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VOICE  作者: 沙由
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一声 オフ会 の Ⅲ

それでも、それを乗り越えねばならない、もしくわそれと正面衝突しなければならないというものだ。

「進、後はヨロシクね」

「おぅ」



 歩はオフ会当日の朝、進の部屋で最後の打ち合わせをしていた。

歩としては正直、進とこんな最高な日に朝っぱらから話すなんて嫌なことでしかなかったけど、まぁしょうがない。


この打ち合わせが無いと痛い目を見るのは歩自身なのだから。


 それに、歩の部屋からは脱走ができない。

だってベランダも窓さえないのだから、歩の部屋は。

そこから逆に一体どうやったら脱走なんてできるのかって話。


というわけで、歩は脱走したい時はいつも進の部屋に行くしかなかった。



「だけどさ歩、出かけるなんて一体何処行くんだ? 危ないところに行くのはお兄ちゃんが許さないぞ」

「否、ただのオフ会だし」



(っておい自分。なに進に本当のことはなしちゃってるの!? こんな奴に話しちゃうなんて調子に乗りすぎよ。気分いいからって何でも話すこと無いでしょ?)


 歩はそう自分に問いかけながら大きなため息をつく。でも歩はただ沈むだけじゃない。



「じゃあ、進はこの後どうするの? っていうか、今日何かあるでしょ?」


 歩は逆に聞き返す。



歩の信条の中には『目には目薬を。歯に入歯を。質問には疑問を』というものがあるが、それを行使しているみたいである。


尤も、なにか間違えているような違和感を覚えるような気も、しないではないが……。



「えっなんでわかるんだ? お前エスパーか。ならスプーン曲げ……」

「できないから! 古いから!」

「つまり君はエスパーであることは否定しないんだね?」

「あっそっちは本当」

「マジかい!? それお兄ちゃんめっちゃびっくりなんだけど。早くマスコミに……」

「うるな! 実の妹を。嘘だから」

「えっじゃあなんでわかったの?」

「服装」

「あ……」



 その時の進の服装はTシャツにジーパンという格好であり、それは進にしては地味すぎるのだ。


否、意外にも高い身長や長い足、あと綺麗に筋肉のついているスマートな体を見せ付けるのだとしたら、それは充分すぎるほど役目を果たしているのだが、進はそういう趣味はない。


 っていうか、毎日だらだらととっかえっひかえ女と四六時中デートしている進にしては、違和感を感じずに入られない格好なのだ。


何時もの進のいかにもナンパ男だみたいな格好と違いすぎて、むしろ違和感を感じるほど。



「君はきっと冷蔵庫教授レベルに頭がいいんだね」

「っていうか、君口調が悔しいほど格好いい。そして、『冷蔵庫教授』じゃなくて『レイトン教授』、最近はやりのゲーム名を泣きたいほどダサくするな!」

「こんな見た目はロリっぽくって可愛いのにいつからこんなツンデレちゃんになっちゃったんだろうか?」

「ツンデレなのは進の前だけだから!」



 いい加減にしろとでも言うように歩はどなる。みんなと会うからと丁寧に結んだツインテールがぐしゃぐしゃになっていく。


尤もそのことに歩は全くきづいてないが。



「それで、今日は一体何があるの?」

「山猫族とけんか」


 歩はまたまた大きなため息をつく。高校生にもなってけんかか……とでも言うように。



 山猫族とはヤンキーとかとにかくけんかが強い奴が集まったグループである。


ついでにその勢力の大きさは関東一ひいては東日本一と昔から言われていて、やくざの会社の檜垣組ともつながっていると噂されている。


そして、そこのリーダーと日本内で唯一ためをはれるのが、進だったりする。


 尤も、進はほとんどけんかはしない。それは温厚な正確だからなわけではなく、グループでつるんだりしないのでけんかしなければいけない機会が少ないだけの話である。



「けんかって意外と体力消耗するんだぞ、馬鹿にするな!」


「否、それ当たり前だから。馬鹿にはしたけど……」

「したんかい!」

「まぁそういうこと、んじゃ私は健闘を祈りながら仲良くお茶でもしながら喋ってるね」

「あ、そういえばオフ会だったんだっけ。とにかく気をつけろよ。実は相手は変なおっさんで、変なことをされるみたいな事件も結構あるんだからな!」

「大丈夫。みんな信用のある人だから。自殺オフじゃあるまいし」

「あっそうそう。なんかいきなり出会って殺されたりするなよ! もしそんなことあったら竹口家一生の恥だぞ」

「一生とか大げさな」


 歩は微かに笑みを浮かべる。今までの緊張がやっとほぐされたとでも言うように。



「では、いってきます。健闘をいのる」


 歩はそういうと進の部屋の唯一の窓をあけて屋根に降りる。


そして、さらに近くにある物置の屋根を探してまた其処に降り、ポイントはその後。その場所の近くには窓があり其処からみられたら一巻の終わり。だから、その間進が親をひきつける。



「おはよ」



 進のそういう声が聞こえ、まどが彼のTシャツの色に染まる。

これは、窓の目の前が進の朝食を食べる席、其処に進が座れば自然に起きること。


 チャンスは今。


 歩はすぐに近くの木の枝に飛び移り、ゆっくりとおりる。

最後に、木下に予め進に用意してもらった靴を履いてこれで完了。


 そして、門から出た後最寄の公園に行きポシェットの中身を確認する。



「ハンカチちり紙OK。携帯OK。あとはお菓子もOK財布もOK。よっし、いざ出陣」



 歩は駅に向って走り出した。


なんか空間の空け方が変ですみませんm(__)m

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