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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
251/748

第119話-2 瑠璃VSランシュ

カクヨムで『ウィザーズ コンダクター』を投稿中。

興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

今日の投稿で、第四部が完成します。

アドレスは以下となります。


https://kakuyomu.jp/works/16816452219293614138


宣伝以上。

前回までの『水晶』は、ランシュと瑠璃の試合が開始される。ランシュは瑠璃よりも強い相手であり、攻撃していかないと不利になるほどであった。そして、ランシュは土で全身を覆い、忍びのような格好になる。さらに、ランシュは火の球を瑠璃に放つのだった。

今回で、第119話は完成します。

 四角いリング。

 そこでは、瑠璃とランシュが戦っている。

 ランシュは、火の球と言っていいものを、自らの右手の手のひらの少し上に展開している。

 そして、それをまるでボール球を投げるかのように、瑠璃に向かって投球する。

 その火の球は、瑠璃へと一直線に向かう。

 それを見た瑠璃は、

 (火の球。夜だったらお化けでも出たって驚くのだけど、夕方なので、そこまでない。今は―…、これに対処するだけ!!)

と、心の中で冷静に言う。

 瑠璃としては、お化けに関して、怖くはないと言えば嘘になってしまうが、それでも、怖いというだけであり、お化け屋敷に入れないというほどではなかった。恐怖を楽しめるぐらいは可能だ。

 瑠璃は、火の玉への対処をしないといけないことと同時に、守勢に立たされそうになっているので、すぐに攻勢へと変えられるようにするために、ランシュから視線を離すことなく、自らの武器である仕込み杖の水晶玉の部分から、展開していた電流をランシュの放った火の玉に向けて、放つのだった。

 瑠璃の放った雷は、ランシュの火の玉へと一直線へと向かって行く。

 「!!」

と、その様子にランシュが驚く。

 ランシュは、その驚きに関して、そこまで強いものではなく、瑠璃の実力を正確に把握するために、冷静に観察するという感じに表情を戻す。平静となるのだった。

 そして、ランシュの放った火の玉と瑠璃の放った雷が衝突し、バン、という音をさせる。

 その衝突した場所から火花のようなものが周囲に散らかるのだった。

 もし、火の玉が複数の色をしていたのなら、観客席から見ている者たちにとっては、花火のように見え、美しいと感じることができたかもしれない。

 だが、今は、夕方であることから、その綺麗さは半減している。夜という暗さが明るさというものをより強くさせるのだから―…。その花火の美しさを含めて―…。

 (相打ち。)

と、ランシュは、心の中で言う。

 それは、ランシュの放った火の玉と瑠璃の放った雷が衝突して、花火のように散らばっただけで、お互いに相手が放った攻撃が当たることはなかった。

 そのことに関してランシュは、悔しくはないが、それでも、あまりいい気持ちになるものではなかった。

 ランシュは、この初撃で瑠璃に火の玉の攻撃が直撃していると想定していたからだ。

 ランシュでも、想定通りにならないことはある。いや、多いと言った方がいいだろう。

 人生において、多くの者は、思い通りにならないということを感じたことがあるし、そのようなものでしかない。

 それでも、妥協点やすべきだから別の方法で目的へたどり着くための方法に実際にアプローチしたりなどをするであろう。それで、目的を達成できるかどうかはその時の要因による。自と他の無限に思えるような行動という波によって―…。

 (よし、防ぐことができた!!)

と、一方の瑠璃は、心の中でヨシッ!! っとガッツポーズするのだった。

 瑠璃としては、ランシュの火の玉の攻撃を防げれば、自分の目的を達成できるし、防いだ以上にランシュにダメージを与えることができるのならば、ボーナスのようなものであり、幸運でしかない。

 それを理解しているのか、目的を達成できたので、喜びがでるのだった。

 それでも、油断することはしないで、警戒を解くことはない。

 瑠璃はちゃんと、ランシュが、自らよりも強いということをしっかり理解しているし、把握している。

 瑠璃はランシュへと視線を合わせ続けるが、ランシュが、ふと消えるのだった。

 「!!」

と、瑠璃は一瞬だけ動揺するも、より警戒するのだった。


 中央の舞台。

 瑠璃チームのいる場所。

 「瑠璃もランシュとかいう人に対応できてる。」

と、礼奈は感心しながら言う。

 礼奈としては、最初から瑠璃が不利になってしまうのではないかという信じたくない不安を感じていたが、瑠璃はランシュの火の玉の攻撃に対して、しっかりと対処することができていた。

