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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
255/748

第123話 終わりへの一撃か

カクヨムで『ウィザーズ コンダクター』を投稿中。

興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

アドレスは以下となります。


https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


宣伝以上。

前回までの『水晶』のあらすじは、ランシュの攻撃に瑠璃は飲み込まれるのだった。

今回、第123話は文章量が構成の関係により短くなっています。

 【第123話 終わりへの一撃か】


 絶望は向かう。

 絶望というものは、人の意思に関係なく勝手にやってくるものだ。

 人が行動している以上、自分とは違う他も行動、いや、動いているのだから―…。

 それは避けられないことでもあるが、避けることができる場合もある。

 だけど、絶望には同時に、希望というものが存在する。

 絶望を打ち消すこともできる―…。それは可能性であって、確実なことではない。

 その白く光る球状の物体である絶望は、瑠璃へと向かってきており、まもなく瑠璃を飲み込む。

 この時、瑠璃は仕込み杖を握るのであった。それを―…。

 ドーン。

 音がなる。

 四角いリングの表面が削られ続けられているのではないかと思われるほどに―…。

 音は続く。

 それは、リースの競技場にいる誰もそのことを実感している。実感することができないものはいない? いや、音を聞くことができなければ、実感は―…、音ではなく、目が見えれば目で、気配が読めるのであれば気配で―…。実感する方法がなければ、今の状態を実感することはできない。当たり前のことだ。

 そして、実感できる者たちは、言葉を失う。

 今のことを言葉で表現できるのだろうか。するのであれば、白い光は、ランシュを飲み込まんとしているし、言葉自体が意味がない、世界が終わるというのはこういうことなのかということを連想させるものである。

 四角いリングを透明な囲いのようなもので覆っていなければ、観客席にまで被害が及んでいたことであろう。

 四角いリングを透明な囲いのようなもので覆っていなければ、ランシュはこのようなことはしなかったであろうが―…。

 そして、四角いリングは白く光り、その中が見えなくなるのだった。

 最初は光で、次は白い煙で―…。

 だけど、この光は長い時間光る。


 中央の舞台。

 瑠璃チームがいる場所。

 アンバイドは、

 (何なんだ、あの技は―…。ランシュクラスにもなると、ああいうことをしてくるのか。ちゃんと周囲のことを考えて使うのは、感心するな。だけど―…、この攻撃は瑠璃にとってはかなり良くないだろうが、瑠璃は、仕込み杖の方を握っていたし、抜刀するかのようにしていた。対策はあるんだろうな。それが吉と出るか、凶と出るか、それは神のみぞ知る。)

と、心の中で言いながら、様子見をするのだった。

 アンバイドとしては、ランシュが放った白い球体のような物体がどのようなものであるかは完全に理解できるほどではない。

 むしろ、分からない方が多い。

 ゆえに、何かを考えるよりも、観察に徹した方がいいと考えた。

 それを実行しているだけだ。

 一方で、ギーランは、

 (………、瑠璃…!!!)

と、心の中で言いながら、歯ぎしりをさせるのだった。

 ギーランにとっては、瑠璃が生きていると信じている。

 だけど、ランシュのさっきの攻撃は、瑠璃の生を終わらせるのには十分なほどだ。それは、瑠璃が生身で受けた場合に限るが―…。

 そして、同時に、ギーランが瑠璃が生きていると信じられたのは、アンバイドが見たように、瑠璃が仕込み杖を握っており、そこから、剣を抜こうとしているのを見たからだ。

 ゆえに、不安を抱きながらも、瑠璃が生きているのを信じながら、四角いリングの方を見る。

 このように、瑠璃が仕込み杖から剣を引き抜いて戦おうとしているのを理解していたのは、アンバイドとギーラン以外に、イルーナとロー、ミランであった。

 それ以外は、瑠璃が生きていることを信じることはできたが、不安というものは必ず心の中に存在するという状態になっていた。

 クローナは、

 (瑠璃!! あんな大きな球体の攻撃を受けたら―…。いや、あの攻撃の威力は十分に強いから―…。とにかく助けにいけるように準備しないと!!)

と、心の中で言いながら、瑠璃をいつでも助けにいけるように準備するのだった。

 それは、礼奈も同じだったが、礼奈はあることに気づく。

 (あの攻撃―…、瑠璃を飲み込むだけで―…、終わるとは思えない。何か、まだ嫌な予感がする。)

と。

 礼奈のこれは、感覚的なものに過ぎなかったが、ランシュの今までの戦いからみると、何手も先のことを考えて戦っているように感じた。

 さらに、ランシュ自身がどのように瑠璃との戦いで不利になる可能性があるのかをしっかりと理解しているので、確実に瑠璃を倒そうとしてくることは事実だ。ランシュは瑠璃に勝利したら、もう一戦戦わないといけないのだから―…。

 礼奈の根拠の後者、つまり、ランシュが次の試合のために力を温存もしくは長期戦を望まないという点に関しては誤りである。ランシュは、次の試合のことは、次の試合の時に考えればいいと思っているのだから―…。

 それでも、少しだけ答えには近かった。

 ランシュは、瑠璃に対して、今の放っている球状の形をした物体の攻撃で、瑠璃を飲み込むだけで終わらせようとは思っていなかった。

 それだけでは、瑠璃が生身で防御せずに受ければ、勝つことは可能であるが、そのような可能性は低い。

 なぜなら、瑠璃は何らかの手段を行使するのは、ランシュのとって攻撃する前から予想することができた。

 瑠璃のこの試合を見ていれば、気づくことでしかないから―…。

 礼奈は、自らの感じる嫌な予感のせいで、クローナよりも不安になるのだった。


 四角いリング。

 球状の形をした物体は、瑠璃のいると思われる場所を中心にして、存在し続けている。

 その物体からは、音がするのだ。

 ドクン、ドクン。

 まるで、心臓の音だ。

 ドクン、ドクン。

 この音は、まるで、ゆっくりと、ゆっくりと、音をさせる。

 ドクン、ドクン。

 その音がこれから何かが起こるように感じさせる次元タイマーに感じてならない。

 「さあ、始めようか。終われ、鼓動の球。」

と、ランシュが言う。

 そうすると、鼓動の球と言われる球状の形をした物体と思われるものは、大爆発を起こすのだった。

 ドーン。

 その音に、言葉を付けたとしても、その凄さを表現できないほどに―…。

 瑠璃の生命を鼓動自らの生命を犠牲にして奪うかのように―…。


 【第123話 Fin】


次回、大爆発は―…!!!

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


何とか頑張って、第124話をある程度まで完成させることができたので、2021年12月16日頃に、投稿ができそうです(第124話は―…)。

では―…。

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