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タネナシとキュウコン  作者: 有象む象
9/12

公康とコンビニ

瑞慶覧を、罠にはめた。二度とシャバには現れない。

瑞慶覧の父親も、ホームに入れて。出て来る事は無いだろう。

天音ちゃんに、背中がバレていた。





 照屋道場は、土地を抵当として。辺土名弁護士に預け。日々道場債権の為に、動画編集等を行い頑張っている。

 砂川や西村も、編集に携わり。暴漢役である俺に、ボカシを付け加え。

 照屋道場は、連携を見せているが。


 逆に、俺とナンシーは完全に引き離された。

 ガレージには、昼に来ているようだが。

 家にには、寄り付かなかった。


 肝心の普は、違和感を感じで入るようだったが。

 これも、普の為だ。徐々に、俺から離さなければならない。


 そんな時に、泉姉から電話がかかってきた。

 牧姉と違い。この人は、グイグイ来るから、苦手なんだよ。


 「東江。子供は、まだか。今の私なら、お前の子供をダースで育てられるぞ」


 第一声がこれだ。踏み込んでくる。


 「泉姉さん、無理なんですよ。そんなに、ポンポン作ったら。『まんだらけ教』の教祖問題が、こじれますよ」


 俺が、踏み込む事ではないが。アラブの金持ちの様に、1ダース作ってみたいものだ。


 「次は、大丈夫だ。大阪から2名の巫女を出す。それも、熊の睾丸付きでだ。それで、教祖は大阪が貰う」


 前回は、馬の睾丸だったような。その前は、スッポンを1週間食わされて。

 泉姉の気持ちが、俺のメンタルを壊しかけている。


 「それだけの連絡じゃないですよね」


 俺は、泉姉にあるプランをお願いしていた。


 「ピスタチオ(聖水(PISS)勃雄)計画な。どうにか予算が通った。取り敢えず、魔女っ子の試験から開始する予定だ」


 俺は、推薦枠を一つ手に入れて。

 マイナーな魔女っ子試験を作らせていた。


 歴代の青のフルネームとか。技名。敵のキャラ。変身ポーズまで。

 その試験のポスターを、瑞慶覧の家に、直接投函した。


 世の中には、瑞慶覧のようにグレーゾーンに分類される人種が一定数いて。

 ある分野に特化して、IQが高いらしい。


 ある分野は、数学でも、読解力でも無く。魔女っ子に置き換えてみた。

 精神科医の診断書が、最終的に必要となったが。

 そこは、老人ホームの経営上ツーカーで、処理して。お役所からも、補助金が降りた。


 本人達には、『田舎で暮らす。種を求めている女性の為に、精子を分けて下さい』と謳った。



 案の定、瑞慶覧公康がエントリーしている。

 しかも、実名のエントリーだった。


 噂が、噂を呼び。2000名の応募者が有り。

 泉姉は、少ないと言っが。俺は、多いと思った。


 だが、収容人数は限られている。

 枠は、23人で。ニートのクズから採用が決まる。


 一つは、公康が貰うから。残りは22人だ。


 俺は、間違った事を、言っていない。

 23人を、『汁男優』として、バイトをさせ。

 薬品メーカーからも、モルモットとして。薬を投与させる予定だ。


 公康のような、クズを一箇所にまとめて。

 ギリギリの薬を投与しても。表に出さない約束をしている。

 薬品メーカーからも、補助金を得ていた。


 『ピスタチオ計画』の全貌はこの位にして。

 公康の成績は、中の下だ。

 200満点中の102点で、1507番話にならなかった。


 満点を出したのが、67人いたので。

 その中から、ランダムで22を選び。


 弁護士経由でアポを取り。公康に直接内容を伝えた。

 丁度、大阪の巫女が訪ねてきていて。同伴してもらい。

 『花咲じいじ』のパンフレットを添えた。


 これには、瑞慶覧の父親が興味を示し。

 小金持ちの老人が、釣り針にかかった。


 老後の事など、考えてなど無かったのに。公康が、家を出て。働き。自立しる事で、老後を夢見始めた。


 顔を加工された美女や、目を黒線で隠したグラビアアイドルのボディに見惚れ。


 最後は、俺の隣にいる美女。何にでもツッコミをする関西弁と、はんなりの京都弁の二人の掛け合いで。場は和み。

 

