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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
252/747

第120話 効かなかったぜ

カクヨムで『ウィザーズ コンダクター』を投稿中。

興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

アドレスは以下となります。


https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


宣伝以上。

前回までの『水晶』は、瑠璃VSランシュの戦い、ランシュが戦いを優位に進めていくが、瑠璃もくらいついて、何とか対抗しようとするのだった。

第120話は、いつもより少しだけ文章量が少なくなっております。第121話も文章量が少なくなる予定です。たぶんですが、瑠璃とランシュの戦っている第十回戦第六試合は、そのようなことになる可能性が高くなると思います。実際に、進めていかないと確実には言えないでしょうが―…。

 瑠璃の武器である仕込み杖から雷が放たれる。

 それは、ランシュに向けられる攻撃である。

 そして、ランシュは攻撃のために突っ込んできていたので、それを避けることができなかった。

 その間に、瑠璃は、四角いリングの中央に向かい、ランシュのいる方を避けて、迂回して向かうのだった。

 もし、ランシュが攻撃を受けて、しっかりと効いたとしても、瑠璃がランシュを四角いリングの外へと飛ばすことができる実力はない。

 ランシュがしっかりと防いでしまうだろうと考えているからだ。

 そうなので、瑠璃はランシュから距離を取るのだった。

 そして、ランシュは瑠璃の雷の攻撃を受けるのだった。

 「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア。」

と、ランシュは叫ぶのだった。

 その叫び声は、瑠璃にとって、自らの攻撃がランシュに効いたと思わせるのに十分だ。悲鳴だと認識したのだから―…。

 そして、数十秒ほどランシュは雷の攻撃を受けて、叫ぶのだった。


 数十秒後。

 雷の攻撃が止むと、ランシュの体を覆っている土の部分から蒸気のようなものがシュワ~と立っているのがわかる。

 ランシュは雷が止んでから、動きがない。

 瑠璃にとっては、これは、自分の勝利なのではないかと思いたいが、ランシュが倒れない限りはそうならないだろうと思っていた。

 ランシュは実力者なので、この瑠璃の攻撃で倒されるということは難しいと思っている。

 そうこうしているうちに、ランシュが動き始める。

 足を一歩…と。

 その様子を見た瑠璃は、ランシュの状態がどうなっているのかをしっかりと見る。

 その時、ランシュは、周りの土の部分から蒸気のようなものが出ているが、それ以外は土に変化したような様子はなかった。黒焦げるようなことにはなっていなかった。

 そして、瑠璃の方へと歩きながら近づいてくる。

 「さすがに、俺も油断してしまったぜ。あんなわずかな隙でも攻撃をしてきて、できてしまうのだからなぁ~。十分に強くなっているなぁ~。俺の企画したゲームでしっかりと成長しているのか。これは俺の作戦ミスかもしれない。だけど、同時に俺は瑠璃(お前)の天成獣の属性と攻撃方法をじっくりと見ることができているのだからなぁ~。わかっているぜ。雷の攻撃が効かないようにすることぐらい―…。ゆえに、俺は全身を土で覆ったのだからなぁ~。雷を通すものを除外して―…。要は―…、瑠璃(お前)の攻撃は効かなかったぜ、ってことだ。」

と、ランシュは言う。

 その間に瑠璃は攻撃することは可能であった。

 ただし、ランシュが天成獣の属性が土であり、全身を覆っているという条件の片方がなければ、であるが―…。

 その二つの条件がしっかりと満たされている以上、瑠璃は攻撃をすることができない。

 そう、雷の攻撃はすでに手札から尽きたということになってしまうのだ。

 瑠璃に残された選択は一つしかない。

 そう、光で攻撃することのみだ。

 それでも、瑠璃は、すぐに使うどうかは迷わずにはいられない。光を纏っての移動に使っているので、攻撃にもすぐに使うことは可能であるが―…。

 雷の攻撃が効かなかった可能性は、偶然の要素もあるので試してみる必要がある。

 瑠璃は迷い続ける。


 中央の舞台。

 瑠璃チームのいる場所。

 ギーランは、

 (土で覆ったのは、瑠璃の雷の攻撃を想定していたから―…。雷が効かないということになると、瑠璃の攻撃手段は光だけになる。そのことを―…、いや、何試合も見ていたのだろう。だから、ちゃんと対策を立てて、この戦いに挑んでいる。ランシュという奴は―…、戦い慣れしているだけではない。しっかりと準備の段階から対策を立ててくるとは―…。彼は、瑠璃が勝つには至難の業どころではない。最後の最後でこのような相手とは―…。)

