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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
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第30話 血塗れの戦い

前回までのあらすじは、セグライの攻撃を、瑠璃が受けてしまう。それもセグライの攻撃に気づかずに―…。

 李章は叫ぶ、

 「瑠璃さん!!」

と。その声は、ただ傷ついてほしくない人が、傷ついていく様を今、李章自身が無力のままにみせられていた。

 そう、李章は、後悔という気持ちを強く強く抱いていた。

 一方で、瑠璃は、

 「…………」

と、呆気にとられ、セグライの風の複数攻撃を無抵抗に受けることしかできなかった。

 瑠璃の体のありとあらゆるところを切り裂き、浅い傷を数多く負わせていったのである。


 【第30話 血塗れの戦い】


 セグライは、瑠璃が自らの風の攻撃によって切り刻まれるを見ながら喜びを感じていた。

 「この俺様の力で切り裂かれ、このリングは瑠璃(お前)の血で覆い尽くされる。ア―ハハハハハハハハハ。」

と、笑い声をセグライはあげる。そう、自らの勝利を確信したように―…。そして、四角いリングが血塗れになることが定められた未来のある時点で確実に起こるかのように―…。


 それをみていた者たちの反応は以下のようであった。

 (なかなか良い展開だ。セグライ、己の実力を俺に見せろ!!)

と、ランシュは心の中で呟いた。セグライの攻撃にワクワクしながら―…。

 (一回戦からこのレベルかぁ~。瑠璃なら対処は可能だが―…、最初から俺たちの勝利を奪って終わらせようとしてくるとはなっ!! これは俺の計算違いか。あまく見積もりすぎたか!? 正直、後の回戦の相手も手強く、強い者を出してくるというわけか。)

と、アンバイドは心の中で敵の策をあまく見積もってしまったことを後悔する。ただし、瑠璃の実力ならば、対処可能とも判断した。

 (…ッ!!!)

と、李章は歯を噛み締めながら、瑠璃が風の攻撃を受けているのを見ることしかできない歯がゆさに耐えようとしていた。


 瑠璃は、

 (……ッ!! グッ!!! これじゃ、攻撃態勢に移れない!!!!)

と、瑠璃は心の中で言う。そう、風の攻撃が止むことなく、続いているのだ。それゆえ、瑠璃は、自らの攻撃をセグライに向けてすることができないでいるのだ。雷の攻撃を―…。

 瑠璃は気づく。

 セグライは、瑠璃の近くにいたことを―、そして、セグライの持っている武器を構え終えていたのだ。この攻撃で瑠璃を倒すために―…。

 「刈れ」

と、セグライは言う。

 そして、セグライ自身の武器である鎌を右手で後ろへ持っていたのを、瑠璃目がけて横に振るのであった。つまり、瑠璃は何も対処できなければ、セグライの武器である鎌によって、瑠璃の胴体が真っ二つにされかねない状況になっているのだ。

 その状況になりそうなときに、李章は駆けて、瑠璃を助けようとするが、アンバイドによって静止された。

 「馬鹿が!! お前が言ったところで、試合に負ければ俺たちはこの第一回戦で負けになるんだよ!!! そうしたら、お前らの世界を救うこともできない。それに、瑠璃がこんなことで殺されたりはしない。李章、自分の仲間を信じろ!!!!!」

と、アンバイドは李章に無理矢理自身の声を聴かせるように大声で言った。

 アンバイドもこの時、瑠璃が不利であることはわかっていた。しかし、瑠璃がセグライに負けるということはたぶん可能性として低い、時間が長くなると瑠璃が負ける可能性は高くなってしまうが、瑠璃自身がそのような行動をとるとは思えないと考えていた。

 (大丈夫!! 素早く対処できるはずだ。)

と、アンバイドは心の中で呟いた。

 瑠璃は、セグライの攻撃に気づいていた。そして、雷攻撃でセグライの鎌の攻撃を防ぐことはできないことがわかっていた。

 ゆえに、

 (赤の水晶。)

