番外編 ミラング共和国滅亡物語(198)~最終章 滅亡戦争(53)~
『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。
『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138
『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):
(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/
(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542
興味のある方は、ぜひ読んで見てください。
宣伝以上。
前回までの『水晶』のあらすじは、ミラング共和国とリース王国との間に、ミラング共和国の総統となったエルゲルダの宣戦布告によって戦争が始まる。その結果、リース王国軍はミラング共和国軍と対峙することになる。その戦いの中で、リース王国軍の中の左軍でランシュとヒルバスは活躍し始めるが、中央軍の指揮官でリース王国軍の大将であるファルアールトは左軍の指揮官であるハミルニアを憎むのであった。
一方で、ミラング共和国軍では、リース王国軍の左軍を混乱させるための作戦も考え、かつ、リース王国軍を倒すための作戦会議がおこなわれるのであった。それを主導するのは総統のエルゲルダではなく、ミラング共和国の諜報および謀略組織シエルマスのトップの統領であるラウナンであった。
その中で、ラウナンやファルケンシュタイロは、一人の女性将校の言うゲリラ作戦を拒否して、リース王国軍と正面から戦うことを選択する。
翌日、ランシュとヒルバスは、ハミルニアの命令により、リース王国軍の左軍とは近くから別行動をとる。そこに、ミラング共和国軍のシエルマスが登場し、ヒルバスだけで始末するのだった。
戦いは決着を見ることがなく今日も夕方には終わるのであった。
その後、リース王国軍の会議は、ファルアールトの心の歪みによって、ハミルニアが罵倒されることになり、ハミルニアはファルアールトの心の歪みを満たすために、リース王国軍の中央軍がミラング共和国の本陣を陥落させるまで、ミラング共和国軍と戦わされることになってしまうのだった。リース王国軍の左軍はランシュとヒルバスがハミルニアと話し合うのだった。
翌日、リース王国軍とミラング共和国軍は戦いとなるが、左軍ではランシュに向かって、アウルが襲って来るのだった。すでに、アウルは何者かによって殺されて、操られていたのだ。その正体はイマニガであり、イマニガは「不死体の生」という技を発動させるが、イマニガの武器に宿っている天成獣に自身の意識を乗っ取られるのだった。イマニガという人間が消え去られた上で―…。
リース王国軍の左軍がそのような状態にあるなか、一方で、中央軍と右軍でも動きがあった。特に
、右軍の方はアンバイドの活躍により、オーロルとフィスガーを撃破、中央軍はミラング共和国軍の本陣へと―…。
リース王国軍の左軍の方は、ランシュとイマニガの体を乗っ取ったガルゲイルの対決は、ランシュが天成獣の宿っている武器である鼻ピアスを破壊して、倒すことに成功するのだった。
その後、リース王国軍の中央軍がミラング共和国の本陣へと来たので、ラウナンは撤退を宣言するのだった。イマニガを使っての作戦が失敗したことにより。エルゲルダを殺されるわけにはいかずに―…。
ミラング共和国軍は、旧アルデルダ領の首都ミグリアドで作戦会議を開き、今後の作戦を方針を決めていく。
その会議の途中に乱入したファットはどこかへと連れ去られ、国内担当首席によって始末され、金庫室に西方担当首席と国内担当首席が向かい、その中の光景を見るのであった。
一方で、ミラング共和国軍の作戦は、軍団をオットルー領、ファウンデーション領、クローデル領の守りに三つを分けるのであった。その指揮官を誰にするかを決める。
その結果、ファウンデーション領はラウナン、クローデル領はファルケンシュタイロ、オットルー領はイルターシャに決まるのであった。
一方で、リーンウルネはオットルー領へと向かっていた。
