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第5話 衝撃波(インパクト)〜ユウタ

ヨウコが遠隔催眠テレメスで探し始めて、僅か数分。


先ず初めに、直ぐに、探していた一人と交信出来た。


だが、その交信は直ぐに断ち切られてしまう。


「え?どういうこと。。私の能力は一方的に心の中に入る催眠なのに。。なぜ打ち消せるの?」


次の瞬間・・・。


<ははは。これが、僕の能力だからさ。>


その声の主は、さっきヨウコが初めに呼びかけた人物だ。


<驚いたよ。この能力は僕だけのものだと思っていたからね。>


<実は私も驚いているわ。世の中に、こんなたくさんイオと呼ばれる人たちがいるだなんて。>


<ところで、君の能力は、テレメスかい。そうやって、みんなに催眠をかけて、自分の手下にしようとしているんだろうけど、それは俺には無理ってもんだよ。>


<・・・>


<ね。今、催眠かけようとしたでしょ。でも、ムダムダ〜。ははは。>


ヨウコは怖くなってきた。

自分の能力が絶対だと思っていたのに、なんと、同じ日に、二度も、催眠にかけれない人物に出会ったからだ。


<と、言うことで。またっねぇ〜。>


<ちょっと待っ・・・>


交信は途切れた。


なぜ読めなかったのか。。。


今の人物の能力は何だったのか・・・。


納得がいかないまま、再度、別の人物にチャレンジした。


次は比較的早くキャッチ出来た。


<なんだ!>


その声の主は、今度は何事だと言わんばかりに(おび)えていた。


さっきとは別の人物だ。


ヨウコは今度こそ交信が途切れる前に、テレメスで催眠を掛け、自分の意のままに操る様に持っていこうとした。


<・・・>

<・・・。。わかりました。>


非常に催眠がかかりやすい相手だった。


早速、ジンが察知し、時空操作ディメンションでその人物の確保に乗り出す。


ヨウコは、その一部始終を見て、改めて、ジンのパワーの脅威に驚かされた。



先ず、ジンはディメンションで空間に穴を開け、テレメスで催眠にかけた人物を出した。


一見、ただ、映像が空中に投影されているだけだと思っていたものが、実は、こちらの空間とあちらの空間が繋がっていて、一種の距離のないトンネルになっているのだ。


その人物は、ちょうど20歳後半といったところか、まだ、あどけなさが残った、177cmほどある、今風のスポーティーな青年だ。


トンネルが繋がった場所を見る限り、そこは、道場なのか、畳の上で、道着を着た人たちが、組み手の練習をしているところだった。


だが、驚くことに、その練習風景は静止画の様に、そう、まさに一枚の写真の様に、全員が停止していた。


そう、まさに、向こう側の空間だけ、時間が停止していたのだ。



(ジンの能力、、、信じられないわ・・)

ジンに脅威さえ感じた。


(この能力ですら、(かな)わない相手って、一体・・・)

ヨウコは今すぐ、ここから逃げたい衝動にられていた。


ジンは、練習途中の格好のままの青年をこちらの空間に移動させ、


「ヨウコ。今、この道場にいる、いや、彼に関連した全ての人に、テレメスをかけて、彼の存在を記憶から消してくれ。ちょっとの間、彼を借りるんでな。」


ヨウコは、すぐさま、言われた通り、その道場以外にも、親族や友人に至る、関係あるであろう全ての人に、テレメスをかけた。


そして、パラジンは開いた空間のトンネルからその青年を抱え上げ、こちら側へ引き寄せた。

そして、時を動かした。


青年はテレメスにより、「ジンは総隊長」と思い込んでおり、


「あ!総隊長!ここで何をされているのですか?!」


「自分の名を先ずは名乗れ。」

そう言いながら、知るはずもない初めて会うこれからの仲間に、あたかも、無礼者と装い、自己紹介をさせた。


「え?・・あ。はい。自分は、清水 優太ユウタです。」

「よし。ユウタ。いいだろう。では、自分の特技を言ったまえ。」

「どうしたんですか?総隊長。忘れちゃったんですか?」

「ばか者!気を失っていたんだろ?!再確認をしてるんだ。」

「は!私の能力は衝撃波インパクト。私の手に触れたものは全て衝撃で爆破します。」

「!・・気体も、か?」

「・・はい。もちろんです!空気であろうと、水であろうと、地面であろうと、私が触れるもの全てに衝撃を与えます。だから、総隊長は私を特攻隊長に任ぜられました。」

「・・・そうだったな。記憶は問題なさそうだ。」

そういいながら、ヨウコの方をちらっと見た。


<こいつはヤバイぞ。しっかりと催眠かけ続けてくれよ>

<・・・わかってるわ>

<ところで、特攻隊長って・・・?>

<その肩書きをつけた方が良さそうだったんで、勝手に植え付けたの。>


「わかった。そこに座っててくれ。」


そう言いながら、ジンはユウタの催眠が切れたら・・と考えただけで恐ろしくなった。

時間を止めるよりも早く飛ばされるかもしれない・・・。


しかし、笑みがこぼれた。

「最強の仲間」が出来たことに。


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