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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
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第28話-6 神と王は対立する

前回までのあらすじは、瑠璃、李章、礼奈、クローナ、アンバイドは、ランシュが企画したゲームに参加することを表明した。そして、ランシュは―…。

やっと、今回で第28話が完成しました。本当に長かった文字数にすると2万5000字以上を1話でうったと思います。

 「そうか。」

と、ランシュは言う。

 「では、ゲームに関する説明を始めようではないか。」

と、意気揚々とランシュは、観客にもこれから始まろうするゲームを盛り上がるものであるように言う。

 「ゲームのルールは簡単。お前たち五人は、これから、一つのチームとして、10回戦分の戦いをおこなってもらう。ただし、今から10回連続の戦いをすることはないから安心しろ。つまり、今日から一週間後にここへ来てもらい1回戦ずつ1つのチームと毎週戦ってもらう。1回戦ごとに戦う人数は異なり、最大6人までが戦うこととなる。この戦いの勝利数が多いチームが勝者となり、6試合をおこなってチームの勝利数が同じの場合にのみ、7試合目をおこなって、その試合の勝者をだしたチームの勝者とする。ただし、7試合目以外は、1から6試合までのうち2試合以上を戦うことはできないものとする。チームの試合の数は、戦う2つのチームの中で少ないチームに数を合わせることとする。また、試合に負けたチームは、次の試合を戦うことができないものとするが、負けたチームの中で、個人的に勝利をおさめた者に限り、次以降の回戦で戦うチームに加わることができることとする。勝利したチームは、個人的に負けた者がいたとしても、負けた者も次以降に自らのチームとして戦うことができる。」

と、ランシュは自ら企画したゲームを説明していく。

 ランシュは少しここで間をあける。

 一方、ランシュの話しを聞いていた瑠璃、李章、礼奈、クローナ、アンバイドであった。

 その話の趣旨を理解できたのは、李章、礼奈、アンバイドであった。瑠璃とクローナに関しては、あまりの話し量の多さで、要点が何かを理解していないのだ。

 (話が長くすぎて、頭から抜けていく~。)

と、瑠璃は心の中で呟く。

 (要点をわかりやすくまとめてほしい。)

と、クローナは心の中で言い、理解する気も失せてしまっていた。

 その二人を見てもいた礼奈は、

 (後で、二人には要点をまとめて話し方がいいね。)

と、理解するのであった。

 「試合の内容について述べる。試合は、1対1でおこなうものとする。2対2などのような複数人同士による戦いはない。ゆえに、個人としての実力で戦ってもらう。勝敗の決め方、相手を中央の舞台にある今の俺の立っている四角のリングの外にだすか、相手を戦闘不能にするか、そして、相手を()()か…だ。」

と、ランシュが言うと、瑠璃、李章、礼奈、クローナ、アンバイドは真剣な目になる。

 このような、ランシュの発言は、つまり、

 (私たちは、相手チームに殺されることもあることですか。なるほど、そうすれば、瑠璃さん、山梨さん、それに私を討伐することができる。そして、1つの回戦で2試合以上戦うことができないようにしたのはそういうことですか。)

と、李章は心の中で悔しそうに呟く。そう、仮に戦うの双方のチームの中の最小人数に合わせることを考えると、相手側が6人にならば、必ず瑠璃と礼奈は試合に出ないといなけいことになってしまうのだ。それは、瑠璃と礼奈が試合の中で相手チームによって殺される可能性を確実に回避できないことを意味した。特に、李章にとっては、最も守りたい、自身では最も守らなければならない人を殺される可能性のある試合に出さなければならないということを悔やんでいた。

 しかし、ゲーム参加を断れば、ランシュは今度は俺たちにより強い刺客を放ってくるかもしれないと考えると、ゲームに参加することは、李章にとってデメリットなことではないのだから―…。1回戦ごとに間隔が1週間程度あくという面では―…。

 (私たちは、ランシュら(あなたたちなんか)に殺されたりはしない。)

