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イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜  作者: 天咲リンネ


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17/33

17:ショッピングモールに行こう(3)

「あれ? 成海くんと来見さんじゃん」

 千聖くんと揃って声が聞こえた方向を見ると、春川さんたち三人組がいた。


「偶然だね。二人で買い物してるの?」

「もしかしてデート中?」

「なっ」

 声がひっくり返った。

 デートって、なんでそうなるの!?


「あたしたち、お邪魔しちゃった?」

 吉田さんはニヤニヤ笑っている。


「違うよ、デートじゃないよ! ただ買い物に来てるだけで――」

「デートだろうが何だろうが、吉田さんたちに関係ねーだろ」

 冷たく言う千聖くんを見て、私は心底驚いた。


 クラスメイトの前なのに、千聖くんが猫被ってない!!

 素で対応してる!!


「え……それは……」

「仮にデートだったら何? 何か問題でもあるわけ?」

「そ、そんなことはないけど……」

 吉田さんの顔はひきつっている。

 千聖くんにずばずば言われたことがショックだったのか、『王子様』の仮面を外した素顔がショックなのか、それともその両方か。


「わざわざ声をかけてくるってことは、おれか愛理に用事があるんだろ? 何? 春川さん」

 千聖くんはグループのリーダーである春川さんを名指しで呼んだ。

 春川さんの肩がびくっと震える。


「う、ううん、特に何も……」

「そう。じゃあ、おれたちはこれで。行こう、愛理」

 千聖くんは私の手を掴んで歩き出した。

「え。あ。うん」

 私は取り残された春川さんたちと千聖くんを交互に見た後、足早に千聖くんの後を追った。


 ――ちょっとミキ、あんたが余計なこと言うから成海くん、怒っちゃったじゃん、どうしてくれるの!

 春川さんの押し殺したような怒り声がする。


 えっ、春川さんってあんな子だったんだ。

 教室では穏やかで優しい優等生なのに……千聖くんと同じで、猫被ってたのかな。

 ちょっと怖かったから、聞こえなかったふりをした。


「ね、ねえ、千聖くん、良かったの? 関係ねーとか言っちゃって。明日にはクラス中に、もしかしたら学校中に噂が広がっちゃうかもしれないよ? 成海千聖は全然王子様じゃなかった、猫被ってた嘘つきって言われるかもしれないよ? 女子って噂大好きなんだから」

「知ってるよ。でも、いい。猫被るのはもう止めた。嘘つきでも何でも、言いたい奴には言わせとく」

「なんで、もういいの?」

 戸惑って聞く。


「昔さ、クラスの奴と喧嘩したとき、相手の親に『これだから父親のいない子は』って言われたことがあるんだよ。母さんまで馬鹿にされて、すげームカついた。そのときからおれは自分を偽ってでも『良い子』になるって決めたんだ。大人が子どもに望むような、おとなしくて、従順で、成績優秀な優等生に」

「…………」

「片親だからって偏見の目で見てくる奴はどうしてもいる。おれが馬鹿なことをしたら母さんに迷惑がかかる。だから、おれは『良い子』でいようとしたんだ」

「そうなんだ……」

 千聖くんが家の外で猫被っているのは知っていた。

 でも、そんなきっかけがあったなんて、知らなかった。

 幼馴染といっても、相手のことを全部知ってるわけじゃない。

 当たり前のことを、いまさらながらに痛感した。


「でも、いまは誠二さんがいる。まだお試し期間ってことで、籍こそ入れてねーけどさ。あの二人、すごく仲が良いし。誠二さんといると、母さんも幸せそうだ。このままいけば多分、予定通り、おれたちが小学校を卒業した後、中学に入る前に結婚すると思う。だから、いまならおれが素を出しても、ちょっとくらい羽目を外しても、大丈夫じゃねーかなって思ったんだ。誠二さんならおれの味方してくれる……よな?」

 あんまり自信はないらしく、千聖くんは確認するように私を見た。

 つい、噴き出す。


「うん。絶対味方してくれるよ。私だって、何があっても千聖くんの味方だよ」

 私は笑って、繋いだ手に力を込めた。


「ありがと。おれも愛理の味方だ。何があっても」

 千聖くんは私の手を力強く握り返してくれた。

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