第13話-2 それぞれの相手
投稿を再開していきたいと思います。不定期とはなりますが…。
前回までは、瑠璃、李章、礼奈、アンバイドが襲撃者と対峙する。さて、どうなっていくのか。
一方、瑠璃については…。
ナンシが瑠璃の放った電玉による攻撃を受けていた。ナンシは叫び声をあげていた。ナンシは電玉によって感電させられていた。
そして、瑠璃の放った電玉の攻撃が止んだ。そのとき、ナンシは立っていた。
「はあ…が…………あ………………。」
と、息荒げながらであるが…。
しかし、ナンシは前へ向かって体が倒れていったのである。瑠璃の電玉の攻撃によってすでに意識は途切れてしまっていた。
それを見て、
(まず私一人で、一人分を倒すことができた…。あと残りは五人。)
と、瑠璃は状況を整理していた。
バタン、と人の倒れた音がした。そのことで、瑠璃は確実にナンシを倒したことを確信した。
瑠璃は、
(次は誰の相手をしたらいいか…。って、それはもう決まりきっているよね。)
と、考え、次の相手はすでに決まっていた。近くにいたのは、ナンシの双子の―…、
「いかせねぇ―。ここでお前を―……」
と、言いながら矢を弓に接して次の攻撃に構え、
「ブッ倒す!!!!」
と、言い、矢を弓から放った。
その矢は、瑠璃目掛けてものすごいスピードで風を切りながら迫ってきた。
(ここで早くイドラを倒す!!)
と、瑠璃は心の中で決意した。
礼奈は、ファンシと対峙していた。
ファンシは自らの武器である槍を持ち、自らの目で見える方の先端にゴオーと火をたてながら―。
「この力で礼奈の氷をすべて溶かさせてもらうでぇ~。」
と、ファンシは言う。礼奈の氷の攻撃などファンシ自身の天成獣の属性である火を使うことによって意図も容易く溶かすことができるから。そのファンシの表情は楽勝と思わせる表情だった。
(この火の能力はどうにかしないといけない。でも、どうしよう? 天成獣の属性に氷はない。なら~…やれる!!)
と、礼奈は確信をもって結論にいたった。
そして、礼奈とファンシの両者は、しばらく動かずにいた。
それにシビレを切ったのは、
「礼奈が攻めてこないのなら―……、この俺が攻めさせてもらうぜぇ~。」
と、ファンシは言った。そして、ファンシは、自らの武器を構えた。それから、自らの武器を自身の右側へと回し、左へ回転させる。だいたい180度前後の横半回転である。そして、ファンシの武器が回転した軌道から炎が放たれた。そう、回転の軌道から放たれた炎は、ファンシのいる場所から礼奈のいる場所へ目掛けて向かっていた。
「四蛇砲」
と、ファンシが言うと、炎は蛇の形となった。その蛇の数は四匹。
ファンシの放った炎は、礼奈を燃やす尽くそうとしてその炎の牙を光らせながら向かってきていた。
そして、礼奈は自らの身を守るために、
「我が身を守れ。」
と、言い、氷の盾を礼奈自身の目の前に展開する。
この氷の盾は、雪の結晶を氷の上に装飾されていたのである。
四匹の炎の蛇は氷の盾に衝突する。
炎の蛇は、礼奈が展開した氷の盾を溶かそうとして、自らの原型を留めずに氷の盾に襲い続けた。それでも氷の盾はなかなか溶けようとはしなかった。
(くっ!! 氷の盾など簡単に破れる…こんなものに……。)
と、ファンシは思う。そう、氷は炎に弱いということは当たり前のことだとファンシは考えていた。氷は炎によって溶かされて水になるのだから―。
(今は、とにかく回避しないと!!)
と、礼奈は思った。ゆえに、回避の行動をとろうとした。
そのとき、礼奈が展開した氷の盾の中央部に穴が開き始めていた。ファンシの放った炎の攻撃がついに、氷の盾をやぶることに成功しようとしたのである。
氷の盾をやぶることに対して手応えを感じたファンシは、
(しぶとい氷の盾だな…。だが、こんなもので時間を稼いだとして意味がない…。炎は氷を溶かすことができるのだからな…。)
と、心の中で言った。
氷の盾の中央に開けられた穴は、徐々に広がっていった。
それに危機感を感じていた礼奈は、とにかく今いる場所から離れようとした。そして、今の位置がある程度の距離へと移動することに成功する。
しかし、それは、ファンシにも見えたのである。
「逃げようとしても無駄だあああ――――。」
と、ファンシは叫び、氷の盾の穴の開いた中央部から炎の蛇の一匹が礼奈に向かってきたのである。
礼奈は炎で燃やし尽くすことを己が使命として―。
「!!!」
と、礼奈は危機感を表情にあらわした。
その危機に対処するために、礼奈は再度、礼奈と炎の蛇がいる直線上に氷の盾を展開した。
そして、炎の蛇は氷の盾に目掛けて突撃した。
この衝突は、凄まじい音をたてたのである。
その凄まじさに、
(ぐっ!! 相殺か!!!)
と、ファンシは思う。それは、炎の蛇と氷の盾によるぶつかることによる音の凄まじさによってである。
そして、衝突による音の後には煙のようなものが氷の盾があった場所にできていた。
この煙のようなものはしばらく続き、晴れていった。
その中でファンシは見る。
(次はどうやる…、!!! なんだあれは……。)
と、ファンシは思った。そう、煙のようなものが晴れていくと―…、そこに現れたのは―………。
武器である槍をすべての面で氷で覆っている礼奈の姿であった。
その姿に、ファンシは驚いた。しかし、すぐに元の表情に戻った。そう、氷は炎によって溶かされるという当たり前の常識によって驚きから引き戻したもらったのである。
「さて、ファンシの負けは決まりました。ここで、この戦いを終わらせていただきます。」
と、礼奈は言う。その表情は、礼奈自身の勝利を確信した真剣な表情そのものであった。さらに、礼奈言った言葉は、礼奈自身の嘘偽りのない真のものであった。
(くっ!! 舐めたこと言いやがって、あの礼奈が~……。)
と、ファンシは歯ぎしりをさせた。そう、ファンシ自身が礼奈に舐められているのではないかと思わせる表情と言葉を礼奈がしたからである。
ファンシは、礼奈に対する怒りを感じた。自らの天成獣の属性である火のように―…。
【第13話 Fin】
次回、礼奈VSファンシは決着か?
誤字・脱字に関しては、気づける範囲で修正していくと思います。
『水晶』の小説全体のPVの累計が、100を超えていました。次は、1000を超えられるように頑張っていきたいです。
さらに、今投稿している第1編だけで300話前後となりそうな気がします。あくまで予想ですが…。