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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
630/746

番外編 ミラング共和国滅亡物語(284)~最終章 滅亡戦争(139)~

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、ミラング共和国とリース王国との間に、ミラング共和国の総統となったエルゲルダの宣戦布告によって戦争が始まる。その結果、リース王国軍はミラング共和国軍と対峙することになる。その戦いの中で、リース王国軍の中の左軍でランシュとヒルバスは活躍し始めるが、中央軍の指揮官でリース王国軍の大将であるファルアールトは左軍の指揮官であるハミルニアを憎むのであった。

一方で、ミラング共和国軍では、リース王国軍の左軍を混乱させるための作戦も考え、かつ、リース王国軍を倒すための作戦会議がおこなわれるのであった。それを主導するのは総統のエルゲルダではなく、ミラング共和国の諜報および謀略組織シエルマスのトップの統領であるラウナンであった。

その中で、ラウナンやファルケンシュタイロは、一人の女性将校の言うゲリラ作戦を拒否して、リース王国軍と正面から戦うことを選択する。


翌日、ランシュとヒルバスは、ハミルニアの命令により、リース王国軍の左軍とは近くから別行動をとる。そこに、ミラング共和国軍のシエルマスが登場し、ヒルバスだけで始末するのだった。


戦いは決着を見ることがなく今日も夕方には終わるのであった。

その後、リース王国軍の会議は、ファルアールトの心の歪みによって、ハミルニアが罵倒されることになり、ハミルニアはファルアールトの心の歪みを満たすために、リース王国軍の中央軍がミラング共和国の本陣を陥落させるまで、ミラング共和国軍と戦わされることになってしまうのだった。リース王国軍の左軍はランシュとヒルバスがハミルニアと話し合うのだった。


翌日、リース王国軍とミラング共和国軍は戦いとなるが、左軍ではランシュに向かって、アウルが襲って来るのだった。すでに、アウルは何者かによって殺されて、操られていたのだ。その正体はイマニガであり、イマニガは「不死体の生」という技を発動させるが、イマニガの武器に宿っている天成獣に自身の意識を乗っ取られるのだった。イマニガという人間が消え去られた上で―…。


リース王国軍の左軍がそのような状態にあるなか、一方で、中央軍と右軍でも動きがあった。特に

、右軍の方はアンバイドの活躍により、オーロルとフィスガーを撃破、中央軍はミラング共和国軍の本陣へと―…。


リース王国軍の左軍の方は、ランシュとイマニガの体を乗っ取ったガルゲイルの対決は、ランシュが天成獣の宿っている武器である鼻ピアスを破壊して、倒すことに成功するのだった。

その後、リース王国軍の中央軍がミラング共和国の本陣へと来たので、ラウナンは撤退を宣言するのだった。イマニガを使っての作戦が失敗したことにより。エルゲルダを殺されるわけにはいかずに―…。


ミラング共和国軍は、旧アルデルダ領の首都ミグリアドで作戦会議を開き、今後の作戦を方針を決めていく。

その会議の途中に乱入したファットはどこかへと連れ去られ、国内担当首席によって始末され、金庫室に西方担当首席と国内担当首席が向かい、その中の光景を見るのであった。

一方で、ミラング共和国軍の作戦は、軍団をオットルー領、ファウンデーション領、クローデル領の守りに三つを分けるのであった。その指揮官を誰にするかを決める。

その結果、ファウンデーション領はラウナン、クローデル領はファルケンシュタイロ、オットルー領はイルターシャに決まるのであった。

一方で、リーンウルネはオットルー領へと向かっていた。

その間に、リース王国軍側でも動きがあり、旧アルデルダ領を中央軍が、クローデル領を右軍が、オットルー領を左軍がそれぞれ進軍することになった。

それは、ハミルニアにとっては、望まない結果であった。

その間、リーンウルネはオットルー領を訪れ、オットルー領の領主と会談し、リーンウルネの要求を領主に承認させるのだった。


ハミルニア率いるリース王国軍左軍は、オットルー領へと侵攻していくが、ミラング共和国軍はゲリラ戦を展開し、リース王国軍左軍は疲弊していくのであった。

そんななか、イルターシャの居場所を見つけ、降伏させることにランシュは成功する。


一方、クローデル領に進軍するリース王国軍の右軍は、ファルケンシュタイロが率いるクローデル領にいるミラング共和国軍と対峙するのであるが、その最前線にいたのは、クローデル領から徴兵された兵士達だった。その兵たちはアンバイドの実力の前に戦わず降参するのだった。

