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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
276/747

第129話-6 ミラング共和国との戦い

カクヨムで『ウィザーズ コンダクター』を投稿中。

今は、少しだけ休んでいますが―…。第6部を2022年2月22日頃に開始します。

興味のある方は、読んでみてください。

最初のヒロインの登場は、第1部の第1章の途中からです。

アドレスは以下となります。


https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


宣伝以上。

今日で、『水晶』は三年目に突入します。

去年みたいに午後五時更新ではなく、午後四時十四分更新ですが―…。

投稿は二つではなく、一つだけですが―…。

ということで、この二年目の『水晶』の状況について報告します。

PVは、2021年2月14日の「第67話-3 肖像画」の時の数から、2022年2月13日までのPV数となります。

PVは、14213となります。

ユニークに関しては、同様に、2021年2月14日の「第67話-3 肖像画」の前書きの数から、2022年2月12日までとなります。

ユニークは、4757人となります。

去年よりも、増えていて良かったです。

『水晶』の三年目、二年目よりもPVもユニークも増えていくことを祈るのみです。

そして、最後に、これが一番大事ですが、読んでいただき、ブックマーク、評価をしていただいた方に感謝しかありません。ありがとうございます。

今後も『水晶』を頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

さて、前回までの『水晶』のあらすじは、ランシュとヒルバスのことがミラング共和国に知られており、居場所も把握されているのだった。


 そして、翌日。

 今日も、左軍は、昨日と同じ場所へと向かうのだった。

 昨日の中央軍に関しては、負けはしなかったが、本陣に肝心のダメージを与えることはできなかったようだ。

 ハミルニアの昨日の言葉によれば―…。


 ―いやぁ~、中央軍との話し合いでね、今日の戦いは本陣に攻めたんだけど、後、一歩のところで粘られて、本陣を落とすことができなかったみたい。まあ、彼らにしては、よく頑張った方だと思うよ。だけど、これで、こっちの優勢が少しだけ揺らいだんだよねぇ~。こうなると、左軍は戦わないといけなくなるわけだ。昨日と戦ったミラング共和国軍に―…。激戦必須だよ。ということで、ランシュ君とヒルバス君には戦ってもらいます。今回はごめんだけど、私の指揮に従ってもらうよ。もちろん、ランシュ君とヒルバス君に対して、不当な扱いをする気はない―


 今回の表情は、完全に焦っているわけではないが、それでも、中央軍の行動のせいで、いろいろと不自由な選択をさせられているのがわかる。

 もしも、ハミルニアが総指揮できる立場であれば、とっくにここでの戦いはリース王国がものにしていただろう。

 そう考えると無駄な犠牲を増やしているにすぎない。

 後、俺とヒルバスの居場所がわかるミラング共和国軍のことに関しては、今のところ、何もするなと言っていた。いろいろとあることを知っているんだろうか。

 まあ、今は、自分たちの任務をこなすだけだ。

 そして、到着する。

 そこには、たくさんのミラング共和国軍の兵士がいた。

 ミラング共和国軍の兵士は、昨日と同じような感じの布陣だな、と何となくそう感じていた。

 ただし、軍の内容が変わっているかもしれないので、注意が必要だ。

 「ランシュ先輩とヒルバス先輩、緊張しますね。最初の戦いは―…。ちょっと触れてもいいですか。」

 「ああ、別に構わないが―…。」

 アウルの奴―…、少し様子がおかしいな。

 何か少し臭くないか。

 俺も死体処理をしているから臭いと思われているだろうし―…。

 「じゃあ、ここなら―…。」

 「ランシュ君!!!」

 ヒルバスが叫ぶ。

 わかっている。

 俺とヒルバスをつけることができた理由は、見えない糸だ。

 そして、俺はトビマルが昨日、急に違和感を感じると言ってきた。


 ―俺はずっとというか、アウルと一緒にいた後からおかしく感じていたんだよ。酔っているように見えるけど、何か人の酔い方じゃない。これだと根拠は弱いが、一番疑ったのは、まるで生きているように感じるように見せかけている。そう、死体に生前の意識の記憶を保存して使う、天成獣と同じ奴の―…。今回のランシュとヒルバスの位置が知られたのは、そのアウルという奴の後であろう―


