番外編 ミラング共和国滅亡物語(259)~最終章 滅亡戦争(114)~
遅れて申し訳ございません。
完全に投稿するのを忘れていました。
『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。
『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138
『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):
(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/
(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542
興味のある方は、ぜひ読んで見てください。
宣伝以上。
前回までの『水晶』のあらすじは、ミラング共和国とリース王国との間に、ミラング共和国の総統となったエルゲルダの宣戦布告によって戦争が始まる。その結果、リース王国軍はミラング共和国軍と対峙することになる。その戦いの中で、リース王国軍の中の左軍でランシュとヒルバスは活躍し始めるが、中央軍の指揮官でリース王国軍の大将であるファルアールトは左軍の指揮官であるハミルニアを憎むのであった。
一方で、ミラング共和国軍では、リース王国軍の左軍を混乱させるための作戦も考え、かつ、リース王国軍を倒すための作戦会議がおこなわれるのであった。それを主導するのは総統のエルゲルダではなく、ミラング共和国の諜報および謀略組織シエルマスのトップの統領であるラウナンであった。
その中で、ラウナンやファルケンシュタイロは、一人の女性将校の言うゲリラ作戦を拒否して、リース王国軍と正面から戦うことを選択する。
翌日、ランシュとヒルバスは、ハミルニアの命令により、リース王国軍の左軍とは近くから別行動をとる。そこに、ミラング共和国軍のシエルマスが登場し、ヒルバスだけで始末するのだった。
戦いは決着を見ることがなく今日も夕方には終わるのであった。
その後、リース王国軍の会議は、ファルアールトの心の歪みによって、ハミルニアが罵倒されることになり、ハミルニアはファルアールトの心の歪みを満たすために、リース王国軍の中央軍がミラング共和国の本陣を陥落させるまで、ミラング共和国軍と戦わされることになってしまうのだった。リース王国軍の左軍はランシュとヒルバスがハミルニアと話し合うのだった。
翌日、リース王国軍とミラング共和国軍は戦いとなるが、左軍ではランシュに向かって、アウルが襲って来るのだった。すでに、アウルは何者かによって殺されて、操られていたのだ。その正体はイマニガであり、イマニガは「不死体の生」という技を発動させるが、イマニガの武器に宿っている天成獣に自身の意識を乗っ取られるのだった。イマニガという人間が消え去られた上で―…。
リース王国軍の左軍がそのような状態にあるなか、一方で、中央軍と右軍でも動きがあった。特に
、右軍の方はアンバイドの活躍により、オーロルとフィスガーを撃破、中央軍はミラング共和国軍の本陣へと―…。
リース王国軍の左軍の方は、ランシュとイマニガの体を乗っ取ったガルゲイルの対決は、ランシュが天成獣の宿っている武器である鼻ピアスを破壊して、倒すことに成功するのだった。
その後、リース王国軍の中央軍がミラング共和国の本陣へと来たので、ラウナンは撤退を宣言するのだった。イマニガを使っての作戦が失敗したことにより。エルゲルダを殺されるわけにはいかずに―…。
ミラング共和国軍は、旧アルデルダ領の首都ミグリアドで作戦会議を開き、今後の作戦を方針を決めていく。
その会議の途中に乱入したファットはどこかへと連れ去られ、国内担当首席によって始末され、金庫室に西方担当首席と国内担当首席が向かい、その中の光景を見るのであった。
一方で、ミラング共和国軍の作戦は、軍団をオットルー領、ファウンデーション領、クローデル領の守りに三つを分けるのであった。その指揮官を誰にするかを決める。
その結果、ファウンデーション領はラウナン、クローデル領はファルケンシュタイロ、オットルー領はイルターシャに決まるのであった。
一方で、リーンウルネはオットルー領へと向かっていた。
その間に、リース王国軍側でも動きがあり、旧アルデルダ領を中央軍が、クローデル領を右軍が、オットルー領を左軍がそれぞれ進軍することになった。
それは、ハミルニアにとっては、望まない結果であった。
その間、リーンウルネはオットルー領を訪れ、オットルー領の領主と会談し、リーンウルネの要求を領主に承認させるのだった。
ハミルニア率いるリース王国軍左軍は、オットルー領へと侵攻していくが、ミラング共和国軍はゲリラ戦を展開し、リース王国軍左軍は疲弊していくのであった。
そんななか、イルターシャの居場所を見つけ、降伏させることにランシュは成功する。
一方、クローデル領に進軍するリース王国軍の右軍は、ファルケンシュタイロが率いるクローデル領にいるミラング共和国軍と対峙するのであるが、その最前線にいたのは、クローデル領から徴兵された兵士達だった。その兵たちはアンバイドの実力の前に戦わず降参するのだった。
それが重要な問題となる。