 後日、瑞慶覧の父親から連絡が有り。

 学校前店のコンビニを、「買い取って欲しい」との要望が有り。

 俺は、水面下で交渉を進めていた。



 災いは突然やってくる。

 また、公康が家に乗り込んできた。


 違う。なっちゃんが置いて行ったアルファードが、襲撃された。


 公康は、駐車場に転がっていた角材を持ち。フロントガラスに向けて、フルスイングをした。


 『ドバン』


 フロントガラスは、割れる事は無かったが。無数の傷が入り。大きく凹んでいる。

 逆に、公康の方は手にシビレを感じる程の、痛みを覚えた。


 もう一度、フルスイングをして。フロントガラスに穴を開けた。


 この時点で、公康は息が上がり。『ゼーゼー』言っている。



 まだ怒りの収まらない公康は、運転席のドアに向かい。角材を振り上げ。

 ドアミラーに向けて、振り下ろし。

 ドアミラーは、破壊され。配線だけで、ぶら下がっている。


 次に、アルファードのボディを数回殴り。


 ガレージからの音楽に気づいた。

 


 朝10時過ぎの出来事だった。

 俺達は、仏間に布団を敷き。関西の2人と眠っていたのだが。

 公康の襲撃で起こされた。


 俺は、急いでパンツを履き。服を着て、サンダルで外へ出た。

 俺が、到着する頃には。公康が、ガレージのドアを半壊していて。

 ガレージの中から、大音量で音が漏れている。


 「くそガキ。何をしたか分かっているのか」


 俺は、公康の後ろからタックルをして。公康を地べたに倒した。


 「お前の性で、お父さんとお母さんが離婚した。慰謝料払え」


 公康は、俺がガレージの仲居いると思ったらしい。

 しかし、ガレージの中にいるのは、ナンシーだ。

 俺とナンシー以外、ガレージの鍵を持ち合わせてい無い。


 『ピスタチオ計画』の事もある。事態を大きくする気は無かった。


 「お母さんが、家から消えたんだよ。家を売って、アパートに住むんだって。俺の大きな焼きそばは、誰が作るんだよ」


 公康は、自分の事しか考えていなかった。


 俺は、急いで立ち上がり。

 ドアに空いた穴から手を入れて。ドアの鍵を開ける。

 ガキ共に使った、インシュロックを手にして外へ出た。

 公康を、うつ伏せにする為に転がして。うつ伏せにし。後ろ手に縛り。足首も縛った。


 「卑怯だぞ。正々堂々と勝負しろ。俺は走ってここに来たのだぞ」


 どうせ、大道りから走っていただけだろうが。

 公康に構わす。瑞慶覧の父親と辺土名弁護士を呼びながら。ガレージに入った。


 「ナンシー、ナンシー」


 そんなに、広い空間でも無い。隠れる場所も限られる。


 簡易的なシャワールームのカーテンは、開いていて。

 建て付けただけの流しの下と、簡易的サウナの中だ。


 ナンシーは、サウナの中にいた。

 扉を開けると、熱風が飛び出し。服を着たナンシーが倒れている。


 俺は、急いでナンシーを担ぎ出し。冷蔵庫から、ありったけの氷と、飲み物を取り出して。ナンシーの体を冷やした。


 「あり が とう。すば るさん」


 ナンシーは、タドタドしく。意識が、朦朧としながらも。感謝を告げようとしている。


 俺は、ナンシーの側で。手を握り。

 「大至急。救急車をお願いします」


 スマホを置き。ナンシーを抱き寄せて。スポーツドリンクを口移して飲ませた。


 意識が戻ったのか。不安が残るが。


 「昴さん。愛してる」


 俺は、ロミオの気持ちを少し理解し。

 「俺も、愛してる」

 

