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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
383/748

番外編 ミラング共和国滅亡物語(37)~序章 アルデルダ領獲得戦(37)~

『水晶』以外にも以下の作品を投稿しています。


『ウィザーズ コンダクター』(「カクヨム」で投稿中):https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


あらすじ:

 2023年、世界は崩壊した。

 その後、神は世界を創り、人類を創造した。

 そして、神が創った世界は、2023年までに近いほどに文明を回復させていた。

 そんな世界に生きる一人の青年、各田十言は、コンビニの帰りに世界を創った神を信仰する神信会に襲われるが、何とか力を開花させ、退けることに成功する。

 十言の保護者であるしゃべる猫(?)のアルケーに、世界を創ったクソ神を倒す運命にあると告げられる。

 この物語は、十言と仲間になった女の子たちによって、神に反抗し、倒すお話である。

 【注:この物語はフィクションです。団体・地名などの諸々は、架空のものとなっています。】


という、神によって崩壊した世界で、神を滅ぼすことができる能力を持った主人公が神やそれを信仰する組織によって命を狙われながらも、主人公の保護者である猫(?)と仲間になってくれる女の子と戦っていくという話です。

 まあ、内容がエロいところがあると思うんですが―…。かなり少なめだと思いますが―…。

 今日は、第498回が投稿されると思います。


『この異世界に救済を』(「小説家になろう」と「カクヨム」で投稿中):

(小説家になろう);https://ncode.syosetu.com/n5935hy/

(カクヨム);https://kakuyomu.jp/works/16817139558088118542


あらすじ:

 ある日、現実世界で電車に轢かれそうになった達観有輝(たつみ あるき)は、どこかの部屋で目を覚ますのだった。

 そこに一人の女性(少女と言ってもいいぐらいの)がいて、死にそうになったので、この場所に移したという。移した理由は、ここで有輝が死ぬと、ある異世界が完全に崩壊するというシュミレーションの結果が出たからだ。

 有輝はこの時は何を言っているのか理解できなかったが、一人の女性イルアーナ=レイスリによって現実世界に戻さず、異世界へと連れて行くことを強制させられるのだ。イルアーナを異世界行きの道連れにしようとするが失敗するが、イルアーナの上司による辞令で、有輝とイルアーナは異世界フォングラ(この世界において、「幸せの世界」)に転移させられるのだった。

 そこから、有輝とイルアーナのファングラを崩壊から救う旅が始まるのだった。


 だけど、二人は知らなかった。このファングラの世界の救済のための関数シュミレーションで、変数にはもう一つの存在があった。それは、有輝の気になっている現実世界の少女三勢成璃(みせ なるり)が異世界ファングラで有輝と再会することであった。そのタイミングが重要なのだ。

 どうして、成璃と有輝の会うタイミングが重要なのか、どうしてファングラは滅びようとしているのか。その謎を知る時、異世界救済のための行動が起こるのだ。


 勇者、英雄? そんなものは周りが決めた存在にすぎない。ただ、抗い、掴むことに必死にもがいただけだ。

 さあ、このシュミレーションはそのまま運命の掌のように成功するのか。

今、ここに異世界救済物語が始まる。


 要は、フォングラという異世界救済物語です。会話文以外の語り手が語っているところに注目して欲しいと思います。ふざけているけど、内容は真面目なものとなっています。

これからがプロローグの盛り上がりの内容となっており、2023年2月18日に第22話を投稿する予定です。第22話は後は、見直すところまで進んでいます。



 さて、興味のある方は、ぜひ読んで見てください。


宣伝以上。


前回までの『水晶』のあらすじは、ミラング共和国軍第四師団が襲ってきたが、ランシュ、ヒルバスの活躍で、あっさりと撃退し、全滅させた。だけど、たまたまいたミラング共和国軍の人間をランシュが捕まえることに成功するが、襲おうとしてきたので、殺すことになってしまったが、そいつの正体がミラング共和国の諜報および謀略部隊のシエルマスの者だとわかるのだった。

