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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
628/747

番外編 ミラング共和国滅亡物語(282)~最終章 滅亡戦争(137)~

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、ミラング共和国とリース王国との間に、ミラング共和国の総統となったエルゲルダの宣戦布告によって戦争が始まる。その結果、リース王国軍はミラング共和国軍と対峙することになる。その戦いの中で、リース王国軍の中の左軍でランシュとヒルバスは活躍し始めるが、中央軍の指揮官でリース王国軍の大将であるファルアールトは左軍の指揮官であるハミルニアを憎むのであった。

一方で、ミラング共和国軍では、リース王国軍の左軍を混乱させるための作戦も考え、かつ、リース王国軍を倒すための作戦会議がおこなわれるのであった。それを主導するのは総統のエルゲルダではなく、ミラング共和国の諜報および謀略組織シエルマスのトップの統領であるラウナンであった。

その中で、ラウナンやファルケンシュタイロは、一人の女性将校の言うゲリラ作戦を拒否して、リース王国軍と正面から戦うことを選択する。


翌日、ランシュとヒルバスは、ハミルニアの命令により、リース王国軍の左軍とは近くから別行動をとる。そこに、ミラング共和国軍のシエルマスが登場し、ヒルバスだけで始末するのだった。


戦いは決着を見ることがなく今日も夕方には終わるのであった。

その後、リース王国軍の会議は、ファルアールトの心の歪みによって、ハミルニアが罵倒されることになり、ハミルニアはファルアールトの心の歪みを満たすために、リース王国軍の中央軍がミラング共和国の本陣を陥落させるまで、ミラング共和国軍と戦わされることになってしまうのだった。リース王国軍の左軍はランシュとヒルバスがハミルニアと話し合うのだった。


翌日、リース王国軍とミラング共和国軍は戦いとなるが、左軍ではランシュに向かって、アウルが襲って来るのだった。すでに、アウルは何者かによって殺されて、操られていたのだ。その正体はイマニガであり、イマニガは「不死体の生」という技を発動させるが、イマニガの武器に宿っている天成獣に自身の意識を乗っ取られるのだった。イマニガという人間が消え去られた上で―…。


リース王国軍の左軍がそのような状態にあるなか、一方で、中央軍と右軍でも動きがあった。特に

、右軍の方はアンバイドの活躍により、オーロルとフィスガーを撃破、中央軍はミラング共和国軍の本陣へと―…。


リース王国軍の左軍の方は、ランシュとイマニガの体を乗っ取ったガルゲイルの対決は、ランシュが天成獣の宿っている武器である鼻ピアスを破壊して、倒すことに成功するのだった。

その後、リース王国軍の中央軍がミラング共和国の本陣へと来たので、ラウナンは撤退を宣言するのだった。イマニガを使っての作戦が失敗したことにより。エルゲルダを殺されるわけにはいかずに―…。


ミラング共和国軍は、旧アルデルダ領の首都ミグリアドで作戦会議を開き、今後の作戦を方針を決めていく。

その会議の途中に乱入したファットはどこかへと連れ去られ、国内担当首席によって始末され、金庫室に西方担当首席と国内担当首席が向かい、その中の光景を見るのであった。

一方で、ミラング共和国軍の作戦は、軍団をオットルー領、ファウンデーション領、クローデル領の守りに三つを分けるのであった。その指揮官を誰にするかを決める。

その結果、ファウンデーション領はラウナン、クローデル領はファルケンシュタイロ、オットルー領はイルターシャに決まるのであった。

一方で、リーンウルネはオットルー領へと向かっていた。

その間に、リース王国軍側でも動きがあり、旧アルデルダ領を中央軍が、クローデル領を右軍が、オットルー領を左軍がそれぞれ進軍することになった。

それは、ハミルニアにとっては、望まない結果であった。

その間、リーンウルネはオットルー領を訪れ、オットルー領の領主と会談し、リーンウルネの要求を領主に承認させるのだった。


ハミルニア率いるリース王国軍左軍は、オットルー領へと侵攻していくが、ミラング共和国軍はゲリラ戦を展開し、リース王国軍左軍は疲弊していくのであった。

そんななか、イルターシャの居場所を見つけ、降伏させることにランシュは成功する。


一方、クローデル領に進軍するリース王国軍の右軍は、ファルケンシュタイロが率いるクローデル領にいるミラング共和国軍と対峙するのであるが、その最前線にいたのは、クローデル領から徴兵された兵士達だった。その兵たちはアンバイドの実力の前に戦わず降参するのだった。