と、ランシュが言った勝利条件の中で、瑠璃は強調された部分に反応して、強い気持ちで心の中で言う。それが、瑠璃の気持ちをより強固なものとした。

 「ただし、審判が勝敗の下したときには、それ以後の相手への攻撃行動をなしたとしても、勝敗には関係しないこととする。」

と、ランシュは付け加えるように言う。

 「そして、審判はそこにいる、今日の司会を務めたお前、名前は知らんが、お前にやってもらう。」

と、ランシュは、今日司会を務めたものに向かって言う。

 「えっ…、あっ、はい。」

と、今日司会をしていた人物は、ランシュの圧に驚いてしまい、蛇に睨まれた蛙のような表情で答えた。ランシュの企画したゲームの審判をすることを―…。

 少ししてから、今日司会した人物は、

 (いったい!! どういうことだ…!!! いきなり司会をやって、いきなり革命だ、ゲームだ、訳が分からない。このままこれに巻き込まれていったら、私の司会人生が―――――――――――。)

と、心の中で叫んだという。

 (賛成してしまったのだから、仕方ない、もうどうにでもなれ!!!!)

と、今日司会した人物は心の中で自暴自棄になった。

 「そして、これが一番大事なことなんだが……。アンバイドと瑠璃、李章、礼奈(そこの三人組)と、クローナ(そこの女)。お前たちが一つチームとなるが、お前たちのチームが負けた場合、リースは俺のものとする。ああ~、セルティ―、これは残念ながら決定事項ということだ。セルティー、お前が何を言おうと変えることは認めないし、しない。わかったな。俺も何でもリースの人々を革命によって彼らの命を奪いたいになって思っていないし、そんなことをしてしまったら、彼らに恨みを抱かれるからなぁ~。現に、俺がリースを乗っ取ったとしても、リースの人々に対する扱いを悪いようにはしないし、リースの発展のために彼らの頑張りやすいような環境を提供しようと思っている。嘘ではなくな。」

と、ランシュは重要な条件を突きつける。そう、瑠璃たちのチームが負けることは、同時にリースはランシュへと名実ともに実権が渡ることになる。ただし、リースの人々に対する扱い今までのままであり、それ以上の環境を提供しようと思っていることも忘れずに伝える。

 観客は、これで、セルティーよりに近い気持ちの中で、ランシュに対する勝利も良いものではないかと考えるようになっていった。そう、自らの安全が保障されるから―…。

 「なら、ランシュ、あなたがそうするのならば、私にも言わせてもらいことがあります。」

と、セルティーは真剣な表情になって言う。

 「なんだ。言ってみろ。」

と、ランシュは言う。セルティーの言おうとしているのが何であるかということがランシュ自身気になったからだ。

 (さあ、どうくるかねぇ~、セルティー。)

と、ランシュは心の中で言いながら。そう、顔の表情を喜ばせながら―…。

 「私は―…、」

と、セルティーは少し間をあけ、決意の表情をし、

 「あの方を組んで、ランシュ、この愚かなる人物に対して挑み、リースを守ります!!!!!」

と、言うのであった。そのとき、瑠璃の方向を手を横にして、その方向に指を指し示す。

 それに、気づいた瑠璃は、「?」マークを浮かべる。

 「ほう、なるほどなぁ~、まあ、それで瑠璃(雷使い)の方のチームは、6人となるわけだ。まあ、いい。それでいいか、瑠璃(雷使い)。」

と、ランシュはセルティー自身の参加を許可するが、瑠璃にもお前のチームでの参加となるか、いいかを尋ねた。ランシュとしては、一様確認しておくか。あまりにも勝手に進めるのであれば、観客に悪い印象を与えかねない。それに、こうした方が自身で企画したゲームが盛り上がるのではないかと考えたからだ。

 ランシュに尋ねられた瑠璃は、心の中で、

 (私は松長瑠璃って名前があるんですけど…。それに雷使って戦うけど―…、私の本当の天成獣の属性は―……。)

と、ランシュの雷使いという呼ばれ方は、あまり好きではないことと、自らの天成獣の本当の属性を言いかけた。

 そこで、

 「瑠璃、どうするの?」

と、礼奈が瑠璃に向かって言う。

 「うん、そうだね―……、私は―……。………って、こういうことはみんな意見を聞いたほうがいいよ。」

と、瑠璃は言う。

 それに対して、

 「他のみんな答えは決まっていると思うよ。私は、むしろ数は大いにこしたことはないし、それにセルティー王女は変かもしれないが、私たちのチームに入れておいて、損はないかもしれない。」