 ―何で教えてくれなかったんだ―


 ―ランシュなら気づいているのではないかと思っていたが、それの糸をただの糸に近い状態にするのに、時間がかかったからだ―


 ―それはどういうことだ?―


 ―たぶん、状況によっては、糸から毒を流して殺すつもりだったのだろう。ヒルバスはアウルに触れる、触れられることはなかったから、その心配はなかったけどな―


 そう、だからこそ、ハミルニアの言っていたように、炙り出すことはしなかったのだ。

 勝手に、敵が炙り出てくれるのだから―…。

 そして、俺は避ける。

 「アウル、お前、ミラング共和国軍の兵士の側だったのか?」

 俺は警戒しながら、アウルに聞く。

 トビマルが言うことから考えて、アウルがミラング共和国軍と通じているとは考えずらい。

 そうなると、アウルは数日前に殺された可能性があり、その後、死体を操られているのかもしれない。

 生きていた頃の記憶を残されたままに―…。

 「バレていたのか。俺はミラング共和国軍の兵士と繋がっていたのだよ。初戦の戦いで先輩方二人の危険に気づいたのだから―…。」

 誤魔化してきたな。

 それに人の死体の特有の臭さなんだよ。

 つまり、どこかに死体を操る天成獣の能力を扱う奴がいるということだな。

 こういうタイプの相手は、どうやって戦えばいいか分からない。どこにいる。

 一体、どこに!!

 「ランシュ先輩、話を聞いているのですか?」

 「一々、五月蠅いな。話は聞いているさ。だけどなぁ~、嘘をつくのもいい加減にした方がいい。お前の正体は探せば確実に見つかる。」

 「それはできませんよ。私は単独で、この軍の中に―…。」

 「そんなことはありえないんだよ。お前から死体特有の臭さが感じられるし、それに俺は、お前の糸から操っている奴を引きずり出すことはできるんだよ。」

 そう俺は言いながら、糸を握り、引っ張るのだった。

 物凄い力で―…。

 そうすると、リース王国の左軍の中でも傭兵が集まっている場所から目立たない見た目をした奴が引っ張られてくるのだった。

 その人物は落下して、地面に背中からぶつかるのだった。

 天成獣から借りた力を使っているのだから、背中から落下しても生き残っている可能性がほぼあるし、ダメージもそんな受けていないであろう。確実だと言ってもいいだろう。

 「ぐっ、私としたことが―…。」

 と、その人物は言う。

 俺は、そいつのある紋章を見て、確信する。

 そう、アウルを殺し、操っていたのは、シエルマスの兵士だということだ。

 「シエルマスか。」

 俺は指摘する。

 落下した人物は、立ち上がり、バレたのかと思い言い始める。

 「バレてしまってはしょうがないですね。ここで強い者を殺して―…。」

 と、言いかけたところで、すでにヒルバスが銃口をアウルを操った人物に向けるのだった。

 それにしても、アウルを殺して操っていた奴は、鼻ピアスとかしているのか。牛なのか?

 「あなたの目的を言ってもらいましょうか、シエルマス。」

 ヒルバスは棘のあるような言い方をする。

 「目的~、そんなものを教えるわけないだろ。情報漏洩ほど、嫌なものはないからねぇ~。行きな、アウル。」

 「はっ。」

 シエルマスのそいつは、俺らに情報を吐く気はないと宣言し、俺に向かってアウルを仕向けるのだった。

 もう死んでいるので、殺すことに躊躇いはない。

 躊躇えばこっちが死人になってしまう。

 だから、冷静に長剣を構える。

 「ランシュ君の手を煩わせることもないでしょう。」

 と、ヒルバスが言うと、銃撃を放ち、シエルマスに属していて、今、アウルを殺して操っているは避ける暇もなく、心臓に銃が当たるのだった。

 そして、倒れる中、不気味なことを言い始めるのだった。

 「私の天成獣は、使用者の生と引き換えに永遠の生命を約束するのだよ。覚悟がなかったからできなかったが、死を悟れば簡単なものだ。不死体(ふしたい)(せい)。」

 !!!