その間に、リース王国軍側でも動きがあり、旧アルデルダ領を中央軍が、クローデル領を右軍が、オットルー領を左軍がそれぞれ進軍することになった。
それは、ハミルニアにとっては、望まない結果であった。
一方、リース王国軍の左軍の拠点。
そこから少し離れた場所に、リース王国の騎士団が陣を張っている場所がある。
さらに、そこから少し離れた場所に、二人の人物がいる。
その人物の名前は、ランシュとヒルバスであった。
この二人は、今回のリース王国とミラング共和国における戦争の中で、かなりの活躍をしており、アンバイドと同じぐらいの功績を挙げていたと判断されてもおかしくはない。
そんな二人であるが、ここへは、見張りとしてやってきているのだ。
油断しているわけではないが、ランシュの方は何かと考えていた。
それは、今日、ハミルニアなどのリース王国軍の左軍の指揮官は、中央軍の方へと呼ばれており、会議がおこなわれている頃であろう。
そんななか、ランシュはリース王国軍の中でおこなわれているであろう会議がどんな内容であるかを推測することができる。
その内容は、これからミラング共和国の領土内へと攻めていくことについての内容だ。
ミラング共和国の現総統であるエルゲルダが、リース王国を征服すると宣言した以上、リース王国側は征服仕返そうとしている。その理由は簡単だ。エルゲルダは、リース王国内のアルデルダ領の一領主に過ぎなかった存在が、ミラング共和国のトップとなって、元上司に逆らおうとしているのだ。
そんなことをリース王国側が許せるはずがない。
そうである以上、エルゲルダがトップになっているミラング共和国を征服するのは、報復でしかないのだ。被害を具体的に受けたといえば、ラーンドル一派やリース王国の国王の気持ちを不快にさせたということであろう。
なので、ミラング共和国を完全に征服しきるまでは、リース王国側からはこの戦争を終わらせることはない。逆もしかり。ミラング共和国の方も、リース王国をミラング共和国の領土へと組み込むことが成功するまで終えることはない。
そう考えているのだ。
ランシュも、心の中では戦争なんて好きではないが、敵のミラング共和国の相手方のトップであるエルゲルダの性格を考慮すると、ミラング共和国軍に対して、リース王国に対して、致命的なダメージを与えておかないといけない。彼らが二度と反抗する気力が湧かないようにしないといけない。その中で、ミラング共和国が完全にリース王国に征服されるようなことになったとしても、それは仕方ないと思っている。
それでも、ミラング共和国に住んでいる人々が、リース王国軍によって酷い目に遭うようなことはなるべく減らさないといけない。
これからミラング共和国における領土を支配する以上、ミラング共和国に住んでいる人々に恨まれるようなことはなるべく避けないといけないし、数を多くしてはいけない。支配する側は、支配される側のことを完全ではないにしても、考慮しないといけない。考慮を怠るようなことをすれば、反乱などを生み出したり、リース王国における発展を阻害されるようなことが発生する結果になる。リース王国に協力的ではなくなったりして―…。
そして、リース王国に支配されたとしても、反抗しないぐらいにするためには、軍事力を中心とするのではなく、ミラング共和国よりもリース王国の方が、ミラング共和国に住んでいる人々にとって好都合であることを保障し、実行し、彼らから評価されないといけない。
仮に、そのようなことをリース王国側が偽装したり、世論誘導したとしても、現実が伴っていなければ、そこに発生するのはリース王国の政府側とミラング共和国に住んでいる人々の間に溝が発生し、その積み重ねが、溝を拡大させ、いつの日かの大きな反抗や独立へと導くことになる。
相手側の気持ちを完全に知ることはできないが、ある程度、理解していかないといけない。その理解を自分本位にしてしまえば、視野狭窄に陥り、返って、相手のことを理解したつもりによって、思わぬ事態を招くことがある。それがリース王国を苦しめることだってあるし、最悪の場合は、リース王国の滅亡へと導くことは十分にあり得る。