と、瑠璃は心の中で叫ぶ。

 セグライは、構えた自らの武器の鎌を横に振りながら、

 「喰らえ―――――――――――――――――――――――――――――――――――。」

と、叫ぶのであった。

 しかし、叫んでいる途中で、()()()()が起こったのだ。

 ゆえに、

 「何!!」

と、セグライは叫ぶ。

 そう、瑠璃が消えたのだ。

 このとき、瑠璃は黒い楕円みたいなものに覆われたのだ。そして、瑠璃を覆った黒い楕円みたいなものは、すぐに消えてしまったのだ。その光景にセグライは、驚かずにはいられなかった。そう、驚く以外にできるはずもなかったのだ。

 (いない!!!)

と、セグライは心の中で呟くのだった。

 とにかく、セグライは瑠璃がどこへ消えたのかを確かめるために、まず、今、自らが見えて前と右横と左横を見回した。

 (……あれ、いない。ってことはまさか!!!!)

と、セグライは瑠璃が前方、右横、左横にいないことを見回すことで確認したことで、理解した。そう、瑠璃はセグライの真後ろにいるということを―…。

 ゆえに、セグライは後ろを向こうとする。

 そのとき、すでに瑠璃が雷で攻撃が可能な状態になっていた。

 「()け」

と、瑠璃は言い、そして、雷の攻撃をセグライに向けて放った。

 瑠璃が放った雷の攻撃は、瑠璃自身の武器である仕込杖の水晶玉の部分から、電玉みたいなものを形成し、そこの周囲に電気を帯びさせて、雷として放つのであった。このとき、電玉みたいなものの形成は、短時間で行ったため、威力自体は小さいものとなってしまったが、セグライの天成獣の属性が風なので、雷の攻撃への移行を素早くする必要からそうせざるをえなかった。

 瑠璃の雷の攻撃が近づいて、接触する前に瑠璃のいる方向に向くことにセグライは成功した。

 そして、

 「くっ。」

と、セグライは自ら見て左側の歯たちのいくつか合わせて、追い詰められたような表情をした。

 それでも、セグライは、雷の攻撃を回避するための行動にすぐに移った。

 そう、雷の向かってくる方向とは真横の方向にジャンプして回避しようとした。

 それは、成功し、瑠璃の雷攻撃を避けることになった。

 そして、雷は、競技場の中央の舞台の四角いリングの外にでるところで、綺麗に消えたのだ。そう、このリングは、リング内でなされた攻撃は、すべて、リンクの外側にその衝撃をだすことがないという性質をもっていた。これは、古代の技術によって作られたものであった。

 瑠璃の雷攻撃を回避することに成功したセグライは、

 (なかなか速い攻撃をしてくるなぁ―。雷ってこともあるだろうが、その雷もそれなりのパワーがあるみたいだし。それに、雷の攻撃への移行が速いと、迂闊にこちらから攻撃することはできなくなる。)

と、心の中で考えながら呟く。

 しかし、セグライは気づく。

 「!!」

と。瑠璃がセグライに向けて、すでに仕込杖の水晶玉のある方を向けていたのだ。

 (まだ、くるのかよ!!!)