それが重要な問題となる。

ファルケンシュタイロはファロネンズをクローデル領に派遣し、マーゼルの真意を確かめ、ファロネンズの独断でマーゼルを始末するのだった。

そして、マーゼルが殺されたことを、マーゼルの重臣たちに見せしめ、完全服従を勝ち取る。

一方―…、ファウンデーション領(旧アルデルダ領)では―…、領都のミグリアドが包囲されるのだった。それを打開しようとして―…、シエルマスを投入し、リース王国軍の中央軍のトップを始末するのだった。

その後、クローデル領でも動きがあり、ミラング共和国軍とリース王国軍右軍の対決となるが、アンバイドの活躍により天成獣部隊のトップを始末し、かつ、撤退させることに成功して、クローデル領での勝利を得るのだった。

 そして、オットルー領の方に向かって勝利したリース王国軍の左軍は交渉の場にいた。そこでは話し合いがおこなわれていたが、衝撃の事実が突きつけられるのだった。それは、ファウンデーション領を攻めていたファルアールト元帥が暗殺されるというものであったが、オットルー領の領主との話を終え、ミラング共和国の首都ラルネへと向かうのだった。

 一方で、ファウンデーション領を攻めていたリース王国軍の中央軍は―…、ラウナンの策によりミグリアドから撤退しないといけなくなったが、その後、ミラング共和国が攻めてきたが、リーンウルネの影ながらの支えにより、勝利するのであった。