と、礼奈は言う。

 瑠璃と礼奈の話を後ろで聞いていたアンバイドは、

 「礼奈の言う通りだな。それに、明日以降の宿泊場所と訓練場所を確保することに成功した。その場所を提供してくる王女様のために、ここはチームに加えておけ、それにセルティー(あの王女様)は、たぶんだが、騎士としての訓練をかなり長い間受けているし、天成獣の宿った武器の戦い方もそれなり経験しているのではないか。今、現時点では、ヒルバスやランシュには劣るが、戦力にはなる。」

と、アンバイドは言う。

 それを聴いた瑠璃は、

 「はい、セルティー王女を私たちのチームに加えて、ランシュ(あなた)を倒し、リースの革命を阻止します。」

と、はっきりと意志をもって言う。そう、これから覚悟はすでに決まっており、それを成すために―…。

 「そうか、わかった。そうしよう。」

と、ランシュは言う。

 そして、ランシュは声をあげ、高らかに宣言する。

 「さあ、ここに、神と王は揃った。王は己が意思、いや意志ゆえに対立し、神が定めし罪を犯す。王は人を人が殺すという罪を―…。それを知りし神は、王に罰を下す。王とその周辺の者に対する、いや、この世界におけるすべての生きとし生ける者に災厄という名の罰を―…。ゆえに、神の求めに応じた人の偉大な騎士である私は、王であるリースの王族の支配という名の命を終わらせ、今続いている災厄を終わらせよう。それは、リースという都市の外でなされたある村の災厄を最後に―…。そう、神に再度、許しを得んがために―…。」

と。そう、これは、セルティーが信仰しているものの考えをランシュが、もじって今のリースの自らの革命を正統化するために―…。

 ランシュの宣言を聞いた観客は、宗教に関しては、信仰していたとしても、全員が敬虔な信者というわけではない。多くの者は、()()()()()であり、生活の一部として当たり前に存在する、生まれたときから伴っている体の一部のようなものでしかなかった。いや、自らの形成する世界の根源の大いなる一部であったのだ。

 セルティーは、自らの信仰しているものの言葉をランシュが使っていたので、

 「ランシュ…、あなたは神の求めに応じた人の偉大な騎士などではなく、一人の王でしかなく、罰を受けるべき人間でしかない。」

と、声を強く、ランシュに向けて言う。


 【第28話 Fin】


次回、第1回戦が始まる。誰が戦うのか―…。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


まとめ:ランシュの企画したゲームのルールについての概要

・瑠璃たちのチームは10回戦分を戦う。

・第1回戦は、瑠璃がランシュにゲームへの参加をしてから一週間後。

・1回戦ごとに6日間の休みがある(つまり、一週間に1回戦分を戦うことになる)。

・回戦ごとの試合に参加できる人数は、最大6人までで、少ないチームに試合数を合わせる。

・試合は、1対1のバトルとする。

・試合の勝敗ポイントは、①競技場の中央の舞台にある四角いリングから対戦相手を場外にだすこと、②対戦相手を降参させること、③対戦相手を殺すこと。

・勝敗ポイントの①~③以外に、審判が勝敗がついたとして判定した場合、審判が定めた現在対戦している試合参加者を勝者とする。

・審判が勝者を定めた場合、それ以後の攻撃は、勝敗へと無関係ものとする。

・回戦の勝者の決定方法は、試合での勝利数が多いチームを勝利とする。ただし、同数の場合は、もう1試合をおこなうものとする。この場合、相手は、試合に参加していないメンバーがいる場合は、そのメンバーしか戦えない。一方で、すべてのメンバーが試合に参加した場合は、参加したメンバーから代表を選び、戦うことができる。

・勝利したチームは、その試合で引き分けおよび負けた者も次の回戦以降で再度試合に参加することができる。

・敗北したチームは、その試合の中で勝利することができた者は、再度次の回戦以降、別のチームで試合に参加することができる。ただし、瑠璃たちのチームは除く。


一応、まとめてみましたが、漏れがあるかもしれないので、気づけば直しているかもしれません。

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