人類は自らの種族が生き残り続けるためには、世界を拡大させていくしかない。我々は、世界のすべてを知ることなく、滅び去っていく生物でしかないのだから―…。この矛盾する世の中で生きている。
さて、話を戻すと、ランシュは以上のようなことを完全に理解しているわけではないし、そのような言葉で説明できるわけではないが、それでも、自分なりにいくつかのことには気づいていたりする。
さらに、ランシュは、
(俺もエルゲルダは、復讐対象の一人なので、ここで決着をつけたい。ベルグからも許可を貰っているのだから―…。)
と、心の中で思う。
そう、エルゲルダはクルバト町における虐殺の首謀者一人であり、ランシュの妹と母親を殺した犯人なのである。実行犯ではないが―…。
そして、このクルバト町の虐殺は、ランシュを復讐者にかえるには十分な事件であった。
そんなランシュが思っている間、ヒルバスが声をかけてくる。
「ランシュ君。」
「ヒルバスか。」
と、ヒルバスの声かけに、ランシュは気づき、返事をする。
「ええ、ランシュ君は、戦争は好きではないけど、別の理由で望んでいますよね。」
と、ヒルバスは言う。
ヒルバスとしては、ランシュの目的を知っているからこそ、そのことに対して問いかける。
なぜなら、今のランシュの表情から察するに、そのことに対して、考えているからであろう。
復讐について―…。
そのヒルバスの言葉に、ランシュは肯定する。
「だな。」
と。
ランシュは、ヒルバスには自分がリース王国の騎士団にいる目的について話している。
そして、その後、ランシュの部下となったのだから―…。
そうこうしている間に、ランシュとヒルバスはリース王国軍の左軍の拠点の方へと到着するのだ。
見張りと言っても、ただ止まっているのではなく、歩きながら周囲を見回しながら、怪しい場所がないかを探るというものだった。
これは、ランシュとヒルバスが活躍していることと、かなりの実力があるので、一点に集中させるよりも、周囲を動きながら見張らせる方が、場合によっては、事態に対して、対処しやすいとフォルクスが判断したからに過ぎない。
そして、到着すると、そこでは、戻って来たであろうハミルニアが現場指揮官たちが話している声が聞こえるのだった。
(丸聞こえで良いのでしょうか。相手側の間者がいてもおかしくはないのに―…。)
と、ヒルバスは心の中で、呆れそうになるのだった。
だが、ヒルバスは周囲を探るが、ミラング共和国軍と思われる人物はいないということに気づき、安心する。
こういうところから、情報が漏れたりするのだ。
情報一つ漏れることも、時に、戦局に対して、重大な影響を及ぼすことがある。
「今回の作戦に関しては―…………(聞き取れず)………………………(以下略)。」
と、いうようにハミルニアの声がする。
だが、すべてが聞き取れるわけではないので、情報を手に入れるにしても、断片的になってしまうのであろう。
そして―…。
「では、それぞれ準備に取り掛かってくれ。」
と、ハミルニアが言うと、ぞろぞろと陣幕の外へとハミルニアの部下達が出てくるのだった。
この間、ランシュは、ハミルニアの話し声に対して、興味があまりなかったので、記憶の片隅にも残らなかった。
指揮官たちに命令を伝えているのだろうぐらいにしか―…。
そして、陣幕の外には、ハミルニアも出てくる。
ハミルニアは、リース王国軍の左軍の大将である以上、あまり陣幕の外に出るということはあまりない。命を狙われるわけにはいかないので、必ず護衛を周囲に置いていないといけない。
そのハミルニアが、ランシュとヒルバスを発見し、二人へと近づいてくるのだった。
その表情は浮かないものであった。
ランシュは、そのことに気づいて、とんでもないことを言われるのではないかと、嫌な予感をさせるのだった。
「では、ランシュ君とヒルバス君と話してきます。」
と、ランシュとヒルバスを発見したハミルニアはそう言って、話を打ち切る。
話の内容は護衛に関することなので、後からでも聞けると判断したからであろう。
それに、ランシュとヒルバスがこれからのオットルー領への侵攻の中で、大事な役割を担うことは避けて通ることはできないと、ハミルニアはふんでいる。
