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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
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第34話 光の矢

前回までのあらすじは、アンバイドがライグに圧勝したことにより、チームとしての勝利を瑠璃たちは獲得するのであった。変なチーム名とともに―…。

前回の更新あたりで、第34話は短くなると言っていたのですが、実際に書いてみると、そこまで短くなりませんでした。理由は、変なチーム名の犯人捜し?の内容が追加されたことによります。ごめんなさい。

 アンバイドはファーランスのアンバイドの勝利宣言を聞いたのか、すぐに、リースの競技場の中央の舞台の中央にある四角いリングから降りた。

 その途中に戦った相手であるライグを相手側の陣地に運んで、渡すことも忘れることなくおこなった。

 セルティーみたいに倒れている相手を放置しては、次の試合にすぐに移行できないと考えてのことである。

 四角いリングから降りたアンバイドは、

 (これで、チームとしての勝利も確定したわけだ。だけど、なんだよ、神と名乗るバカランシュを倒すためのチームって、思わずツッコミを入れてしまったよ。もう絶対にチーム勝利の確定する試合には出ない。)

と、心の中で思うのであった。

 そして、アンバイドは、李章、礼奈、クローナ、セルティーの元へとたどり着く。すごく不機嫌そうな顔で―…。

 「何です、アンバイドさん。チーム名に対してあんな大声でツッコミを入れるとは。あれで、私たちのチームは恥をかいてしまったではありませんか。」

と、セルティーが言う。そう、チーム名を勝手に名付け、ファーランスにそうチーム名を告げた張本人が―…。

 「ああ、あんないかにもただ目的だけを述べたチーム名があるかよ。センスのかけらもない。それが俺らのチーム名って…。っていうか、チーム名はそもそも決めてないだろ。」

と、アンバイドは言う。そもそも、チーム名を決めるよりも戦う順番についてのみ決めていたのだ。それをアンバイドは言いながら思い出したのだ。

 「っということは、誰かが勝手にチーム名をファーランス(あの審判)に言ったってことになるなぁ~。正直に言ってみろ、もし、クローナの場合なら、さらに厳しい修行を強化したものにする。それ以外の者に関しては、…………まあ、瑠璃以外は、クローナに準じることにしよう。」

と、アンバイドは言う。そう、チーム名を勝手につけ、ファーランスへと勝手に告げた者をあぶりだすために―…。アンバイドは大声ツッコむという自身のこのリースの競技場の今日の観客におけるイメージをツッコミキャラにした奴に仕返しをするために―…。

 ちなみに、アンバイドが目指しているイメージは、寡黙で戦えば強くて頼りになる人である。

 李章、礼奈、クローナはこのことについては知らなかった。それにチーム名についてどうでもよかったのだ。名前自体も目的だけの羅列ぐらいになっていてわかりやすいと思ったから。そのままチーム名にしてしまったことが残念な面ではあるが―…。

 そのチーム名をつけた犯人のセルティーは、

 「あの名前は目的がはっきりしてわかりやすいと思うのだが―…。どこがいけないのだ。」

と、さもアンバイドの方がおかしいのではないかということを言うのであった。

 「そうか、わかった。」

と、アンバイドは言う。

 そして、アンバイドは何となく犯人がわかってしまったのだ。李章、礼奈、クローナは少しチーム名に対して残念そうな顔していたりする。もう少しましなチーム名でもよかったのではないかと思っているのがアンバイドには理解できた。そう、アンバイド自身が李章、礼奈、クローナを表情を見てのみで結論したことである。

消去法と明らかにチーム名を褒めてほしいオーラを漂わせ、明らかにチーム名を否定しないセルティーは、アンバイドにとってチームを勝手につけた犯人ということになる。その可能性を高いのである。つまり、アンバイドは犯人に辿り着いていたのだ。