と、セグライは心の中で呟く。

 「征け」

と、瑠璃が言う。そうすると、再度、雷がセグライに向けて放たれた。

 今度の雷の攻撃もさっきと同様のものであった。

 ゆえに、瑠璃の攻撃方法が自分なりにわかったセグライは、

 「そんな攻撃!! この俺の力で!!!」

と、言い、再度鎌を素早く構え振る。

 そして、今度は素早く鎌に風を纏わせ、振りながら風の攻撃を放った。それは、瑠璃の雷の攻撃に向けてである。

 両者の攻撃は、ほんの数秒で、衝突し、ドオ―ンという音がなった。

 その音は、大きく、今日集まった観客たちも大きい音で、耳を塞ぐことをするかもしれない人がいてもおかしくないほどのものであった。

 この雷と風の攻撃は、両方が接触した地点で、わずかばかりのリングの地面が削れることとなった。それが、薄い煙のようなものを形成する。

 それは、すぐに晴れていく。

 そのなかで、セグライは確信するように、

 「俺様の勝ちだ。」

と、言う。

 そう、すでにセグライは、自らの武器である鎌に風をすでに纏わせ終えていたのだ。

 (すでに、この俺様の武器には、風が纏い終わっている。そう、さっきのものの威力より倍にしてなぁ~。)

と、セグライは心の中で呟く。それも自信たっぷりに―…。

 セグライの言葉を聞いた李章は、

 (瑠璃さん!!)

 と、心の中で呟く。そう、李章は、瑠璃が倒されるのではないかという不安をずっと抱き続けていた。瑠璃がセグライの攻撃を受けた後、再度鎌によって攻撃されようとしたときに、助けようとしてアンバイドに止められた。そのために、リングへと駆けていくこともできなかった。それは、このゲームに敗れることが自分たちにとって何を意味するかを理解しているからで、頭からそれが離れなくなってしまったのだ。ゆえに、耐えるしかないのだ。李章は、今、己が無力であるということを―…。

 礼奈やクローナは、冷静にこの状況をみていた。特に礼奈は、瑠璃のことが心配であったが、瑠璃なら何とかできると信じていた。そうすることしか、今の自分にはできないということを礼奈は理解していたのだ。

 セルティーは、瑠璃の強さがどのくらいを見ようとしていた。実践というものがここ6日間の修行でなかったことから、瑠璃の実力がセルティーにはわかっていなかった。ゆえに、この機会でどうなるのか、そして、瑠璃が負けないことを神に祈りながら―…。

 「フフフフフ、ハァ~ハハハハハハハハ。お前の血でこのフィールドは満たされていくのだぁ―――――――――――――――――――――――――――――――――――!!」

と、セグライは叫ぶのだった。セグライは、すでに瑠璃との試合での勝利を確信し、もう試合の勝利のことしか見えていなかった。

 それは、瑠璃に対しての、油断を見せることとなった。

 そんなセグライの様子に、アンバイドは気づいた。そして、瑠璃がどうしようとしているのかもわかった。

 ゆえに、

 「セグライ、お前の負けだ。」

と、アンバイドは言う。

 その言葉に、李章は驚くが、すぐにそれは嬉しさに変わった。

 そして、このアンバイドの言葉が聞こえたのか、セグライは、

 「はぁ、どうして俺が負ける。お前の目は節穴のようだなぁ~。だから、見ておけ。この一撃で俺様の勝利―――――――――――――――――を。」

と、言いながら、後半になってくると叫ぶようなものとなった。

 その勝利の確信という名の油断をしたセグライは、あることに気づくに遅れてしまった。

 まさに、それはセグライの勝利を()()()()()()()()()()()―…。

 そう、セグライのいる周囲が暗くなっており、その地面は日陰のような円状の状態になっていた。

 セグライは、顔を上げ、上を見る。

 そう、黒い円状のものがあったのだ。

 ゆえに、

 (あれは―…。)

と、セグライは心の中で呟き、呆然とするしかなかった。

 そのセグライの行動は、判断の誤りを広げるものでしかなかった。そう、セグライの負けというの結末へと近づいていくための―…。

 「征け」

と、瑠璃が言う。

 そして、黒い円状、いや、空間の裂け目からセグライに向かって雷が落ちた。その雷にセグライは覆われてしまったのだ。

 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。」

と、セグライは叫ばざるをえなかったのである。


 数十秒の時間がそこから経過した後、雷は止んだ。

 セグライがいたと思われる場所には、湯気のような、煙りのようなものが周囲に向けて湧き上がっていた。

 しだいに人の一人の姿が現われていった。それは、セグライであった。

 「はあ…はあ……はあ…。」

と、肩で息するようにセグライは言う。それは、すでに瑠璃のさっきの雷の攻撃によって、相当のダメージを負っていたのだった。体も若干であるはあるが、黒く焦げたようなものも見えており、湯気のようなもののセグライの体が発せられていた。セグライは、天成獣の力を宿った武器によって何とか死という結末を迎えずにすんだのだ。