そして、ランシュ、ヒルバス、ラウナウ、ニナエルマは騎士団の副騎士団長と合流し、騎士団の本陣へと向かい、戦いに身を投じることになる。

 一方、リース王国の本陣。

 そこに、ある男が姿を現わすのだった。

 「お前は何者!! 何用だ!!!」

と、リース王国の本陣を守っている兵士の一人は言う。

 この兵士とて、職務に忠実だけなこともあり、今の、ここに現れるのは味方だとわかる者以外は敵でしかない。

 ゆえに、警戒するのだった。

 そして、もう一人の兵士もそのように思い、警戒する。

 「警戒するのもまあ、しょうがないと言えば、そうか。」

と、不敵な笑みを浮かべながら言う。

 その言い方に、守っている兵士の二人は気味が悪いと感じる。ゆえに、危険人物であり、最悪の場合、ミラング共和国が放った刺客なのではないかと思うのだった。

 そうであるなら、ここで姿を見せる必要はない。

 つまり、この二人の兵士は、あくまでも、このような場で相手がどうすれば良いかを考えれば上手くいくのかということを想像する能力に欠けているということがわかる。

 だけど、たまたま今回がそのようなケースだったということであり、例外の可能性も存在する。ここで必要以上に考えても仕方はない。

 人は、決して完全にも、完璧にもなることができない存在である以上、完全に状況を把握することはできない。

 そして、ある男は何かを言い始める。

 「君たちに関しては、初めまして…か。私は、ミラング共和国、諜報および謀略部隊シエルマスが統領ラウナン=アルディエーレです。リース王国軍の総大将殿とお話いたしたく、ここに参った次第でございます。」

 そう、ある男とは、ラウナンのことである。

 ラウナンの目的は決まっている。

 「敵の諜報部隊が何用か? ここを通すわけには―…。」

と、兵士の一人は言う。

 (よりにもよって、シエルマスの統領とか、ふざけるな!! どこかに暗殺部隊がいて、俺らリース王国軍のすべてを破壊しようとしているのではないか―…。うっ、逃げ出してぇ~。)

と、心の中で怯える。

 兵士にとって、シエルマスという存在は知られているが、ほとんど実体が掴めない組織であり、かつ、恐ろしいぐらいの実力を兼ね備えていると―…。

 ゆえに、シエルマスと言われて、恐怖しない理由がないのだ。

 それでも、表情には出さないように、かなり注意しているが、出てしまうのは仕方のないことだ。

 (……まあ、怯えるのは仕方のないこと―…。それは、シエルマスという存在がこの周辺の国々で一番、優れた部隊であるからだ。リース王国の暗部などよりも優れている。だけど、このまましておくわけにはいかないか。)

と、ラウナンは、心の中で思い、

 「私の用件は、話し合いであり、リース王国の総大将に危害を加えることではない。そこに関しては、安心して欲しい。」

と、言う。

 今回の用件は、リース王国との停戦協定なのだから―…。必要以上に危害を加えることを考えているわけではない。だけど、リース王国の本陣の側が何かをしてくるのであれば、相応の対価と同時に、実現しない希望を相手側に達成させてあげるだけだ。

 そう、血の雨ということで―…。

 その血は決して、ラウナンの血ではないし、ラウナンの部下のシエルマスの血でもない。わかりきっていることだろう。これ以上、言わなくても―…。

 「…………………。」

と、無言に兵士はなる。

 どちらが言いだそうか考えるが、ここで、一人になりたいとは思わない。なぜなら、ここで一人になれば、今、目の前にいるラウナンに対処することなどできやしない。というか、何か起これば、自らの生の終わりという結末になるだけなのだ。それは避けたい。そのような気持ちが、兵士を動けなくしている。

 その様子を理解しているからラウナンは、今度は、ゆっくりと歩くのだった。

 それも、無防備に見えたとしてもおかしくないぐらいに―…。

 「何も言わないのであれば、通らせてもらう。それに、これは、リース王国軍にとっても、ためになる交渉だ。君たちは幸運だ。このままなら、君たちは生きたまま、この戦争を終えられるのだ。」

と、ラウナンは言いながらも、すぐに、消えたようにして、兵士を通り過ぎ、陣幕の中へと入っていくのだった。

 それは、兵士たちにとって、ラウナンをどうすることもできないことを理解させられるのだった。

 その理解がわかるからこそ―…。

 (シエルマスの統領(あいつ)とは、もう二度と関わり合いたくねぇ~。)

