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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
283/748

第129話-13 ミラング共和国との戦い

カクヨムで『ウィザーズ コンダクター』を投稿中。

興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

アドレスは以下となります。


https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


宣伝以上。

前回までの『水晶』のあらすじは、ついに、リース王国軍はミラング共和国の首都ラルネを包囲するのだった。

 首都ラルネの中。

 俺はミラング共和国軍やリース王国軍に気づかれないように行動する。

 理由、それは、ここに俺がいると、ハミルニアにイルターシャの護衛をやっていないと言われて、怪しまれるからだ。

 そうすれば、俺がミラング共和国総統のエルゲルダを殺そうとしていることがバレるかもしれないからだ。

 本当に、上手く行動しないといけない。

 それでも、俺は空を飛ぶことができるので、空を飛びながら、見つからないように辺りを見回しながら移動する。

 ミラング共和国軍が何とか防衛ラインを突破されないようにして、防戦している。

 中央軍はただ、ただ突っ込むだけで、返り討ちにされていた。

 左軍は、様子見をしながら、相手の隙を窺っていた。

 右軍は、何か一人の人物が先頭に立って、変な五角形の形をした武器を使いながら、建物に被害がでないようにしながら進んでいた。

 右軍がこういう場合は強いのか。

 まあ、あの一人のおかげでミラング共和国軍側の防衛ラインが意味をなしていないのだから―…。

 それにしても、右軍は急激に都市の中心部へと向かうというわけではないだろう。

 他の軍の行動を見ながら、兵を進めていくだろう。

 そうしないと、右軍の死者を増やしかねないのだから―…。

 そうこうしているうちに、俺は、ミラング共和国の首都ラルネの中央部へと到着するのだった。

 そう、エルゲルダがいる城に―…。

 その城は、白という色の割合がかなりのほどを占め、屋根のところが、茶色というぐらいの印象で、リース王国の城よりも規模は少しだけ小さい。

 俺が勉強してきたことによると、このミラング共和国の首都ラルネにある城の中にすべての政務を司る役所があり、その中央に総統の間があり、そこで総統と外国および地方領地の領主が謁見することになっている。

 さらに、その近くに総統が在任中に住むとされている総統の私邸と呼ばれる別邸へと繋がる通路があり、そこから城の中にある総統の私邸という別邸に向かうことができるようになっている。

 総統の私邸の中に関しては、詳しい間取りというものが、秘密にされており、俺が調べることのできなかったほどである。

 だが、そこには、何か総統を守るための秘密兵器みたいなのがあるとかないとか―…。まあ、噂の域をでないものであるが―…。

 噂の域に関しては、頭の片隅において置くだけで充分であるが、完全に忘れるということはあってはならない。

 なぜなら、その噂が現実であった場合に、すぐに対処することができなくなるからだ。

 動揺というものによって―…。

 そんなことを片隅で考えながら、ミラング共和国の首都ラルネにある城にどうやって侵入しようかと考える。

 こういうのはスピードが命であり、正面突破も選択の一つであろう。

 俺には、飛ぶことができるので、空中から侵入することにした。

 そして、気づかれることもなく城の中に侵入することに成功する。

 最初に見えた場所は、庭のような場所であり、ここら辺りには、兵士が当間隔だけどいるのだった。

 ここから着地して侵入するのは、かなり危険であろう。

 侵入者、侵入者とか言われて、戦いになってしまうしな。

 まあ、これぐらいの数ならすぐにでも決着をつけることが可能であるが、それでも、エルゲルダの周囲には手練れの護衛だっていると考えていい。

 そうなってくると、俺が今日天成獣から借りられる力量の使用に関して、無駄なことをすることはできないし、可能だとは思えない。

 手練れの護衛の中に、天成獣の宿っている武器を扱っている者がいるかもしれないからだ。一人だけじゃなく、複数だって考えられる。

 本当に集められた情報は少ないし、イルターシャによると、エルゲルダの護衛の中に手練れと言われる人物でも天成獣の宿っている武器を扱っている者はいないというが、臨時で雇っているということもある。

 警戒しないという選択肢は一切ないということだ。

 ……………。

 探す。

 どこに着地すればいいか。

 辺りを見回しても、どこかしこにも兵士がいるじゃないか。

 それに飛んでいる俺の存在に気づいてはいるが、敵とかではなく、大きな鳥とでも思っているのだろうか。

 それなら、まだいいか。

 それにしても―…。

 こうなったら強硬突破か。

 と、思っていると―…。

 「モンスターだ―――――――――――――――――――。構えろ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。」