 そして、舞台は最終決戦となろう場所、ミラング共和国の首都ラルネへと―…。

 すでに血は乾ききっており、黒く変色していた。

 その中をリーンウルネは、すぐには入らず、見張りと検証する人間、そして、ミラング共和国の中の一人もしくは二人の役人を呼ぶように言った。

 「まだ、誰も入ってはならぬ。変なものを残すのは危険じゃからの~う。ハミルニア、見張りと、ミラング共和国の役人を連れてきてもらうように、命令してくれぬか。」

と。

 それは、今、部屋の中に自分たちだけで入った場合、エルゲルダとラウナン=アルディエーレを殺害した犯人として扱われる可能性がある。

 自分たちはそのようなことを一切、していないのだから―…。

 そうだと考えると、自分たちが殺害犯でないということを示さないといけない。

 ならば、ミラング共和国の役人にも立ち会ってもらった方が、そのような証拠になるかもしれないからだ。

 そういうところでは、慎重な行動をとるリーンウルネだった。

 そして、ハミルニアの方は、リーンウルネの言っていることを完全に理解したわけではないが、それでも、従った方が得だと判断して―…。

 「わかりました。ミラング共和国の役人を呼んできてくれ!!!」

と、ハミルニアは言う。

 その命令を聞いた部下の二人がどこかへと走っていくのだ。

 探すべきは、ミラング共和国の役人である。

 それが絶対なのだから―…。

 「それにしても、ミラング共和国のトップが真っ二つに斬られているなんて―…。犯人は一体、誰でしょうか?」

と、ハミルニアは疑問に思う。

 リース王国軍が攻めてもう駄目だと思って、自害を選択したような死に方には思えなかったのだ。

 何かしら、恨みがあるのではないか。

 そんな感じを抱くのであるが、黒装束で覆っている人物がただものではなさそうな感じがしているから、それなりの実力があるのでは、と思ってしまうのだった。

 だけど、そこに確証を抱くことはできない。

 「分からぬ。じゃが、儂の知っている情報からあの黒装束で覆われておる人物は、シエルマスの関係者であろう。それに、エルゲルダ以外にも無数に黒装束たちの遺体が切り裂かれているのが見えるじゃろ。これをやったのは、かなりの実力者かもしくは天成獣の宿っている武器を扱う者。じゃけど、気になるのは、あの黒装束の人物だけが、心臓部を突かれることによって、殺されておることじゃ。天成獣の宿っている武器なら剣でもこれぐらいを斬ることはできるが、元々は突きの武器じゃ。だけど、それは剣による突きの形ではなく、円錐上になっている槍か何かだと思うんじゃがの~う。そうだと考えると、犯人は二人なのかの~う?」

と、リーンウルネの方も疑問に感じる。

 天成獣の宿っている武器を複数扱える存在がいないとは思えないが、基本的には見たことがない。そのような人物を―…。

 暗部の中の情報は、洩れない場合もあるので、分からないが、軍人にそのような人物がいるとは思えない。

 そして、どうやって二つの武器を使ったのか。

 …………………部屋に入らねば分からぬことだらけ。

 だけど、今は待つしかない。

 「だけど、二人でこれだけのことをするなんて―…。リース王国軍の中にそんな人物なんているんでしょうか?」

と、ハミルニアは言う。

 このことをやって得をするのは、リース王国軍であるし、リース王国側、ミラング共和国の中でも対外強硬派を恨んでいた人物と関係があるのではないか。

 そんなことを考えたとしても、謎が謎を呼ぶという感じではないが、まるですっきりと解決されるようなことがないわけではない。

 「分からん。じゃが、もしも、突拍子もないことになるし、証拠もないのじゃが、リース王国の初代の国王の武器を扱える者がいるのならば、可能かもしれぬが…………、そんな奴はおらぬじゃろう。その武器は、管理室にあるのじゃから―…。ふう~、ここまで妄想の域をできないと感じるのはの~う。」

と、リーンウルネも頭を悩ませる。

 現に、リース王国の建国者が扱っていた天成獣の宿っている武器は、ランシュが手にしており、トビマルと会話をとり、この場で、エルゲルダとラウナン=アルディエーレを殺しているのだから、その推測は間違いではないが、リース王国の天成獣の宿っている武器を管理している部屋から持ち出されたことには書類上なってはいない。

 なぜなら、ランシュが「騎士試し」をした時に、その武器にランシュが選ばれているのだが、そのことがリース王国側の上層部にバレれば、ランシュを政治利用される可能性が高いと判断して、騎士団の一部しか知らない極秘事項であり、空を飛べる以外のこともできるのはランシュとヒルバスしか知らないことになっている。いや、騎士団の一部が知っているだけで、それはランシュが自ら漏らさないようにさせられている。

 ランシュ自身もそのことを口にする気はない。今のところは―…。

 なぜなら、リース王国側に政治利用されれば、レグニエドへと近づけるかもしれないが、ラーンドル一派の道具であると思われることが確定的になるし、それを嫌っている。

 そんなことをランシュは望まないので、口にしない方が得だと判断している。

 「………………………………………部屋の中に入らなければ、分からないことですよ。今は、待つしかありません。」

と、ハミルニアは言う。

 (それにしても、ここまでやるなんて、一体―………………………………。)

 ハミルニアも得られる情報から何も分からなかった。

 犯人が誰なのか、ということを―…。

 そうこうしているうちに―…。

 「ハミルニア様!!! 連れてきましたぁ~。」

と、ハミルニアの部下で、ミラング共和国の役人を探してきた兵士が戻ってくる。

 その人物の隣にいたのは、中年の男性で、いかにも傲慢そうな顔をしており、何でこんな場所に自分が連れて来られなければならないと不満に思っていた。

 そして、そこには衛兵の一人がおり、その人物は、衛兵の中でさっきハミルニアを見た人物であり、地位はそれなりに高い。

 彼は、悔しさという気持ちは表には出さずに、今すべきことをやるために努めて冷静にしていた。

 高潔な感じを示す人物だと思わせるぐらいに―…。

 その衛兵をハミルニアは見ながら―…。

 (降参してくれたようですね。)