 俺は、ナンシーに強く抱きしめられ。

 火照るナンシーの首元に、氷を当てながら舌を絡めた。


 救急車よりも早く、暇な辺土名弁護士が到着して。

 俺は、ナンシーと一緒に救急車に乗り込んで。手を握り離さなかった。


 ナンシーは、点滴を打ち。顔色も良くなった。


 俺達は、帰りのタクシーで、3週間ぶりに会話を重ね。

 翌日から、通常通り日常を送り。

 普の為だと思い。言い聞かせ。ガレージから、距離を置いた。


 瑞慶覧の父親とは、後日の話し合いとなり。


 何でも屋の金城くんに、薄いベニヤ板の扉では無く。

 団地の重たい鉄の扉に替えた。



 そして、瑞慶覧の父親との話し合いがは始まった。


 瑞慶覧の父親は、離婚が成立して。沖縄を発ち。『花咲じいじ』に骨を埋める気らしい。


 残っていた、アパートを追加で買い取って欲しいと、要望してきた。


 「これだと、土地が小さく。底値で買い取るが良いですか」


 瑞慶覧の父親は、俺の要望を飲まないとならなく。全ては、公康の性なのだが。


 「問題有りません。公康が独立してくれただけでも、感謝しか有りません。有難う御座います」


 瑞慶覧の父親は、弁護士も引き連れず。辺土名弁護士の書類にハンコを押すだけだった。


 確かに。弁護士を連れてきても無意味だ。公康が暴れたことが原因で。

 離婚したのが発端なのだから。


 後から聞いた話だが、公康が言っていたのは。2000kcalのカップ焼きそばで。

 いい歳のオジサンが、カップ焼きそばを作れない。世も末だ。


 俺は、新たなアパートとコンビニを、赤嶺社長の名義にして、税金対策も有るが。

 元ヤクザが、経営者となると。営業や会合にもでづらい。


 そこで、朱美を経理に入れて。不正のチェックをさせる事で。

 赤嶺社長を、置き物としてすえて。役割をさせた。



 ナンシーは、仕事の量を増やして。バイトを辞めて。チーママにまで上り詰めた。

 辺土名弁護士や赤嶺社長など。昔の知り合いを呼び、成績を上げている。



 そんな時に、2つの事件が起きる。


 コンビニ学校前店での話だ。

 一つは、瑞慶覧の母親が現れた事だ。 


 今、保有しているアパートの売却を、検討しているらしい。


 瑞慶覧の父親を訪ねて来たのだが。彼は、金を持ち公康と共に、既に関西へ旅立っている。


 「あの団地前店の横のアパートを売りたいと。言うことですが。お金にお困りなのですか」


 話し次第では、定価で買おうとも思っている。


 「公康が居なくなって。40年ぶりの自由なの。思い切って、明洞に旅行しようかなって。思っているの」


 瑞慶覧の母親は、瞳を輝かせている。

 服装が派手なのは、反動から来るものなのか。


 「チェジュ島では無く。明洞ですか」


 ホテルでカジノしるのが、ルートと思っていたから。


 「韓国ドラマの聖地巡りをしたいのよ。男の人には、理解されづらいのよね」


 おじさん達には、理解されない。ドロドロしない、ピュアなラブストーリーと。あのマスク。

 甘やかしてくれる。言葉の数々。


 瑞慶覧の母親は、半分ここに無かった。

 お花畑になっている。


 「あのアパートを売却して。大型船で、台湾にクルージングしても見たい」


 熟年離婚の反動がこれか。恐ろしいな。幾ら有ったら、足りるのだろう。


 「それでしたら、俺に買い取らせて下さい。底地に、少し色を足しますから。是非」


 瑞慶覧の母親は、迷いが無かった。


 「貴方に、お願いするわ。実際、良く分かってないの。父親の財産を、受け継いだけど。お父さんが、半分持っていっちゃうし」


 瑞慶覧の母親は、口を押さえて。

 「離婚が成立したのに、お父さんは、おかしいわね」


 瑞慶覧の母親は、物悲しそうにも見えた。


 あのスケベなジジイは。勝手に、人の財産を使い込んでいる。許せん。