それが重要な問題となる。

ファルケンシュタイロはファロネンズをクローデル領に派遣し、マーゼルの真意を確かめ、ファロネンズの独断でマーゼルを始末するのだった。

そして、マーゼルが殺されたことを、マーゼルの重臣たちに見せしめ、完全服従を勝ち取る。

一方―…、ファウンデーション領(旧アルデルダ領)では―…、領都のミグリアドが包囲されるのだった。それを打開しようとして―…、シエルマスを投入し、リース王国軍の中央軍のトップを始末するのだった。

その後、クローデル領でも動きがあり、ミラング共和国軍とリース王国軍右軍の対決となるが、アンバイドの活躍により天成獣部隊のトップを始末し、かつ、撤退させることに成功して、クローデル領での勝利を得るのだった。

 そして、オットルー領の方に向かって勝利したリース王国軍の左軍は交渉の場にいた。そこでは話し合いがおこなわれていたが、衝撃の事実が突きつけられるのだった。それは、ファウンデーション領を攻めていたファルアールト元帥が暗殺されるというものであったが、オットルー領の領主との話を終え、ミラング共和国の首都ラルネへと向かうのだった。

 一方で、ファウンデーション領を攻めていたリース王国軍の中央軍は―…、ラウナンの策によりミグリアドから撤退しないといけなくなったが、その後、ミラング共和国が攻めてきたが、リーンウルネの影ながらの支えにより、勝利するのであった。

 そして、舞台は最終決戦となろう場所、ミラング共和国の首都ラルネへと―…。

 ラウナンは、

 (………アイテムで覆ったはずなのに―……。なんで見破られた!!!)

と、心の中で歯がゆい感情を抱くのだった。

 その感情は、明確にランシュへの恨みそのものであった。

 そのアイテムを使ってでさえ、意味がなかった。

 そのことを結果が示している。

 そして、ランシュは、エルゲルダへの復讐を果たしたことに関しては、結果的に成功したが、そこで喜ぶ気持ちにはなれなかった。

 ラウナン=アルディエーレというシエルマスの統領がいる以上、この場から逃れるためには、ラウナンを倒さないといけないし、この場で、エルゲルダを始末した場面を見た者が多いし、女たちが何かしらのことで、犯人の名前を言うかもしれないからだ。

 そうだと、考えるとランシュが言うべき言葉は決まっていた。

 さらに、衛兵がここにやってくる前に終わらせないといけないのだから―…。

 だからこそ、

 「お前らは自由だ。どこかへと行けばいいし―…。それに、俺のことを決して、誰にも話すなよ。俺も必要以上に人を殺したくはないのでな。」

と、ランシュは言う。

 ランシュはこの時、強圧的になるように、威張っている感じで言う。

 ランシュは普段から威張るようなことをあまりしないので、こういうのは苦手であると思われるかもしれないが、ヒルバスの前で自分がすごいという感じの話し方をしていたので、それを応用すれば可能である。

 それに強者の圧というのもかけていたので、それを周囲の人々に感じやすいようにすれば良い。

 そして、エルゲルダの女たちは、ランシュの強圧的な態度ではなく、ランシュがエルゲルダをいとも簡単に殺したことに恐怖を感じ、ランシュのことを言わなければ、助かるのだと思い、ランシュに殺されたくないと思い、テラスの方から逃げ出すのだった。

 そして、その表情は恐怖に包まれたものであったが、ランシュが追ってくることがないと確信できるまでは、必死に逃げるだろう。

 ランシュも必死で追う気持ちはない。

 ランシュからしてみれば、必要以上に人を殺して、恨みを買われるわけにはいかないし、それに対処するのは大変なことだと思ったのだ。

 ランシュは、女たちがテラスから逃げていくのを確認して、それを確認し終えると―…。

 一方、その間、ラウナンの方は、

 (見つけた!!!)

