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第4話 光操作(チャネル)〜ヒョウマ

遠隔催眠(テレメス)の能力に覚醒したヨウコは、宇宙意識で全ての人の脳にアクセス出来る「イオ」に覚醒していた。


相手を覚醒させれば、24時間、365日、そのもの同士で、いつでもどこでも感覚を感じさせる催眠も可能だ。


例えば、ヨウコがAとBにテレメスをかけると、ヨウコを含め、AとBはその時点から、互いの5感を共有出来ることになる。


「私は、、、どうしてしまったのかしら。。。」


自分自身に特異な能力に、相当な違和感を覚えながら過ごしていたある日、消息を絶っていた元パートナー・ジンの感覚がヨウコの脳を刺激した。



<ジン?ジンなの?この感覚は、ジンなのね。>

ヨウコは職場にいた頃のジンをテレメスで感じ、気付けば、咄嗟(とっさ)に脳の中で彼に呼びかけていた。


<ヨウコ?>


ジンであろう人物の声が脳の中でコダマする。


<やっぱりジンね!そうよ。私、ヨウコよ。実は、私も戸惑っているけど、今、あなたの脳に直接話しかけているみたいね。。。>


<・・と言うことは、君は、イオだったのか!?>

ジンは脳に直接話しかけるヨウコが能力者であることを素早く理解した。


<イオ?例の超能力者のこと?私にはよくわからないけど、確かに、とても不思議な感覚だわ。

今までに感じたことのない、、、なんて言うか、自分の脳が、サーバーになったかの様に、いろんな人の脳と繋がっている様な、、、そんな感覚だわ。

事実、こうしてテレパシーの様に会話してることだしね。

それはそうと、ジン。あなたは今、どこにいるの?みんな心配してるわよ。

どことなく、無の空間にいるような・・そんな感じがするけど。。。>


<どうやら、俺は今、夢の世界、パラレルワールドにいるようだ。>


<え!?どういうこと?!あなたが夢の世界にいるの?!これは夢?>


ヨウコは自分が夢を見ているんじゃないかと、ほんの少し疑った。

しかも、今、話している相手は、ついさっきまで行方不明の男性だ。

その男性が、自分は夢の中にいると訴えている。

更に、その相手と脳の中で話をしているではないか。

本当に気が狂ったか、夢を見ているかのいずれかでしかない。


<ドリームメーカーで時空をゆがめ過ぎたのが原因かわからないが、とてつもないエネルギーで、夢と現実の時空を入れ替え、閉じ込められたようだよ。>


ジンが話をしていた、そのとき。


「ハーイ!」


突然、身の丈180cm程もある、見ず知らずの男が、ヨウコの目の前にいきなり現れた。


ヨウコは突然の出来事で、驚きから声が出なかった。


次の瞬間、目の前が真っ暗になったかと思うと、その男は、知らぬ間にヨウコの真後ろに立ち、吐息をヨウコにかけた。


「フッ。いい香りがするね〜。」


「あなた!いつの間に・・。」


ヨウコが振り返るよりも早く、前に、横に、後ろに、また前に、ありえない速度でヨウコの周りを回り始める、というよりはむしろ、分身してるようにも見える。


そして、、、。


最後には、消えてしまった。


<ヨウコ!ものすごい恐怖が君から伝わってきているが、何かあったのか!?>


ジンはヨウコの恐怖を自分のことのように感じ、能力を発動しそうになった。

そう、ジン、彼もまた、イオだったのだ!


<今、知らない男性が私の目の前に現れたかと思うと、ものすごいスピードで移動したかと思うと、最後には消えたわ。

まさか。。。イオ?>


「どーこだ?!あはは。俺の姿が見えないだろ〜?透明人間だからな〜。」


透明人間?

震える手を抑える。


「イオなんでしょ?!」


ヨウコは恐怖で震える声を抑えながら、必死で平静を装った。


「なぜそれを知っている?!」


「あなたの能力も分かるわよ。」


ヨウコは恐怖を押し殺し、(したた)かに相手にカマをかけ、必死で脳への侵入を試みた。


しかし、相手は実在していないかのように、脳が捉えれない。


「君。俺の正体知ってるってこと?」


男性が、一転、動揺した。

その一瞬をヨウコは逃さなかった。


そう、逃さなかったはずだ。。。


「さては、君もイオだな。何を企んでやがる!」


脳にアクセスしようとしているのが、気づかれた!!


一瞬捉えた実体が、次の瞬間、見え無くなり、声だけがヨウコに投げかけられる。


「キサマ!テレメスの能力者だな!俺を操ろうとするとは、許さんぞ!」


<え!?一体、どういうこと?なぜそこまでわかったの?>


次の瞬間、実体がないエネルギー状の物体が、ヨウコを一気に締め上げた!


()られる>


息が出来ない。

殺意を感じたヨウコは、咄嗟(とっさ)


<やめてー!!>


心で、無意識にそう叫んでいた。


すると、気付いた時には、締め付けた物体は体から離れていた。


<信じたくはないが、おそらく、彼は光操作(チャネル)の能力者だ。>


気付くと、ジンが呼びかけてきていた。


<ジン!?私はどうなってしまったの?>


ヨウコは自分が締め上げられたとこから記憶が飛んでいた。

しかも、男性は、ポッカリと空いた空間のその向こう側にジンと一緒に、背中を向けて立っているではないか。


<一体、何が起こったの?>


<今のうちに、遠隔催眠(テレメス)で、この男に「ジンが総隊長で、貴殿はアルファ部隊の一隊長」だと、催眠をかけてくれ。>


<。。。分かった。だけど、なぜ彼がそこにいるの?>


そう言いながらも、さっきから、ヨウコはジンの心にも入ろうと試みていたが、入れず、彼の本心が見えず、今、何が起こったかも理解出来ていない。


<なぜ、心に入れないか?そう考えているね。そんなに強く思われちゃ、心の声だから、嫌でも聞こえてくるよ。>


<あはは。そうね。でも、何が何だかサッパリ。。。>


<実は、俺は、時空操作(ディメンション)の能力者。そのため、脳内コントロールしているから、いくら他人が入ってきても制御出来ないんだ。>


<ディメンションですって!?>


ヨウコは、昔、本で読んだことがあった。

この世の最強とされるカテゴリー、時空操作、ディメンション。

その能力を同僚が身につけて、今、目の前に現れたというのか。


<彼の名はヒョウマ。光操作(チャネル)が能力だが、幸い、このまま味方に出来そうだ。敵に回してはならない一人だな。もっとも、能力者自身がクレバーじゃなくて助かったよ。さ。このまま、部下になるように催眠をかけてくれ。>


ヨウコは思った。

ジンとヒョウマ、この二人だけで世界をどうにでも出来てしまうのではないかと。


これから何が起こるか半信半疑のまま、ヨウコはジンの言うとおりにした。

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