ファルケンシュタイロはファロネンズをクローデル領に派遣し、マーゼルの真意を確かめ、ファロネンズの独断でマーゼルを始末するのだった。
そして、マーゼルが殺されたことを、マーゼルの重臣たちに見せしめ、完全服従を勝ち取る。
一方―…、ファウンデーション領(旧アルデルダ領)では―…、領都のミグリアドが包囲されるのだった。それを打開しようとして―…、シエルマスを投入し、リース王国軍の中央軍のトップを始末するのだった。
その後、クローデル領でも動きがあり、ミラング共和国軍とリース王国軍右軍の対決となるが、アンバイドの活躍により天成獣部隊のトップを始末し、かつ、撤退させることに成功して、クローデル領での勝利を得るのだった。
そして、オットルー領の方に向かって勝利したリース王国軍の左軍は交渉の場にいた。そこでは話し合いがおこなわれていたが、衝撃の事実が突きつけられるのだった。それは、ファウンデーション領を攻めていたファルアールト元帥が暗殺されるというものであったが、オットルー領の領主との話を終え、ミラング共和国の首都ラルネへと向かうのだった。
一方で、ファウンデーション領を攻めていたリース王国軍の中央軍は―…、ラウナンの策によりミグリアドから撤退しないといけなくなったが、その後、ミラング共和国が攻めてきたが、リーンウルネの影ながらの支えにより、勝利するのであった。
そして、舞台は最終決戦となろう場所、ミラング共和国の首都ラルネへと―…。
(チッ!!!)
と、するのはドグラードである。
ポップコーンがあっさりと始末されてしまったからだ。
それに、イルターシャが始末されたのだろうか、というのはしっかりと確かめないと分からない。
だけど―…、ドグラードも知っている。
(イルターシャの方へと派遣された工作員どもは、帰らない者もいたりするから油断すべき相手じゃねぇ
~のだよ。)
と、心の中で思う。
ドグラードは、イルターシャが何かしらを隠しているのではないかと思っているが、その正体を掴み損ねていた。シエルマスの包囲も掻い潜るイルターシャの実力は恐ろしいものであり、隙のない人物の典型だと思えるほどだ。
そんななかで、ポップコースがイルターシャを始末したのは、隠れながら見えていたから分かっているが、そのポップコースが何もされることなく、あっさり命を落とすとは―…。
眉間に何かしらされたのではないか、ということにもドグラードは気づかずに―…。
ゆえに、ドグラードより劣っているポップコースがヒルバスの攻撃に気づけるはすがない。
そう思いながら―…。
(イルターシャの陣営の中に、かなりヤバい奴がいるのは確かだな。)
と、ドグラードはそう結論付ける。
だけど、ドグラードはリース王国軍の騎士の中、ミラング共和国軍のイルターシャ配下の中に、ポップコースを殺した人物がどこにいるのか分かっていない。
それでも、何かしらの危険があることは分かっている。
ゆえに、気配を消す。
これが一番だ。
(………どいつだ。)
ドグラードは、ポップコースを気づかずに殺すことができた存在を探そうとする。
イルターシャのいる場所を見ながら―…。
そんなことをしているうちに―…。
「探せ――――――――――――――――――――――――――――――――!!! 敵襲だ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」
と、叫ぶ、リース王国軍の騎士。
その騎士の言葉は、周囲の騎士やイルターシャの配下などに聞こえるように言う。
その言葉を聞きながらも、ドグラードは気配を消し続ける。
そして、周囲を警戒しながらも、思考を続ける。
(ポップコースを殺す手腕から考えて、想定できることは、リース王国軍の騎士の中で、緒戦にうちの軍の兵士を千人以上殺すような野郎か。だけど、一人をこんな静かに殺すことなんてできるのか。一気に、っていう感じだから、大きな一撃だと思っていたけど、かなり裏の組織向けの戦いをするようだなぁ~。厄介だ。)
と、考える中で、情報を取捨選択して、必要な情報からドグラードなりの結論を導き出そうとした。
ドグラードの頭の中で、矛盾しないと思われる答えを―…。
そこから導き出されたのは、リース王国の騎士の中で二人ほど、ミラング共和国軍を戦争の緒戦で千人以上の死者を出したという実力者がいるのだと―…。そいつらが関わっているに違いないと―…。
そうだと考えると、今のポップコースが何も気づかないうちに殺されることに、納得することができる。論理の飛躍がないと言えば嘘になるが、それでも、納得するために、このように結論を導いた方が得なのだ。
「敵襲だ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」
周囲へと敵襲だと伝える声が聞こえる。
そして、ドグラードはイルターシャのいる方向を見ながら―…。
(ポップコースの一撃で確実にイルターシャは仕留められたと思われるが、あの女が何をしてくるのか分からない以上―…、簡単に死んだなんて判断を下すのは―…。)
と、ドグラードが心の中で思っている。
と―…。
「へぇ~、ここからだと私がいる場所が見えるのですかぁ~。知っていましたけど―…。」
と、女の声が聞こえる。
「!!!」
ドグラードは、一気にその女のいる場所から距離を取ろうとする。
(いつの間に!!!)