 というか、鳥じゃなくて、モンスターかよ。

 モンスターは、この世界にもいる。

 だけど、モンスターという呼ばれるのは、生態がまるでわかっておらず、さらに、稀少であることから、滅多に人の前に姿を現わすことがない。

 ゆえに、一生に一度モンスターに会って生き残ることができたならば、幸運な人として、もてはやされるほどだ。

 ってか、俺は、モンスターではなく、天成獣に選ばれて、空を飛ぶことができるだけなんだが―…。

 クッ!! とにかく、城の回廊の方に着地するか。

 そして、俺は近くにある外の景色が見える回廊に着地するのだった。

 「屋上回廊の方へと向かったぞ――――――――――――――――――――。全員そっちへ向かえ――――――――――――――――――――――――――――――。」

 俺の存在に気づいた兵士が声を張り上げて言うのだった。

 ここからは、羽は邪魔だし、しまって、誰か一人を人質にして、エルゲルダのいる方へと向かうとしようか。


 「モンスターはどこにいったぁ!!!」

 「わかりません!!」

 「探せ!!! 探せ―――――――――――――――!!!!!」

 俺は見つからないようにしながら、兵士の声を聞くのだった。

 そう、俺はミラング共和国の首都ラルネのエルゲルダがいるとされる城の中にいる。

 そこに入る前に、俺の侵入が気づかれてしまい、城の外から飛んでいる者が入ることが可能な回廊から侵入するのだった。

 そして、兵士に見つかると余計な体力を消耗するので、隠れているのだ。

 兵士たちは、別の場所へと向かったようだ。

 誰か一人を捕まえて、エルゲルダのいる場所へと案内してもらおう。

 エルゲルダに恨みがある人物がいいだろう。

 そんな贅沢なことは言っていられないんだが―…。

 そうこうしているうちに、一人の文官っぽい恰好をした人物を見つけるのだった。

 「あの~、すいません。エルゲルダ様のいらっしゃる場所へと案内してもらえないでしょうか?」

 と、俺が言うと、文官っぽい人は、俺に驚くのだった。

 一応、潜入すると考えて、リース王国軍の軍服ではなく、ミラング共和国でイルターシャに許可を貰って、買い物してきた服を着ていた。

 リース王国軍の軍服だと、すぐに相手国側の奇襲となってしまうし、それに―…、ミラング共和国を併合した後、ミラング共和国の一部から奇襲してきたリース王国の奴は誰かという探り合いになって、その調査の過程で、俺へとたどり着かれるのは良くない。

 「何の用ですか。普通の庶民がエルゲルダ様に会えるわけないじゃないですか。」

 まあ、そう言うよな。

 というか、そう言わないで、素直に俺を案内したのなら、文官として失格どころか、エルゲルダによって命を狙われるのは確実だよな。

 だけど―…。

 「だけど、会わせて欲しいんだ。エルゲルダ様に―…。お願いではなく、これは―…。」

 と、俺は言いながら、その文官に対して、ナイフを首筋につけるのだった。

 「……私は―…。」

 文官は、動揺しているようだが、どうにかして俺から逃げて、兵士に伝えようとしているようだ。

 だが―…、そんなことをしたとしても、増えるのは兵士の死体ぐらいだ。

 まあ、兵士たちを殺すことが目的というわけではないが、シエルマスの場合は殺しておくことにしておこう。

 シエルマスは、エルゲルダに対して俺が復讐を成功させたとしても、変なことや俺の邪魔をしてくるであろうし、邪魔をされると厄介でしかない以上、後顧の憂いを絶っておく必要がある。

