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入学~初めての謹慎

高校編スタートします

2007年4月_



ある商業高校に入学した



そこの野球部は確かに凄くしっかりしていた


まず各1年生には2年生が1人1人指導係として付いていく

この年は2年生の倍ぐらい1年生がいたので1人につき2人ずつぐらい付いていた


俺の指導係は大津さんという人で、めちゃくちゃ声が大きくて、背は低いんだが、器の大きな人だった

俺はこの人にはとても迷惑かけたし、今でもこの人のためなら何だってしてあげたいと思う


向こうは嫌がりそうだけど


ともかく、指導係からは様々なことを細かく教わる


挨拶の仕方


上級生や先生方、来賓の方々には挨拶が必須項目である

しっかりと止まって腰を折って、"こんにちは"


止まらないとまぁ怒られた



次に野球ノート


毎日監督に提出する野球日誌のことだ


1日の反省や今後の目標をはじめ、時には四字熟語を調べて書いたり

読書を義務付けられ、感想を書かされたこともあった

そして何よりボールペンである


最初は下書きしたりしたが、

ボールペンで書いて、間違えたら二重線で消す

おかげで今でもボールペンは得意だ


監督が毎日全部員のをチェックし、誤字があればチェックが入り、

いい部分にはラインが入った


まぁ、1年生のノートをどこまで真剣に見てたかはわからないけど


ノートは、1年生の時はラインが入った普通のノートを使い、

2年生からは無印の分厚い自由帳みたいなのに書いていく

これのおかげでまっさらな紙に、真横に文章が書けるようになった

普通の人は右上に向かっていくだろう

俺らも最初はそうだった


このノートは後々素晴らしい財産になる


野球をやっている奴らは結構学力が低いやつも多かったんだが、

これのおかげで文章を書いたり読んだりする人生に必要な部分を磨けたのだ


野球部として活動していくと、どうしても授業中集中出来なくなる時間があるが、

このノートのおかげで人間として落ちぶれなくて済んだとは思う

なんなら前よりも頭が良くなった奴も多いんじゃないか?



その他、礼儀と言われる部分は細かく教わった


一人称は、"自分"


先輩や目上の人の呼び方は、さん付け


今思うと、監督という尊敬語にさんを付けたのは誰なんだろ?

"監督さん"と読んでいたのだが、

何故か監督と呼ぶと"俺は友達じゃねぇ"って怒るんだよね確か




ってな感じで、

1年目は指導係に色々と学びながら、最初はほぼランニングとトレーニングの日々だった


グラウンド整備はみんなでやるのが普通なので、全員でやっていた


最初こそ1年生も34人いたが、最終的には28人に減る

まぁそれでも3学年で1番多かった


1年生の途中から、この1年生は真ん中で真っ二つに分かれていることがわかった


"推薦組"と"一般組"


推薦組は主に硬式のシニアやポニーでやってきた奴らだった


中には軟式の強い中学出身の奴らもいたが、軒並み野球が上手かった


イメージでいくと、野球の技術は、俺が3年間で身につけたものをすでに持って入学してきた感じだ


メンタル面では、1枚も2枚も剥けていて、ずる賢かったり、人生論みたいのをすでに持っている奴もいた


今思えば、奴らは俺と違って高校までの間、濃い人生を歩んできていたんだと思う


1人、俺の憧れた人間がいた


それは3年間同じクラスだった戸羽である


戸羽は背は低めだが、リーダーシップ溢れる人間だった

常に自分の役割や立ち位置を知っていたし、操ってもいたんじゃないかな


1年生の頃は力関係を見るために色んな人を観察していたと思う

甘々だった俺にさえ色々と探りが入っていたぐらいだ


まぁすぐにでも、"こいつは大丈夫"って思われたとことだろう


案の定そこを見込まれたのか、3人の1年生の責任者のうち1人となっていた



入学して1.2ヶ月が経った後、俺は第一回目の"謹慎"をすることとなる


これは指導係の大津さんのおかげで、半日ぐらいで終わったのだが、

監督はこの時期1年生を相手しない

つまり、俺の代わりに大津さんが怒られるのだ


それがまた精神的にキツイ


まぁ何をしたかと言うと、


保健の授業のスタート時、鐘が鳴る直前まで俺の新しいグローブをクラスの6人いる野球部で触っていた


やっとグローブが帰ってきたと思ったら鐘が鳴り、俺は先生が"前から"来るの見ながらいじっていた


そうすると、

"ガラッ"

後ろの扉が開いた


そのままグローブは没収され、どうやら監督の元に届けられたらしい


その後は、休み時間に監督のいる部屋の方に行くと怒声が飛んでいた


"ふざけんじゃねぇよ"


もうすでに指導係の大津さんが呼び出されていて、怒られていた


練習開始しても許されず、俺らは制服のまま謝罪を続けた


相手にされるまでは外を箒で掃除していく


俺の指導係とは別に、俺の件で揉めてる最中監督のかんに触った2年生の代表の1人も一緒になって制服だった


この日1日、本当に申し訳ない思いで一杯になった


解放されて謝罪したら、指導係の大津さんにこう言われた


"お前は悪くない、全て俺の指導不足だ。だから気にするな"


この日のことを忘れることは二度とないだろう



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