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【プロットタイプ】フレンチとイタリアン

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

イタリアンとフレンチ、どっちも美食ですが、間近で見ると全く違う。

違いはうどんと蕎麦ぐらい。

純文学、大衆文学、クラシック、ジャズ。その分野を知らない人から見たら、何方も文学であるし、何方も音楽である。ただその界隈に一歩でも入り込むと、全く違う世界が広がっている。

フランス料理もイタリア料理もその一つだと思っている。


「フランス料理とイタリア料理の違いが分からない。人生で何度も間違えてる。どっちも美職の国。それ以外なんも分からない」

鏡花が家でアイスを食べていると、そんな事を呟いた。テーブル上にぞんざいに捨てられたラベルには、『ピスタチオ ジェラート』と表記がしてある。

「お前この間、ギラギラした目でフレンチ食べに行ったろ」

「そうだけどさぁ……。瑠衣たん物知りだから知ってるかなぁって……」

鏡花は自分が分からない事があると、こうやって話を吹っ掛けてくる。話の取っ掛りにする。

『物知り』などと鏡花は定義したが、小説のネタになるもの以外にはさほど興味がないので、寧ろ知らない事の方が多い。

「じゃあ、俺がフレンチ出すから、お前がイタリアン出せ」

「え、付き合ってくれるの!? 奢ってくれるの!!」

「イタリアンお前持ちな」


そんなこんなでフランス料理店に来た。黒を基調としたシックな店内。壁に配置されたモノトーンの絵画が雰囲気を助長させる。

給仕を行う店員も、燕尾服に蝶ネクタイを纏い、等間隔で俺達の世話をする為歩き回る。

最初の決め事で、同じコース料理を頼んだ。前菜に始まり、サラダ、肉料理、其れからデザート。どれを食べても複雑。一言で『甘い』や『苦い』などと纏められるものではなく、その全てが控えめ目かつ繊細だった。

「やっぱ美味しい……」

黙って目を瞑るのは、味の分析を行う為かも知れない。相応に難しく、解読に次官を要する。芸術性の高いものはきっとそうだろう。純文学しかり、クラシックしかり。


という訳でフレンチを戴いた一週間後、支払いは私持ちでイタリア料理店に来た。雰囲気を一言で表すと賑やかな酒場と言った感じ。厨房から見える逆様になったワイングラスは、綺麗に磨き上げられ光沢を放っていた。装飾品が少ない代わりにワインの空き瓶が所々に飾られている。

給仕を行う店員もシャツに黒い腰巻きエプロンとラフな格好だった。気張りすぎない分、肩を抜いた様な洒落た一面。これこそがきっとイタリア料理の持ち味なのかも知れない。

最初の決め事、『比較するなら同じ条件で』という約束の元、コース料理を頼んだ。盛り合わせに始まって、スープやパスタ、肉料理、其れからアイスのジェラートが届けられた。

味はどれも素朴。素材本来の味を生かした様なものが多く、調味料はあくまで引き立て役という立ち位置。それ故に、何を食べているのか分かりやすい。

「生きが良い分、過度に手を入れないのかな」

美人は化粧しなくても美人。なんてたまに言うけれど、あんな感じ。薄化粧していれば十二分にお綺麗という感じだろうか。

素朴である。それ故に本来の食の楽しさが見えてくる。其れはある意味、大衆文学やジャズに近いものなのかも知れない。


そうして互いが互いにフレンチとイタリアンでコース料理を食べて思った事。

「純文学と大衆文学、クラシックとジャズと同じくらい違ぇ」

――遠目から見てみると同じカテゴリ。けれども近くまで見ていると真反対に違う。

「純文学と大衆文学、クラシックとジャズと同じくらい違うわ」

――どっちも美味しいけれどね。けども浪漫主義と自然主義くらい違う。

という結論に至った。


オマケ

「瑠衣たぁ〜ん、お誕生日、何食べたい? フレンチ? イタリアン?」

「フレンチ」


「鏡花、お前誕生日どうするんだ」

「奢ってくれんの? じゃあフレンチ」

そう、フランス料理とイタリア料理、私の中では同じ括りだったんですよ。

だから国の地形見てもしょっちゅう間違えるし、フランスの話をしてるのに、イタリアの話が混ざる事も多いんですよ。


※そこのお国の方々に物凄い失礼な事を言ってます。


んでもって私が個人的に感じたこと。

フォーマルな方がフレンチ。ラフな方がイタリアン。

でもどっちも美食。

タキシードが似合うのがフランス。

ちょいワルのスーツが似合うのがイタリアン。

でもどっちもオシャレ。

こんな感じ。


どっかで聞いた話、クラシックって軍隊に例えられるそうで。

指揮者を頂点としたピラミッド構造で、指揮者の師事から絶対に外れては行けないのがクラシックだそう。


反面、ジャズって指揮者が居なくて、全てアドリブなんだそう。決められた枠の中でかなり自由に動けるのがジャズなのだそう。


そうした意味ではやはり真反対。

でも関わった事がないからしたら、『どっちも楽器を使ってるし、音楽に違いなくない?』と出ると思います。

※私もそうでした。


近くで見ると違うというのが今回の感想です。

物語で話題になる『対比』と似てるかも知れません。

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