 それを見ていたからこそ、瑠璃が十分にランシュと戦えていることに、安堵するのだった。

 それでも、礼奈も心の奥底で、瑠璃が有利になったとは思っていない。

 ランシュが瑠璃より強いのは明らかであり、ランシュ率いるチームがアンバイド以外は、自分たち、礼奈を含めた瑠璃チームのメンバーよりも強いというのはわかる。

 それでも、セルティー、礼奈、クローナ、李章は何とかランシュ率いるチームのメンバーから勝利を得ることができたのだ。

 ゆえに、瑠璃にも勝利して欲しいと思う。

 いや、そういう未来であって欲しいと、願わざるをえない。

 その礼奈の言葉を聞いていたクローナも同様の気持ちであったが、近くにいたミランは、少しだけ違うようだ。

 (瑠璃はランシュの攻撃に対処できているし、対抗できるかのように見えるが、ランシュも本気のようだからそう感じても仕方ないが、それだけで瑠璃がランシュに勝てる可能性が上昇するとは思えない。むしろ、瑠璃の方が分が悪くなっているように感じる。)

と、ミランは、心の中で、真剣に考える。

 ミランは、瑠璃がランシュの攻撃に対応できたことに関しては、素直にすごいと思っている。

 瑠璃もだいぶ実力がついてきて、天成獣の宿っている武器での戦いにおける実力者の域へと入ろうとしているのだと感じるのだった。

 そして、同時に礼奈ほどではないが、成長著しいことも思ってしまう。

 それでも、ランシュという人間の次元は、実力者の中でも下の方ではないと思っている。

 さらに、セルティーが言っていた言葉に対して、より深く考察すれば、まだ、あの忍びのような感じで、土を全身に覆っていることから、何かその戦い方を選択する理由があるはずだ。

 ランシュは、ヒルバスとの会話で、コントのような展開してしまうことがあるが、天成獣の宿っている武器での戦いに関して、実力が折り紙付きであるのは確実だ。

 とある国を一人で実際に滅ぼしているのだから―…。

 そんな人間が瑠璃に自らの攻撃を対処されたぐらいで、優勢が揺らぐような結果になるとは思えない。

 そう、まだ、何かをしてくるか、すでにそれを開始していてもおかしくないのだ。

 だからこそ、ミランは言葉にしてしまうのだ。

 「今の攻撃は瑠璃が対処できたけど、ランシュがそれだけで自らの強さが崩れるとは思えない。瑠璃の目の前から消えている以上、何かしてくるのは確実。私たちは、ランシュの強さの一端すら見ていないのかもしれない。」

と。

 そのミランの言葉に、礼奈とクローナは驚く。

 いや、動揺に近いと言ったほうがいいのかもしれない。

 (瑠璃…。)

と、クローナは、心の中で心配するのだった。

 礼奈も同様であるが―…。


 四角いリング。

 ランシュと瑠璃が今、戦っている。

 (少し攻めてみるか。)

と、ランシュは、心の中で言う。

 すでに、ランシュは、高速移動をしていて、同じ場所には戻っていないので、瑠璃からはランシュが消えたように見える。

 そして、ランシュは、瑠璃を攻めようと考えている。様子見ばかりでは、相手を倒すことはできないのだから―…。

 そう決めるランシュは、後ろからの奇襲ではなく、目の前の方を選択するのであった。

 ランシュが瑠璃の目の前に現れる。

 「!!」

と、瑠璃は驚く。

 瑠璃としては、ランシュが急に目の前に出現したことにより、驚きながらも、同時に警戒をより強くする。

 攻撃するためにランシュが瑠璃の目の前に出現したことを瑠璃はちゃんと理解している。

 ランシュの攻撃がどんなものかを見極めて、避けようとするのだった。

 (喰らえ!!!)

と、ランシュは心の中で言うと、攻撃を開始するのだった。

 左腕で下から上へと切り裂くような、そんな攻撃を―…。

 (くる!!!)

