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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
647/747

第139話-1 こんな数も部屋に入らないんだけど

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、クリスマスの日、世界が石化するという現象が起き、石化されなかった瑠璃、李章、礼奈は異世界からやってきたギーランによって、異世界へと送られるのだった。そして、魔術師ローの話により、世界を石化させたのはベルグの可能性があり、彼を探すために異世界の冒険に出ることになるのだった。そんな中で、クローナを仲間に加え、アンバイドを一時的な協力関係を結ぶことになり、リースへとたどり着く。

 そこでは、ベルグの部下で幹部の一人であるランシュが仕掛けたゲームに参加することになるが、そこで、リース王族の一人であるセルティーと知り合うこととなり、チームを組んでランシュのゲームの中で最終的にはランシュを倒すのだった。それを利用したかつてのリース王国の権力者側であったラーンドル一派の野望は、それを知っていた王族でセルティーの母親であるリーンウルネによって防がれることになる。

 詳しくは本編を読み進めて欲しい。

 そして、リースは王族とランシュの共同体制ということで決着することになる。

 一方で、ベルグの部下の一人であり、ランシュと同等の地位にあるフェーナがベルグの命により、ベルグの目的達成のために、その部下ラナを使って瑠璃のいる場所を襲うが失敗。その時に、サンバリア側の刺客であることがバレて、瑠璃、李章、礼奈、それに加え、クローナ、ミランとともに、サンバリアへと向かうのだった。これは陽動作戦であり、ローもそのことを知っていて、瑠璃たちを成長させるために敢えて、乗るのであった。

 そして、瑠璃たちは、セルティー、ローらと別れ、船の乗り、サンバリアを目指すのだった。


 ミランは見る。

 さらに、かなりの数が部屋へ侵入しようとするが―…。

 (このままだと、戦いづらいわね。)

と、ミランは心の中で思うと―…。

 すぐに動き出し、部屋の外に出ようとするのだった。

 その時、刃の部分がない、剣の持ち手の部分を出して、そこから闇を展開し、剣の形状にするのだった。

 「李章!!! ここで戦うのは得策じゃない!!! 外に出るわよ!!!」

と、ミランは李章に命じる。

 ミランからしたら、これ以上の数を部屋の中に入れるわけにはいかないし、戦う場所が狭まって身動きがとれなくなると判断したからだ。

 そして、ミランが移動を開始すると、アルぺエスの一員側は、ミランや李章を外に出さないようにしようとするが―…。

 「はい!!!」

と、返事をすると、ミランより先に部屋の入口の方に移動を開始する。

 そして、右足の蹴りで飛ぶ斬撃のようなものを放つ。

 (!!!)

 「下がれ!!! 下がれ!!!」

 李章の攻撃に気づいたのか、部屋の中に入ろうとしたアルぺエスの一員らは、一番先に入ろうとしたものが言うと、我先に、部屋から反対方向に退避しようとするが―…。

 (いや、侵入状態で、一気に下がることな………。)

 ドオン!!!

 李章の今の攻撃を侵入しようとしたアルぺエスの一員らが全員受けるのだった。

 その間に、李章とミランは部屋から脱出し、廊下を走りながら、広い場所を探すのだった。


 【第139話 こんな数も部屋に入らないんだけど】


 李章とミランがいた部屋は―…。

 (…………数が増えると判断して、広い場所へと向かったか―…。戦い方から、少年の方は蹴りや刀が主体だから、それなりの広さがいる場所が大事だろうが、女の方は、広い場所で戦っても意味はないだろうに―…。………………いや、広い場所で戦える方法でもあるのだろうな。それに―…。)

と、アルぺエスと自らの組織を名乗った者は、心の中で考える。

 李章とミランが部屋の外に出て、広い場所に向かっている。

 ならば、そこに自分から向かう必要はないだろう。

 なぜなら、こっちには情報によると、三人ほどのターゲットが寝ているからだ。

 そんな無防備な人間を先に始末しないという選択肢はない。

 なので、向かおうとするが―…。

 「!!!」

 何かしらの気配を感じるのだった。

 ヤバい、自らの直感がはたらくぐらいの―…。


 礼奈が眠っている部屋。

 そこでは、一人の人物が氷漬けにされていた。

 この人物は自身がなぜ氷漬けされているのか全く分からないし、動くことすらできずに、ただ、体が凍え、意識を失ってしまっている。

 そのような状態に追い込んだ人物はこの部屋の中にいる。

 それと、一人の人物はこの部屋に礼奈を殺そうとして、短剣を突きつけ、殺せるところまで進むことができたのであるが―…。

 なぜ、それができずに氷漬けになった理由は、あまりにも簡単なことだ。

 (………眠っていると油断して、返り討ちに遭う。服装を見た感じ、夜だから色が分かりづらいし―…、何か忍者の恰好って感じ? 一体、何者?)