 ゆえに、アンバイドは、少しの間、間をおいて、

 「犯人はきっと瑠璃だろうな。瑠璃がこそっとファーランス(あの審判)に伝えたんだろうなぁ~、勝手にチーム名を決めて―、勝手に告げた。我が儘な奴だ。」

と、アンバイドが言う。

 「そうね。瑠璃さんには失望しました。」

と、セルティーは言う。チーム名を勝手に決めたのを瑠璃のせいにして、厳しい苛酷な修行を強化したものを回避するために―…。本当にセルティーは、セコイのである。

 「で、だ。セルティー以外の李章、礼奈、クローナはこっちにこい。今すぐに、だ。」

と、アンバイドが言う。

 そして、礼奈はそれが理解できたのか、

 「李章君、クローナ行きましょう。」

と、言う。そして、クローナにはチームを勝手につけた人がわかったのだ。アンバイドの言葉を聞くうちに―…。

 李章とクローナは、「?」を浮かべていたが、礼奈に従うかのように、アンバイドのもとへ向かって行った。

 そして、アンバイドは、

 「李章、礼奈、クローナ、お前らは犯人じゃない。今日、一回もファーランス(あの審判)のもとへは行っていない。それに、瑠璃が行けるわけじゃない。このことは、さっき話しながら思い出したことだ。この思い出しで確定した。こんな変なチーム名をつけて、ファーランス(あの審判)に言ったのは、セルティー以外にいない。っということで、お前らは三人は、明日、セルティーに厳しい修行を課すとしても、優しい眼差しでみてやりな。それに、瑠璃に罪をきせようとしたクズだ。同情など一切しなくてもいい。」

と、言った。そう、アンバイドは犯人を告げたのである。セルティーがチーム名を勝手につけて、ファーランスに言ったことを―…。

 そして、礼奈、クローナは理解したのか、わかりすぎたのか、ゆっくりとアンバイドから少し離れた。李章は少し考えたが、瑠璃に罪を擦り付けようとしたので、アンバイドの意見に賛成して少し距離をとった。

 ちょうどそのころにファーランスが、

 「両チームとも、第四試合に出られる人をリングの中へ―…。」

と、言った。

 礼奈が四角いリングへと向かって行き、その中に立った。

 (これで、チームとしての勝負はついた。しかし、これからは相手のチームのほうは、勝手、後に出場するチームと組もうとするために、より本気で私たちを倒しにくる。気を引き締めていかないと。)

と、礼奈は心の中で呟き、気を引き締めるのであった。

 

 【第34話 光の矢】


 相手チームの一人の人物が四角いリングに立っていた。

 その人物は、礼奈が四角いリングに立つ前、すでに立っていたのである。そう、アンバイドがチーム名の勝手につけた人物の犯人を捜している間に―…。

 その一人の人物が、

 「私の名は、レヒ。よろしく。あんたが相手かい。お嬢ちゃん。私の敵にはならなそうだね。」

と、言う。この人物は、髪が長い女性、髪を結っているわけでも、結んでいるわけでもない。若いが若干、肌に張りがなさそうに感じる。礼奈より二十から三十cmをほど背が高いと思われる。

 レヒの言葉に対して、何も反応を示さない礼奈であった。

 それをレヒは、「アッ、そ」程度に受け流すのであった。

 「両者とも試合の準備はよろしいでしょうか。」

と、ファーランスは、レヒと礼奈に対して問うのであった。試合を開始してもよろしいかどうかを―…。

 「OKよ。」

と、レヒは言う。

 その後に、

 「ええ、大丈夫です。試合を開始してもらっても構いません。」

と、礼奈が言った。

 確認し終えたファーランスは、右手を振り上げ、

 「これより、第四試合―――――……、開始!!!」

と、右手を振り下ろしながら、試合開始の合図を告げた。


 (先手必勝!!)