と、心の中で悔しそうにする。

 ランシュからは、瑠璃に対する殺気のようなものが感じられ、ギーランは、今の自分ではどうしようもできないし、瑠璃自体もこの試合を止めることを望んでいないということを理解している以上は―…。

 ただし、本当の本当に、瑠璃が死にかけている時には、介入するつもりであるが―…。勝敗よりもせっかく再開できた娘の命の方が大事なのだから―…。


 四角いリングの上。

 ランシュは、

 (次の攻撃だな。)

と、心の中で言うと、右手を前に出すのだった。

 手のひらを一番下にして―…。

 そして、手の裏の上から何か金属のようなものが出てくる。

 その金属はワイヤーのようになって、瑠璃のいる場所から離れた左右に分かれていく、瑠璃のいる位置の瑠璃から見た左右の直線状を通り過ぎる。

 瑠璃は、ランシュのこのような行動を理解することができなかった。

 瑠璃としては、ランシュの攻撃は自分に向かってきて、それを防ぐことがやるべきことだと思っていた。瑠璃のように思うのが普通だ。

 だけど、ランシュにとっては、瑠璃に攻撃することになるのだから―…。

 (いくぜ。)

と、ランシュは心の中で言う。

 そう、ランシュの攻撃の合図だ。瑠璃には聞こえないようにしたのだから―…。

 そして、金属のワイヤーのようなものは、双方の間に黒いものが出現するのだった。それは瑠璃に向かうだけでなく、ワイヤーのようなものがワイヤーからワイヤーにかけてを自分の領域にするように―…。

 その黒いものから飛び出るかのように、黒い口にようなものが出てきて、瑠璃を飲み込もうとする。

 そして、瑠璃は、自らの武器である仕込み杖の水晶部分に電流をいくつか弱く発生させるだけだった。

 黒い口に飲み込まれる時まで―…。


 中央の舞台。

 瑠璃チームのいる場所。

 「瑠璃―…、飲み込まれちゃった―…。」

と、クローナは言う。

 クローナとしては、瑠璃は何もすることなく飲み込まれていったので、何か考えがあってのことだと思うことはできる。

 それでも、その策が不発となり、かえってピンチになってしまったらと考えると不安になる。

 だけど、ミランは、その反対のことを言うのだった。

 「間一髪ってところね。」

と。

 ミランとしても、瑠璃の動きを完全に目線で追えたわけではない。最後の方は追うことすらできなかった。

 それでも、瑠璃がランシュが展開した黒い口ような攻撃を避けているということは、はっきりと目で見ることができた。

 ゆえに、その面に関する心配というものはなかった。

 だけど、第十回戦第六試合における勝利というものが瑠璃に訪れるかという面では、心配と不安があるのであったが―…。

 そして、黒い口のようなものを瑠璃が避けられるのを目線でしっかりと追うことができたのは、ローともう一人しかいない。

 そう、ギーランだ。

 (ランシュという人物の攻撃は、一つ一つが理にかなっているというか、一見攻撃のようには見えないものは、ちゃんとした攻撃の伏線になっているということだ。戦いの中で経験を積み、勘というものが鍛えられていない者にとっては、ランシュの意図というものを理解できず、返って油断してしまい、隙をつくることになってしまう。それを理解したうえで、ランシュは攻撃しているのだ。私でも本気になっても、勝つにはそれなりの苦労をしてしまいそうだ。今の瑠璃ではかなり不利なことでしかない。それにしても、私がちゃんと光を足に纏っての移動を教えておいて良かった。)

と、心の中で安堵するのだった。

 それは、ギーランがこの数日で、瑠璃に教えたことが役に立っているのだから―…。

 それに、ランシュという人物が、力押しの戦術ではなく、相手をいかに倒すかという方向に、テクニックを用いたり、相手を油断させて、その隙を突くという戦いをしてくるので、思った以上に瑠璃が不利で不安になるのであったが、瑠璃がギーランに教えてもらった技で何とか戦えていることもあるからだ。