と、瑠璃は心の中で言いながらも、ランシュの攻撃の軌道を理解し、すぐに回避の体勢へと移行する。

 後ろに下がるという方法で―…。

 その結果、瑠璃はランシュの攻撃を避けることに成功する。

 (おいおい、俺の攻撃の軌道を読んできて、かわしてくるとはなぁ~。だけど、そんなことばかりしていても俺に勝つことはできない。そりゃそうだろ。馬鹿のように攻撃を続けるか。)

と、ランシュは、心の中で言いながら、自身の攻撃方針を決定するのだった。

 それは、瑠璃が攻撃態勢へと移行して、ランシュに向けて攻撃させないように―…。

 なぜ、そのようなことをランシュが考えるのか。

 それは、攻撃を続ければ、瑠璃がどうなるかということが予測できており、そうなる可能性が高いと思っているのだから―…。さっきのような避け方を続けるという意味で―…。

 天成獣の属性の中で光は、攻撃の速さよりも最も恐ろしいのは高速移動もしくは光の速さに近い速度でちゃんとしっかりと移動できる場合が存在するからだ。ギーランが実際に、昔にそのような移動方法をしていたのだ。

 そして、瑠璃は、今現在、ギーランにそのようなことを教えてもらっているのだ。習得できたかはわからないが―…。

 それでも、瑠璃は、短距離での移動なら、この光を用いた移動も可能になっていた。

 今まさに、ランシュの攻撃を避けるためにそれを実行したのだから―…。ランシュに避けたという事実以外のことをほとんど情報として与えないようにしながら―…。

 (パパからちゃんと教えてもらって役に立ったぁ~。この光での移動方法。だけど、グリエルから力を借りることによってできるから、消費してしまうために、あまり、多用するのは危険なんだよなぁ~。それでも、出し惜しみするわけにはいかない。)

と、瑠璃は、心の中で言う。

 瑠璃としては、この光の移動というものを多く使いたいとは思わない。

 なぜなら、瑠璃も心の中で言っているように、移動するのに、天成獣から借りる力を消費してしまうのだ。

 瑠璃がいくら借りられる量が多いからと言っても、無限ではないということを瑠璃は理解している。ゆえに、コントロールと節約はしっかりとしていかないといけないし、効率化は絶対のことだ。

 こうやって、長時間戦えるようになっていれば、それだけで、相手よりも優位にたててしまうのだから―…。

 そして、ランシュは、何度も攻撃を続けようとする。左手での切り裂き攻撃がダメなら、今度は右手で―…。それがダメなら、左手で―…、右手で―…。

 その攻撃自体にスピードがあるために、瑠璃は光の移動を用いて避けざるをえなかった。

 瑠璃にとって、節約も大事だけど、出し惜しみにすることは、ランシュの攻撃を受けてしまい、動きの方を鈍らせてしまう。

 それに、瑠璃は、ランシュの企画したゲームの戦闘で、チームの中で断トツと言っていいほどに大怪我をして、生死を彷徨ってもおかしくない状態にもなっているのだから―…。

 ゆえに、大怪我がどれほど恐ろしいかを実感できてしまう。それは、他者の言葉によって、確実にそのようになるのであるが―…。

 ランシュは、瑠璃に攻撃させる隙すら与えない。与える気もない。与えてしまえば、自らが攻撃を受けてしまう可能性をつくってしまうのだから―…。

 そして、瑠璃が攻撃態勢に移行しそうならば、すぐに攻撃を繰り出す―…。

 結果、瑠璃は、

 「うわぁ、下がない―……。」

と、自らがどういう状況になっているのかに気づく。

 そう、瑠璃は、四角いリングの端っこへと追いやられてしまっていたのだ。

 もう、後ろに下がることができない。

 (後ろへ退避することで避けていたから―…。)

と、瑠璃は、自分がどうしてこうなったのかを理由を含めて理解するのだった。

 こうなってくると、瑠璃はどうすることもできないわけではない。

 それでも、どうかするためには、ランシュにわずかばかりの隙が生じる必要がある。

 「クク、これで勝たせてもらう!!!」

と、ランシュは言うと、瑠璃へと攻撃を開始するのだった。

 そう、今、ランシュが言った言葉に消費した時間が瑠璃にとって、好都合がな時間となる。

 仕込み杖の水晶玉の部分を、手に光を纏わせて、速く動かし、構え、水晶玉にある電気を雷として、ランシュに向けて放つのだった。


 【第119話 Fin】


次回、土にした理由ってこういうことだよね!!

誤字、脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。


次回の投稿に関しては、完成しだいこの部分で報告すると思います。

では―…。


2021年12月5日 次回の投稿分が完成しました。次回の投稿は、2021年12月6日頃を予定しています。

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