と、礼奈は心の中で思いながら、凍らせた人物を観察する。

 そう、礼奈がこの人物を凍らせたからだ。

 礼奈は何かしらの殺気というもの、自分の部屋へと侵入してくる人物がいるのではないかということに気づき、目が覚めたのだ。

 その時、何かしら侵入してきた側がやってくる可能性があったので、相手に気づかれないように、相手の気配を探りながら、相手が何をしようとしているのか。

 こっそりと侵入してくることから、暗殺の類なのではないかという予想はしていたが―…。

 今日のプールで遊んでいる時に、何となく、嫌な視線を感じたからだ。

 まるで、いやらしいというものではなく、まるで、殺気と同時に、観察されているような、そんな感覚だ。

 ゆえに、今日は何かしらあるのではないか、そんなふうに思えたのだ。

 その結果、今、現れているというわけだ。

 「さて、気絶したでしょう。」

と、礼奈は言葉にしながら、氷を解除し、すぐに、倒れた人物を両手を縄で縛るのだった。

 これは、日のある間に、売店で買ってきたものだ。

 その時、瑠璃から白い目で見られていたが、そんなことは気にしない。

 小さなことにこだわることで、良い出来栄えを達成させることはできるであろうが、そのこだわりによって大きな局面での良い判断ができなかったりする場合もある。

 そうだと考えると、こだわりも時と次第による、ということなのだろう。

 ガタン!!!

 近くの部屋から大きな音がする。

 礼奈はそれを聞き取りながら、同時に、すぐに行動するのではなく、どういう状況なのかを把握することに努める。

 (部屋の外から、隣の部屋……。ここは豪華スウィートルームで、いくつかの小部屋があるから、で、あっちの方はミランさんの部屋―……。ミランさんの寝相が悪いというのは聞いたことない。いや、寝相が悪いのかもしれない。だけど、それ以外の可能性を考えると―…、敵がいる?)

と、礼奈は心の中でそう思い、暫くの間、息を潜めるのだった。

 行動しなかったわけではないが、状況把握を正確にしておくことが重要だと判断したからだ。

 敵の勢力をしっかりと知っておかないと戦いにはならない場合もあるのだから―…。

 暫くの間、息を潜めながら、相手の動向を探るのであった。


 何かしらの動きがあり、ミランが外へ移動する声が聞こえた。

 そこから、ミランと李章が広い場所へと向かうとともに、追いかけるのを感じて―…。

 (今なら―…。)

と、礼奈は部屋の外に出るのだった。


 そして、今に至る。

 礼奈とアルぺエスと自身の組織の名を名乗った者に遭遇する。

 礼奈はすぐにそいつが敵の一人であることを理解する。

 部屋の奥の窓が開けられているので、逃げられる可能性はあった。

 それと同時に、倒れている人たちがおり、それは自身を襲った人間と同じような感じの色だと判断したので、助けるようなことはしなかった。

 そう、他の部屋も目の前にいる人物らによって、命が狙われているのを知る。

 確実な証拠と言われると弱い部分はあるだろうが、証拠なしにはならないだろうし、敵から聞き出すことも可能であろう。

 礼奈は、敵である一人の人物を見ながら―…。

 (あれが敵………。かなりの数が倒されているけど、ミランさんが倒したのかも。だけど、外へと逃げ出すように出てきたということは、ここで戦うのが手狭だと感じたのかもしれない。なら―…。)

と、礼奈は心の中で思う。

 それと同時に、敵は開いている窓から外へと逃げ出すのだった。

 それは、礼奈と戦っても勝てないと判断したからだ。

 勝てない相手、視線に気づくのに時間がかかったことを考えると、逃げることが正解だと判断する。

 礼奈も追いかけたい気持ちになったが―…。

 (三人を起こさないと―…。)

と、心の中で思い、瑠璃の部屋へと向かうのだった。

 その間、敵がいないかを警戒しながら、行動するのであった。


 船の中の広場。

 プールや大きな運動場のような感じのある場所。

 そこにミランと李章は無事に到達する。

 (広い場所に出たわね。さて、ここから―…。)

と、ミランは、振り向き、戦闘態勢を整える。

 その時間は僅かな時間さえあれば十分であるし、すぐに、相手の動きを警戒できる段階に移行する。

 そして、李章も同様に戦闘態勢を整え、いつでも攻撃へと移行できるようにする。

 (………ここなら、自由に動き回れる。刀も使って、一気に決めて、瑠璃さんと礼奈、クローナさんを救出に向かわないと―…。)

と、李章は心の中で思う。

 李章としては、瑠璃、礼奈、クローナのことが心配なのだ。

 彼女らは確実に眠っているだろうし、そんな時に暗殺者に襲われるようなことがあり、命を奪われる結果になったら、自分は悔いても悔いても立ち直れないほどのことになるだろう。特に、瑠璃の命が奪われるようなことがあれば、一発で―…。