 何か、嫌な予感がするな。

 「これで私は、不死に~。えっ!!」

 シエルマスの一人の様子がおかしくなる。

 「なぜ、なぜ、裏切るのか―――――――ッ!!!」

 と、言いかけると、さっきまでの雰囲気と変わるのだった。

 「ケケケケケケケケケケケケ、俺の使用者は死んだ。だけどなぁ~、不死体の生というのは、天成獣である俺に、使用者が体の支配権を提供する技だ。まあ、理解せずに死んだか。それにしても、アウルという奴だったか。今、俺が操っているのは―…。こいつはいらないな。」

 と、そいつは親指と人差し指の先どうしをくっ付けて、パチンと音をさせて親指の先に置いてある人差し指を弾くのだった。

 そうすると、アウルの体は何も言わずに倒れるのだった。

 「さあ~て、シエルマスが俺の体の中に毒を仕込んでいるようだが、意味がないな。それに―…、いくら毒を発動しても俺の体は不死身なんで意味がない。そして、せめてもの使用者の願いを叶えてあげよう。最高の殺人ショーを!!! ヒャハ――――――――――――――――――――――――――!!!!」

 そんなことをしている暇はないんだが―…。

 〈ランシュ、あいつは天成獣の中でも危険な奴だ。武器自体も破壊した方がいい。〉

 〈わかった、トビマル。〉

 トビマルが珍しく、俺に話かけてくるのだった。

 まあ、トビマルが話しかけてくるということは、こいつの天成獣がかなりヤバい部類に入るということだろう。

 天成獣の起源については、天成獣自身も分かっていないのだそうだ。

 どうしてか?

 そんなことは後の人々で解決する意欲のある人に任せればいいだろう。

 それにしても、あいつの武器は何だ。

 糸か、糸を斬ればいいのか?

 〈糸が武器じゃないだろうなぁ~。だが、奴が何を身に付けているのか、奴の体を斬って、斬っていくうちにわかる。〉

 〈そんな適当な~。〉

 適当すぎるだろ、トビマル。

 そうなんだよなぁ~、見た目からどこに武器があるのかわからない。

 天成獣の宿っている武器は、形が千差万別で、武器に見えなさそうなものもあるからなぁ~。

 〈だけど、今回に限っては、あいつの元の持ち主は殺されている以上、斬ることに容赦する必要はないだろ。なら、やってやるしかないだろ。〉

 〈しょうがない。〉

 俺は、トビマルと念話しながら、そろそろ話しを始めようとするが―…。

 すでに、ヒルバスが戦闘状態だった。

 ヒルバスとその戦っている奴のいる周辺では、戦うことができる空間ができていた。

 空気を読んで、戦いやすいようにしてくれたのだろう。

 〈天成獣の宿っている武器を壊すのは、かなり難しいが、やり方はあるし、ランシュ、お前ならできるはずだ。〉

 〈わかった。〉

 そして、俺も戦いに参加するのだった。


 まず、やるべきことは、あの天成獣に人格を乗っ取られた奴の武器が何であるかだ。

 天成獣なら武器さえ奪えばいいが、あの天成獣はかなりヤバい。

 封印することができたとしても、いつか誰かが復活させかねない。

 そうなることを考えれば、壊した方が手っ取り早いのは事実だ。

 「なかなかやりますねぇ~。でも他の人を殺そうとすると撃たれてしまいそうなので、狙いませんが―…。いや、この体は不死身にしたので、狙われてもいいのか。でも、動きが鈍るからなぁ~。」