と、心の中で思うのだった。


 一方、ミラング共和国本陣は―…。

 「夜襲は順調に進んでいます、ファルケンシュタイロ様。」

と、報告の兵士が告げる。

 現在の戦況は、ミラング共和国にとって、若干ではあるが優勢である。だけど、この優勢は決して、リース王国側から逆転できないものではない。膠着する可能性も秘めていた。

 報告を聞いたファルケンシュタイロは、

 「そうか、なら、どんどん先へと進めていけ!!」

と、報告の兵士に命じる。

 (…………………ラウナンの野郎、何を考えて、リース王国と停戦協定を結ぼうと考えていやがる。今、優勢なんだ。優勢なら、どんどんリース王国の領内へ侵入していけば良い。好機に何もしないのは、悪手だろうに―…。)

と、ファルケンシュタイロは心の中で、悪態をつく。

 そう、ラウナンの行動の意図というものを理解することができていない。

 なぜなら、ラウナンは、リーンウルネという人物にリース王国の実権を掌握されることを恐れている。リーンウルネがリース王国の実権を掌握した場合、リース王国の騎士団の騎士を遊撃部隊として、重要な場所で攻めさせ、兵士からは若手で有力な将官を登用し、分担させる。さらに、リーンウルネの人望から後方部隊の充実を図り、かつ、自身も戦争の先陣に出てくるだろう。ラウナンはわかっていないが、リーンウルネは天成獣の宿っている武器を持っており、防御に長けているので、守りを固めながら、味方がだけが自由にできる防壁を作って、戦うだろう。

 そうなってしまえば、ラウナンとしても、どうしようもない。防壁という目立つ物に視線が移り、騎士団の奇襲に気づくことができなくなる。さらに、天成獣の宿っている武器を持っている騎士を優先的に投入してくるので、ミラング共和国は簡単に総崩れになってしまうだろう。二度と大勢を立て直せないほどに―…。

 ファルケンシュタイロは、そのことに気づきもしないだろう。リーンウルネに会ったことは一度もないし、政治に関しては、興味がないので、情報を無意識のうちに遮断しているからであろう。

 もし、政治の延長線上に軍事もしくは戦争というものがあるのなら、政治に関する情報は軍事にとって重要になるのは確かなことであろう。

 ゆえに、何が、自らにとって重要な情報であるかを、自らの勝手な基準を決めて、その基準ばかりに固執しては、重要なことを見落とすことであり、ファルケンシュタイロが陥っているのはそのようなことである。

 話を戻してみれば、ファルケンシュタイロは悪態をつきながらも、それでも、ラウナンに逆らうことができないのは確かだ。

 だからこそ、大人しく従うしかない。

 この今、言った命令の類もラウナンの中では想定内のことであり、むしろ、ラウナンはファルケンシュタイロに感謝するだろう。想定内で動いてくれたことに対して―…。

 「はっ、畏まりました。」

と、すぐに報告を伝えた兵士は、戦場の中へと向かうのだった。


 一方、リース王国軍の本陣。

 そこでは、アールトンと総大将のファルアールト=フォンマエルがいる。

 彼ら以外にも、複数の側近たちがいる。

 そこに―…。

 「これは、失礼―…。」

と、声がすると―…。

 (何だ、この声は―…。奇襲か?)

と、ファルアールトは心の中で思うが、それでも、警戒の姿勢をとることはなかった。

 ファルアールトは、自らの部下が自分を守ってくれるという根拠のない自信を持っているため、何もしなくても良いと思っている。

 まあ、ファルアールトが警戒の姿勢をとったとしても、何かが好転することはないのであるが―…。

 それもそうだろう。

 ここにやってきたのは―…。

 「警戒などしなくても結構ですよ。警戒したとしても、交渉が決裂してしまえば、私の実力だけで、あなたがたは完全に、自らの命を犠牲にするだけですから―…。陣幕の外には出られませんので―…。」

と、声がする。

 その声の主は、よっぽど自らの実力に自信があるのだろう。ここにいる者の誰が束になって相手になろうと勝つことができると―…。

 その言葉に余計に警戒の度合いを引き上げるのだった。この本陣にいるファルアールトの側近たちは―…。

 (何奴だ。良くも、リース王国の本陣の中で、このような無礼な物言いができるとは―…。姿を現わしたら、ぶった切ってやる。俺は、リース王国の中でも、剣術は一番と言われるのを知らないのか?)