ドグラードは心の中で、このように思っている。
それを詳しく説明すると、ドグラードの真横に女が何の気配もなく、女がドグラードに向かって喋るまで気づくことがなかったのだから―…。
そうである以上、シエルマスの中で西方担当首席の地位をいるのだから、それがどれだけヤバいことかに気づく。
(リース王国の裏組織―…、いや―…。)
と、ドグラードが心の中で思っていると―…。
女は―…。
「あら、シエルマスの工作員だけど、私を毒矢で殺したとでも思って、銃撃を受けて殺された方ではないのかしら―…。」
そう、その女の今、言っていることは、本当であっても、嘘であっても、驚かずにいられるものではない。
ドグラードは距離を取り、着地すると―…。
「さっき、当たって、死んだように見えたが―…。」
と、ドグラードは言う。
(生きていやがったのか。驚きはしないが―…。)
イルターシャが生きていたことに関して、驚きはするが、それでも、冷静になれないわけではない。
ドグラードは、イルターシャが何かしらを隠しているのは想定することができていたからだ。
ゆえに、驚きも致命的なものになることはなかった。
そして、イルターシャが言った言葉に、重要な意味が含まれていた。
ドグラードはそれに気づく―…。
「銃を扱うのかよ。」
と、ドグラードは言う。
ドグラードは知っている。
シエルマスという裏の組織である以上、いろんな情報が収集されており、いろいろと情報交換がおこなわれていたりするし、一般には知られていない情報だって沢山ある。
そうである以上、銃に関する情報も入っていたりする。
そうすると、かなり珍しい武器を扱う者であることが分かる以上―…。
「リース王国軍に降参した雑魚が―…。銃とか飛び道具を扱っているのかよ。だから―…。」
と、ドグラードは言う。
そのドグラードの言葉に、イルターシャは笑みを浮かべながらも、真実を言う気はない。
イルターシャの武器は、銃ではない。
そのことは事実である。
だけど、ドグラードの立場に立ってみれば、そのようなことを簡単に判断することはできない。
ゆえに、ドグラードは距離を取りながらも、イルターシャから視線を外すことはしない。
「銃ねぇ~。私かもしれないけど、私じゃないかもしれないわよ。シエルマスの工作員なら、少しぐらい自分の頭の中で考えながら探りなさい。」
と、イルターシャは言う。
そう、言いながら、ドグラードの方を観察する。
(彼は激情しそうなタイプの人間ね。私が死んだと思っているのなら、幻が通じたということかしらね。まあ、私を狙っているのは分かっていましたから、幻で案山子を私に見えるようにして、誰だったけぇ~、私を狙っているシエルマスの工作員の人の近くへと向かったんだわ。そして、その近くで、私がいるにも関わらず、銃撃でシエルマスの工作員の眉間を狙ってくるなんて―…。どんな正確さをもっているのかしら―…。)
と、イルターシャは心の中で思う。
イルターシャは、ポップコースの名前は知らないが、ポップコースが殺された方法とそれをおこなった人物の名前に関してはしっかりと知っている。
その人物は今―…。
ドグラードとイルターシャが対峙している頃。
すでに、本陣にはイルターシャもヒルバスもいなかった。
そんななか―…。
(………………イルターシャはしっかりと始末されたようだ。次は、騎士団の騎士を裏から始末していこうではないか。)
と、シエルマスの工作員の一人が心の中で思いながら、移動を開始しようとする。
何かしらの気配を感じた。
だが―…。
(どこかにいるのか、いや、気配は―…。)
と、心の中で思っていると―…。
自分の体………特に、眉間から一直線上に何かを貫けたかのような感触がある。
そして、そのことを頭の中で理解しようとするけど、言葉を出す前にあっさりと目の前の意識が消えるのだった。
その時、言葉を発する時間すらなかった。
そう、このシエルマスの工作員は、銃撃に眉間の真後ろから入った弾丸が眉間から抜けていったのだ。そのように殺された。
それをおこなった人物は決まっている。
(………気配を感じた時点で判断ができないのであれば、裏の人間としては生き残ることはできませんよ。)
と、ヒルバスは、今、自らが殺したシエルマスの遺体を見ながら、そのように心の中で思う。
