第117話 生刀 飛撃
カクヨムで『ウィザーズ コンダクター』を投稿中。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
アドレスは以下となります。
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前回までの『水晶』のあらすじは、第十回戦五試合、李章VSヒルバスは、そろそろ決着がつこうとしていた。
今回は、かなり短くなってしまいました。
刀に纏われていく。
その纏われたものは、これからの攻撃に必要なものだ。
李章は、右側に刀を構え、一呼吸する。
そして、右から左へと横に刀を振る。
「生刀 飛撃。」
と、李章は言いながら―…。
李章が刀を振る軌道から、斬撃が放たれるのだった。
【第117話 生刀 飛撃】
ヒルバスの放った銃撃と李章の放った「生刀 飛撃」は、一直線で向かう。
寄り道をすることは絶対にありえない。
ありえてはならないであろう。
そして、その双方の攻撃が動きを止めて、引き返すということは決してない。
そんな意思決定ができる能力を持っているわけがない。
あるのは、一直線に向かい、放った人物が狙った人物を倒すという命令に従うためだ。
その命令が達成されるか、もしくは何らかの要因で、その放った攻撃が消えるかしない限り、この一直線へと狙った人物へと向かい続けるだけだ。
それは、李章とヒルバスの意思、いや、意志というものだ。
そして、ヒルバスの放った銃撃と李章の放った「生刀 飛撃」が衝突する。
その威力は凄まじく、その衝突した場所を中心にして、強風が吹き始める。そのせいで、李章、ヒルバスの双方が攻撃することができない状態になっていた。
だけど、これは李章にとって、好都合だった。
李章は、この「生刀 飛撃」が失敗した場合、完全にヒルバスを倒すための方法を失ってしまうのだ。要は李章にとって、賭けなのである。自らが勝利するか、敗北するかの―…。
ヒルバスと李章のそれぞれが放った攻撃の衝突はすぐに結果を出すことになる。
飲み込んで、消してしまうのだ。そのおかげで、強風はなりやむ。
(私の攻撃が―…、負けた―…。)
と、ヒルバスは、心の中で言う。
ヒルバスにとってはありえなかった。自らの力の多くでその一撃を放ったのだから―…。それは、李章に防げるものではないと思っていたのだ。負けるものでないと―…。
現実は、李章の「生刀 飛撃」の方が威力が上回っている以上、ヒルバスのさっきの銃撃は消されて当然だったのだ。李章の「生刀 飛撃」に衝突した以上―…。
ヒルバスも勝利が欲しいという気持ちがなくなったわけではない。
そうなると、自らが勝利をするために、抵抗しなければならない。生きるという名の選択を―…。
(このままだと、向かってきます。避ける時間もありません。それでも、私には、五つの円盤があります。)
と、ヒルバスは心の中で言うと、五つの円盤がヒルバスの目の前に向かってきて、ヒルバスを守ろうとする。
それは、李章の「生刀 飛撃」が到達するほんの僅か前であり、ヒルバスに直撃するのを防ごうとするのだった。
一方の李章は、
(……………決めてください。)
と、心の中で必死に祈るしかなかった。
もちろん、李章は、そのことを一切表情を出さずに、ポーカーフェイスを貫きながら―…、であるが―…。
そして、「生刀 飛撃」は、ヒルバスの五つの円盤に衝突するのだった。
何とか、ヒルバスに到達させないように、五つの円盤のすべてが必死に防ごうとする。
ヒルバスは、その間に避けようと移動を開始しようとする時、ひび割れる音が聞こえ、それに少しだけ集中してしまう。
もし、ここで、ひび割れる音を気にせず、避けることを実行していれば、李章の攻撃を避けることに成功し、李章にはどうしようもなくなり、ヒルバスが勝利することができたであろう。
ここで、一番ミスをしてはいけないミスをしてしまうのだ。勝敗を決するための―…。
そう、五つの円盤はひび割れて壊され、李章の放った「生刀 飛撃」はヒルバスへと向かい、ヒルバスに当たるのだった。
(五つの円盤が壊されるなんて―…!!!)
と、ヒルバスは、心の中で言いながら悔しそうにするが、表情すでに、いつ気絶してもおかしくなく。
ヒルバスは、後ろへと飛ばされていくのだった。
四角いリングの外へ―…。
そして、ヒルバスは宙を舞い、中央の舞台と観客席を隔てる壁に衝突するのだった。
この光景を見たファーランスは、すぐに勝者を宣言するのだった。
「勝者、松長李章!!!」
と。
この勝利を見た実力者たちは、まるでありえないと思える結果に、空いた口を塞ぐことがしばらくの間、一切できなくなるのだった。
【第117話 Fin】
次回、叫び!!
誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。
次回の投稿は、次回の投稿分が完成した後、この部分で次回の投稿日を報告すると思います。
では―…。
2021年11月22日 次回の投稿分が完成しました。次回の投稿は、2021年11月23日頃を予定しています。第118話は分割することになりそうです。追加要素が大量の文章数になってしまったことによります。