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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
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第23話 黒いフードを被った人物の球体

前回までは、フードを被った一人の人物が悪魔ディアガルデで東通りで攻撃するも、瑠璃と礼奈によって阻止された。そして、噴水広場へアンバイドと李章が到着する。そして、アンバイドは隠れ、李章はフードを被った一人の人物と対峙する。

 黒い球体から刀へと変形していた。

 それはすべてが黒く、柄のようなものすらなかった。

 それを片手だけで持っている黒いフードを被った一人の人物は、両手で構える。

 その人物の表情は、笑みで溢れていた。この人物にとって、戦いとは生きがいであり、娯楽であったからだ。戦闘狂ともいえる。

 しかし、何でもかんでも戦闘にもっていこうとはしない。

 戦いは、敵もしくはターゲットを確認してからというのがこの人物におけるルールであった。

 (さあ、徐々に本気をだしていくか。)

と、フードを被った一人の人物は心の中で言う。自らの楽しみがこれから行われるという喜びのために―…。

 一方で、李章は、

 (黒いフードのせいで相手の顔がよく見えない。夜に紛れるために着ているのでしょう。なら、一度姿を捉えられなくなったら、かなり私自身が不利になります。)

と、李章は、相手のフードを被った一人の人物を観察する。そして、相手が黒色のフードを被っているために、一度姿を消されると、それを把握することはかなり難しくなると李章は理解していた。

 フードを被った一人の人物は、構えて、横に振った。

 その振った軌道上には、黒い斬撃が飛ぶ。

 「!!」

と、李章はその黒い斬撃を気づくのに少しばかり遅れてしまった。そう、夜の色に黒い斬撃が紛れ込んでしまっていたからだ。

 それは、李章は何とか避けようする。

 「!!!」

と、言葉にすらなっていないことが自然と声に漏れながら―…。

 フードを被った一人の人物の黒い斬撃は、範囲が広かった。横に避けることはたとえ李章が天成獣の能力を充分に発揮したとしてもできなかったであろう。

 しかし、李章には緑の水晶があった。ゆえに、横へと避けるのに対して危険であることを察知することができた。だから、上へとなるべく低く姿勢をとった。

 その結果、フードを被った一人の人物の攻撃を李章は喰らうことはなかった。

 フードを被った一人の人物の闇の斬撃は、建物に衝突し、煙のようなものを衝突した場所であげる。

 (避けられたか。)

と、フードを被った一人の人物が心の中で呟く。

 一方で、李章は、

 (夜に紛れて相手の攻撃が見えない。水晶の力でどうにかなったが、このままでは―…、時間稼ぎすらできない。)

と、思うのであった。


 噴水広場では、李章とフードを被った一人の人物が対峙し、戦っている間、クローナとトリグゲラの戦いも繰り広げられていた。

 両者の戦いは、双方の攻撃の衝突が天成獣の力における互角の実力で拮抗している。

 その一方で、ローは準備をし続けていた。広場全体に及ぶように―…。

 (もう少しといったところか。それまで、何とか相手を抑えつけていてくれ。)

と、ローは心の中で呟く。そう、クローナがトリグゲラをしばらくの間、実力を均衡であるということをトリグゲラに思わせておいてくれと、ローは願う。ローは、何かをやろうとしていた。ルーゼル=ロッヘへと及ぶ被害を減らすために―…、

 (あと…、あそこで戦っているフードを被ったあ奴は、まだ何かを隠しているのう~、己の実力を…。それに、あの上空を覆うほどの何かをだすことができるんじゃ。今のような手を抜いているような戦い方は、明らかに儂に気づいて備えているのか?)