 「それでしたら、ウチのアホな弁護士と、スケベな不動産屋を。ご紹介いたしますよ」


 俺は、アパート2件とコンビニ2件を、赤嶺社長名義にして。面倒事を、丸投げし。

 ヤクザのフロント企業のように裏で儲けた。



 もう一つは、早苗から変な話を聞かされる。


 「おはようございます。東江さん」


 真琴の同級生だ。麻美と三人いるのをよく見かけるが。バイトを探しているのか、求人誌を手にしている。


 「おじさんのコンビニ団地前店で、バイトをするか。深夜に、外国人を回そうと考えている矢先で。こっちも助かる」


 いつものコンビニだ。皆が良く集まり。深夜に営業妨害している店だ。


 「良いんですか。お願いします。家が近いんで、助かります」


 今度は、笑顔で頭を下げ。俺にも都合が良かった。


 早苗がバイトを始めると。近所の女子校が集まり始め。


 「ねぇ。あのブタ本当に消えたの」

 「昼に、生理用品買いに来たら。奥から出てきたブタ。居ないの」

 「絶対に、制服狙いだったよね。あのブタ」 


 公康は、ここでも嫌われていた。

 トイレや更衣室のカメラは外してある。


 「居ないの。東江さんが、二度と帰ってこないって」


 早苗は、団地以外の女子高生を集め。収益を上げ。

 この頃から、俺の悪評が広がり始める。


 「東江さん。学校で変な男が、真琴に声を掛けて来るんですけど。どうしたら良いですか」


 藪から棒で、考えた事も無かった。嬉しくも有るが。まだ早い、と思う面もある。

 そもそも、父親だったら否定するのだが。少し悩んだ。


 「俺が、関わって良いのか。子供の恋愛に」


 「違います。一方的に付き纏われている。って言うか。邪魔してる感じです」


 俺が、考えながら話そうとすると。

 早苗は、違う感じで。ストーカーされている、みたいな口ぶりで話す。


 「そんなに、ヤバい奴なのか」


 公康といい。今回の古波蔵といい。変な奴ばかりだ。


 「バレー部のエースで。ルックスだけは、良いんですけど。中身は最低です。他所のバレー部の女子にも、最低と知れ渡るほどです」


 ガキ共の問題に、大人が関わるのは。ましてや、異性で京子の娘の恋愛である。


 「そんなにヤバい奴なら。真琴に、手を出したら。怖いおじさんが出てくるって。脅しててくれ」


 俺は、最近のガキを舐めていた。

 特攻隊長をしていた三上達も更生してるし。早苗達もいい子だ。


 俺の周りは、目まぐるしく動き始め。

 コンビニやアパートのダニ退治を行い。


 アパートの通路を清掃したり。駐車場の白線を、塗り直したり。街灯の蛍光灯も、LEDに変えた。


 出費がかさみ。5億の金が消えつつあるが。

 ナンシーと朱美の金は、別にして取ってある。


 そんな時だった。

 深夜に、ガレージのランニングマシーンで、汗を流していると。


 『カチャ』


 突然、サウナの個室が開き。ナンシーが、出てきた。

 仕事を休んだのか。赤襦袢だけを羽織り。

 帯も締めずに。陰毛は、借り揃えられている。


 俺は、戸惑ったが。

 ナンシーに、抱きつかれて。キスをされたら。理性は消えていた。


 まだ、ビニールのかかった、真新しいソファーで。俺は、ナンシーを抱いた。


 1回戦が終わり。賢者タイムのとき。

 ソファーの背もたれは、平らになり。ベッドになっている。

 ナンシーは、俺の腕に収まり。

 二人の体は、赤襦袢で隠している。


 「わがままで、ごめんなさいね。情緒不安定なんだけど。昴さんを失うなんて考えられない」


 ナンシーは、重たい口を開いた。


 「縛られるほど、燃え上がるのかな。浮気を、している訳じゃないのに。罪悪感が増して。女の部分が抑えられないし。何度も、東江さんを求めようともした。私を。普もだけど。何度も、助けてくれるヒーローなの。昴さん、愛してる」