その理由は、オットルー領は、グルゼンの元部下である軍団がいることが大きな原因である。
そして、ランシュとヒルバスの元にハミルニアが到着すると、
「ランシュ君、ヒルバス君。二人が一緒にいてくれてありがたいなぁ~。」
と、言う。
(二人がいてくれて良かったぁ~。)
と、ハミルニアは心の中で思う。
ハミルニアとしては、こんな好都合良く、二人を発見できて幸せでしかない。
ファルアールトによって、攻めるのが難しいオットルー領を攻めろと言われ、さらに、グルゼンの元部下が大量にいる軍団と戦わなければならないという、かなり難しい状況に追い詰められていたので、二人がいることで、気持ち的にも楽になったのだ。
分かっているけど、実際に、確認するまで気持ちとしては楽になるわけではない。
ハミルニアの気持ちとしては―…。
さらに、ファルクス経由で言うと、作戦を却下される可能性もあったからだ。
フォルクスとしては、リース王国軍の左軍に騎士団が編入されている以上、必要以上に逆らうことはないのだが―…。
軍隊に属している限り、上の命令は絶対であるから―…。
そして、ランシュは、
(絶対嫌な予感がすることでしかなく、かつ、二人に別々に説明するのが精神的に辛いというので一緒にいてくれてありがたいと思っているのだろう。うん、こっちもそれでいいと思う。)
と、心の中で思う。
嫌な予感がして考えたけど、ハミルニアに協力すれば、首都ラルネの時に、自由に行動することができるのではないか、とランシュは考えた。
それぐらいの恩典を求めても悪いわけではないし、自分の今回のリース王国とミラング共和国との戦争での活躍を考えたら、要求ぐらい受け入れてくれるだろう。
そんな予感がしたからだ。
「ハミルニア指揮官。」
「ハミルニアさん。」
と、ランシュとヒルバスが言うと、ハミルニアは言い始める。
「今回、ミラング共和国の中へと進軍し、エルゲルダの討伐が確実になった。嫌だねぇ~。」
と。
ハミルニアは溜息を吐きながら言い、それも場所があのオットルー領なので、気持ちとしてもダウンしてしまう。
だけど、ランシュとヒルバスがいるので、何とかなるかは分からないけど、使うしかない。
一方で、ヒルバスは、
(危険なところを中央軍から要請されて、強要され、逆らえなかったのでしょう。)
と、心の中で言う。
ヒルバスは、何となくハミルニアがどういう状況にあるのかを理解している。
それぐらいに勘がはたらかないと、メタグニキアの私設部隊では生き残ることができないということが分かっているからだ。
ランシュは、
(俺にとっては、嬉しい報告だけどな、この部分までは―…。その後がどうなるかは―…。)
と、心の中で思うのだった。
それは、ハミルニアの言葉はここで終わることがなく、続きがあるということだ。
その続きは、危険な場所へとリース王国軍の左軍が放り込まれることを意味しているのではないか。これまでの経験から、そのような予感がしてならないのだ。
ハミルニアは続ける。
「まあ、エルゲルダを討伐しないことには、リース王国にとって最悪な展開になるのは事実だしね。それに―…、エルゲルダは、自身は出陣せず、ミラング共和国の首都ラルネに居続けているようだ。リース王国の中央で権力を握っている奴らと同じ思考だね。自分から先に言い出したことなのに―…。まあ、自分が勝つ時にいればいいと思っているのだろう。そして、今回のミラング共和国のオットルー領地へ左軍は進行し、そこから首都のラルネへと向かっていくことになった。そのオットルー領地がミラング共和国軍の強い兵士がいっぱいいるところでね。こっちとしては―…、なるべく早めに降参させて、味方にしたいよねぇ~。リース王国の中央で権力握っている奴らは嫌な顔をするけど、強い兵士を手に入れることは、戦力の増加にも繋がるから必要なんだけどねぇ~。本当に、嫌な仕事を与えてくれる。ランシュ君、ヒルバス君、本気でミラング共和国軍を先陣を切って、倒しに行ってくれるかな。」
と。
ハミルニアとしては、オットルー領地にはグルゼンの元部下の軍団がいることが分かっている。ファルアールトが口にしていたし、それをハミルニアは聞いているからだ。