 ギーランは、自らの娘の戦い方に誇らしくも思うが、ランシュに勝利するのはかなり難しいと思うのだった。可能性はなくはないのだが―…。


 四角いリング。

 (危なかったぁ~。)

と、瑠璃は、心の中で思うのだった。

 瑠璃はなぜすぐに避けなかったかというと、瑠璃の勘でしかないが、早いタイミング避けてしまうと、あの黒い口のようなものが追ってくるかもしれないと思ったからだ。

 実際に、そうであった。

 ランシュの繰り出したさっきの攻撃は、黒い口が口を閉じるその瞬間のわずかまでは、対象が逃げると、追ってくるのだ。

 ランシュは、瑠璃の回避スピードが速いことを理解し、対象を捕まえるまで追っていくタイプに近いもので攻撃したのだから―…。

 ランシュの選択としては、間違っていなかった。ランシュが知っている情報と、今までの戦いの中での情報を総合すれば―…、であるが―…。

 それでも、瑠璃も回避スピードを最大の速さにしていたわけではない。最初から回避速度を上げたとしても、体がついてくるわけがない。

 そうなってしまうと、ゆっくりと上昇させて体を慣らすということは必要なことであった。

 そして、同時に、瑠璃は攻撃の準備をも回避の前からしている。

 それは、今からでもすることは可能だ。

 自らの目の前の黒い口のようなものがなくなれば―…。


 【第120話 効かなかったぜ】


 ………。

 (手ごたえがない。避けられたのか。いや、避けられるにしても―…。そんな時間は存在しない。まずは、解除だな。)

と、ランシュは、心の中で言う。

 ランシュとしては、瑠璃を黒い口で捕まえた感触、そう、手ごたえというものがない。

 そう、考えるが、瑠璃の今までの回避スピードから考えて、避けるのは不可能だという結論に達する。幻影か何か?

 ランシュは、このような思考ができてしまう。それができる理由は、いずれ明らかになるだろう。その時を待てばいい。

 ランシュは、黒い口を解除し、金属の二つのワイヤーのようなものを、自らの土で覆った部分の右の手の裏に戻し、金属を消滅させるのだった。

 だけど、ここでランシュは予測することはできなかった。

 瑠璃の攻撃を―…。

 「!!!」

と、ランシュは驚くと同時に―…。

 「()け。」

と、瑠璃は言う。

 瑠璃は、黒い口が解除されるわずか前から、自らの武器である仕込み杖をランシュがいると思われる方向へと向けていた。再度攻撃するために―…。

 そして、瑠璃は言うのと同時に、雷をランシュに向かって放つのだった。

 ランシュに瑠璃の雷攻撃を避ける時間は残されていなかった。最初から―…。


 【第120話 Fin】


次回、球状なものはでるのな!!

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


2021年12月中までに瑠璃とランシュの戦う第十回戦第六試合は最低でも終わらせたい。今年最初に、目標としたリースの章の終了させるという目標は達成できそうにありません。原因は文章量を勢いで増やし、内容を追加してしまったがためです。もう少しまともな構成力は必要だなと思いますし、計画もしっかりと立てないといけないなぁ~と感じました。作者の実力不足です。不足するほどの実力があるかどうかさえ不明なのですが―…。

2022年までには確実にリースの章は終わると思います。第132話終了後の2か月ほどのゆっくりとした休みもなくなってしまうと思います。その分、リースの章の終了後には『水晶』の投稿を休みたいと思っております。その間に、『水晶』の今までの投稿分を修正したり、加筆が必要であれば加筆したりしたいと思っています。そして、次の章の話も書いていこうと思います。

2022年には、新たに新作を投稿してみたいと思っています。まだ、内容に関しては、迷っていますが―…、ファンタジーなのかどうかは自分でもわかりません。異世界である可能性はかなり高いと思います。魔法とかそういうのが出るかはわかりませんが、出ないかもしれません。一応、主人公は男性になりそうです。内容は重い方だと思いますが―…。

最後に、次回の投稿に関しては、2021年12月7日頃にも投稿できそうなので、その頃を予定としています。

後書きが長くなってしまいましたが―…、では―…。


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