と、ローはフードを被った人物に対する考察もしていた。そして、ローも気づく、

 (フードの奴と戦っておるのは……、李章か? ということは、瑠璃や礼奈もここにおるということじゃのう。つまり、後は接触すればいいということだけか。)

と。

 ローは何かの範囲を噴水広場全体にその影響を及ぶにしていくのである。発動する時間までの数分を要することを―…。


 李章は、フードを被った一人の人物のいる場所へと素早く向かっていた。

 それをフードを被った一人の人物は、気づいていた。ゆえに、

 (正面からか―…、なら―……。)

と、フードを被った一人の人物が呟くと、自らの周囲に薄暗い黒の闇を周囲へと飛ばす。

 それは、フードを被った一人の人物が、後ろで何かをしようとしている魔術師ロー、そして、隠れて隙を伺っている一人の人物であるアンバイドへも向けていったものであった。

 「!!!」

と、李章はまともにこの攻撃を受けてしまう。しかし、何とか、受けながらも下へと避けようとした。それが何とか成功し、ダメージを少なくすることができた。

 アンバイドは、何か攻撃してくるものあると思い、前に自らの武器の一つであるナンゼルらの襲撃のときに使った武器を配置していた。それが、功を奏したのか、フードを被った一人の人物の攻撃を吸収することができた。ゆえに、ダメージをアンバイドは受けなかった。

 ローは、素早く何かしようとしているもののに対して自動保存の術式を施し、クローナが白の水晶を使える範囲へと移動し、フードを被った一人の人物の攻撃を防ぐために、

 「クローナ!! はよう、白の水晶を使うのじゃ。」

と、言う。

 「はい。」

と、クローナは言って、白の水晶を展開し、バリアを展開でフードを被った一人の人物の攻撃を防ぐのであった。

 トリグゲラもクローナが何かをしようとしているのを見て、ジャンプをする。それもより高くである。

それによって、フードを被った一人の人物の攻撃を回避することに成功する。

 (何だよこれは!! 黒い攻撃!!! いったい誰だよ。ってかあいつか、ランシュの部下……、あの野郎~まじで周りのことを考えて攻撃しろ。)

と、トリグゲラはフードを被った一人の人物の闇の攻撃が周囲に対して見境ないことにイラっときていた。


 フードを被った一人の人物は、自らの闇の攻撃を受けながらも避けようとした李章をみて、どうするかを考える。

 (まだ、あれを喰らって生きているのか。しぶといな…。あれを一つやるか…。)

と、フードを被った一人の人物は、あることを決心する。


 【第23話 黒いフードを被った人物の球体】


 ここは、ゼルゲルによって建物ごと潰された飲食店の跡。

 その近くに、瑠璃と礼奈は少し休んでいた。体力を回復させるために―…。

 それも十分に終えることができた。

 「そろそろ、悪魔が出てきた場所に行きますか、瑠璃。」

と、礼奈は瑠璃に向かって言う。

 「うん。」

と、瑠璃は答える。

 そして、瑠璃と礼奈はルーゼル=ロッヘの噴水広場へと向かって行った。


 ルーゼル=ロッヘの噴水広場―…。

 フードを被った一人の人物は、武器である刀を球体に戻した。

 それを、噴水広場の上空へと投げる。

 李章は、フードを被った一人の人物が、球体を上空に投げるのを見て、隙ができたと思い走りだす。フードを被った一人の人物に攻撃を仕掛けるために―…。

 今度は真正面からではなく、相手の背後を突いて―…。

 素早く移動した李章は、フードを被った一人の人物の背後に移動した。

 「!!!」

 (あれ、こっちに行ってはいけない!!)

と、李章は緑の水晶の危機察知によって、動きが一瞬止まってしまう。

 そして、フードを被った一人の人物が、すでに李章を倒すために回し蹴りを入れようとしていた。それに気づいた李章は、素早く判断し、後、緑の水晶の後ろが安全という信号によって、後ろへと退避する。

 そのおかげで、フードを被った一人の人物の回し蹴りを喰らうが、少しのダメージだけですみ、地面に体ごとを衝突するし、少し、転がるだけとなった。

 もし、フードを被った一人の人物の回し蹴りをまともに受けていたならば、李章は後ろにある建物まで飛ばされて、戦闘不能状態になっていたであろう。

 (一瞬で、俺の回し蹴りに気づいて、回避行動をとるとは……、少しは骨のある奴みたいだな~…。)

と、フードを被った一人の人物は少しだけ、李章に対して感心をする。しかし、フードを被った一人の人物にとって、李章は弱すぎる相手であり、弱いのにしつこいと思うほどでしかなかった。それよりも、次の攻撃で、隠れているアンバイドを外へ出そうとする。