それに加えて、リース王国のラーンドル一派は、ミラング共和国を征服したいし、ラーンドル一派にとって邪魔な存在はなるべく数を減らして、あわよくば、勝利の場にはいて、自分達の手柄にしたいのだ。ラーンドル一派の息のかかった軍人を使って―…。
さらに、ランシュとヒルバスには言っていないが、ファルアールトの狙いは、左軍の中でもラーンドル一派とは離れていたり、敵対する可能性がある、いや、ラーンドル一派にとって都合が悪い軍人や騎士をオットルー領での遠征で、ミラング共和国軍を利用して、減らそうとしているのだ。
そうすれば、ラーンドル一派に関係する人々が自ら手を汚すことなく、合法的に処分することができるからだ。
これほど、合理的な判断はないだろうと、ラーンドル一派がこの場にいたならば、思うことであろう。
だが、合理的だと思われる判断はある一面しか見ないことによって、その一面という領域の中で見た中で最も効率良く、かつ、良い結果を自分達にもたらすというだけで、領域以外を見れば、その判断は合理的であるとは限らない。
なぜなら、人という生き物の視点は、視るということに時間を消費するという制約があり、かつ、視れる範囲も必ず有限的なものであり、外と内のようなものが存在するし、その制約から生きている間は確実に逃れることはできない。
人間には無限の可能性というものを提示するものがいるが、それは無限に見える有限でしかないということを忘れてはならない。それさえも、無限に見えるので、見た目の無限という用語があれば、採用することができる。
さて、話を戻すと、ハミルニアは、オットルー領をこれからリース王国軍の左軍で攻めていくことを言っているのだ。
そして、ミラング共和国には七つの領地がラルネと周辺以外にあり、その七つ領土の役人は中央から派遣される役人がトップとして治めることになっているが、それは建前でしかない。ランシュはそのことを知らない。
実質は、そのトップの下にいる領地の中の在地の役人およびミラング共和国に支配される中で属した領主の一族もしくはその時のミラング共和国の有力者が領主という形で支配権を行使しているのだ。
オットルー領もそんな感じだ。
ミラング共和国の領地はラルネを囲うようにすべての領の形を合わせると円のような形になるわけで、中央に穴が開いているように見えるから、ドーナツ型と言った方が正確な表現であろう。
そして、ランシュとヒルバスにハミルニアは、強制を含むように言う。
だけど、ランシュにとっては待ち望んでいることだ。
だから―…。
「はい。」
と、返事するだけ問題はない。
(俺としては、ミラング共和国の首都ラルネにいるエルゲルダに対して、復讐できればいいので、それを最短で達成できるのであれば、問題はない。ただし、欲をかきすぎるのは失敗のもとなので、冷静に状況を把握しながらになるが―…。復讐を成功させるのも難しいのだ。怒りのエネルギーが一番重要だが、それでも、その怒りと同時に冷静さも必要なので、大変なのだ。気持ちの維持とかを含めて―…。)
と、心の中で思う。
ランシュにとっては、千載一遇のチャンスだからだ。
「ありがとうね、ランシュ君。ヒルバス君は?」
と、ランシュの肯定的返事を聞いたハミルニアは笑顔を見せ、まだ、返事のないヒルバスに聞く。
勿論、答えは決まっている。
「ええ、わかりました。」
と、ヒルバスは言う。
ランシュが賛成している以上、反対する返事などない。
そして、ここでやっと笑顔と同時に、ハミルニアは安堵の表情を浮かべる。
「よかったぁ~。」
と、ハミルニアは言う。
その後、ハミルニアは少しだけ愚痴をランシュとヒルバスに言った後、陣幕の方へと戻って行くのだった。
ランシュとヒルバスの方も、巡回を再開する。
番外編 ミラング共和国滅亡物語(199)~最終章 滅亡戦争(54)~ に続く。
誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。
ここからは、かなりの量が付け加わるような感じになります。ランシュ視点では補えなかったところが多いので―…。
そして、ブックマークの数が増えていました。ありがとうございます。
無理しない程度に頑張っていきます。
では―…。