 すでに、セグライは、いつ倒れたとしてもおかしくはなかったのだ。

 (まだ、立っていられるなんて―…。)

と、瑠璃はセグライが自らの雷の攻撃を受けても立ち上がっていたことに驚いていた。

 瑠璃は、試合が開始してセグライの最初の攻撃のとき、赤の水晶を瑠璃自身に向かって楕円の形に細長く、空間の裂け目を展開して、自身をセグライの後ろへと空間移動させたのだ。この瑠璃の行動は、かなりタイミングが重要であり、何とかうまくセグライの目を黒いのだけに向けることに成功する。そして、空間移動と同時に、最初に形成しようとしていた電玉を空間の中に放置して、仕込杖の水晶玉部分の一部と連動させて電玉の威力を徐々に大きくしようとした。その間に、攻撃用に一部の弱い電玉を形成して、セグライとの以後の戦いにおいて、使用したのであった。セグライのさっきの雷を落とすという攻撃以外は―…。そして、雷を落とした電玉は落とす直前までに瑠璃が展開できる最大威力の8割分に達していた。そう、さっきのセグライへの雷攻撃は8割の威力での攻撃だったのだ。

 ゆえに、雷を最大威力にするのには、もう少し時間がかかってしまうのだ。それをセグライという相手は簡単にはさせてもらえないと瑠璃は考える。

 「はあ………はあ。しかし、………………はあ……俺は…………………このままで…。」

と、セグライは息を切らしながら言う。今現在、セグライはギリギリ意識を保つことに成功しているにしかすぎない。つまり、セグライはいつ意識を失って倒れてもおかしくない状況であったのだ。それでも、セグライにはやらなければならないことがあった。それは、多くの人間が決して、許すことのできないことであり、理解できないことであった。

 そう、

 「俺は、この試合で負けてもなぁ――――。瑠璃(お前)が―――――――――――、このフィールドで血塗れになる運命は変わられねぇ―――――――――――――――――――――。」

と、セグライは叫び出す。

 これは、競技場に来ていた観客には、ぜんぜん理解できないことであった。むしろ、観客は迫力のある手に汗を握る戦いを楽しみにしていたのだ。ゆえに、ただの血塗れの戦いなど望んでいなかった。ゆえに、観客はすでに、瑠璃の方を応援するようになっていた。

 セグライは、朦朧になりながら瑠璃に向かって鎌を横に振るって、風を放った。

 「瑠璃!! 避けて!!!」

と、礼奈が叫ぶ。礼奈は、セグライが自身の武器である鎌を使って瑠璃を攻撃しようとしていることに気づいた。ゆえに、瑠璃に避けるよう、叫ぶのであった。

 しかし、瑠璃は、

 (体がうまく動かない。やっぱり最初のセグライ(あの人)の攻撃を受けた時、血を流し過ぎたかも…。それに、少し時間を消費しすぎたみたい…。)

と、瑠璃は心の中で冷静に自分の状況を分析する。

 だけど、回避する行動はうまくできなかった。そのため、瑠璃はセグライの風の攻撃を受けたのだ。瑠璃の腹部を切り裂くように―…。

 このセグライの攻撃は、最初の風の攻撃よりも威力が弱まってしまったものとなった。なぜなら、セグライ自身も意識をやっとのことで保たせており、攻撃するとしても強い攻撃などに意識を集中させることはできなかったのだ。

 そして、セグライの方が、しだいに後ろへと倒れていくのであった。そのとき、瑠璃の腹部が自らの風の攻撃によって切り裂かれるの見ることができたことに、喜びを感じていた。