 「案内しろ。案内すれば、お前の命の安全は保障する。確実に、だ。」

 「わかりました。」

 俺に逆らっても意味がないと判断して、大人しく俺に従うようだ。

 油断はしないが、俺としてもここで文官を殺したいわけではない。

 約束を破ったとしても、シエルマスでない限り、気絶で終わらせる方針である。

 俺も無暗に人の命を奪いたいわけではない。

 快楽殺人者じゃないのだから―…。

 そして、文官によって、エルゲルダのいる場所へと案内されるのだった。

 この人物の名前は、ハウルラと言う男性で、三年前ほどにミラング共和国の文官に採用された新人だそうだ。

 新人という表現には、場合によっては語弊があるかもしれないが、それでも働き始めてからの年数は少ない方だ。

 その中でも、優秀であったために、エルゲルダの秘書となっていた。

 だが、ここで重要なのは、リース王国のように秘書の纏め役がおり、ハウルラは秘書の中で末端にすぎず、エルゲルダとの直接面会は一回ほどしかないようだ。

 その一回の面会もエルゲルダの執務室だけというものである。

 だが、エルゲルダがいる場所は、毎日、秘書全員に知らされるようであり、秘書全員がエルゲルダの側にいるわけではない。

 いつも側に控えているのは、秘書の中の纏め役とエルゲルダの愛人たちである。その愛人たちは、形の上ではエルゲルダの特別秘書ということになっている。

 これ以上、俺が言っても仕方がないが、エルゲルダは色に溺れてしまっているのが現状だ。

 ハウルラは、その中でも特別秘書というわけではなく、末端の伝令役とエルゲルダへの面会者に関する情報の整理を仕事しているそうだ。

 まあ、このようなことをハウルラは、怯えながら言っていた。

 ここまで情報を貰ったのだから、命の保障と同時に、案内代ぐらいはだそうかなと思う。

 それぐらい最低限しないと、申し訳ないなと思うのだった。

 そして、二十分ほどの移動で、何人かの兵士に会ったが、すぐに移動して、気づかれないうちに気絶させた。

 この様子に対して、ハウルラは、言葉を発することができないほどに緊張した表情になっていた。


 「ここがエルゲルダ様がいる部屋です。今日は、リース王国との戦争ですが、指揮に関しては、武官に完全に任せていますので―…。」

 「ああ、案内ありがとう。これは、案内代だ、迷惑料でもあるから、受け取って欲しい。」

 「はあ―…。」

 と、ハウルラが俺の迷惑料と案内代を受け取れないと思われる表情をするが、金銭を素早く渡して、すぐに、エルゲルダがいるとされる部屋に入るのだった。

 エルゲルダの私邸の特別執務室に―…。

 その時―…。

 「このお金、どうすれば―…、というか私の安全の保障は―…。」

 という声が聞こえたが、それと同時に俺は、ハウルラの周囲を土の壁を発生させて、ハウルラが中に閉じ込められて、上から下から前進から後方から左から右からも脱出できないようにした。

 言っている以上、命の安全を保障する約束を守るのは事実だ。


 「何だ!!! 貴様は!!!!」

 と、そこには、肥え太り、見るからに動くことが困難な一人の男がいた。

 それも生まれた姿のまま。

 そして、その周りには同様に生まれたままの見た目が若い女性たちがいるのだった。

 もしも、ハーレムの主であるのならば、何て良い場所だろうと思うが―…、今の俺にとっては意味のないことだ。

 俺も男だから、こういう場が嫌いではないし、むしろ好きな方だ。

 だが、そのようなことよりも、目の前にいるのがエルゲルダかどうかを確認しないといけない。

 「太りきったお前がエルゲルダか。」

 冷静な口調で俺は言いながらも、女たちへと視線を向けてしまう。

 さっさと何か覆う物でその生まれたままの姿を隠して欲しい。

 「ああ、だがな、小僧。お前がどのように侵入したかわからないが、俺に対しては、エルゲルダ様と言え――――――――――――――――――――――――――――――――。」

 五月蠅いな、話ができていないような―…。会話はできているか。

 「申し訳ございません、エルゲルダ様。私としてもどうしてもエルゲルダ様に御用があったので、ここに来た次第でございます。」

 「俺に用事~? それなら、秘書を通してもらうことだな。俺も暇ではないのだよ。ここにいる女たちとともに、ミラング共和国の将来の希望をたくさん作らないといけないのだが―…、わかるか。」

 執務室が後宮って―…。そんなものはお前の寝室とかでやってくれ。

 その間に女性たちは、何かで全身を覆って、生まれたままの姿を隠したようだな。

 「いえ、秘書を通すよりも、エルゲルダ様に直接お伝えした方がわかってもらえると思いまして―…。」

 「何だ。礼儀のなっていない野郎だが、聞いてやろうじゃないか。」

 「クルバト町。」

 俺は、自らの生まれた町について、エルゲルダに向かって言うのだった。


第129話-14 ミラング共和国との戦い に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正すると思います。


そろそろ第129話の重要なシーンへと突入していくと思います。自分のペースで制作していると、今は次回の投稿への間隔がまちまちになると思います。

無理しない程度に頑張ります。もう少ししたら、『水晶』のネームが1話分進められます。やったー。

ランシュの過去の話が終われば、瑠璃たちはちゃんと登場します。

最後に、次回の投稿に関しては、次回の投稿分が完成次第、この部分で報告すると思います。

では―…。


2022年3月15日 次回の投稿分が完成しました。次回の投稿は、2022年3月16日頃を予定しています。


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