と、心の中で言うと、すぐに、ランシュの真後ろに回る。

 ランシュは、

 (まあ、これ以上、会うことはほぼないだろう。)

と、心の中で思いながら、後ろからの殺気に気づく。

 そして、ラウナンはランシュに気づかれないと思い、ランシュが後ろを振り向くと同時に、姿を現わし、

 「隙あり。」

と、自らの武器である短剣を伸ばし、ランシュの首筋を切り裂こうとする。

 だけど、ランシュはしっかりと気づいていた。

 ランシュは、女たちが消えた段階でラウナンの方が攻撃を仕掛けてこないわけがないと思い、いつでも攻撃ができるように準備していたのだ。

 そして、ランシュは、ラウナンがランシュの武器を長剣だと思っている可能性を考慮して、自身の長剣すら囮にして、少しだけ本気で戦おうとした。

 それは、衛兵がやってくるまでのラウナンを確実に始末しておく必要が生じたからだ。

 ゆえに、ラウナンの勝利はなくなった可能性の方が高い。

 そして、短剣でランシュの首筋を切り裂こうと動かしている最中、ランシュは自らの武器である長剣を手放したのだ。

 (!!!)

 ラウナンは驚くしかできなかった。

 (なぜ、ここで自らの武器を―…。あり得ない。狂っているのか!!!?)

 ラウナンがそのように思うのは致し方ない。

 ラウナンは、ランシュが長剣を用いて、エルゲルダを斬ったのだし、長剣を用いて戦闘をおこなっていることを、部下からの報告や軍人からの報告を聞いているのだから、長剣がランシュのメイン武器、天成獣の宿っている武器なのだと思っても仕方ないことだ。

 だけど、実際のランシュの武器はそうではない以上、その判断の誤りは致命的なものとなる。

 そして、ラウナンは、ランシュが油断してラウナンのことを舐め腐っているのだと判断し、その思い込みのために、ランシュがすでに攻撃の準備を開始していることに気づくこともなかったし、ランシュの右手がどのようになっているのかも見はしなかった。

と、言いながら、俺を刺そうと短剣を俺の方へと伸ばすのだった。

 その間に、ランシュはラウナンの短剣での攻撃の軌道を瞬時に感覚的に理解し、回避する。

 そして、回避が成功すると同時に、ランシュは、右手に水を軽く覆わせ、そこから土を覆い、それをわずかに発生させた火で乾燥させ、鋭くなるように風を展開してコントロールする。

 これは、空を飛ぶ羽を展開する時にもしていることなので、瞬時におこなうことが可能である。

 ゆえに、ラウナンがそのことに気づいていれば、助かる可能性はあるだろう。

 だけど、ラウナンは、

 「チッ!! 攻撃を外してしまいましたが、自ら武器を捨てるとは―…、馬鹿にもほどがあるな。隙ありです。」

と、言う。

 ラウナンはまだ、ランシュが何をしようとしているのか気づくことなく、長剣を手放したことにより、ランシュはもう武器に宿っている天成獣の力を使うことができなくなったのだと思い込む。

 そして、ラウナンはその隙を逃さないために、ランシュの方へと向かう。

 だけど、それは高速移動ではないことを理解したランシュは、高速移動をする。

 ランシュの右腕に覆われた土は、すでに、槍のように鋭くなっており斬るのではなく、突くほうに適した形になっている。

 ランシュは高速移動を開始し、ラウナンの―…。

 ズブッ!!!