 ナンシーは、足を絡め。右手で俺の肩を触り。胸にキスをした。

 俺も、ナンシーの耳や頬を触り。


 もう一度キスした。


 「俺も、愛してる」


 理性を失い。抱いたのだから仕方が無い。

 お互いに、我慢をしていた。


 「昔のように、何度も抱いてくれる」


 「もちろん、嫌いになった訳じゃない。俺達には、もう少し時間がある。普が、中学生に上がったら説明しよう」


 俺は、問題を先送りにした。

 答えなんて、簡単に出るはずも無く。俺の存在が、バレなければいいだけだ。安易に考え。


 普通に考えたら、警察官なんて。誰でもなれる。規律を守り。挫折をしなければ。

 ましてや、普の父親は殉職した警察官だ。

 ヤクザを、憎んでいるだろうと思うに違いない。


 「二人の事も。『まんだらけ教』の事も、どうでもいいの。昴さんの側で、愛してもらえるなら。10年後に、普が警察官なったら。籍を入れて。東江を名乗るの。これだけは守って。私と婚姻を結ぶの。式とか、子供とかは。考えていないの。側で、見守って欲しいの」


 ナンシーからのキスの催促が有り。

 俺は、それに応えた。


 「もう、何か言ってよ。幸せにするとか。ダイヤの指輪を買いに行こうとか。何か無いの」


 ナンシーは、不機嫌そうだったが。


 「先ずは、俺の息子を小さくしてくれ。コレだと、指輪を買いに外へは出られない」


 俺は、赤襦袢を捲り。勃起したペニスをナンシーに見せた。


 「なんで。真面目な話ししてたよね。スッポンの血を飲んだようには、見えなかったけど」


 「愛の力だ」

 即答した。


 「もう。久しぶりなんだから、優しくしてよね」


 ナンシーは、俺にまたがり。熱い口づけの後。左手を伸ばして、ペニスを握って。挿入した。



 ナンシーは、いつものように。家に来るようになった。


 悲劇のヒロインを、演じるようになり。嫉妬して。誘うときは、激しいプレイになる。



 「東江のおじさん。ママが僕の頭を吸わなくなった。ありがとう」

 普は、少し照れくさそうに。登校中に感謝を述べた。


 俺の日常は、戻りつつあるが。

 ほころびは、直ぐに訪れる。


 俺は、朱美と天音ちゃんと。買い物デートをしていた。


 普通に、何気ない買い物で。野菜を買い足し。天音ちゃんのウエハースチョコを買う予定だったが。


 乾麺のコーナーで、問題が起きた。

 

 「パパがいる」

 天音ちゃんの一言だった。


 天音ちゃんは、激辛のカップ焼きそばを指した。


 俺と朱美は、目を合わせ。次に、周りを警戒した。


 俺は、天音ちゃんをカートから抱き上げて。

 カップ麺を取り、顔の横に並べた。


 「パパと、何処がにているのかな」

 俺は、恐る恐る小声で聞いた。


 「お顔じゃないよ。パパのココの絵だよ」

 天音ちゃんは、肩に回った手で。背中を叩いた。


 「天音、パパがお風呂の時に見せたの」

 朱美も、近付き。小声で話した。


 天音ちゃんは、首を振った。


 「パパが、寝ている時に見たの」

 朱美が、別な質問をするが。


 天音ちゃんは、この質問にも首を振った。


 「パパの背中をいつ見たの」

 朱美が、少しトーンを上げると。


 「パパが、ベッドの火を消したとき。ママをの服をビリビリにして……」


 俺は、天音ちゃんの口を塞ぎ。持っていた、カップ焼きそばをカートに落とした。


 お菓子コーナーで、ウエハースチョコを買い足し。


 「パパの背中の事は、皆に内緒にしようね。今度、魔女っ子の映画を見に行こうか」


 俺は、天音ちゃんを、魔女っ子の映画で釣った。

 天音ちゃんの魔女っ子グッズが、一つ増えて。

 203号室は、狭くなりつつある。

高評価とブックマークを感謝します。

私が書いているのが、小説になっているのか。プロットの延長なのか。気になりますが。

取り敢えず、クライマックスと。10万文字を目指そうと思います。

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