と、レヒは心の中で呟く。

 レヒは、自ら見て左側に小さな光の球を展開する。

 礼奈もすぐにその球に気づく。

 (あれは―…。)

と、礼奈はレヒが何かをしようとしているのかを警戒する。自らの仕掛けの準備も怠ることなく―…。

 光の球は少しずつ形を変えていった。

 それは、球の体積が明らかに変わっていくように見え、体積が増加していったのだ。

 形は、球から矢のような形へと変化していった。

 そう、矢の形になるのに十秒とかからなかった。

 レヒは、矢の形になった光の球を確認すると、自らの左手を後ろにもっていき、槍を投げるかのように前へと振る。その行動に連動するかのように光の矢は礼奈に向かって動くのであった。

 このとき、

 「光の矢」

と、レヒは叫びながら―…。

 明らかに光の矢が自らに向かっていることがわかった礼奈は、

 (来るか。)

と、心の中で思った。

 そして、礼奈は自らの武器である槍を構え、じっとそこから何もしなかった。

 そう、礼奈は来るのを待っていたのだ。光の矢が来るのを―…。

 (………、今だ。)

と、礼奈は心の中で呟くと、槍を右側から左側へと振るう。

 その振るわれた槍は、光の矢に衝突し、弾き返すことに成功した。

 光の矢は、礼奈の近く少し離れて四角いリングの地面に衝突し、消えていったのである。

 その様子を見たレヒは、

 「あたしの光の矢が、防がれた!!」

と、驚きの声をあげる。

 レヒが放った光の矢は、ものすごくはやく、並大抵の実力では防ぐ方法すらないほど貫通力のあるものである。ゆえに、小柄で、子どもである礼奈が光の矢を防がれるはずがないと思っていた。どうして、光の矢が防がれたのかと動揺してしまったのだ。

 しかし、礼奈はとっては簡単であった。礼奈の武器である槍自身が武器単体で高い防御力を誇り、さらに、槍の攻撃する部分にはより密度の高いを纏わせていたのだ。そのために、光の矢を弾き返すことができたのだ。ただし、礼奈自身は槍を扱うのは得意ではないので、一時的に青の水晶の回復を逆に成長させるという方向で、一時的に腕の筋肉を強化していたのであるが―…。そのため、次に光の矢がくれば、それを防ぐことはできない。腕の筋肉を過剰に行使したのだから―…。そして、礼奈は光の矢を避ける選択肢はない。なぜなら、仮に避けたとしても相手が、何個も何個も光の矢を使って攻撃してくれば、いつかは避けられなくなる。ならば、最初の初撃を防いだほうが相手に驚きを与え、自らの仕掛けから目を逸らさせることができると判断してのことだった。

 「……ぐっ、ならあたしは、これでどうだ。光の矢!!」

と、レヒは言う。そうして、レヒは、二個の光の球を展開する。

 それを見越していたのか、礼奈は、

 「凍れ。」

と、言う。

 そうすると、光の球は二個とも凍らされるのであった。

 そして、ピキッ、ヒキピキィと、凍らされた二個の光の球に亀裂が入っていき、割れたのである。

 「クソ―――――――――――――――――――――――――――――――――。」

と、レヒは叫ぶ。

 そして、礼奈は畳み掛けるように、

 「これで、レヒ(あなた)の負け。」

と、言う。

 そして、レヒは凍らされていった。足元から、徐々に全身へと。

 その凍らされることに抵抗しようとしても、無駄であった。その成長スピードがあまりにも速く、どうすることもできなかったのだ。

 結果、レヒは全身を氷漬けされたのだ。

 ファーランスはその光景を見て、レヒが戦闘不能であることを判断した。ただし、氷漬けであるため、時間としては三十秒から一分という時間を心の中でカウントしてからだ。

 そして、

 (一分経っても動きはない。戦闘不能ですね。)

と、心の中でファーランスは思いながら―…。

 「勝者、山梨礼奈!!」

と、ファーランスは勝者を宣言するのであった。


 【第34話 Fin】


次回、李章は迷っている。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


そろそろ、第二回戦が終わっていくと思います。予定ですが―…。

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