 ラウナンはいきなり自らの体に強い衝撃を受ける。

 「ガァ!!!」

と、ラウナンは声を出してしまう。

 その声が自然と出てしまったものではあるのは事実だ。

 (…………………………。)

と、ラウナンは言葉にすることができずに、何かがある場所へと、下へと視線を向ける。

 そこには、ランシュによって、ラウナンの心臓部が突かれているのだ。

 すでに、ラウナンの意識はランシュを視界におさめることができなくなりつつあり、それと同時に―…、ラウナンにも走馬灯が流れる。

 自らという存在がラルネのスラムで生まれ、他人にへこへこしながら生き、シエルマスに入ることが偶然でき、そこからみるみるうちに頭角を現し、優秀な人間を貶めることによって、彼らの任務の失敗によって粛清されることにより、運良くシエルマスのトップの地位である統領となることができた。

 この世界で、初めて自らの達成感というか、自分のこれまでのひもじい思いからの解放を感じることができ、自分のやりたいことを見つけた。

 そう、人は裏から操ることによって、いろいろとできることがあり、都合が悪くなれば、トップを入れ替えることで、責任から逃れることができるのだと―…。所詮、トップなどの一部の事実上の権力者にとっての玩具に過ぎない、と―…。

 だから、その玩具を扱う人間となり、この国…ミラング共和国を操って、自らのための政治をして、世界を自分のものにしようとした。

 だけど、結局は叶わぬ夢でしかなかった。

 それをラウナンは、今、この時になって自覚させられるのだった。

 悔しさしかなかった。

 (ふざけるな、ふざけるな!!! 私が死ぬ!!! そんなことはあり得ない!!! あり得………。)

 グテッ!!!

 腕をだら~んとさせる。

 ラウナンの意識はすでになくなっていた。

 ラウナンはこう思っていたことだろう。

 自らが失敗するような存在ではないし、今まで、完璧に成功させてきたのだ。

 だからこそ、シエルマスの統領というトップの地位に就くことができたのだ。

 なのに、なのに、どうして、自分はこのような侵入者ごときに命を奪われなければならないのだろうか。

 そんなことに対して、悔しく思うが、ラウナンは気づくべきだった。

 人は完璧にも完全にもなれない存在であるということを―…。

 ラウナン自身も人という枠内に収められている以上、それから逃れることはできないのに―…。

 だけど、完璧や完全を目指さなければ生き残ることも難しいことであり、それを目指さないとなれば気持ち的には楽になるだろうが、それは結局、無理矢理に満足しているだけの結果であり、自分の気持ちを誤魔化していることにしかならない。

 この矛盾は、人……いや、生物というものが抱えるものであることに間違いはない。

 その矛盾に向き合うしかないし、それをしっかりと理解しないといけない。

 それを理解できる人間は、この世にいたとしても一人なのか複数なのかは分からない。ひょっとしたら、いないかもしれない。

 そして、それを理解できずに、己が完璧だと思ったがゆえの命の終わりなのだ。

 生まれるという命を落とすという決定的に逃れられないものを抱えた者の運命と言ってもよいだろう。

 ラウナンは後悔の念を抱き、命を落とし、ミラング共和国はここで滅亡することになる。

 『ミラング共和国滅亡物語』を執筆した者は、このように記述している。


 ―世界とは残酷であろう。自らの思いを達成させてくれることを絶対に保障してくれるわけじゃないし、望んだ結果とは真逆なことを時に、起こす。だけど、それは人が一寸先は闇である綱を渡るがごときものであり、強気になったとしても、綱を渡れるわけではないし、どんな用心をしたとしても、その綱が次に繋がっているかを確かめる方法もない。そうだと考えると、我々は、自らが完璧な存在になれないのであり、そのことを目指しても意味がないということを示す。いや、そのようにミラング共和国の滅亡への過程が教えてくれるのだ。ああ、悲しきや―…。だけど、それでも、我々の世界は、その綱を渡っていくしかない。ならば、その綱を上手く渡れる可能性を高めるために、いろいろ工夫を常にし続けなければならない。これで良いのか、と迷いながら―…。過信はいらない。自分を疑い、他人を疑い、自分を信じ、他人を信じのカードを上手く組み合わせて使うしかない。後は、未来に幸運を委ねるしかない。残念ながら、我々の力は有力であり、有力ではないのだから―…。さて、この物語の最後の一部を―


