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1.俺は赤ちゃん!!
「よかった、よかった…」
意識を取り戻した途端若い女性の泣きそうな声が聞こえる。
誰の声だ?俺のおふくろじゃないし…俺彼女いたっけ?つーか、目が開かない。失明したのか?とりあえず今の状況聞くか。
「オギャー」
えっ?
俺の声に被せるように赤子の声がした。いや、被せたんじゃない。発せられたんだ俺の口から。
はっ?なに思ってんの?俺が赤子みたいな声が出るわけないじゃん。
「オギャーオギャー」
……
マジだ。どうなってんの?
「生まれてきてくれてありがとう…」
泣きそうな声がまた聞こえる。そして暖かい手が俺を包む。
えっはっ?生まれてきたどいうこと?
冗談だと思いたかったが俺抱く手がやけに大きいことに気づく。女性の手ではない。どころか、人間の手ではないほど大きい。だが、形は人間の手だ。俺はやっと理解した。俺は赤子になったんだと。
【①生まれ変わったということを潔く認めよう!!】
否定しても事実はかわらないぞ!時間の無駄だから諦めよう!