2 私たち学校にいます
私たちは学校に着いた。
自転車で来たから時間には余裕があるみたいだ。
そのせいもあって校舎の前にはまだいっぱい生徒がいる。
「橙真くん、クラス見に行こうよ!」
私は橙真くんの制服の袖を引っ張って掲示板の方へ走っていった。
「あっ、見て橙真くん!!私たち同じクラスだよ」
心細かった私は橙真くんと同じクラスだった事に心から喜んだ。
「ほんとだな!やったぜ、咲月!!でも校舎は違うんだよな・・・」
「あ、そっか・・・」
忘れがちだがここは男女別々の校舎なのである。
でも、橙真くんも喜んでくれているみたいで嬉しかった。
「ちょと、なに2人手なんか繋いじゃってるの?」
「げ、総史郎!!」
「総くん、じゃなかった。古城先輩!!」
この人は私と同じアパートに住んでいる古城 総史郎さん。
私より1つ年上である。
先輩は私が 古城先輩 と呼んだことにムッとしているようだ。
「いつもの呼び方でいいのに。君ってホントにくそ真面目だよね。」
そんなことを話していると、私たちに誰かが近づいてきた。
「まじめなのは良いことだ。総史郎、あんたも少しは咲月を見習え!!」
「うわ、亮くんまで・・・」
この人も私たちと同じアパートに住んでいる人で、日向 亮さんだ。
古城先輩と同じ学年。
「日向先輩、おはよう御座います。」
すると、日向先輩も私の言葉にムッとする。でもすぐに微笑んでくれる日向先輩はやっぱりいい人だ。
「その方が、面倒な事にはならないだろう。」
「面倒なこと??」
私は言っている意味が分からなくて首をかしげた。
でも先輩は私の疑問には答えてくれない。そのかわりに頭をなでてくれる。
「??」
私はいろいろと考えてみるがやっぱり分からない。
するとその時後ろから橙真くんの悲痛な声が聞こえてきた。
「おい、総史郎!!かえしやがれ!!!!」
どうやら橙真くんは古城先輩に何かをとられたらしい。
橙真くんは私の事など気にせずそのまま走っていってしまう。
「え、うそ!橙真くん!!!!」
それに、日向先輩も風紀委員の人に呼ばれて仕事に戻って行ってしまった。
今、私は1人ぼっち・・・・・・
教室に行こうとも行き方なんて分からない。
周りにいる人達は知らない人ばかり。
(せめて同じクラスの人とか・・・)
そう思った時だった、
「・・・あなた、もしかして迷ってる?」
私の後ろで女の子の声が聞こえた。
読んでくれた方感謝です^^