 「さっさと死んでくれた方が世の中のためです。」

 ヒルバスもさっさと終わらせたいようだ。

 俺もだ。

 こんな奴―…、出てくるなんて―…。

 それでも、ヒルバスに集中している時がチャンス。

 俺は高速移動して、アウルを殺して操った奴を狙う。

 まずは、動けないようにする。

 身に付けているものはすべて破壊する。

 俺は自らの武器である長剣を構え、アウルを殺して操った奴の近くへと移動し、長剣を振るう。

 そうすると、そいつの右腕を切断する。

 「ガァー…。何だと。だけど、残念(ざんね~ん)でした。胴体ぐらい生やすことができるのですよ。」

 「そうかい。」

 それが何か。

 俺はすぐに移動し、左腕と左足を、さらに右足を斬る。

 これで動けなくなるし、生えきる前に首をも―…。

 「いくら首を斬ったからと言って、私が殺せるは―…。」

 と、そいつが言いかけたところで、俺は、鼻ピアスに攻撃をするのだった。

 「鼻につけているそいつが、お前の武器というわけか。」

 「チッ、バレましたが、それでどうにかできる―…。」

 「さようなら。」

 そして、俺は長剣にトビマルから借りた力を纏わせ、鼻ピアスを破壊するのだった。

 この攻撃のせいで、今日は、かなりの量を節約して、戦わないといけなくなった。

 本当に、シエルマスとかいう奴らはやってくれるなぁ~。

 「ランシュ君、大丈夫ですか。」

 ヒルバスが声をかけてくる。

 「ああ、こいつの武器は破壊した。鼻ピアスとか―…。牛を思い出すじゃないか。だけど、こいつとアウルの死体処理が大変だし、今の状態では、燃やすこともできない。」

 ほんとうに勘弁して欲しいよ。

 アウルの死体からは、遺品ぐらいはちゃんと回収して、遺族には送っておこう。

 戦争とは、死と隣り合わせ。

 騎士となった以上、それから逃れる方法は騎士を辞めるか、戦場ではなく、寿命を迎えるか、病気でダメになるか、後方にいて平和な時を過ごすか、時代が平和になるかということだけであろうか。

 他にも方法はあるかもしれないが―…。

 今、泣く気もない。

 一人の思いぐらいなら、背負っていける。

 そして、俺とヒルバスはアウルとそれを操った死体を陣地から離れた場所へと運び、アウルの遺品とアウルを操った奴とシエルマスの情報に関するものがないかを探った。

 結局は、アウルの遺品となるものしかなかった。それを回収する。

 死体処理は、今日の戦いが終わってからのようだ。

 と、そうこうしているうちに―…。

 「ミラング共和国軍が引き上げていくぞ――――――――――――――――――――――。」

 そして、このミラング共和国とリース王国との境界での戦いで勝利した。

 浮かばれない勝利だと、今なら思ってしまうだろう。

 この時も、気持ちとしては、複雑としか言いようがない。


第129話-7 ミラング共和国との戦い に続く。

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


『水晶』の三年目は、とにかく何回も言っていると思うのですが、リースの章を完成させることです。あまりにも長いので、次の章へと向かいたいです。

だけど、ランシュ視点での過去が長引くのか…、書き終わらないとわかりませんが、長いということだけは実感しています。書いているとなぜか長くなってしまいます。反省します。

リースの章以後は、新たな大陸へと―…、いくと思います。そこで大きな章を終えると、次は、第1編の最終章だぁ~。ネームを書き進めないと―…。

さて、最後に、次回の投稿に関しては、完成しだいこの部分で報告すると思います。

『水晶』三年目もよろしくお願いいたします。評価されたり、ブックマークされると、心の中でありがとうと思っています。

では―…。


2022年2月15日 次回の投稿分が完成しました。次回の投稿は、2022年2月16日頃を予定しています。

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