 ゆえに、李章の中には、心の焦りという面があるのだが、それでも、それを態度や戦闘の戦い方の中で出さないようにしようとする。

 それは、冷静さを欠けば、相手の攻撃によって、簡単に倒されるということになるだろうし、そうでなくても大きなダメージを受けたり、時間がいつもよりもかかったりすることが往々にしてある。

 そのようなことを避けるためには、普段と変わらない冷静さというものが必要であったりする。

 この考えは、李章の祖父からの教えであり、李章は祖父の教えというものを大事にしている。事実上、すでに、その祖父の言葉というか真意を聞くことはできないのだから―…。

 その機会がなくなっているからこそ、より、その人の言葉を大事にすべきだということを理解させられてしまっているのであり、後悔というものが教訓を教示しているのだ。

 その教示は、下手な教師よりも視覚以上の印象を与えるものである。

 「李章―……。一気に片をつけるとか考えない方が良いわ。隠密部隊は相手の隙を突くから、その隙を見せないようにした方が良いわ。もう来たから、これを参考に!!」

と、ミランは言う。

 ミランからしてみれば、隠密部隊と戦うような経験は李章になかったものであろうということは、李章が生まれた世界の話を聞いていれば、ある程度予測することができるし、隠密のような裏の世界とは無縁のところで暮らしていたのは確実に分かることであろう。

 ゆえに、隠密部隊との戦い方の基礎中の基礎、そう、隠密部隊はどのような戦い方をしてくるのか、精神的な面について、教えておく必要がある。

 そうすることで、より上手く戦えるのではないか、とミランは思ったからだ。

 実際、李章は隠密部隊との戦いの中で、かなりのピンチになることがあったので、より効率良く戦わないと、天成獣から借りられる力の量以上の消費を、敵を倒しきれる前に、してしまう可能性が十分にあったからだ。

 そういう配慮をしておかないと、今度はミラン自身にも大きな負担がいくからだ。

 決して、李章のためだけでなく、自身のためである。

 それが結局、双方の利益に繋がるのだから―…。

 「分かりました。」

と、李章がミランの言葉に対して、返事をすると、アルぺエスの一員がやってくるのだった。

 そして、対峙することになる。

 (広い場所に出た以上、こちらも動きやすくなったが、隠れる場所が限られるようになると、こちらにとって不利だ。どうする?)

と、アルぺエスの一員である先頭にいる人物は心の中で迷うのだった。

 その迷いがどんなものであるかは何となく周囲のアルぺエスのメンバーも分かっている。

 李章とミランは、天成獣の宿っている武器を扱っているかもしれないというのだから、普通の一般的な人よりも強いということは分かりきっている。

 ゆえに、広い場所に出た以上、迂闊に、こちらから攻めるということはできない。

 数はいるが、その数を圧倒的な強さでひっくり返してくることもあるのだから―…。

 すでに、仲間は十人以上倒されているので、ここまでの消費から考えると攻めることなんてできないので、結局、対峙が続くことになる。


 数分後、そんな対峙の面にも終止符が打たれるようになる。

 それは―…。

 「!!!」

と、ミランは気づく。

 李章もすぐに気づく。

 そして、そいつが自らの隙を狙っているのは分かっているので、そっちの警戒のリソースを割く。

 そのことをすぐに理解したのか、姿を現わす。

 アルぺエスの一員で、戦闘にいる人物よりも前に姿を現わして―…。

 「こうも簡単に気づかれてしまうとは―…。私の実力というものが鈍ったものだ。」

と、アルぺエスと自らの組織名を言った人物が言う。

 姿を現したのは、この人物である。

 そして、さっきまで、ミランと李章がいた部屋の中にいて、いつの間にか、こちらの方へと向かったのだ。それが意味することは、予想できないわけではないが、それでも、自分で確認していない以上、相手を倒して聞き出すことにするしかない。

 (他のこいつらの仲間の一人を暗殺することはできなかったが、大丈夫だ。こいつらさえ始末し、脅しに使えれば、何とかなる。こうまで作戦が崩れてしまえば、実力行使で倒すしかない。)

と、アルぺエスと自らの組織の名前を名乗った人物が心の中で思う。

 この人物からしてしまえば、すでに、自らの考えた作戦は完全に崩壊しており、撤退する手も失われているので、やるしかなくなってしまったのだ。

 そうだとすると、考えられる策というのは、あってもなくても同じなのだ。

 そう―…。

 「全員、囲って、始末しろ!!!」

と、言うしかない。

 そして、一斉にアルぺエスのこの場にいる命令した者以外は、一斉に、ミランと李章の方へと向かって行くのだった。走りながら―…、それも高速移動と思えるぐらいのスピードで―…。


第139話-2 に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正および加筆していくと思います。


ここから、船上でのバトルは加速するとともに、いろんなものが動く感じです。

では―…。

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