガイは悔しさを滲ませながら言うのであった。

 それは、礼奈の右手に持っている武器に纏われた風の攻撃がリンエンに大きなダメージを与えたのだ。

 (さっきの攻撃で、クローナ(あの小娘)の風の防御によって、右腕のほうが使えなくぐらいのダメージを受けるなんて―…。一生の不覚。これじゃあ、左手でしか攻撃することができない。)

と、心の中で考えながら、そして、

 (しかし、この俺の攻撃は確実にはいっているはずだ。風の防御だったとしても、そうすべての攻撃の威力を相殺することはできない。それに、俺のあの攻撃を受けた者は、今まで誰も立つことすらできなかったのだ。もし、仮に俺のあの攻撃を受けて、立てたとしても、もう試合をおこなえるはずがない。)

と、自らのさっきの攻撃に対する過剰なまでの自身をもっていて、心の中で確信するのだった。そう、自らの勝利は確定的であることを―…。

 しかし、そんなもの起こるわけもなかった。

 理由は、クローナが見事にリンガイのさっきの攻撃を完全に防ぎきったのである。リンガイの右腕を戦闘不能にすることも付け加えて―…。

 それに、気づいたリンガイは、動揺しかできなかった。

 「どうしてだ。どうして、俺の攻撃を受けていない。」

と、心の中で言おうとしたことが、声にして漏れたのだ。

 それを聞いたクローナは、

 「うん、さっきのリンガイ(あなた)の攻撃は、ちゃんと防御しました。そして、リンガイ(あなた)の右腕が戦闘不能になっているのも付け加えて、ね。あとは、さっき防御のときと同じ威力で、次に私が攻撃すれば試合終了ってところ。私の勝ちで―…。」

と、言うのであった。少し礼奈のような相手を挑発しさえするように―…。

 それを聞いたリンガイは、

 「次の私の攻撃で試合終了―…、って…、どういうことだ。さっき、お前は、俺の攻撃に対し、防御したではないか。そんな簡単に、さっきのような防御したぐらいの威力の攻撃をだすことなんてできやしない。」

と、言う。その声は震えていた。仮に、クローナが言うように次の攻撃が可能であれば、リンガイは確実に戦闘不能になってしまうとリンガイ自身、簡単にその結論に至ることができた。

 「あと、さっきのリンガイ(あなた)の攻撃を防御したのは、片方の武器のほうで、両方の武器じゃないよ。そして、防御しなかった片方は、さっきの防御に使用した風よりもさらに強いよ。だって、さっきずっと纏わせる量を増やしたいたから。」

と、クローナは言いながら、続けて、

 「これが―…、私の()()()()()だよ。リンガイ(あなた)を倒すためのね。」

と、まるでこれが音楽をともなった映像作品であれば、ここはこの話しのクライマックスなのではないかという風に盛り上がるものとなるだろう。

 そう、クローナという主人公が、リンガイという敵とまさに、形成を逆転させ、クローナの勝利を誰もがわかるようになっていたのだ。形だけではなく、(じつ)においても―…。

 (くっ!! これは―…、俺の左手のパンチでは対応できない―…。どうすれば―…。)

と、リンガイは焦りだす。すでに、リンガイの攻撃手段は尽きてしまっていたのだ。クローナに対処することができる手が―…。

 そして、クローナは振るうのである。左手に持っている自身の武器を横に―…。その武器には風が纏われており、リンガイを軽く四角いリングの外へと吹き飛ばすほどの威力のものであった。

 結局、このクローナの風の攻撃は、リンガイを巻き込むためにクローナの振りと同じように振られていくのだった。


 【第40話 Fin】


次回、ついに第三回戦が終了する。一方で、魔術師ローは―…?

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


そろそろ第三回戦が終了します。リースは長い章となりますが、『水晶』という作品の内容は、少しずつではありますが、進んでいきます。瑠璃たちが、ランシュの企画したゲームを戦っている間にも、リースの外で―…。


2021年1月30日 「そして、礼奈が振るうのである。…(中略)…その武器には風が纏われており」の部分に間違いがありました。正しくは、「そして、クローナが振るうのである。…(中略)…その武器には風が纏われており」です。理由は、書き間違いです。さらに、文脈から考えても礼奈というのはありえないことでした。本当に申し訳ございませんでした。以後、チェックはしていくと思いますが、ミスもあると思うので、気づいたら修正していくと思います。重ね重ね、すみません。

追加:2021年1月30日に以上の「」の文面は、正しく以後の「」の文面に修正しました。「…(中略)…」に関しては、その前後の文の中に文章があるが、「」の文章を短くするために、省略したものです。

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