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水晶  作者: 秋月良羽
現実世界石化、異世界冒険編
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第15話 残り一人に

前回までは、礼奈とアンバイドがそれぞれ一人襲撃者を倒すことに成功した。あと襲撃者で戦闘可能なのは残り三人となっていた。

 李章はフォースに蹴りを入れる。

 (決める!!)

と、李章はフォースを倒すという決意を再度確かめるように心の中で言う。

 李章の蹴りの攻撃はフォースの顔面近くにあたる。

 李章は、蹴りを入れた足の離し、距離を保つ。


 少し時間が経って、

 「ぐっ!!いい蹴りだ!!!」

と、フォースは李章に入れられた蹴りに対して、その威力に感心する。しかし、それは、あくまでフォースより弱いがいい筋をしているという程度のフォースの認識ではあるが…。

 フォースはタンタンと音をさせるように歩く。

 「しかし、俺の攻撃を避けるぐらいには素早い。だが、自身の腰にさしている剣を使わずに戦っている限りは、俺を倒せるはずがない。」

と、フォースは勝ち誇ったように言う。それもそのはず。李章は自身の武器である剣を抜き、握って戦っていないのだから。李章は天成獣の力の半分しか発揮させずにずっと戦っているために、天成獣の力を十分に発揮させているものとの力の差は歴然である。純粋な力という面では―…。

 「さあ~、俺からの一撃だ~。」

と、フォースは言う。

 フォースは鎖状の先端を李章に向かって放った。それは、李章に突きを入れようとして―。

 フォースの武器はうねりながら李章を狙う。

 (もし、自分の武器を使って戦っていれば、あんな相手なんて倒せていたかもしれない。だけど、それは―…、自分の意思に反する。)

と、李章は心の底から自らの武器である剣をしようせず、体術のみで戦おうとする。それを貫き通すために―…、

 (今はとにかくフォースの(この)攻撃を避ける!!)

と、李章はフォースの武器による攻撃を後ろへ飛んで避ける。

 しかし、フォースの武器は、

 「まだまだまだぁ~~~~~~。」

と、叫び、連続的な攻撃へと移行する。フォースの武器は、一回目の攻撃が失敗したとしても、軌道を変更することで二回目の攻撃にすぐに移行できる。

 (やっぱり、二連続攻撃ができる!!! これをどうにかしないと!!! そうしないと長期戦となって、襲撃者のリーダーぽい人の戦いで、不利になってしまう!!!!)

と、李章は後ろへ飛びながら回避しているときに、考えていた。ナンゼルとの戦いでどう自らの有利へとはこぶことができるのかを思考しながら―…。


 【第15話 残り一人に】


 矢が飛ぶ。瑠璃目掛けて―。

 これは、イドラが瑠璃に向けて放った矢である。

 その矢を瑠璃は何とか見切りながら避ける。瑠璃では李章のようにうまく避けることはできない。なぜなら、李章のように普段から体を鍛えたり、体術のようなものを経験として積んでいないからである。ローと一週間はそれに近いをやっていてはしても、素人のそれと変わらない。

 イドラによって放たれた矢は地面へと何かを貫くことなくささった。

 (危なかった。普段から李章君と一緒に何か武術みたいなものやっていればよかったぁ~。)

と、瑠璃は少し後悔していた。

 「この攻撃で終わるはずがない!! もうすでに次の攻撃が―…。」

と、イドラは言いながら、矢を弓に攻撃のためのセットをおこなう。

 「ある!!!」

と、言うと、イドラは弓から矢を放った。

 その矢は、一直線で瑠璃を狙ってくる。そのスピードは、瑠璃がさっき避けた矢の速さよりもさらに速いものだった。

 しかし、瑠璃は()()()()()()()()()。イドラを倒すための―…雷の攻撃を。

 「征け!!」

と、瑠璃は言う。

 そうすると、瑠璃の武器である杖の先端からすでに形成していた雷の一撃を放った。

 それもイドラの矢の攻撃の速度よりもはるかに速い雷であった。

 瑠璃の雷の攻撃は、一瞬に近い速度と思われるもので、矢を覆い、イドラをも覆ったのである。


 雷はイドラの周辺までで地面に激突するような角度で放たれていた。

 それは、瑠璃、李章、礼奈、アンバイドがいるテントを燃やさないために、荷物を失わないために―…。

 そして、瑠璃の雷の攻撃が止むと辺りは、煙のようなもので覆われていた。

 煙のようなものは、イドラとその周囲を完全に覆っていた。

 その煙のようなものから、ドワっと何かが現れる。そして、煙のようなものは、左右に分かれ、流れる。そこに空気の流れあるように―。イドラは生きていることを証明するように―…。

 「くぅ……どんでもない威力だ……ぁ。これ……で瑠璃(お前)は終わり……ッ!!!」

と、イドラが言いかけている途中で、雷がイドラのところへ下ろされた。

 これは、瑠璃が赤の水晶の能力を使い、自身の前とイドラの頭上を空間接続していたのである。イドラが倒されていなかったとわかったときすぐに雷の攻撃がすぐにできるようにするためであった。

 これが成功し、イドラは―…雷が止むとともに倒れていった。バタンと地面に。

 「……。」

と、瑠璃はイドラが倒れたと確認すると、無言で自らの武器の水晶玉を眺める。

 (この仕込み杖―…水晶玉から強い攻撃をするために時間がかかるのと、水晶玉より前にある二つの部分を使うことでより威力を強力にできるし、威力も調整可能みたい…。始めて使ってみたけど―…。)

と、瑠璃は自らの武器の使い方の新たな可能性を確信した。

 (仕込み杖がどんな感じかもより確かめてみる必要があるかも。)