 上空にあるフードを被った一人の人物によって投げられた球体は、徐々に大きくなっていた。

 そして、

 「振動せよ(スウィング)

と、フードを被った一人の人物が言う。

 そうすると、球体から黒い波のようなものが発生する。それは、上空や真下から見れば、周囲へと波をたてながら広がっていっていた。周囲を破壊するために―…。

 隠れていたアンバイドは、

 (こりゃ~、俺に気づかれているか。フードの野郎に…。なら、もう隠れていても仕方ない。ローに見つかることになったとしても…。)

と、心の中で思い、噴水広場へ出てきて、闇の波を吸収するために、自らの武器を波の拡散している場所へと操って移動させる。

 そのアンバイドの武器に、フードを被った一人の人物は気づいた。

 (あれは…。一体何をするつもりだ。)

と、フードを被った一人の人物はアンバイドの武器に疑問に思う。そう、どうして、わざわざ闇の波の拡散するところに向かっているのか。ゆえに、何をするのかを見ようとした。

 アンバイドの武器は、一つから三つに増えており、そのすべてがナンゼルの奇襲のときに使ったあの武器である。

 そして、アンバイドの武器と闇の拡散する波がぶつかる。

 ぶつかるという表現は違うのかもしれない。現に、アンバイドの武器が闇の波を吸収しているのである。まるで、そこに強力な吸引機でもあるみたいに―…。

 闇の波を吸収していることにも、フードを被った一人の人物も気づいていた。そして、同時に姿を現わしたアンバイドも視覚で認識していた。

 (あいつか…!! あの武器を出したのは…。さっきの李章(蹴り少年)とは、違ってあまりにも強すぎるな。)

と、フードを被った一人の人物は、アンバイドに対して、李章と比較してもあまりにも強い相手であると推察する。実際にその推察は、正解なのである。

 アンバイドを観察しているフードを被った一人の人物は、アンバイドとその武器に意識を集中させすぎたために、李章という人物が相手の隙をついてこようとしていることに反応しなかったのである。いや、()()()()()()()()()()()()

 そう、李章はフードを被った一人の人物が、アンバイドに集中している隙を後ろから狙って攻撃し始めたのだ。蹴りを喰らわせるために―…。

 (隙を見せたのが致命的でした。これでも受けてください。)

と、李章は心の中で呟く。そうすると、反応することのなかったフードを被った一人の人物は、

 「甘いな。雑魚が…。」

と、言う。

 その言葉に、完全に隙もつき、反応もしていないフードを被った一人の人物の言葉に、どうしてそのようなことが言えるのかに対して疑問が生じる。

 そのとき、李章は感じた。緑の水晶の危機察知による危機と、嫌な予感。それは、李章が避けられることのない確定的な未来となってしまった。物理的にどうすることもできないがゆえに―…。

 「ガァ!!!」

と、言う声を出してしまう李章。

 そう、李章はフードを被った一人の人物の攻撃をまとも受けてしまったのである。フードを被った一人の人物の背後から闇の斬撃ようなものが李章に向かって放たれたのを―…。

 (俺は、常に周囲に闇のバリアと反射を可能としているのを常に纏っているんだよ。)

と、フードを被った一人の人物は、心の中で呟く。敵が常に背後から攻めてくる可能性を知っているからである、フードを被った一人の人物が…。そのための、対抗策も常に怠っていないということを―…。

 李章は闇の斬撃のようなもので後ろへと飛ばされていき、噴水広場の周囲にある建物―李章の見えている真後ろにある建物―に体ごとぶつけるのである。戦闘不能状態にさせるほどのダメージを受けるとともに―…。

 そのときの、ぶつかる音は、噴水広場にいたすべてのものに聞こえることとなった。


 【第23話 Fin】


次回、ローが何かしようとしている何かがわかるかも? アンバイドVSフードを被った一人の人物の戦いへと…、移っていく。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


ルーゼル=ロッヘの話しが、当初よりも違った方向になってきていると思う。当初は、でる予定のないローが、関わったり、噴水広場が登場したりなど…。う~ん、話を書くというのは、なかなか自分の予想を上回ってくるので、不思議です。

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