 (ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ。血塗れだ~~。相手の血で……ヒヒヒヒヒヒヒヒ。)

と、セグライは心の中でほとんどの人が喜びでない、自身にとっての喜びを呟きながら―…。

 ドスン、という中央の舞台の四角いリングになった。そう、セグライは倒れたのだ、前から―…。

 この様子を審判として見ていたファーランスは、倒れたセグライ、立っている瑠璃を確認し、

 「勝者、お名前は知らないのですが、…ってこれは言えそうにないですね。セルティー王女の属しているチームの人の勝利―――――――――――――――――――――。」

と、大きな声で告げる。それは、自らの声を最大を超えるものであった。

 ファーランスは続けて、

 「第一回戦、セルティー王女の属しているチームの勝利――――――――――――――。」

と、再度叫ぶ。これは、一回戦の瑠璃の相手チームが一人であったから、結果として、第一試合の勝者がいるチームが第一回戦の勝者となった。つまり、瑠璃がこの試合の勝者で、瑠璃が属するチームが第一回の勝利チームとなったのである。

 この勝利宣言に、観客は歓声をあげる。そう、瑠璃の勝利を祝って―…。

 そんな声は瑠璃には聞こえないほど、立つので精一杯だった。

 「はあ……はあ…………はあ。」

と、瑠璃は息をゆっくりする。意識をおぼろげにしながら―…。

 そんななか、瑠璃が試合に勝利したことに対して、

 (よかった、瑠璃さんが勝った。)

と、李章が心の中で呟き、

 (瑠璃!!)

と、礼奈が瑠璃の勝利の喜び、

 (勝ったぁ―――――――!! 瑠璃、すごいよ。)

と、クローナが心の中で歓喜をあげ、

 (すごいです。瑠璃さん。)

と、セルティーが喜びながらも、瑠璃に感心した。

 しかし、礼奈は少し、瑠璃の様子がおかしいのに気づき始めていた。そう、瑠璃はセグライとの試合で大量に出血していたことを―…。

 礼奈は、瑠璃のもとへと動くための意識を、瑠璃の試合の勝利により持っていくことがなかなかできなかった。

 そんななかで、一人だけが、

 (あれじゃ―。)

と、心の中で言う。そう、アンバイドが―…。

 アンバイドには、わかっていた。瑠璃の今の状態がかなり危険であることを―…。

 そして、アンバイドは、

 「おい、そこの審判!!! 試合の勝者がすでに決まったのなら、リングに俺が入ってもいいんだろうな!!」

と、怒声のように審判に向かって言う。

 それを感じたファーランスは、OKのサインを出す。このとき、ファーランスは、両手を頭にあげ、丸だとアンバイドにもわかるポーズをした。

 アンバイドはファーランスのポーズを見て理解し、

 「わかった。」

と、言って、リングの中へと入っていく。

 それに気づいた礼奈は、

 「アンバイドさん、どうしたんですか? 試合のフィールドに入って!!」

と、礼奈が大きな声でアンバイドに聞えるように言う。

 礼奈の言葉が聞こえたのか、

 「瑠璃を殺す気かお前ら!!!! あんな出血量じゃ、はやくしないと、すでに、もう体を動かすことすらできやしねぇ!!!!!」

と、アンバイドは李章、礼奈、クローナ、セルティーに向かって叫ぶように、怒るように言う。

 そう、瑠璃はすでに出血多量で、意識を失いかけていたのだ。

 (あれ、私―………………、私――――――……………………、あれ、視界がフラフラする………………………、どんどん…遠く……意識が―………………………………離れて…………い……………………く…………。)

と、瑠璃はそう呟きながら―…、意識を失っていった。倒れるという行為もともなって―…。瑠璃の視界は、目の前を黒という名の色に変えられていった。


 【第30話 Fin】


次回、李章が責任を感じる!?

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。

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