 これ以上は蛇足であろうが、執筆した者も人の完全性や完璧性に到達できないことを説いており、それはミラング共和国の滅亡過程でも証明されうるということだ。

 そのことを理解し、人は絶望せずに、それが自らの成長できる無限の可能性だと、満足をずっと得ることのできないが、満足する方法を何度も探れるし、いろんな自分の可能性を見つけられることが可能だということ思えば、自らの人生の生きる意味もしっかりと掴めるかもしれない。

 後は、君たち次第であろう。

 さて、話を戻そう。

 ランシュは、ラウナンに突き刺していたものを離し、ラウナンから素早く少しだけ距離をとる。

 そして、土を解除すると、ラウナンの貫かれた部分から血がポタ、ポタと流れながらも、すでに、ある程度流しきったのか、あまり流れることはなく、ラウナンは倒れるのだった。

 すでに、ラウナンはこの世におらず、何も言わない肉塊でしかないラウナンの体は倒れるのだった。

 これがラウナン=アルディエーレの結末であった。

 ラウナンの遺体にランシュは気づく。

 (主君よりも自分の命が大事というあたりなのだろう。何となくだけど―…。この部屋を出ないと、確実に衛兵が来ることが事実だろう。)

と、ランシュは心の中で思うと、ラウナンの遺体を処理する暇ないと判断し、長剣を回収する。

 そして、すぐに、エルゲルダの寝室から出るのだった。

 それと同時に、ハウルラを守るために作った土の壁を解除する。

 そうすると、ハウルラは、急にランシュに閉じ込められたのだと思い、

 「何してくれているんですか!!!」

と、怒りの言葉をかける。

 そのハウルラが怒っているのは、急に閉じ込められ、暗闇の中で、精神的にかなりキツかったからであり、その気持ちを理解して、反省しろ、と言っているのだ。

 そういう訴えはランシュも理解できなくはないが、急がないといけない。

 なので―…、

 「俺の目的は終わったが、そのことに関しては知らない方がいいというか、確実に後でわかる。それよりも、このままここにいると、ハウルラー…。お前の命はないぞ。」

と、言う。

 そう、ハウルラがこの場にいたままになると、エルゲルダとラウナンを暗殺した犯人は、ハウルラに着せられる可能性があるのだ。

 ランシュとしても、そのような無罪の者が罪により、殺されるという結末を迎えるのは良くないと思っている。

 だからこそ、ランシュのやるべきことは決まっている。

 一方で、ハウルラの方は、ランシュが何を言っているのか分からず、頭の処理が追いついていないようだ。

 ゆえに、混乱したままであり、ランシュはすぐにハウルラを抱え―…。

 「じゃ、お前は俺とともに逃走するか。」

と、ランシュが言う。

 ハウルラは抱えられ、エルゲルダの寝室を見て、その凄惨な光景に何が起こったのかを理解させられ、侵入者が何を目的としたのか理解する。

 (…………………この人……リース王国の暗部の人?)

と、心の中で思っていると、テラスの方へと抱えて出され、ランシュとともに飛び立たされるのだった。

 ハウルラは人生で最初の飛行を体験することになるのだった。



番外編 ミラング共和国滅亡物語(283)~最終章 滅亡戦争(138)~ に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正および加筆していくと思います。


ということで、ここからおまけのようなエピローグという感じになります。

いろいろとその後に関する情報で不足している部分もあると思いますが、容赦ください。

これ以上、エピローグを続けると今年中に第136話に入れない可能性が出てきますので―…。

では―…。

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