貴男色のお花を
好きな人の本当の色は、いつまで経っても分かりません。
だからこそ、私の中の「あなた色」は日々かたちを変え、季節とともに揺れ動いていきます。
雨の日の匂いと、終わりゆく夏の気配の中で紡ぐ、小さな想いの手紙です。
あなた色のお花
わたしが勝手に決めたあなた色の。
それをあなたに贈ります。たぶん、属の柄ではない。
とかなんとか言って、あなたは照れるのです。
それでもわたしは良いのです。本当に知らないあなたの好きな色。でもいつかはきっと、正解が見つかるのです。だから、わたしにとってのあなた色は、毎日のように変化します。
あなたはそんな色をなんだと思っているのでしょう?
こちらは雨が降っています。傘に跳ねた水玉が、スカートの裾に落ちました。これはあなた色でしょうか?いいえ違います。あなた色はもっと、きっと、こう淡いのに御座います。
今度はあなた色の傘 を贈ります。
あなたかま気に入るかどうかわかりはしませんけれど。
あなただけに染まったたあなた色の夏ももう終わります。ようやくわたしは自由になれることでしょう。夏バテももう治る頃でしょう。
あなた色の秋の虫を探してみます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
好きだからこそ掴みきれない相手の色と、移ろいゆく季節の切なさを描いてみました。
あなたの心にも、少しでもあたたかな「あなた色」が届いていれば幸いです。




