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どういう事だ
いい匂いがした。
ご飯匂いとかじゃなくて、草とか花の、自然のいい香りがした。
そよそよと流れる風は緩やかで、足元は陽にあたっているのかとても暖かく、背からは確りとした、でも柔らかな土の感触がした。
あの忙しくて、毎日が同じような日常からはかけ離れたこの状況に、興味を惹かれて閉じていた瞼を緩やかに開かせる。
広がっていたのは青空で、僕はようやく自分が背から地面に倒れていることを実感した。
思っていたよりも冷静な思考は早くも状況の分析を始めていた。
どうやらここは周りの土地よりも小高く、面積の小さな丘の様なところで、その丘のちょうど真ん中に植えられている果物の木の下に僕は居るようだ。