それでも、ヒルバスは油断していないどころか、今の状態から判断して、シエルマスの数がどれだけのかを完全には把握していないが、敵の数はしっかりと分かっている。
そして、イルターシャを狙ったものであることを―…。
だが、ヒルバスにしては、怒りとは違うけど、どうしても感じてしまうことがあるのだ。
―私、ちょっとご挨拶してくるから、その間に、あなたの属している騎士団のトップに敵襲を知らせてきたら―
と、イルターシャが言いながら、どこかへと移動してしまったのだ。
追うことも考えたが、この数の敵が来ている以上、リース王国の騎士団の騎士団長であるフォルクスに伝える必要がある。
ランシュがいない以上、ヒルバスしかそのようなことができる人物がいない。
このイルターシャの言葉は、ポップコースが案山子をイルターシャと間違えて銃撃したすぐ、後のことである。
そして、ヒルバスは―…。
―すみませんが、フォルクス騎士団長に敵襲を伝えてきます―
と、言って、移動を開始し、その間にいるシエルマスの工作員を始末していっている。
数は減らしておくことに損はない。
そんななか、何人目かのシエルマスの工作員を始末し、自らのいる場所を確認しながら、リース王国の騎士団の騎士団長であるフォルクスの元へと向かうのであった。
その間に、シエルマスの工作員を引きつけないように、ヒルバスの方に向かう可能性がある、現にそうしている工作員もしっかりと始末しながら―…。
(イルターシャさんが何をしているか分かりませんが、裏切りだけはないことを祈りますよ。)
と、ヒルバスは心の中でイルターシャの裏切りがないことを祈りながら、移動を開始する。
その移動を気づかれないようにしながら、ついていく者が一人―…。
(強い奴……みぃ~っけ。)
と、戦闘狂なのではないかという笑みを浮かべながら―…。
場所は、リース王国の騎士団の本部。
その陣幕の中では―…。
「フォルクス団長!!! 敵襲です!!!」
と、騎士の一人が知らせる。
その言葉を聞いたフォルクスは、
「ミラング共和国軍か!!!」
と、言う。
「報告によるとミラング共和国軍の恰好をしていると思われ、騎士団が邪魔になったよう―……。」
と、言いながら騎士の一人がフォルクスの方へと向かってきながら、剣を抜き、殺そうとする。
フォルクスは驚きながらも、すぐに、剣で対抗しようとするが、間に合わない。
(チッ!!! しょうがない!!!)
と、間に合わないことをすぐに理解し、すぐに、したくはないけど、死ぬわけにはいかないので、やる。
「火の玉矢。」
と、普段から持っている杖を相手の方に付き出し、そこから火の玉を矢のように放つのだった。
近すぎたために、騎士は顔に火の玉をもろに喰らい、全身を燃やし、自らの命を落とす結果になった。
そう、フォルクスは天成獣の宿っている武器を扱えないわけではなく、杖があまりにも騎士の戦い方ではないせいで、使うことを好んでいないだけである。
このように自らの命がピンチになれば、使うことを躊躇う気はない。
「こういう姑息なことをしてくるのは、ミラング共和国軍の中でも裏の組織………暗部……………いや、ミラング共和国の裏の組織であるシエルマスだな。俺にこんな不甲斐ない思いをさせるのだから―…。」
と、フォルクスは独り言を言う。
そう、フォルクスは自分に気に食わないことをさせているのだから、怒りの感情で自身をも燃やせるほどではないほどの熱気を力に変えるのだった。
フォルクスの天成獣の属性は火であり、武器は魔法使いだと思えるような杖である。
これで、フォルクスに近づける者はあまりいない。
「徹底的に潰す。」
と、フォルクスは言うのだった。
番外編 ミラング共和国滅亡物語(259)~最終章 滅亡戦争(115)~ に続く。
誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。
遅れた理由は前書きに書いた通りです。
対策としては、気をつけるしかないと思います。忘れないようにしないと―…。
具体的な解決策でなくて、申し訳ございません。
ということで、再度、投稿が遅れたことに関して、申し訳ございませんでした。
では―…。