と、ファルアールトの側近の一人は心の中で思う。

 この人物が、剣術に優れているのは確かであるが、決して、一番ではないということは確かだ。だって、剣術が一番優れているのなら、リース王国の騎士団に入っていてもおかしくないし、この人物は騎士団の入団試験に筆記を合格したことはあるが、実技試験で何度も、何度も落ちているのだ。仕方なく、兵士になったという経緯を持つ。

 ゆえに、剣術で一番であるとは限らない。なぜなら、誇張されたものを、勝手に信じ込んでいるにすぎないのだから―…。

 そう、周りから煽てられたことに真に受けていると言った方が良いだろう。

 まあ、この人物の細かい経歴など、物語には関係ないので、割愛しても良いだろう。というか、関係する時に、言えば良いだけなのだから―…。

 だけど、名前だけはわかるだろう。

 「リース王国で、()()の剣術使いとされているリース王国軍少将ファンデ=ナラナ殿。確かに、剣術は一流ではありましょうが、それだけでは、戦闘の場面では役に立ちませんよ。だって、このようにすれば―…。」

と、ラウナンは言いながら、ナラナの目の前に現れ、短剣で突き刺すのだった。

 だけど、ナラナには血が流れていなかった。そう、あくまでに、突き刺すように見せているだけで、短剣をギリギリのところで止めているということなのだ。一歩でも動けば、確実に首元から血が流れるような感じで―…。

 そう、ラウナンにとって、ここにいる者たちは、全員が束になったとしても、簡単に倒すことができると思っているのだ。現実に、そのようなことができるという感じで―…。

 それをナラナを含めて、周囲は理解してしまう。

 (こいつには勝てない。)

と、ナラナは心の中で思ってしまうのだった。

 これは、ナラナにとって、絶対に覆すことのできない実力差に感じるのだった。絶望………、それ以外の言葉があるだろうか。ナラナは剣を握るための力すら発揮できなかった。

 そして、ラウナンの迫力に対して、ファルアールトの側近たちは動き出すことができなかった。ラウナンから隙というものが感じられなかった。恐怖………、それ以外のことを感じることが禁じられたかのように―…。

 一方で、アールトンは、

 (これが、シエルマスの統領か―…。この人物は危険であるが、この場で彼に逆らえるような気迫を持っている者はいない。シエルマスの統領―…、あの組織シエルマスを率いるだけの実力はあるということか。まあ、そうでないとおかしいというものだ。そして、噂によれば、各国で諜報と謀略をおこなっているそうだ。むしろ、諜報の成果を裏で宣伝しているとか―…。ふう、この交渉……、シエルマスの統領次第で、こちらは全滅のあり得るということか。何とか、アルデルダ領の割譲だけで終わらせないと―…。)

と、心の中で考える。

 ラウナンが、殺しに来ているわけではないことに気づく。

 もし、殺しに来ているのであれば、もうとっくに、この場にいる者たちの命などあるはずがない。今の、ラウナンの動きから察するに、ここにいるラウナン以外は全員、本気も出さずに始末することぐらい造作もないということだ。

 それを理解したからこそ、アールトンは、この交渉はラウナン次第ということを理解してしまうのだ。

 ラウナンの意図のままに―…。

 そうなってくると、アールトンにできることは、ラウナンの意図がどこにあるかを探ることでしかない。

 アールトンは、心の中で頭を抱えるが、状況によれば、決して、自身にとっても、リース王国にとっても悪い結果にはならないと感じるのだった。

 アルデルダ領の割譲だけで終わるかもしれないということを思いながら―…。

 「用件は何だ?」

と、苛立ちながら、ファルアールトが言うのだった。

 そして、ラウナウは自らの用件を言うのだった。

番外編 ミラング共和国滅亡物語(38)~序章 アルデルダ領獲得戦(38)~ に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


『水晶』の番外編も序章の大盛り上がりの一つの場所へと向かってきています。グルゼンも動き、停戦交渉が始まり―…、そして―…。

これ以上、言うとかなりのネタバレになりそうなので、言わないようにします。

2023年2月19日まで投稿を続けて、一週間ほど、投稿をお休みをしようと思います。その間も執筆を進めていると思います。とにかく、『水晶』の番外編、ミラング共和国滅亡物語を2023年中に仕上げたいと思いますので、その時間を少しでも多く確保できれば―…。

無理しないように頑張ります。

最後に、ブックマークの件数が増えたので、ありがとうございます。『水晶』はかなりの長編になると思いますが、自分なり納得いく結末まで仕上げていきたいと思います。

では―…。

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