と、心の中で安心するのだった。

 自分の言っていることの意味を理解してくれて助かったと思ったのだ。

 傲慢そうな人物がハミルニアとリーンウルネのいる場所に到達すると―…。

 「ケッ!!! テメーらがいなければ、私は総統秘書の中で安泰の人生を送れたのに!!!」

と、言いながら、唾をハミルニアに向かって吐く。

 だけど、ハミルニアは綺麗によけ、何事もなかったかのようにする。

 周囲のハミルニアの部下は、この秘書総統で働いている男に対して、恨みの圧をかけるのだった。

 リーンウルネは、

 (ふむ、あやつ、自分の立場が分かっておらぬというわけじゃの~う。それに比べて、衛兵の恰好をしておる御仁はしっかりと自分の立場を理解おるようじゃ。こういうのが部下にいてくれて、しっかりと忖度のない意見を言っていただけると助かるというもの。国のトップで真面な人間からしてみればの~う。)

と、心の中で思う。

 リーンウルネからしてみれば、総統秘書の人物はあまり賢い人物には思えず、状況把握能力がかなり低く、部下としては使えず、衛兵の方はその逆であり、右腕として使えば、将来的には名を残すぐらいの賢臣になると、評価している。

 ゆえに、後で、臣下になるか誘いをかけようと考えているのだった。

 そして、総統秘書の人物は、エルゲルダの部屋だということに気づき、その凄惨な光景を見る―…。

 「……………………………………こ……………れ……………は……………………………………………。」

 驚くしかなかった。

 あり得ない光景になっているのだ。

 (そんなまさか、エルゲルダ総統だけならまだ有り得そうだが、ラウナン様まで―…。)

 ゆえに、口にすることがほとんどできなかった。

 というか、リース王国軍に連れられたということは、ラウナン様が逃げ、エルゲルダ様が捕まった可能性があると考えた方が、自然だとこの総統秘書の人物は考えていたのだ。

 ラウナンはシエルマスという組織のトップにいる人であり、リース王国軍から逃げることなんて簡単にできるのだから―…。

 ラウナンを殺してしまうとなると、この総統秘書の人物からしてみれば、ある可能性にしか行きつかない。

 「グルゼン………………………………。いや、あの人はラウナン様によって始末されたはず―……………………。」

 そう、ラウナンを殺せる可能性があるとすれば、グルゼンしか頭に思い浮かばないのだ。

 人は自ら得た知識と経験の中や、そこから組み合わせて付け加えたものでしか判断するし、それ以外の未知の領域について考えることは不可能と言っても良いだろう。

 そうだとすると、総統秘書の人物がこのようなことを言っても別におかしくはない。

 だが、矛盾がしっかりと発生する。

 グルゼン。

 かつて、ミラング共和国軍の将軍であり、天成獣の宿っている武器を扱えないのに、彼らと同等の戦闘ができ、かつ、勝利することが可能な人物であった。それだけに常人の域を身一つで越えている存在。

 そんな存在はラウナンによって先のリース王国とミラング共和国の戦争の終わり、ラウナンによってミラング共和国軍を裏切る者として始末されたのだ。

 そんな人間が生きているはずはない。

 だけど、現実は、ラウナンはグルゼンを殺すことに失敗しており、逆に、反撃され、圧倒されるという結果となったのだ。グルゼンはその時、天成獣の宿っている武器を初めて扱ったのであるが―…。

 そして、ラウナンは自分自身がグルゼンの暗殺に失敗したことを知られると、シエルマスでのトップの地位から引きずり降ろされると思い、グルゼン暗殺は成功したことにしたのだ。