とも、思っていた。


 これで、襲撃者は残りフォースとナンゼルの二人だけとなった。

 フォースと李章の戦いは―…。

 フォースの鎖状の武器を李章に向かって、放っている。フォースのその武器をコントロールしながら、李章に自らの武器の先端の剣の先のようなものを当てようとしていた。

 しかし、李章は何とかかわしながらフォースの隙が生じるのじっと待っていた。

 そして、李章は右足で蹴りを入れる。フォースの武器に。

 フォースの武器は李章の右足の蹴りによって弾かれた。

 (なかなか一筋縄にはいかないみたいだ。)

と、フォースは李章のしつこさに辟易していた。このまま李章ばかり相手していれば、李章の他の仲間が参戦してきて、その分の相手もしなければならなくなる。それは、フォースにとっては避けたいことであった。

 しかし、()()()()()()()()()()()()()()()

 フォースは気づく。

 「!!」

 フォースに向かって氷柱のようなものが迫ってきていたのである。

 「甘いね!!」

と、フォースは鎖状の武器をすぐに、氷柱のようなものに向けて放った。

 フォースの武器は先端の剣の先端のようなものが氷柱のようなものとあたり、弾き返した。

 「ちっ!! 互角かぁ~。」

と、フォースは氷柱を弾いたことに対する感想を言う。

 さっきの氷柱のようなものを放った人物である礼奈は、

 「互角みたいだね。だけど、それで大丈夫だとは思わないほうがいいよ。」

と、言う。

 その礼奈の言葉に、フォースは警戒を引き上げた、辺りを見回す。

 すでに、()()()()

 李章がすでに右足でフォースに蹴りを入れようとしている途中であった。

 ゆえに、フォースはとっさに防御の体勢をとろうとするが、そうする途中で李章の蹴りを腹で受けてしまった。

 「がはっ!!」

と、フォースは漏らし、倒れていくのである。

 (くそ!! 隙を突かれてしまった。)

と、フォースは心の中で言う。それが、今の倒れていったときまでの思ったことである。

 フォースは倒れ、気絶した。

 一方で、李章は、何とか立っている状態であった。

 「勝った…。」

と、李章は勝利を確信する言葉を言った。その声は、小さいものであったが、強い確信に満ちたものであった。

 しかし、李章は後ろへと倒れていった。バタンと。

 そう、李章はもうすでにフォースとの戦いで、天成獣の力を半分しか発揮させず、行使しすぎたので、力尽きてしまったのである。もしも、李章が武器である刀を使っていれば、十分に天成獣の力を発揮することができ、今のような状況でも立っていることもできていたであろう。

 李章が倒れたことに気づいた礼奈と瑠璃は、

 「「李章君」」

と、言いながら、李章のもとへと走りながら駆け付けようとする。

 そんな中で、一人だけ冷静にその状況と、ナンゼルを交互に見ていたアンバイドは、

 (あいつ、自らの武器を使用せずに天成獣の力を利用して戦っているのか? 馬鹿なのか。いや、よっぽどの覚悟をもったうえで行っているのかもしれないな。もしそうなら、これからの天成獣の力を操る者との戦いではその覚悟など意味をなさないし、甘くもないのだよ。もしも生き残りたいなら、自らの武器を使え。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。)

と、李章に対する見解を述べた。

 そして、礼奈と瑠璃はほぼ同じくらいの時間に倒れている李章のもとに辿り着いた。

 「瑠璃、見張りをお願い。」

と、礼奈は瑠璃に指示をだす。

 「うん、わかった。」

と、瑠璃が礼奈の指示に対して了解の返事をした。

 瑠璃は、辺りを見回し、警戒のレベルを最大限にした。そして、特に今まで動きのなかったナンゼルを注意しながらであった。

 礼奈は、李章に心臓部あたりに両手を上から掲げた。

 「青の水晶」

と、礼奈は言う。そうすると、水晶が青く光りだした。

 礼奈は青の水晶の能力を使って、李章の体力を回復させようとした。

 そして、徐々に李章は体力を回復させていった。

 

 李章を回復させている光景を見ていたアンバイドは、

 (あの光は…!! まさか…水晶!!! ってことはあいつら、魔術師ローと確実に接触している。そして、譲り受けたのか水晶(あれ)を…!!!!)

と、確信する。アンバイド自身も魔術師ローについて知っているし、接触は何度もしたことがある。いや、むしろ接触しないということがない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()―。

 アンバイドは、

 (こりゃ~、(ツキ)があるのかないのかわかんねぇ~なぁ~。)

と、自らの人生の運に対する一つの見解を思うのであった。


 少し時間が経った。1分もしないほどの時間であっただろう。

 「うん、これでひとまず大丈夫。」

と、礼奈は言う。礼奈は李章の体力をある程度まで回復させることに成功する。これは、戦闘をおこなうことができるというレベルにまでであるが…。

 そのとき、ナンゼルが言う。

 「さあ~、これで準備が完了しました。()()()()()()()には感謝しないといけません。本当にありがとう、私の天成獣の力を使うことができるようになるための準備に協力していただいて。そう、私の天成獣の力を使うには時間がかかってしまう。私以外の六人との戦いで準備することができました。私の力―…」

と。

 そして、瑠璃、礼奈、アンバイドは驚かずにいられなかった。

 そう、あまりにも強いと思わされるほどの天成獣の力を感じたからである。

 一方で、自らの言葉のためをつくったナンゼルは言う、

 「夢喰刀(むさんとう)

と、自らの武器である刀の名前を―…。


 【第15話 Fin】


次回、夢喰刀の実力やいかに?

誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。

ランシュの刺客であるナンゼルらの襲撃もそろそろ佳境にさしかかっています。次は―…ルーゼル=ロッヘかなぁ~?

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