 そのため、ミラング共和国内では、ラウナンとグルゼンの部下以外はグルゼンが生きていること知らない。

 そして、その情報は錯綜している感じになっており、リース王国の方でもそのような感じになっている。

 (グルゼンか……………。儂はパーティーで一度しか顔を見ていないが、ラウナンなんかよりも、よっぽどの人格者で、出会った軍人の中でも一番の強者だと感じたがの~う。死んでいないなら可能であろうが、果たして、グルゼンがこのような暴挙に及ぶとはとても思えない。それに、ラウナンの遺体は貫かれた後じゃ。円錐状の槍でも使わぬ限り不可能。軍人である以上使えるのかもしれぬが、暗殺という場で、二つの武器を持ってくるなんて、それも大きな槍になる以上、そんなものを持てば目立つだろうにの~う。そう考えると、グルゼンの線は可能性が低い方に分類する方が良いの~う。)

と、リーンウルネは心の中で思う。

 リーンウルネからしてみれば、ラウナンがこんな暗殺のような真似事をしないとは限らないが、ラウナンが良く扱っている武器は剣であり、その剣で斬ったり、突いたりすることがメインであり、ラウナンの遺体の心臓部に円形の穴は開かない。開けるのであれば、剣を相当なスピードで回転させる必要がある。それなら、剣で斬った方が得であろうに―…。ラウナンを倒すためには、剣を回転させないといけなかったのだろうか。

 そこには疑問が感じられた。

 だが、リーンウルネの勘は、グルゼンはこの場にはいなかったであろうし、エルゲルダとラウナンの殺害に関係しているとは思えなかった。

 ゆえに、白だということを―…。

 それと同時に、誰がこの二人を殺したのかという、疑問は振り出しに戻されるのだった。

 「それはどういうことですか?」

と、ハミルニアは総統秘書の人物に尋ねる。

 だけど、総統秘書は答えそうになかった。驚きすぎていることが原因であろう。

 言葉を失っている。

 そういうことだ。

 その空気を読んで、変わった衛兵の中で地位が高い者が言い始める。

 「変わって私が説明いたします。私は、ミラング共和国軍の護衛部護衛部長のラダサイトと申します。秘書総統の方が言われていることは、グルゼンはかつてあなたがたリース王国との先の戦争の終わり、ミラング共和国軍を辞めることになっており、その個人の軍事力および指揮能力を考えれば、周辺諸国で好待遇で迎えられるのは確実であり、そうなってしまうとミラング共和国にとって脅威にしかなりません。ゆえに、シエルマスの統領であるラウナン=アルディエーレ様は、グルゼンをミラング共和国のために始末しました。だからこそ、グルゼンはもうこの世にはいません。そうだとすれば、グルゼンは亡霊となって襲ったのか、ラウナン様がグルゼン暗殺の任務に失敗したことを隠したということになります。それは、シエルマスの統領である以上、あまり考えられないことです。その証拠も私たちのもとにはありませんし、それに今日、空飛ぶモンスターがおり、城の中へと侵入され、我々としてはその事態の対処もしないといけなくなり、そして、そのモンスターは結局、どこにいったのか分からず、今のところ見つからずじまいです。」

と、ラダサイトは言う。

 嘘は一切言っていない。

 この言葉で、一人だけある可能性に気づくのだったが―…。

 (いや、剣で殺せたとしても、槍のようなもので殺せるようなことはない。)

と、ハミルニアは心の中で判断した。

 なので、それを口にすることはなかった。

 リーンウルネの方も、ランシュが犯人の可能性も考えられなくはなかったが、槍を扱っているという情報がなかったので、犯人の可能性から消すのであった。

 後に、エルゲルダとラウナンの犯人は分かることになるのだが―…。

 そして、ここでの犯人捜しは意味のない結果でしかなかった。


番外編 ミラング共和国滅亡物語(285)~最終章 滅亡戦争(140)~ に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正および加筆していくと思います。


次回の投稿日は、2024年10月1日頃の予定です。

では―…。

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